※この作品はR-18です。

きっと私のアカデミア   作:おいーも

47 / 280
師弟関係

 

 

 

 

 

side槍田日巡璃

 

 

4日目。お昼休憩。

 

 

「動きながら考えろ。周りを見ろ。毎日見てる通常の街並みから、変化を感じとれ。その違和感が事件になる。」

 

「はい!」

 

ガリガリガリ……

 

「……(ぢゅーっ」

 

 

大・爆・殺・神・ダイナマイト……仕事の話になると噛み砕いて全部説明してくれるから……めちゃくちゃタメになるね……。

 

誰の影響だろ。凄く流水おねーさんに似てるけど……なんかそれだけじゃない気がする。エンデヴァーって人は私でも知ってるくらいの有名なヒーロー。エンデヴァーとは話したことがないけど……この人の影響なのかな?

 

 

「個性を馴染ませるのも、常に100%出せる状態にしておくのも、全部ヒーローとしては当たり前の事だ。その当たり前が出来ねぇと人が死ぬ。テメェらはまだ学生だ。今できることを精一杯伸ばせ。出来ねぇことはインターンで見つけろ。経験ってのは力だ。だがその力を扱うのは基礎だ。学校では基礎を反復し続けろ。」

 

 

流水おねーさんからいっぱい聞いた。ずっと、ずっと反芻した。それくらい大事。それくらい大切。

 

こういう所も同じなんだねぇ。少し感動。

 

「はい!!」

 

「……(もぐもぐ」

 

 

「テメェ聞いてんのか!!」

 

「だって言ってることぜーんぶ流水おねーさんと一緒なんですもん。嫌という程聞きました。」

 

「……そりゃそうか。ハラセンの弟子なんだから知ってて当たり前だわな。……だが生意気だったからこの後の訓練覚えてろよ。」

 

「そんなぁ!!」

 

 

「師匠!次なんですけど!」

 

「俺の事師匠って呼ぶんじゃねぇッ!!」

 

無神さんは大・爆・殺・神・ダイナマイトのことを師匠と呼び始めた。

 

自分の知らないこと、出来てないことをこんなに事細かに教えられたのは久しぶりだって。新しい知識は嬉しいって目をキラキラさせてる。

 

「…………私もこうだったなぁ。」

 

おねーさんとの訓練の日々……楽しかったなぁ……。

 

 

「俺とお前の身体の出力が違うのは……」

 

「ふむふむ……」

 

面倒見が良すぎる男。大・爆・殺・神・ダイナマイト。

 

えへへ。私ももっと勉強させてもらお!

 

 

 

 

 

 

 

「オラァッ!!!」

 

大・爆・殺・神・ダイナマイトがひったくり犯を速攻で捕らえる。

 

 

「職場体験中に変な気起こすんじゃねぇ!この野郎!!」

 

大・爆・殺・神・ダイナマイトの救助は的確で早い。自分が割って入れるか、どうすれば助けられるか。判断とそれ通りに動ける身体。私達じゃ到底叶わない高み。

 

流水おねーさんと同じタイプ。莫大な経験値と鍛え上げられた個性と身体。できることを最上限に伸ばしたタイプ。だからわかりやすい。理解しやすい。

 

 

「さっきのは……」

 

「あれは周りに人が居ないことを確認してから爆発での目潰しと、そのまま地面に押さえ込んで拘束をどっちもやった形だね。周りに人がいないってのがミソかなぁ……?」

 

「ッ〜〜!!!師匠!凄いですッ!」

 

「るっせ!!テメェは俺に憧れるだけかよ!!」

 

「弟子が師匠を超えるのが一番の恩返しって聞きましたよ!」

 

「ハッ!……やってみやがれ!!」

 

「待っててください!!」

 

 

いつの間にか凄くいい関係になってるね。無神さんってこんなに素直だったんだ。尊敬できる相手ってのは偉大だよねぇ。わかるわかる。

 

