side槍田日巡璃
『それでですね!今日も今昔鏡様に名前で呼んでいただいて……!』
「も〜?毎日それじゃん!よかったねぇ?」
『はい!はい!これも槍田様のおかげです!』
最近もうちょっとだけ愛留真子ちゃんに懐かれて、よく通話をするようになった。
チャットなら毎日毎日ミトちゃんに褒められた。喜んでもらえたって報告が来る。……信愛もここまで来ると本当に凄いね。
『槍田様の事も一生お支えいたしますね♡』
「それはダメです。お嬢様のお世話は私めのお仕事です。」
愛ちゃんがズバッとバッサリ。私のお世話の権利を誰にも譲らないタイプのメイド兼未来のお嫁さんです。
『いいでは無いですか♪今昔鏡様と槍田様のお幸せを願うのも、また私めの夢です♪』
『……めんどくさいのに好かれたわね。日巡璃。』
「ん〜?いい子だけどなぁ?」
なんか日が経つにつれて通話する人達が増えていくんだけど……いやぁ……入学する前はそんなの思わなかったけどなぁ。せいぜい壊理ちゃんと……時々カナとって感じだと思ってたんだけど。
私は案外色んな人に好かれるのかもしれない。自惚れる気は無いけど。
『愛留真子さん?私もヒマちゃんとお話したいわ。』
『うふふ。嫉妬されてるんですか?』
『…………言うようになったわね?』
『嫉妬!?みーちゃん!私がいるよ!!』
『初華はお勉強です。天津場?』
『はい。お嬢様に相応しいように育て上げて見せます♪』
『うわーん!天津場さんの鬼!悪魔ァ!!』
そっちも忙しいねぇ?
今回はミトちゃんのスマホからなんだけど……ミトちゃんの部屋に二人も居る感じなのかな?ミトちゃんも愛留真子ちゃんもネグリジェなの可愛いねぇ。
「亦亘さん勉強できないんだねぇ。」
『ヒマちゃんとは大違いですわね。』
『槍田日巡璃なんかに負けないッ!!』
『うふふふ……♡』
『…………アンタもしかしてわざと日巡璃の名前出してない?』
『さて?なんの事やら。』
「悪女。」
『中曲瀬さん??なにか言いましたか?』
「極悪。」
『そういうのは言葉を濁すものですのよ!?』
天捻ちゃんミトちゃんに厳しいよね??何かあった??
『そういえば槍田様♪本日私めの家で新しい上質な絹が仕上がりましたの。受け取ってくださる?』
「いいの!?ありがとぉ!大切に使わせてもらうね!」
聞けば愛留真子ちゃんの家は先祖代々伝わる最高級の絹のお店なんだとか。私は行ったことないけど。
名前教えてもらったらカナと天捻ちゃんと愛ちゃんが唸ってた。すごいお家なんだなぁ……
『愛留真子さん??ヒマちゃんに色目を使うのやめていただけますか!?』
『えぇ?よろしいではありませんか。今昔鏡様には今……関係の無いことでしょう?』
『…………本当にあなたって人は……!!』
「〜♪」
「みとみと……楽しそう。」
『楽しくありません!!』
顔笑ってるよ?
人をおちょくってカラカラ笑って……愛留真子ちゃんの素はこんな感じなんだねぇ。うんうん。
「愛留真子ちゃんそっちの方がいいよ。ニコニコしてて、声色柔らかくて。すっごく可愛い!」
『まぁ……♡』
目を細めて頬を染めて。白い肌に映えるねぇ……綺麗♪
『ヒマちゃん!?愛留真子さんまで口説くおつもりですか!?』
「えぇ〜?いいのぉ〜?」
『私めは……槍田様なら……♡』
『〜〜!!!ダメです!!ダメったらダメ!!』
画面の向こうでミトちゃんが愛留真子さんの前で手をブンブンしてる。
「『あははははは!!』」
『!……もしかして!!ふたりして私を嵌めましたわね!?』
『うふふふ。私は将来の伴侶は自分で決めますよ♪……どうしてもと言うのであれば、今昔鏡様も槍田様も……お待ちしておりますね?』
『ダメ!みーちゃんは私の!!』
『亦亘様?』
『ひぃっ!!』
さっきから画面の外でキャンキャン吠えてる亦亘さん……天津場さん。頑張って!
