sideカノーテス・ディミトリウ
「こちらなど如何でしょう?」
「ふむ……少し派手だね?」
今日はパパとママと一緒に買い物に来ている。
来ていると言っても……従業員の人達が商品を持ってきてくれるからそれをパパママが判断してるだけだけど。
……退屈だわ。
買うものは自分で選びたい。……あわよくば日巡璃が一緒にいるともっと嬉しい。
………………本音を言うと天捻も。愛も。佳舞も居てくれたらもっと楽しい。
「…………ハァ。」
「カナ?どうした?」
「……なんでもないです。」
口から出ていたみたい。正さないと。
こう考えると……私もなんだかんだ日巡璃を独占したい〜から、日巡璃を全員で離したくないって方に価値観がシフトしているのかもね。不本意だったけど。
あの3人には感謝してる。寮なんて私の手が及ばないところで日巡璃に何かあったら、私は何をするか分からない。
あの3人がいい意味で壁になってくれている。…………初めは嫉妬してたけど、日巡璃と気持ちを確かめあって、身体を重ね続けた結果……嫉妬とかじゃなくなった。
私にとって日巡璃はかけがえのない人だし、それは日巡璃も一緒。確信がある。…………だからこそ閉じ込めたい。私だけしか見れなくしたい。
心がふたつあるわ……
「カナ。これはどうだい?」
「……ちょっと背中が開きすぎじゃないかしら?」
買い物に着いてきたと言ったものの……買うものは私のドレス。私の誕生日パーティがそろそろ行われる。それ用のドレスだ。
正直あまり乗り気じゃない。それに、予定が複数重なったせいで一月中ではあるけど……多少ズレてしまったのも要因のひとつではある。
知らない人に祝われる誕生日ほど退屈なものはない。
「む……それもそうだね。」
「私にはもう心に決めた相手が居るのです。わざわざ肌を見せてまで出会いを求める必要はないです。」
「たしかに。それもそうだね。……ではそのように。」
「はっ。」
従業員の人が出ていく。
「……はぁ。やーっとわかってくれたか。」
「ごめんなさいね。カナ。あなたを悪者にしちゃって……」
「まぁよろしいでは無いですか。従業員さんも張り切っているのです。」
「そうだね。」
もう私の頭の中は日巡璃のことでいっぱい。他のことに割く思考など不快でしかない。
ふとカタログが目に入る。
……日巡璃に合いそう。これ着てる日巡璃……綺麗だろうなぁ。
「……ふふ。」
「?」
ママが急に笑いだした。
「カナちゃんは……日巡璃ちゃんのこと本当に大好きね?」
「!?」
なんでわかったの!?
「ハハハ!カナは日巡璃ちゃんのこと考えてると目の色が違うからね!日巡璃ちゃんに似合いそうなドレスでも見つけたかい?」
「…………はぁ。降参です。」
パパとママに思考を読まれてしまった。恥ずかしいとともに、私のことをしっかり見てくれてるのだと……ほんの少し嬉しい。
「うふふ。そうよ!日巡璃ちゃん達も呼べばいいじゃない♪」
「え?」
「それもそうだな!カナに変な虫が着くのは許せないし……ちょうどいい!」
「え??」
「そうと決まれば早く連絡を入れないとね♪」
「ハハハ!パパから連絡をいれておこう。休日だし……予定を合わせてもらおう!」
「え?え?」
あの……え?日巡璃が……パーティに来るの?……達ってことはみんなも……??
「……本気?」
「「本気さ!」よ!」
こうなったパパとママは絶対やる。絶対に。やる。
「……ドレスもう少し露出があった方がいいかしら?」
……私……だいぶ色ボケてるわね。
日巡璃とパーティできるだけでもう色んな思いがすっ飛んじゃった。
もうどうにでもなーれ。