side槍田日巡璃
「そういえば3人って普通科の子に人気だよね。」
「ん?僕っち達のこと?」
「うんうん。よく黄色い歓声上がってるし……そういうの雄英に来て初めて見るなって。」
「うーん……あんまりいいもんじゃないッスよ?」
昼休み。イツメンでお弁当を食べてたら、珍しく顔良し3人組がクラスに避難してきたので話しかける。
「っはーーっ!僕の良さがみんなに知れ渡って……僕は気分がいいネ!」
「……実際弾野原サンが1番モテてるッス。色んな女の子に絡んでるんで。」
「おかげでつるんでる俺達まで飛び火してよぉ〜。弾ちゃんどうにかなんねぇのかい?」
「無理だね!僕は隠れても美しいからサ!」
うーん……困ってる2と喜んでる1かぁ……大変そうだけどね。
「はぁ……弾ちゃんはまだしも……余以外に顔が整ってる者はおろうに……」
「能面サンも充分整ってる方ッスよ。自信もっていいッス。」
「嬉しいねぇ。……女性の歓声なんて効く事なかったからゾワゾワするぜぇ……。」
「自分もッス。」
2人ともどこかで買ってきたのだろうパック飲料をジューっと。
うーん……慣れてないだけなのかなぁ?
「それ……人によっては怒られるから私達だけにしなさいね?」
「ん……普通科でも実際人気だから……なんも言えない。」
「それはそうだけど……」
カナも……というか多分B組は皆見たことある校門前での出待ち。3人を待ってるグループ。うちわまで見たことある。自作だろうか。
「すまないッス。ヒーローたるもの……あまり弱音吐いちゃダメっすよね。」
「そんなこと……」
「あぁああっ!なんでもいい!和楽器弾きてぇ!こういう時は和楽器弾くに限るんだよな!」
「能面くんちって……由緒正しい所なんだっけ。」
能面くんが何処かで話してたのを聞いたことがある。
「そうッスね。行かせてもらった事あるッスけど……くっそデカかったッス。迷子になるかと思ったッス。」
そんなに……
「僕の家も……あれくらいサ!」
「えぇ……」
「そうッスね。弾野原サンの家も能面サンの家くらい広いッス。」
このクラスお金持ち多くない??私がおかしいだけなのかなぁ?
「えぇ……皆お金持ち多いねぇ……。私一般家庭だから話ついていけないかも。」
「「「!!!!」」」
「安心してくださいッス。俺もッスから。実家アパートッス。」
「へぇ〜!私は持ち家だけど話合いそうだね!」
「そうッスね!」
すると横から腕を掴まれる。
「まっ……まって日巡璃!!私を捨てる気!?」
「なんでそうなった!!!!」
「お嬢様!それでしたら私全てを投げ捨てて……!」
「待って待ってそんなことしなくていいから!」
「……そんなこと言うなら……もう監禁するしかないよね……?」
「天捻ちゃん!?ちょっとまってよ!!」
急に3人組が大慌て。捨てるとか無いし……なんでなんで??
カナと愛ちゃんはわかるけど……もしかして天捻ちゃんも実家太いの???
「…………そっちもそっちで大変そうッスね。」
「…………。」
3人……カナは右腕。天捻ちゃんは膝の上。愛ちゃんは左腕にくっついたことで終結……したのかなぁ??
「…………俺バイトしてるんスよ。」
「偉いねぇ。私バイト出来ないから。」
「そうッスよね。異形個性のバイト口は少ない気がするッス。」
「そうなんだよね〜。金銭面はパパとママに本当に感謝かな。」
よくメールするけど……家にも帰ってあげないとね。
「バイト?どこやってんだ?」
「んーと……コンビニッス。接客ッスけど……結構楽しいッスよ。」
「へぇ〜!俺スーパーの品出ししてんだよ。接客業同士頑張ろうな!」
「そうッスね!お互いがんばりましょうッス!」
香曽我部くんと一撃くんが握手。
さっきの悶着の間にお菓子三人衆がたらふくお菓子持って帰ってきた。雄英の売店はすごいね。お菓子まで置いてあるなんて。
それはそうとしてバイト組が意気投合。
「僕……バイトしたことないでありますなぁ……」
「僕も。」
加糖くんはともかく、氷叢くんは多分バイトする必要無いくらいお金持ちなんじゃない??メイドが何とか言ってた気がする。
「僕は……家業が家業なのであまりお金に困った事ないであります。」
「あー……そういや甘麻呂の家何してるか聞いたことないな?」
「要人警護でありますね。……すごーくざっくり言うと忍者であります。」
「「「「忍者ァ!?」」」」
はぇええ!すごいものが出たね!
