side槍田日巡璃
とりあえず、カナと愛ちゃんと頼りになりそうな愛留真子ちゃんを引き連れて中庭へ。
聖愛学院の子全員引き連れるわけには行かないしね。他の皆とも仲良くなって欲しいし。
ミトちゃんと、亦亘さんをベンチに座らせる。
「……」
「あの……どうして私はこんな場所に?」
「あー…………」
本気でわかってないご様子。横に顔真っ赤の亦亘さんが居るのに。
一目惚れ……だっけ。まぁたしかにミトちゃん綺麗だもんね。亦亘さんの気持ちもわからなくもない。
「今昔鏡様……本当の本当にお分かりにならないので……??」
「?」
「……えーっと……これ多分わかってない顔です。」
「…………そう……ですか。」
愛留真子ちゃんが天を仰ぐ。なんだろう……なんか驚愕よりもまたか……って感じがする。もしかして経験済み?
「日巡璃。1度作戦会議しましょう。」
「そうだね。ちょっとまってて貰える?」
「?…………え……ええ。」
とりあえず離脱。
「……槍田様。どうしましょう。」
愛留真子ちゃんから切り出される……けど……
「うーん……どうしたもこうしたも……」
「こんな朴念仁ですら気付くレベルなのに……なにしてんのアレ。」
「ミトちゃん……ニブニブ過ぎない?」
「そういえば天津場様も似たようなこと仰られてましたね。彼女は恋愛感情から程遠い生活をしていると。」
そうなんだ??何時だろ??
「えと……愛留真子ちゃん。ミトちゃんはそっちではそういう感じしないの?」
「はい……手紙などは貰っておりますが……知らない方だったりすることが多いので、基本無視されております。」
「おーん……」
女子校のスターなんだからそういうの結構多いと思うんだよなぁ??なーんであの朴念仁は気にも留めてないの??
しかも無視……酷いよね???
「え?ラブレターなの?」
「はい。私が確信した限りではありますが……」
うーん……言い逃れ不可。Guilty(有罪)。
「……」
「知ってる人だったらどうするの?」
「放課後など時間と場所の指定があるので……生徒会のお仕事もありますし、待たせられないとの事でその場で聞こうとすることもしばしば……」
「「「……」」」
絶句。本日二度目。
デリカシーがなさすぎる系女子なんだけど。さすがの私でもわかるよ???過去の私でもわかるって!…………多分!
「え……えと……それで?」
「相手方が言葉を濁された終わりです。…………本当に可哀想で……」
「スーッ……」
そんなん公開処刑じゃん……
「いや!私が気付いていれば止めるのですよ??ですが今昔鏡様は基本単独で活動されるので……」
両手をブンブンする愛留真子ちゃん。……大変なんだねぇ。
「責めてないわよ。」
「直接告白されることもあるのでは?」
「はい…………それがもう……本当に酷くて……」
愛留真子ちゃんがため息混じりに答える。
「「「酷い?」」」
「それは3ヶ月ほど前、同級生の方が想いを我慢できず直接今昔鏡様に告白なされたのです。皆の前で。」
えぇ!?すっご……そんなの恥ずかしくて私絶対できない……
「……お嬢様学校でもアグレッシブな子いるのね。」
「カナの周りにはいなかったの?」
「興味無いわ。」
「そっか……」
ドライだねぇ……
…………ん?そういえばカナも愛ちゃんも私に初めて告白してきたの……皆の前だったような……??
「今昔鏡様は何て答えたと思いすか?……『私もあなたのことは好意的に思っているわ。これからもお友達として切磋琢磨しましょう。』……ですよ?当の本人は至って真面目に。」
「「うわぁ……」」「……」
酷すぎる。
愛ちゃんが何も言わずに空を見上げる。わかる……わかるよ。
「で?その子は?」
「その方も含めなんですが…………何故か今昔鏡様に告白なされた人は、撃沈した後皆今昔鏡様のファンになるのですよね。その純粋無垢なところがいい……とか。よく分かりませんが。」
「厄介ファンじゃない!」
「はい……」
どうしようね。難航しそうだ……
「実はね。日巡璃もとんでもない朴念仁だったから……なにかフォローできるかもって思ったけど……日巡璃以上がいるとは……」
カナが頭を抱える。
「え!?槍田様も?」
「恥ずかしながら……えへへ。」
「多分恋愛感情すらよくわかってらっしゃらないのだと思います。それを教えるところからスタートしないと……」
「……そうですわよね……今昔鏡様は社長令嬢とはいえ、婚約者もいらっしゃらない方です。本人は満足しているみたいですが……何れそういうタイミングも出来てしまいます。そうなる前に恋愛のいろはを教えておかないと、後々不都合が出るかもしれません。」
愛留真子ちゃん……本当にミトちゃんのことが好きなんだね。
「愛留真子ちゃん。ありがとね?ミトちゃんの事いーっぱい気にしてくれて。」
「いえ。私がやりたい事ですので。」
「だとしてもだよ。……ミトちゃんね?夏休みの時、わたしがいないと張合いがないって言ってたの。でも最近なんだか楽しそうで……」
「そのようなことを……」
「うん。だからミトちゃんの事を心配してくれて、それでお互いに分かり合える友達が居るって……すごくありがたいなって。私には……そういうのがやりづらいからさ?」
「…………はい。そういうことであれば……ありがたく受け取らせていただきます。」
大きく頭を下げる愛留真子ちゃん。どことなく嬉しそう。
「よしっ!それじゃあ一旦どうしようか。」
「亦亘の気持ちは一旦飲み込んでもらって、今昔鏡に教育するのが1番じゃない?」
「……そんな気がする。」
「それしかないかと。」
「そう……ですわね。今昔鏡様のためにも、もう少し勉強して頂かなければ……」
「私達もできる限り協力するよ!」
「そうね。寄りかかった船だし。」
「はい。お嬢様のお望みなので。」
「皆様……」
愛留真子ちゃんの目が少しうるうる……
「本当にありがとうございます!私……心強いですッ!」
両手を上げる愛留真子ちゃん。もふもふしてる……
「大袈裟だよぉ?」
「ちょうどいいわ。清寺。連絡先交換しましょ。」
「え?」
「そうですね。そちらの方が何かと都合がいいかと。」
「うん!しよしよ!」
「わかりました。何かあればご連絡させていただきますね?」
とりあえず連絡先を交換した。よしよし。これで何とかなりそうだね。
「よーし!ミトちゃん恋愛自覚作戦!頑張るぞー!おー!!」
「「おー!」」「……?……おー?」
少し戸惑いながら拳をあげる愛留真子ちゃん可愛い。
ということでミトちゃん達の元へ。
「あのねミトちゃん……実はさ……」
「ヒマちゃん。私、亦亘さんとお付き合いすることになったの。」
「「「……はぇ????」」」
なんですと????