「凄いねぇ凄いねぇ!」

 

「そうだねぇ?」

 

両手を合わせてキャッキャしてる無神さん。

 

……元々こっちが素なのかもしれないね。自分が自分がって使命感が消えて追いかける対象ができたのは……この子にとって幸せだったのかも。

 

師匠かぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

「さっきのは……攻め方というか……受け方の問題で、相手が強ければ強いほどまっすぐ突っ込んで来ても何かしらの帰りの切符があるの。躱す算段が出来てるって認識でいい。」

 

「ふむふむ。じゃあ……こっちもフェイントかければいいんだね!」

 

「そうだね。フェイント以外にも、攻撃を視界の外に置いておくってのもアリ。」

 

「視界の外……?」

 

「相手の目を見て。顔を見て予測するの。見てない場所に攻撃を置いておく。これは上級者のテクニックだからね。」

 

「かっこいいってこと!?」

 

「そうだよ。かっこいいよ。」

 

「よーーーっし!やる気出てきた!!顔を見るだね!」

 

「うんうん。その調子だよ。」

 

私には流水おねーさんがいるからね!

 

 

今日も元気に10:0。大惨敗。その度におねーさんが色々アドバイスしてくれるからすっごく楽しい!

 

おねーさんはいっぱい褒めてくれるしいっぱい注意してくれる!私のことを立派にしようって思ってくれてる!それだけで胸がいっぱい!本当に嬉しい!

 

 

「じゃあさ、あの時は?……えっと……私が蹴った時に……」

 

「あー……あれはね、あなたの軸足が……」

 

「なるほど!」

 

「それで……」

 

楽しい時間ってすぐ過ぎてしまうもので……職場体験4日目はもう終わってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日。

 

 

「ねぇ槍田。ネットニュース見た?」

 

朝。寮でいつものメンツ……引子ちゃんに話しかけられる。

 

 

「ニュース?見てない。」

 

「お嬢様。世間の情勢は理解してるほうが良いですよ。」

 

「そう?じゃあ明日から見てみよ〜。」

 

 

「……続きなんだけど、大・爆・殺・神・ダイナマイトに弟子が居たってホント!?知らなかったんだけど!!」

 

あぁ……それかぁ…………多分昨日の無神さんの言葉を言葉通り受け取った人が居たんだなぁ……。

 

 

「……昨日の夜からずーーーっとコレ。槍田はんは早く寝たから知らなかったと思うんやけど……。」

 

憂世ちゃん……ヒーローオタクに捕まっちゃったのか……

 

 

「槍田今大・爆・殺・神・ダイナマイトと一緒に居るんでしょ!?なんか知らない??」

 

すっごく食い気味に喋ってくる。……話しちゃってもいいか。

 

 

「あー……多分それ無神さんだよ。」

 

「はぁ!?!?」

 

「え?それホンマどす?」

 

 

「ホントホント。無神さん大・爆・殺・神・ダイナマイトの事師匠師匠って慕ってるんだよね。大・爆・殺・神・ダイナマイトもあんまり拒否してないし。……目指す目標ができた無神さん相当普段と違うよ。全然ツンツンしてない。」

 

「…………想像……出来ねぇ……。」

 

「わかるわぁ……棘が消えた無神はん?……どんな感じなんやろ……。」

 

すっごく可愛いよ!キャッキャしてる。

 

「おふたりとも……時間は大丈夫ですか?」

 

「えっ!?あっ!やばい!!」

 

「私達は行ってくるね〜!」

 

「なんで槍田はん……いつの間に着替えて……」

 

「愛ちゃんがやってくれた。」

 

「ふふん。」

 

「「なんやそれ!!」」

 

ちなみに天捻ちゃんとは寮を出る時間が違うのであんまり会えてない。……少しだけ寂しい。

 

「今日も頑張るぞー!」

 

職場体験最終日だからね!出来ること増やすんだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。