side槍田日巡璃
「え?ダメ。」
「なんでぇ!?」
おねーさんにおうちのことを頼みに行ったら……一蹴された。
「当たり前じゃない。そんなすぐホイホイ家が建つもんでもないの。色々契約しなきゃだし……ちゃんとした所に住んで欲しいからね。」
あ、そっち??……一周まわって心配になってきた。
「…………えと。頼んでる立場で何言ってるかわかんないんだけど……ホントにいいの?私達のわがままなんだけど……」
「いいのよ。私がしたいだけだから。ありがたく受け取っときなさい。」
「……ありがと!!」
「出来るようになったら言うわ。それまでにやることあるなら終わらせとくこと。いいわね?」
「はい!」
おねーさんがカップの中の飲み物をひとくち。そのカップ……Blood bouquet……?血の花束ってこと?そんなグッズあるんだ……ちょっと欲しい。
「……学生同士で家を持つなんて……世間も変わったわね。」
「おねーさんにおんぶにだっこだけどね?」
「いいのよ。好きなだけ甘えなさい。間違いは正してあげる。」
「えへへ!頼りにしてます!」
一旦保健室を後にする。
そしてみんなに連絡。
『……ホントにいいのかしら。私たちのわがままなんだけど。』
『それはそうですが……』
「やって貰えるならありがたく受け取っとけって。……おねーさんらしいよねぇ……」
『……?』
『さっきから一体なんの話だ??』
早く伝えたすぎて、みんなのグループに通話をかけた。放課後だったし……バラバラだったら大変だしね!
「あれ?天捻ちゃんと佳舞ちゃん知らないっけ?」
『言ってませんし。』
「言ってあげてよ……って私達も聞いたのつい最近だっけ。」
『なんだ?なんだ??』
『実はですね……』
『……本当にいいのか???』
『わかるわ。本当にいいの?』
『懐が……深すぎて……一周まわって不安。』
「ね。」
おねーさんホントになんでもありじゃん。なんかすごく便利な人って使い方してるみたいでヤダ。
「……でも……カナと一緒に暮らしたいし……」
『……う……』
『ん。……1人だけ……いないのは寂しい。』
『……』
『……』
愛ちゃんも佳舞ちゃんも黙っちゃって……あらあら♪
「これ愛ちゃんと佳舞ちゃんもなんだかんだ寂しがってます。」
『お嬢様!?』『日巡璃!!』
『……ふん。素直じゃないわね。』
「カナもね!嬉しいくせに!」
『……覚えてなさい。日巡璃。』
「やーだよ!」
『もう!』
『『『「あはははは!」』』』
こうやってみんなで話すだけで楽しいんだから……毎日毎日顔を合わせて、触れ合って……絶対めちゃくちゃ楽しいよね!
「そういえばさー。そろそろ2月だよね。」
『ん?そうね。』
『どうかした?』
「聖愛学院との合同授業そろそろだなぁって。」
『……そういえばそんなのありましたね。』
『聖愛学院?……あぁあの変なやつの学校か。』
「ミトちゃんね?」
佳舞ちゃん??覚え方。
「そろそろミトちゃんとも会えるんだ〜♪楽しみだなぁ♪」
『……日巡璃はあの変なのが好きなのか?』
「変なのって……好きだよ!好きだけど……なんか皆のとは違う気がするんだよね〜。なんて言えばいいんだろ?難しい……」
『そうか。』
どうしたんだろ??
『ま。話してる感じだとあっちもそんな感じ無さそうだから信じていいんじゃない?』
『…………そうか!』
「?」
『かまかま……多分嫉妬してた。』
『バッ……!?』
「え!?何処に!?」
そんな場所あったっけ!?
『新しい彼女……ってところ……かな?』
『うぐ……』
「え?なんでなんで??もう作る気ないよ!?」
『これ以上増えると日巡璃に可愛がってもらえる時間が無くなる〜とかかしら。可愛い所あるのね。』
『……黙秘する。』
『全員で共有しているのですから……お嬢様も私達個人個人をキチンと愛してくださってますし気にすることないのでは?』
『黙秘するっ!!』
「……佳舞ちゃん♪今日も一緒にお風呂入ろうね?」
『…………うん。』
「一緒にご飯食べようね!」
『……うん。』
「一緒に寝ようね?」
『……今日は隣がいい。』
「可愛い。」
『………………ふん!!』
カナはちょっとツンツンしてるけど、常に私の事しか考えられないくらい大好きで……
天捻ちゃんはじっとりねっとり。ずーっとくっついてるくらい私の事大好きで……
愛ちゃんは私の隅々までお世話して管理したいくらい私の事大好きで……
佳舞ちゃんは私に溶けるくらい甘やかして欲しいくらい大好きで……
みんな私の事大好きってわかるから、私もみんなのこと大好きってするんだよ?全員離したくない。全員私のモノ……♡
「ね。皆♡」
だからね……
「ずーっと一緒だよ?♡」
私カタツムリだから。ネチネチ粘着して、一生離してあげない。ずーっと殻に閉じ込めて……ゆっくりねっとり。
全員のことトロトロにしてあげる♡
離れちゃヤダよ?
prrrr……
「?」
電話。私のだ。
お風呂上がり、愛ちゃんに髪を乾かして貰ってる時に電話が鳴った。
「誰だろ……?カナのパパ??」
「なにかされましたか?」
「なんで私がなにかした前提なのさ。」
もう……と電話に出る。
「はい。槍田です。」
『ハッハッハ!やあ日巡璃ちゃん!』
「ご無沙汰してます!お元気ですね!」
『うむうむ!当たり前じゃないか!綺麗な妻と、可愛い娘とその彼女!毎日幸せだとも!』
「ありがとうございます!今ちょっと手が離せないのでスピーカーでいいですか?」
『いいとも!お部屋かな?』
「はい。彼女もいて……」
『ふむ。……なるほど。大丈夫さ!』
「じゃあ失礼します。」
スマホを置いてスピーカーに。化粧水つけなきゃ。
「何かありました?」
『いや!こちらはいたって平和だよ!何事もない!』
「無茶はなさらないでくださいね?事故があったですし……」
『ハハハ!大丈夫さ!』
鏡に映る愛ちゃんと目が合う。ふたりでヤレヤレと言った顔。
奥で天捻ちゃんとが佳舞ちゃんの服を着せてる。ありがとね。
『それでなんだが……今度の土日は暇かい?』
「土日ですか?まだ予定は入ってないですけど……」
その頃には一旦インターンは終わる予定だし……
『であれば、みんなでカナの誕生日を祝わないかい?』
「「え??」」「「?」」
カナの誕生日はもう過ぎてるけど……??
『いやいや。実はね、カナの誕生日パーティを毎年色んな人を招待して盛大に祝っていたんだが……ちょっと予定が縺れてね?調度良い機会だし、君たちもどうかなと。』
「……それって私すっごく場違いなのでは???」
『そんなことないさ!カナが選んだ相手だ!場違いも何も僕が吹き飛ばしてあげよう!』
「……えと……」
愛ちゃんと目が合う。
「……」
あー……この顔はお任せしますって顔だ。
「えと……」
『カナが君のためにドレスを選んだんだ。ぜひ見て欲しくてね!』
「行きます。絶対行きます。」
『食い気味だね??』
そんな事言われたら行くしかない。絶対行きます。