side槍田日巡璃
「わ……私と福がくっつきすぎ?」
「……む。」
「そうであります。せっかく仲良くなれたのに他の人が話しづらいであります。」
「…………。」
えーっと……すごいねこれ。福ちゃんの膝の上に無神さんが乗っけられてる形だけど……無神さんに話しかけた途端福ちゃんちょっと嫌な顔してるもんね。
「そうかしら?……こういうものだと福から聞いたのだけど……。」
「福ちゃん?????」
人間関係慣れてない子を好き勝手してない???
「……。」
プイっと福ちゃんがそっぽを向く。図星すぎるでしょ……。
「私はこんなことしないわ。」
カナさん?どの口が……?
「はしたない。こういうのは2人きりでするから良いのです。」
愛ちゃん?あんまり口に出すことじゃないよね??
「おぉ……こうすればおじゃま虫も……寄ってこないってこと?」
天捻ちゃん??
「…………私はみんなと仲良くしたいなぁ?」
天捻ちゃんの頭を撫でる。
「…………んふふ…………わかった。今はまだしない。」
今は?まだ?
「ウチらだって委員長と話したーい!」
「委員長を独り占めするなー!」
「福だけズルいぞーー!!」
後ろのデモ隊(A組女子ーズ)が私達を盾に抗議の声を上げる。
「……む。」
福ちゃん!睨まないの!
「……福ちゃんが無神さんのこと好きなのはわかったけど……無神さんのこと独占していい訳じゃないよ?」
「…………むむ。」
これは無理かな??
「鳥木殿……。無神殿、何とかなりませんか?」
「……福?私の事大切なのはわかったわ?……前調べたのだけど、梟は番やパートナーに手を出されるのを非常に嫌がる動物らしいわ。」
「……カンナちゃん……私のために……!!」
福ちゃんが感極まって無神さんを抱きしめ、背中に頭をグリグリ擦り付ける。…………匂い付けてるの??
「ふふふっ。そうよ?貴方のこともっと知りたいから沢山調べたの。……でも同じくらい私……皆のこと知りたいの。委員長だから。お友達になりたいから。」
「…………む。」
無神さんが福ちゃんの手に自分の手を重ねる。
「……私……皆のこと卒業するまで何も知らないの……少し嫌だな?」
「…………。」
福ちゃんがすごく嫌そうな顔してる。本当に嫌そう。目に見えてわかる。だって体毛を逆立てて少し大きく見えるもん。威嚇じゃんね?
「福……わかったわ。私寮に住む。」
「「「え!?」」」
「……カンナちゃん?」
「だから福……寮でいっぱい仲良くしましょ?私まだ人との距離感わかんないから教えてくれると嬉しいな?」
「……カンナちゃん!」
福ちゃんが無神さんの首筋に顔を擦り付ける。
「あははっ!くすぐったいわ?……だから学校生活位は……みんなと話してもいい?」
「…………………………………………………………許す。」
長かったねぇ!?
「ありがとう。福。」
「無神さん。家は大丈夫なの?」
「大丈夫。あんな家私が居ても居なくても変わらないから。……ひとりでなんでも出来るようにしてるわ。」
流石努力の天才。出来ることの幅が違うね。
「カンナ!カンナ!いつ寮に来るの?」
「早くて1週間かしら。」
「えへへ!私の横の部屋空いてるからカンナそこね??」
「そうなの?福の隣の部屋かぁ……うふふ。今から楽しみね?」
「えへへ!ホ、ホ、ホ、ホ……」
あぁ……これが……
「結構大きいね。」
「これは休憩妨害と言われてもしょうがない気がするであります。」
「そうなんだよねぇ〜……仲良いのはわかるんだけどさ?」
「安毛。仲良いじゃすまないよこれ。」
「付き合ってるっつっても過言じゃねぇよ。」
「委員長!人との距離感は私達も教えるからね!福だけしか情報源がないとダメだよ!!」
「そっそうなの?」
「……だってカンナちゃんは私のだよ?」
「ちゃうわい!!皆の委員長じゃ!」
独占欲むき出し!もう隠さなくなったね!?
