side槍田日巡璃
今日はなんだか〜♪スキンシップがしたい気分〜♪
「カナ〜♪カナカナ♪」
「も〜?今日は何?」
放課後。
1月もそろそろ終わりが見えてきた頃。カナが今日はちょっと迎えが遅くなるとの事で……ちょうどいいので膝に乗っけてハグしてた。
天捻ちゃんはと愛ちゃんは今日は用事があるとの事で……佳舞ちゃんは課題だって。
みんなをひとり寮で待つのもあれなので、カナを抱っこして待つことに。
「ん〜ん♪カナの事大好きだなって♪」
「……ふふ。私も好きよ?」
カナの後頭部に顔を埋める。
「ふわふわ〜♪いい匂い〜……♪」
「当たり前じゃない。私の全身隅々まで抜かりはないわ。」
カナの頭の上でリボンがフヨフヨ揺れる。私が誕生日プレゼントで渡したもの。
カナはあれからずーっと朝早く教室に来て、教室で私にリボンをしてもらうのが日課になってる。お陰様である程度形になるようにはなりました!
なったけど……まだバランスちょっと悪いよねぇ?精進あるのみです。
彼女達で髪が長いのカナと佳舞ちゃんなんだけど……佳舞ちゃんはストレートで結びやすそうなのに本人が嫌がってる。綺麗な髪だよねぇ。
カナはちょっと癖っ毛寄りだけど……天然の緩いウェーブがかかってて、すっごく綺麗。どんなドレスも合いそう。お姫様って感じ。
「あ。そうだ。」
「?」
「ねぇ日巡璃。リボンもう1個作れないかしら。」
「もう1個?いいけど……どうしたの?」
「新しく欲しいなって……布と糸の指定があるのだけれど、いいかしら?」
「いいよ!期限は?」
「3日ほどでどう?」
「全然大丈夫!」
「うふふ。交渉成立ね?荒谷に連絡しておくわ。」
「わかった!頑張るね!」
「ありがと♪」
よーし!お仕事できちゃった!ちょうど土日の間はインターンがない(コスチュームの都合)し……頑張って作り上げちゃお!
「〜♪」
カナが鼻歌を歌いながらスマホをポチポチ。多分荒谷さんに連絡してる。……機嫌がいいカナもすっごく可愛い♡
で〜も……
「……」
カナをぎゅぅっと抱きしめる。
「どうしたの?」
「今は私の事だけ考えて欲しいなって。」
「……はぁ……それ無意識?」
「ん〜??」
「ホント……私の心をなんだと思ってるの?」
「?」
「……もう。」
カナが机の上にスマホを置いて、私の手に自分の手を重ねる。
「私の1番は日巡璃よ。今日も。明日も。これからも。何があっても。」
「……それはご両親を1番にしてあげて?」
「ふふ。どうしようかしら?」
「泣いちゃうよ?」
「あら。それは大変ね。」
「カナは酷いなぁ??」
「酷い女は嫌い?」
「大好き♡」
「私も♡」
カナが全体重を預けてくれる。……私はこのタイミングが好き。安心してくれてるってわかるから。
これだからスキンシップは辞められねぇんだ。
「……キスしたい。」
「カナ〜?」
「なんならえっちもしたい。」
「なんならじゃないよ??学校だよ??」
「……日巡璃のことが好きすぎて……毎日お持ち帰りしたい。こんな可愛い子が私の手元にいないのがありえない。」
「私カナからもう離れられないんだけど……多分生きていけないよ?」
カナが私の手に指を絡める。
「……日巡璃……一緒に住みましょうよぉ……私の家だったら部屋空いてるわよ?」
「うーん……そうなるとほかの3人が……ね?」
「…………はぁ……わかってる。」
「ごめんね。カナ。」
「ううん。いいわよ。」
カナだってわかってる。私も理解してる。今どう頑張っても出来ないこと。あと2年。2年がもどかしい。
カナは寮暮らしが出来ない。当たり前だよね。いい所のお嬢様だもん。実家から通えるなら通った方がいいよ。安全だし。
私だってカナと一緒に暮らしたい。おはようからお休みまでカナと一緒に居たい。でも私たちは……子供だから。
「お嬢様。」
「あ。愛ちゃん!」
「何してたの?」
「……」
私にベッタリくっついてるカナを少しだけ羨ましそうな目で見る愛ちゃん。……後で同じことやってあげよ。
「色々確認をしていただけです。」
「確認?」
「はい。」
「……」
「……」
あ。これ話せないやつかな??
