side槍田日巡璃
「この環境で個性を身体に少しでも馴染ませろ!足りねェモノ理解しろ!気持ちも身体もだ!」
「「はい!!」」
「それをこの後の訓練で反復練習だ!どこをどうしたら良いかくらいなら答えてやる!」
「「はい!!」」
今日もハイペースパトロール。
おねーさんは打ち合わせがあるとかなんとかで来れてない。2人で大・爆・殺・神・ダイナマイトのパトロールにひたすらついて行くだけ。
だけ……だけど、大・爆・殺・神・ダイナマイトはあんなに空中で身体を動かしてるのにあまり息切れを起こさない。
身体の使い方と基礎の体力が違うのかなと理解。私に足りないもの。パワーはプロヒーロー級と言ってくれたのでそこは自信を持っていいかもしれない。慢心だけはダメ。絶対。
そして彼はパトロール以外の私達のことをよく見てる。
「テメェの個性は息止めてねぇと使えねぇんだろ?だったら肺活量だ。肺強くしろ。息止めてる時間長くすんだよ。」
「……はい。」
「トレーニングはすげぇ数あるが……自分に合ったものを選べ。それでなるべく個性を維持しながら動けるようになれ。個性が身体に馴染むってのはそういうこった。長ぇ時間かかるが……焦んじゃねぇぞ。」
「はい!」
お昼休憩。無神さんはメモを取りながら大・爆・殺・神・ダイナマイトの話を聞いてる。
昨日凄かったもんね。あれがプロヒーロー同士の組手なんだ。私達の体育祭ってお遊びだったんだって思っちゃう。無神さんが目を輝かせてたもん。かっこよかったんだろうなって。
今回の職場体験……チームアップするって言われてどうなる事かと思ったけど良かったかも。
私……まだまだ強くなれるよ!
あとそれに……
「オイ!」
「はっはい!!」
「てめぇの課題はハラセ……ブラッドロータスに送っといてやる。アイツから聞けや。」
「はい!!」
なんだかんだ大・爆・殺・神・ダイナマイトが面倒見がいいのも見れたしね。
意外だったなぁ……
「……テメェ……失礼なこと思ってねぇか?」
「ひゃい!?そ……そそそんなこと思ってないですよ!!」
「……フン。」
BOOMM!!
目眩し程度ッ!!
「ふんっ!!!」
拳を振り抜く。
「相変わらずすげぇパワーだが!……経験が足りてねぇよッ!!」
BOBOBOBOBOBOBO!!
「あたたたたた!?!?」
「まぁ……昨日よりは動けてるな。」
「きゅ〜……」
つ……強い……全然歯が立たない。
「……当たり前だよね。大・爆・殺・神・ダイナマイトは持ち前の戦闘センスを私にバキバキに鍛え上げられたんだもん。近距離の読み合い私並に強いよ。」
そ……そりゃ無理だ……私おねーさんに一回も勝ててないもん!
「チッ……テメェにまだ勝ち越せてねぇんだよこっちは。謙遜すんじゃねぇよ。」
「ん〜?そりゃ経験値よ。経験。まだ弟子に負けるほど落ちぶれちゃいないよ。」
「……化け物がよォ。」
「うふふ……。」
日に日におねーさん強くなってる気がするんだよね〜……まだまだ発展途上ってこと?すごすぎてよく分かんないや。
「次はテメェだ。とっととやんぞ!」
「はい!よろしくお願いします!」
無神さんが向かっていく。
今日の手合わせも昨日と同じ人達が集まってて……じゃなくて、
「頑張れ〜!」
「やれるぞ〜!」
帰ってきたB組の子達数名が見に来てる。具体的に言うと能面くんと髑髏ちゃんと天気ちゃん。
「負けちゃった〜……」
「いやすげぇよ姫さん。大・爆・殺・神・ダイナマイトっつったら超実力派のトップヒーローだぜ?そんなんと手合わせ出来るんだぞ……すげぇ経験だぜ。」
「……かっこよかった。いけるよ。」
「ほんとぉ?ありがと!!」
「……無神ちゃんも頑張ってるねぇ!」
「そうだね。あの子結構努力家なんだよね。……多分……天才天才って持て囃されてるけど……努力の効率がいいだけなんじゃないかって思ってきてるよ。」
「努力の効率……私も努力の効率よくなったら勉強できるかな!!」
「「…………。」」
今無神さんは極力個性を維持する訓練を自らしている。大・爆・殺・神・ダイナマイトの連撃を耐える訓練。身体能力でも経験値でも勝ててない以上、出来ることから始めるって。
「………………。へぇ〜!立派だねぇ。俺達も見習わねぇとな!」
「なんで無視すんのさ!!……ハァ……天眼まだかな?」
「待ってるんだっけ?」
「そうだよ!今日は私のパパママが旅行いってて……天眼のママがご飯ご馳走してくれるから!」
「そうなんだ!仲良しだねぇ?」
「そうかなぁ?天眼のパパママとは仲良しなんだけど……」
「「…………。」」
「……惚気。」
「何がよ!!」
私と能面くんは言わなかったのに……
side???