……カナ達もこんな感じなのかなぁ?……違う……よね??
カナは終始私に腕組んでるけど……これも独占欲なのかな?うーん???
わかんないからまぁいいか。私は嫌じゃないしね!
「でも無神さんが寮生活かぁ〜!楽しみだねぇ?」
「……うるさくなりそう。色んな意味で。」
天捻ちゃん。そういうこと言わないの。
「なんか丸く収まって良かったであります。」
「ありがとう。加糖くん。貴方には色々助けて貰ってるわね?」
「いいでありますいいであります!余計なお節介はヒーローの本質!出来る限り何でもかんでも手を伸ばすであります!」
「……そっか。立派ね?」
「……む。」
仲良さそうに話す加糖くんと無神さんに、福ちゃんの敵対センサーが反応したみたいで、またモコモコになってる。
「2人とも改めて仲良くして欲しいであります!」
「よろしくね。加糖くん。」
「…………ふん!」
加糖くん……福ちゃんから信頼を勝ち取るのは少し難しいかもねぇ……。
「……委員長に福以外の仲いいヤツをぶつけて福と委員長の目を覚まさせる作戦失敗かよ!」
「まぁでも丸く収まって良かったんじゃなーい?」
「まぁそうだけどさぁ?福の独占欲がより強くなったっていうか……」
「す……すごいよね2人とも……」
「凄すぎるわ!委員長独占させへんで!なぁ変乂!」
「そうだね!勉強教えて貰わないと!!」
「バカ二人がよぉ……」
「そもそも私達はともかく、なんで桜子は頭いいグループなんだよ!」
「フハハハ!当たり前である!我が名は堕天使ルシファー!できぬ事は何も無い!!」
「カエル嫌いなくせに。」
「それとこれとは別であろう!!!」
ちゃぷ……
「はぁ〜……今日は色々あったねぇ。」
「そうね。……日巡璃頭いいとは思ってたけど……私よりもいいとは思わなかったわ。」
カナとお風呂。今日はカナの家にお泊まりの日です。
「えへへ〜。私いっぱい頑張ってるからねぇ〜!」
「知ってるわよ。日巡璃の事しか見てないから。」
「ぐっ…………急に照れさすのやめて?」
「嫌よ。日巡璃の可愛い顔見たいから。」
「…………イジワル。」
身体は洗い終えてあとは上がるだけなんだけど……カナとのこういう時間は少ないから大切にしたい。
これが好きってことなのかな。よく分からないけどこれが好きだったら少し嬉しい。
「カナ。」
隣に座ってるカナの肩に頭を乗せる。
「どうしたの?」
「んーん?やりたくなったからしただけ。」
「……そっか。」
どちらともなく手を握る。
好き……好きかぁ……このなんと言っていいか分からない気持ちは……好きなのかなぁ。
私はカナが好き。……これが友達としてなのか人としてなのかまだよく分からない。
口に出したらわかるのかな。……今日の福ちゃんみたいに……身体で表現すれば……自分の気持ちがわかるのかな。
「……カナ。」
「なぁに?」
「…………あれ?」
……なんだろうこれ。すごくドキドキする。緊張する!好きって言うのってこんなに大変だっけ!?
え?え?え?なにこれ……言おうとしてるけど……言えない!
「…………やっぱなんでもない。」
「……本当に?」
「……うん。」
顔だけ熱い。恥ずかしい。……何なのこれ?
「嘘。」
「!!」
急にカナの声が脳に響く。息遣いが耳を撫でる。
びっくりして少し距離を取る。
「何言いたかったの?」
その目……表情……
「な……なんでもないよ!」
「ふぅん?……私をまだ騙せると思ってるの?」
「…………。」
心臓が鳴り響く。何も考えられない。
カナが少しづつ近寄ってくる。
「じゃあ……身体に聞きましょうかね?」
「カナ……ダメだよ……汚れちゃう……」
「また洗えばいいじゃない。ふふっ……日巡璃。好きよ。」
「んっ……あん!」
沢山美味しく頂かれました。