『はぁ…………愛留真子さんってば……』
ミトちゃんが頭を抱える。……すごい魔性の女になってるよね。愛留真子ちゃん。すごいや。
「んふふ〜♪私そんな節操ないように見える?」
『その時になれば私の全てを使って落として差し上げますよ♡』
「「「『!?』」」」
「わぁ〜怖ぁ〜い♪来ないことを祈っとくね?」
怖いって彼女たちがね?すごい顔してたよ。
『あら。つまらない人ですこと♪』
『む〜……愛留真子さんは私を嫉妬させて楽しいんですか!?』
『ええ。とても♪』
『むきー!!!』
『……今昔鏡。あんた全然日巡璃のこと吹っ切れてないじゃない。』
「妖怪……引きずり女。」
『当たり前です!ヒマちゃんの事は今でもお慕いしておりますから。でもそれ以上に心に決めた方が出来たのです。』
開き直ってるよねそれ。
「物は言いようですね。お嬢様。お茶を。」
愛ちゃんがため息と紅茶を届けてくれる。
「ありがとぉ♪」
『ヒマちゃん!!あなたの彼女は全員が全員口が悪いですわよ!!きちんと教育なさってくださいませ!!』
「佳舞ちゃんは悪くないよ?」
とさっきからずーっと私の股の間に収まってる佳舞ちゃんを抱きしめる。
「ヒンッ……顔近い……」
すーぐ顔が赤くなって……本当に可愛い♪
『羨ましいですわ……次お会いした時は私も抱きしめてくださる?』
『愛留真子さん!?』
「ん〜?どうしよっかなぁ〜♪」
『ヒマちゃん!?!?』
愛留真子ちゃんもふもふしてて気持ちよさそうなんだよね。
『日巡璃。冗談でも満更でも無い顔しないの。』
「はぁーい♪私にはみんなが居るからね♪」
『うぐぐぐぐ……』
今日はミトちゃんの十面相が見れていいね。意外な一面って感じ?
『そういえばそろそろまたインターンね。』
「そうだねぇ。」
私はまだ指名がかかってはないけど……どうなんだろ。
『あら。そちらもですか?こちらもインターンの期間ですわ。』
「そうなの?もしかしたら一緒になるかもしれないね!」
『そうですわね。ヒマちゃんと一緒にやれたらきっと楽しいですわ。』
「えへへ!どんな問題でも解決しちゃうよ!」
ミトちゃんとならなんでも出来そう。本当に文字通りなんでも。
「3人とも……インターンなの?」
『ええ。全員場所は違いますが……』
「ふーん……?」
『自分で話を振っておいてその反応はなんですの!』
「ふひ……みとみと……いじるのおもしろい。」
『むきーー!!』
天捻ちゃんが変な遊びに目覚めちゃった。
「私は……触れられる距離にいるよ?」
と、天捻ちゃんが私の腕に抱きついて、胸を押し当てる。
『うぐぐぐぐ……』
『うふふ♪』
……なんか愛留真子ちゃんからも黒いオーラ出てない??気のせいだよね!?蚕さんだから白いはず……
「勝ち組♡」
『ううううっ……!!』
本気で悔しがるミトちゃん初めて見たかも。今日は表情が豊作だねぇ。
『今昔鏡様……今宵は私達で慰めあいましょう?』
画面の向こうで愛留真子ちゃんがミトちゃんの肩を抱く。
『……え?何を……!』
『うふふ……天井のシミを数えていたら終わりますから♡』
『ちょ!?愛留真子さん!?』
『ダメーーーー!!!!』
横から飛び蹴りが飛んできて、それを愛留真子ちゃんはヒョイと躱す。よく躱せたなぁ!複眼ってやつかな?
『冗談ですのよ?』
『見えなかったッ!!』
『それは……集中されてない証拠……ですわね?』
『……あ。』
『亦亘様……??』
『うわあああ!!!ごべんなさーーーい!!!』
ミトちゃん大変だなぁ……紅茶うまうま。
『……日巡璃はマイペースね。』
「好きでしょ?」
『当然。』
『うふふ。それではそろそろこちらは就寝時間なので切らせていただきますね?』
「うん。愛留真子ちゃんばいばーい♪」
『はい♪またお話できる日を指折り数えてお待ちしております♪』
『ヒマちゃん!?私にバイバイh……』
ブツッ……
『……あっちも大変ね。』
「うふふ。掻き回すのって楽しいね?」
「ひまひまが……変な遊びを……」
「お互い様だよ??」