……運動場がうるさいと思ってきてみれば……なにやってんのアイツ。
「オラァッ!!」
BOOOOOOM!!
「がふっ!?」
…………なんで見てんの私。
「まだです!!まだできますッ!!」
「その調子だァ!根性見せろォ!」
……努力してるのは当たり前。頑張ってるのも当たり前。それが見について天才って言われてるのも当たり前じゃん。
……彼女にとってはそれが当たり前なんじゃん。
BOOOOOOMM!!
「きゃっ!?」
委員長が吹き飛ぶ。ちょっとダメな打ち方をしたみたいで、少し立ち上がるのが大変みたい。
「9本目ェ……あと1本!もう辞めるかァ!?テメェの信念はその程度かよォ!!」
プルプル震えながら立ち上がる委員長。……なんでそこまで頑張れるの?なんでそこまでストイックになれるの?
「嫌ですッ!!私が……私はもっと強くなって皆を導くヒーローになるんです!!私みたいな子を増やさないためにッ!!」
「へっ!じゃあもっと強度あげてやるよォ!!」
なんの事か分かんなかった。私みたいな子……?何言ってんの?天才って持て囃されて幸せだったんじゃないの?
「…………!」
前に自分が委員長に言った言葉が自分に跳ね返る。
委員長のこと……知ろうとしなかったの自分達のほうじゃ……
「っ……。」
そんな思いをかき消すように私はその場を後にした。
side槍田日巡璃
「……?」
今入口の方に誰かいた気が…………
「……どうしたの?」
「……いや?なんでもない。」
「うわあああああっ!!!」
「!?」
「「あっ!!!」」
2人の声に反応。無神さん達を見る。
「「!!」」
無神さんが大・爆・殺・神・ダイナマイトの襟を掴んだ!!
「おりゃああああっ!!!」
大・爆・殺・神・ダイナマイトを背負い投げて……!!
「クソがァッ!!」
BOOMM!
爆発の反動で空中で体勢を整えられる。
「!?」
そのまま大・爆・殺・神・ダイナマイトが無神さんをつかみ……横回転。
BOBOBOBO……
爆破の勢いを回転に乗せて速度を乗せる。
「ハラセン!しっかり受け取れよォ!!爆破式カタパルト(エクスカタパルト)ォ!!!!」
「急だね!」
BOOOMMM!!!!
「きゃあっ!?!?」
バシィッ!!
「はいっと……怪我は無い?」
ナイスキャッチおねーさん!
「えっ……あっ……はい!大丈夫です!」
「……やるじゃねぇか。最後のはビビった。」
「……槍田さんがやってた……目潰しを狙って攻撃をするを……やってみました。」
それを見ただけで実践出来るのがすごいね。……センスだなぁ。
「……チッ。俺の爆破は自分の視界も潰すからな。弱点突かれた訳かよ。」
少しだけ大・爆・殺・神・ダイナマイトが悔しそうだ。
「惜しい!!あともうちょいだぜ無神さん!」
「いけると思ったんだけどなぁ??」
「…………惜しい。」
皆も熱くなったみたい。
「…………!」
無神さんが私を見る。
「……お疲れ様。惜しかったね?」
「〜〜っ……うん!!」
初めて無神さんの笑顔見たかも。
……笑い慣れてないんだな。…………私ってお人好しすぎるかも。
あれだけ周りに頼んで静観しようとしてたのに……私が助けてあげたくなっちゃう。