「そうでありますね。だから僕も実は色々家で鍛えられてるであります。」
「ん〜?でもそんな筋肉あるように見えねぇぞ?」
加糖くんがお菓子をポリポリしながら答える。
「僕らが言う忍者ってのは……どういう状態にも素早く正確に対応できる事を指すであります。故に……強さは当然として、強さよりも対象を守ること、逃がす事に重きを置いてるであります。」
「へぇ〜……忍者……忍者かぁ……そんなお家がまだあるんだねぇ。」
たしかに……加糖くんは一か八かで戦うよりも、備えて構える方のイメージがある。体育祭の時もそうだったよね。
「僕の家の意外性を全部もってかないでくれたまえ!」
「うわわ!ごめんなさいであります!」
「弾ちゃん。申し訳ねぇけど加糖の方がすげぇわ。」
「そうッスね。」
「がーーーんっ!」
「…………お菓子いるでありますか?」
「もらおうッ!」
変な人達いっぱいいるけど……なんだかんだ仲良いんだよなぁ。見てて安心するよ。
「まぁ……僕はまだ半人前で……父さんと母さんにシゴかれてる毎日でありますが……楽しいであります!」
「甘麻呂の父ちゃん母ちゃん優しそうだったけどなぁ……?」
「初めて友達連れてきたでありますから……嬉しかったんだと思うであります。」
「お菓子美味しかった。」
香曽我部くんと氷叢くんは加糖くんの家に行ったことあるんだ。
皆友達を家に入れてるんだなぁ…………。
…………そういえば私って。
「…………3人さ?」
「……何?」
「夏休み私の家来る?」
「「「行くッ!!!」」」
「えへへ。約束ね?」
急に目の色変えた3人は少しびっくりしたけど、来てくれるなら良かった。
お友達を家に案内するなんてしたことないから……楽しみ楽しみ。
福岡美味しいものいっぱいあるから食べ歩きしたいねぇ!
「…………お義父様とお義母様への挨拶の品どうしましょ……」
「…………綺麗な服を見繕わなくては。せっかく未来のお義父上お義母上と合うのですから……」
「…………ふへへ……婚前挨拶……んふふ。」
???
小声で良く聞こえないけど……楽しみなら良かったね。
「へぇ。夏休み実家案内するんや!」
「そうなの。3人とも張り切っちゃって……」
夜。寮でみんなとお話……したかったんだけど、愛ちゃんと天捻ちゃんは何か予定が出来たとかで部屋から出てこない。
今いるのは憂世ちゃんと引子ちゃんと安毛ちゃんと海鈴ちゃん。茜ちゃんは今日のヒーロー基礎学で相当疲れたらしく、もう寝ちゃった。
福ちゃんと無神さん?今お風呂。
「そりゃ張り切るでしょ。好きな女の家だよ?」
「すっ……すすすすっ……そう……だね。」
「ウブやねぇ……すぐ顔真っ赤になるやん。」
「うふふ。槍田はんは大変可愛らしい方どすから……見ててあきまへんわ。」
「むう……」
こういうのですぐいじられるから……慣れないと。
夏休みまでに……言語化できるといいな。
「……安毛は宿題終わったの?」
「へっへーん!既に委員長に頼んで教えて貰ったわ!」
「おー……やるじゃん。」
「…………私ら宿題なんかあったっけ?」
引子ちゃんから少し焦ったように質問される。
「何も無いよ〜。」
「槍田ホント助かる。」
「引子はんはもう少し人を頼らないようにしんさい。」
「いいじゃん。友達頼ってなんぼよ。」
「もう……すんまへん槍田はん。」
「いいよ〜。頼られるの好きだし!」
「ええ子やなぁ……。」
そうかなぁ?
天捻ちゃんたちが居ないのも……なんというか珍しいけど、これはこれでいいかも。
……少し寂しけどね?