side槍田日巡璃
「オーッホッホッホ!」
「「「また来た。」」」
「なんですって!?」
2月の初め。はい。そうです。聖愛学院との合同訓練でミトちゃんが来ました。
「ミトちゃんお久♪」
「ええ。お久しぶりです。ヒマちゃん。」
ということで友好関係を(ry)今は教室です。……と。
相変わらず集合場所は私の席の周りなんだねぇ?
「愛留真子(あるまこ)ちゃんも居るんだね?」
「ご無沙汰しております。お会いできて嬉しいです。槍田様。」
あれ……こんな子だっけ??
「はい。今回は新しい子も多いので……清寺さんはサポートとしてお呼びしました。」
「はぇー……頼られてるんだねぇ。」
「当然です。……問題児もおりますし。」
愛留真子ちゃんがちら……と少し賑やかな集団に目を向ける。
「よろしくねーーー!!!!」
「よろしく〜!」「いえーい!」
髪が青いおだんごの子が、クラスの子と仲良くしてる。……のを3人ほど制御しようとしてる子も。大変そうだねぇ……
「…………問題児って……あの子?」
「亦亘 初華(またわたり いちか)様です。今年度から聖愛学院に転校なされて……」
「へー……」
「聖愛学院って感じじゃない子ね。」
「「……」」
愛留真子さんもミトちゃんも目を逸らす。自覚あり。
「……元気だねぇ。」
「……悪いところではないのですが、少々元気すぎですわ。……何故か懐かれましたし。」
ため息。お疲れが見える……なんかちょっぴり可哀想。
「!」
ミトちゃんが分身を召喚。それに反応して愛留真子さんが糸を出し始めた。蚕だからね!……それはそれとして何が……?
「「「?」」」
「みーちゃーん!!私も混ぜてー!!」
jump&Dive!
それを分身さんが受け止めて、愛留真子ちゃんが糸で雁字搦めに。流れるような手つきだ……熟練だね。
「うわあああ!?!?」
「あなたは少し落ち着きなさい。」
「今昔鏡様のお手を煩わせるなど……」
「んへへ!みーちゃん!私ともお話しよーよ!」
屈託のない笑顔。タレ目でにへらと笑うこの子…………
「日巡璃みたいね。」
「お嬢様みたいですね。」
「え!?……いやまぁそんな気はちょっとするけど。」
なんかちょっとだけシンパシーを感じる。するとその子と目が合う。
「……おぉ……大っきいねぇ!」
「私槍田日巡璃。よろしくね?」
「うつぎだ……ひま……あれ?みーちゃんが言ってた子ってこの子??」
「そうです。粗相の無いように。」
「……ふーん。」
……あれ?
「鎌足さん。この子の糸を切って差し上げて?」
「はい!今昔鏡様♪」
腰に木刀を帯刀した子が歩いてくる。あの子が鎌足さん?
鎌足さんと呼ばれた子が、腰を落として構える。……あれ……居合?
「♪」
一瞬。すると糸だけパラリと切り落とされ、亦亘さんが自由になる。
「「「おおおお!」」」
「おぉ……すごーい!おねーさんみたい!」
「鎌足さんの居合はいつ見ても見事ですわ♪」
「お褒めいただきありがとうございます。」
「みーちゃーん!!」
「きゃあああ!?」
がしゃーーん!
ミトちゃんが吹っ飛んでいった。愛留真子ちゃんがフォローに入った。……大変だねぇ?
「槍田様ですね。今昔鏡様からお話は聞いております。鎌足(かまたり)クリスチーナと申します。」
白い髪を短くまとめたかっこいい人が頭を下げてくれた。
「クリスチーナ?ギリシャの人?」
「はい。叔母がギリシャ人で。」
「へぇ。私は両親がギリシャ人よ。」
「うふふ。不思議な共通点ですわね?」
「……クリスチーナって名前はギリシャに多いの?」
「語源がギリシャなのよ。」
「へー……!」
知らない知識だ……
「個性かっこよかったねぇ!その木刀は個性のためなんだ!」
「はい。私の個性に必要なものですので。」
しっかりしてる子だ……ちゃんと強そう。っていうか他の子もなんかちゃんとしっかりしてる。みんなとちゃんと仲良く話してる。
……前回とは大違いだね?
「……今回は仮免許を持ってる者だけにしましたの。」
「ミトちゃん!無事だったんだね!」
後ろを見ると糸で雁字搦めになって吊るされてる亦亘さんが……
「ですので今来ている者はみな貴方達と同じ実力者。精鋭を集めましたの!」
「うわぁ!!楽しみだねぇ!」
「実力者って聞くだけでテンション上がるの貴方だけよ?」
「そう??」
「鎌足さん。根岸さんと翁長さんを。」
「はい♪承知しました。」
「ついでに亦亘さんを連れていってください。清寺さんもお付けします。」
「清寺様が居られるのでしたら安心です♪」
ということで入れ替わりでふたり来た。
「私は根岸 醇大(ねぎし じゅんだい)ですわ。個性は芳醇。様々な香りを出すことができますの。」
「私……翁長阿(おなが おもね)。個性は加重。体重を何倍にも増やせる。」
つり目でミトちゃんやカナよりも顔がキツイ茶髪の子。根岸さんと、眼鏡で黒髪、丸顔の翁長さん。
「ふたりともよろしくね!」
「なんかすごい失礼なこと思われた気がしますわ?」
「根岸さん。私もよ。」
「……日巡璃?」
「ナニモオモッテナイヨ-!」
危ない危ない。よく顔に出るんだよね。
「ふーん?」
カナが私の顔を覗き込む。
「な……何??」
「嘘が下手ね。ま、そこが可愛いんだけど。」
「むー……なんなのさー!」
なんか笑われた!ちょっと恥ずかしい!
「なるほどなるほど……」「はわわ……」
「「?」」
根岸さんと翁長さんがニヤニヤ……何事?
困惑している私たちを尻目に、ミトちゃんが切り出す。
「……カノーテスさん。少しあなた話題ですのよ?」
「話題?何がよ。」
「カノーテスさんには心に決めた素敵なパートナーが居ると。」
!?
「え!?まだ公表してないでしょ!?」
「え……ええ。」
「自分のことだとは疑わないのがヒマちゃんね?」
「私以外に誰がいるの???」
それは当たり前だから一旦置いておいて……
「なんでそんな噂が……」
「カノーテスさんの誕生日パーティで、カノーテスさんを守ったナイトが居るって少しだけ話題になってるのよ?」
「しかも守られているディミトリウ様が大変可愛らしかったとも。」
「恋する乙女みたい……だったって聞いた。」
「「…………!!」」
あの時か……まぁこんな噂になるなら見せつけておいて良かったかな?私のものだし……ね?
カナの顔を見るとみるみる赤くなっていく。
「日巡璃ッ!責任とってもらうからね!!」
「当たり前じゃん!?」
「っ!」
「あらあら♪」「おぉ……」
その後私にくっついたカナからポコポコ無言の抗議を受けたけど……
そんなんじゃみんなからの暖かい笑みは無くならないよ?
むしろどんどん広めていってほしいなぁ…………なんて。