side???
「何を買うんですか?」
「和菓子の材料。」
「和菓子……?そういえば中曲瀬様は実家が……」
「うん。……和菓子のお店……だよ。」
「中曲瀬……中曲瀬……どこかで聞いた覚えがあるのですよね……どこでしたか……。」
「まぁ……パパは有名だし……ね。……その界隈では。」
「…………もう少しで出そうなのですが……モヤモヤしますね。」
「ひまひまに食べてもらうんだ。……私の和菓子。」
「……うむむ……まぁいいです。いつか思い出すでしょう。」
「そうだね。……久しぶりに和菓子作る。楽しみ。」
「好きなのですね?」
「好き。…………ひまひま喜んでくれるかな。」
「お嬢様は喜んでくれますよ。」
「そうだと……嬉しい。……今週末はカノカノの家に行くから一日専念できるね。」
「…………そんな大作を作る予定なのですか?」
「私の愛は……それじゃあ足りないかもしれないけど……ね?」
「私も負けてられませんね。」
「うふふ……1番はカノカノに譲るけど……2番はあげないよ?」
「どうでしょうか。勝負ですね?」
「ん。」
side槍田日巡璃
パチ……
「ふぁ……。」
朝だ。……時間は6時。昨日寝たのが……2時くらいだったから……4時間。
休みだからまだ寝れるけど、そろそろメイドさんが起こしに来る時間。……カナを起こさないと。
横ですやすや寝ているカナ。寝顔も可愛い。お人形さんみたい。
カナの頬を撫でる。……綺麗な肌。綺麗な髪。
なんだかすごく愛おしくなって。この時間が耐えられなくて。
カナの綺麗な唇に朝の挨拶をした。
するとカナの目がパチリと開く。
「……おはよ。カナ。」
「……日巡璃。…………おはよ。キスした?」
「うん。……1回だけ。」
「ふふ……まだ寝てれば良かったかも?」
……イジワル。そんな顔して……。
「起きるまでしないといけないの……顔が爆発しちゃいそうだからやめてね?」
「冗談よ。お風呂行きましょ?……身体洗ってあげる。」
「……カナがしたいだけでしょ?」
「いや?」
「…………して?」
「うふふ……可愛い。」
カナに腕を引かれてお風呂へ。カナは私の全身くまなく手で洗ってくる。
カナは私の身体を触るのが本当に好きだなぁって。……私もカナに触られるの好きだから……お互い様か。
私はカナのものだよ……重いか。
少々の長風呂。
少しの疲労感と多量の幸福感。カナにやってもらうことはなんだって嬉しい。……だから私もお返ししたくなる。
カナの髪を乾かす。
私はカタツムリだから……体毛がほぼ生えなくて、髪の毛も1年に1度くらいのペースで少し切る程度。全身はツルツル。
だから他人の長い髪を乾かすのが少し楽しくて。カナだからやってあげたくて。
「痒いところはございませんか〜?」
「ふふっ。なにそれ?……上手よ。日巡璃。」
カナに笑われるだけで。カナに褒められるだけで嬉しくて。
好きってこんなに幸せなんだと何度も噛み締める。
「はい。終わり。」
「あら。もう?」
「またいつか出来るよ。」
「……それまで一緒にいてくれる?」
カナを後ろから抱きしめる。
「私もうカナから離れられないや。」
「あら。熱烈ね?」
カナは私の頬にキスする。
少しだけびっくりしたが……それ以上に心が満ちた。
「私も日巡璃から離れられないわ。……愛してる。日巡璃。」
「私も……あ……愛してる。カナ。」
顔が熱くなる。好きはわかった。……愛してるは……まだ心の準備がいる。
「まだ恥ずかしい?昨日あんなに言ったのに……」
「……もう。言わせたんでしょ?イジワル。」
「そうだったかしら?」
とぼけるカナ。……もう。私じゃなかったら許してないよ?
「カナったら…………もう。」
「うふふ。……嫌じゃないでしょ?」
「…………言わせなくてもわかってるくせに。」
「言って欲しいの。……私の日巡璃にね?」
「…………嫌だったら……一緒に居ないよ。」
「及第点ね?」
「厳しいなぁ?」
カナと一緒に食堂へ。
朝食を済ませ、カナの部屋に行く。
私の膝枕でカナが寝てる形。私の太ももは色んな人に大好評です。
「今日は何時までいるの?」
「うーん……17時くらいには帰りたいな。……それまでずっと一緒だよ?」
「……嬉しい。まだいっぱい独り占め出来るわね?」
「まだ独り占めし足りないの?」
「足りない。……もっともっと私の証を刻み込みたい。」
カナから向けられる欲望に満ちた視線。
背筋が反応してしまう。
「〜〜ッ!」
「嫌じゃないんだ。」
カナに足を撫でられる。触れるか触れないかの境目。弄ぶような。慈しむような。
「……ッ!…………ッッッ!」
「うふふ…………全部反応しちゃって……本当に可愛い。」
「カナのッ…………せいだよッ……んっ!」
「じゃあ……私が責任取らないとね?」
カナが起き上がり、また押し倒される。
手は恋人繋ぎ。カナが私の腰にまたがる。
「嫌だったら……力づくで退かしてもいいのよ?」
「…………嫌じゃないの知ってるくせに。」
「本当に誘うのが上手いわね?」
カナが私の首筋に口をつける。
ちうちうと吸われてるようだ。
「カナ……?……何を……?」
「……私のマーク。あの子達に見せつけるの。私の日巡璃だって。」
「???」
「まぁまたお風呂場で見なさいな。」
「…………またお風呂行くの?」
「どうせ汚れるでしょ?」
「……えっち。」
「満更でもないくせに。」
私はカナにされるがまま。
カナから求められるだけで体が嬉しがっちゃってる。……もう……カナは麻薬だなぁ。
夕方。車で雄英まで送られる。
車内にて……
「カナ。また明日ね?」
「……うん。」
カナは毎度寂しそうな顔をするが……今日は少し違ってる気がする。
「そんな顔しないで?」
カナを抱きしめる。
「ねぇ……一緒に住も?……日巡璃。お願い。」
カナの口から初めて聞くセリフ。
「…………ごめんね?卒業したら……ね?」
「…………長いよ。……私……毎日日巡璃にキスしたい。毎日抱きしめて欲しい。毎日一緒にお風呂に入りたい。…………辛いよ。」
カナにしては珍しい我儘。そんなカナが愛おしくて……救ってあげたくて……
カナの頭を撫でる。
「…………私もだよ。……じゃあさ。夏休みのどこかの1週間。……カナの家に泊まりたいな。……ダメ?」
「!!…………いいの?……こんなめんどくさい女なのに……」
「私の好きな人を貶すの禁止。1週間私を好きに出来るんだよ?」
「…………凄く嬉しい。……約束だよ?」
「うん。約束。」
カナと再度強く抱擁を交わす。
「…………ありがとう。日巡璃。……愛してる。」
「私も。……愛してる。カナ。また明日ね?」
「……うん。また明日。」
最後に軽く口付けをし、カナと別れる。
…………カナの車が見えなくなるまで手を振る。
今生の別れじゃないのに。また明日会えるのに。
なんでこうも辛いんだろう。
…………これが好きって事。
離れたくないって事。
「…………好きかぁ……。」
劇物だよ……。
もうカナに会いたくなってるもん。
カナ……今日絶対通話しよ。