「何のよ。」
「今はまだ話せません。」
「ふーん??」
……おや?愛ちゃんにアホ毛が……可愛い♪
「愛ちゃん。髪跳ねてるよ。珍しいね。」
「!申し訳ありません。お見苦しい姿を……」
すぐに鏡を取り出し、髪を治す。
「……ねぇ。愛。」
「どうかしましたか?」
「アンタ今なにしてんの?」
「……」
「私の家に招待した時からちょっと怪しかったのよね。……まぁやってることはわかるけど。」
「!」
「ん〜?」
カナの別荘にお泊まりした時?……そういえば愛ちゃんがいなかったタイミングが多かった気が……
「あのねぇ。アンタひとりで勝手に動くのはいいけど、いつものアンタらしくないミスが出るのはどうかと思うわよ?」
「……申し訳……ありません。」
「カナ……ミスってほどじゃ……」
「ううん。ここは怒らないといけないわ。日巡璃。……パートナー以前に従者の身だしなみが乱れていると、貴方も同じ評価を受けてしまうの。……特に私たちが居るような場所ではね。」
「!」
社交界……みたいな所かな?そっか……カナはずーっとそんな場所に居たんだもんね……私の代わりに注意してくれたってことかな?
「そっか。……ありがとう。カナ。」
「……ふん。いいのよ。」
「…………お嬢様……」
「ね。愛ちゃん。……何してるのかな?私にも教えて欲しいよ。一緒に出来ることがあればやろ?ひとりで抱え込む必要はないと思うんだ?」
「…………承知しました。」
諦めたかのように息を吐く愛ちゃん。……そんなに重いこと……?一体何が……
「実は……」
「……(ごくん」
「どうにかお嬢様達と家を持てないかと画策しておりまして……」
「……家??」
「はい。そうすればカノーテス様も一緒に暮らせるのではと思い……」
「!!」
愛ちゃん……そんなこと……!
「……フン。そんな事だろうと思ったわ。パパとママが言ってたもの。」
「口止めをお願いしておいたのですが……やはり広がってしまいますね。」
「……愛ちゃん!」
「はっはい!!」
「もう!なんでそんなこと黙ってやってたの!!私だって力になれたかもしれないのに!!」
「いや……えと……」
タジタジし始める愛ちゃん。
「……どうせ日巡璃にびっくりして欲しかったからとかじゃないの?」
「う……」
「サプライズでもして、もっともっと好きになって欲しかったとか。」
「うぐ……」
「まぁどうせ住む家と土地が用意できなくてウロウロしてたんでしょうけど。学生ひとりでどうにかなる問題じゃないわ。」
「うぐぐ……」
「……カナ。クリティカルヒットしすぎだよ。」
「事実を言った迄よ。考えが甘いのよ。」
「うぐぐぐぐ……」
愛ちゃんの顔がどんどん真っ赤に……
「……家が無理なの?」
「…………はい。家と土地がどうしても……」
「……うーん。」
「はぁ〜……そんなお金がないのにどうするつもりだったの?」
「やってみないと分からないではありませんか!」
「やってみなくてもわかるでしょポンコツメイド!!」
「貴方と別れたあとのお嬢様の寂しがる顔が苦しかったのです!!察しなさいこの色ボケ幼女!!」
「はぁ!?私のためでもあるってこと!?それはありがとうね!でも何も考えずに行動するのは違うわよ!」
「一緒に暮らすとなればご両親の許可は必要でしょう!!時間がかかるのも当たり前です!!」
「ギャーギャー!!」
「ワーワー!!」
家と土地…………あれ?
「…………あのさ。」
「「何?」んですか?」
「それ……何とかできるかも。」
「「え?」」