side槍田日巡璃
「ねぇ日巡璃!」
帰る準備してる時、カノーテスちゃんに声をかけられる。
「今日お昼一緒に食べない?」
「あぁ〜!いいね!天捻ちゃんも呼ぼ!」
「ぐっ……アイツも……いいわよ。」
ちょっと悔しそう。なんで??お友達みんなで食べたいよ!
「えぇ!2人ともご飯行くの!?アタシも……」
「天気!君は勉強だ。とっとと家に帰るぞ!」
べしっと天気ちゃんの頭にチョップが入る。
「ぎゃっ!もう!!頭叩かないでよ!帰るから!」
「君の親御さんにお願いされてるんだ!俺も期待に応えないと!」
「あなたはアタシのなんなのさ!」
なんかまた2人で喧嘩始めた。
「……ねぇ……ふたりは付き合ってるの?」
「「付き合ってません!」」
息ぴったりじゃん。
そのまま普通科に顔を出す。
「こんにちは〜。中曲瀬さんって居る?」
「……あ!ひまひま。カノカノ。」
…………ん?なんか…………
なんか睨まれてる!なんで!?
「……ハァ……お昼行かない?」
「……!……いいよ!行こ行こ。」
クラスの……雰囲気悪い?大丈夫?
「…………。」
天捻ちゃんを引き連れて食堂に向かう途中、カノーテスちゃんに説明された。
「雄英の普通科はヒーロー科に落ちた子が入るって知ってるわよね?」
「うん。天捻ちゃんもそうだよね。」
「……うん……私……頑張るよ!」
天捻ちゃんがサムズアップ。可愛いねぇ!
「だからヒーロー科に劣等感持ってる子も居るの。……あんまり私達が直接顔を出すのは良くないかもね。」
「えぇ!やだよ!天捻ちゃんとお話したい!」
「…………ごめんね。……私が落ちちゃったから。」
「いいわよ!気にしないで。……何で落ちたの?実技?」
「……うん。個性が……実技向きじゃなくて。」
「……たしかに雄英の入試は……個性が戦闘向きじゃないと大変よね。」
「……私の個性は……守るだけだから。ポイントが全然取れなかった。」
「……天捻。」
うー……そういえばお姉さんが雄英の入試は公平じゃないって言ってた気がする!それかも……。
「……うー!!きっと大丈夫だよ!だって普通科からヒーロー科になれるんでしょ!?」
「!……そうね!私達も協力してあげるわ!」
「うん!」
「…………ありがと。2人とも……やさしいね。」
お昼ご飯は美味しかった。
夜、お風呂上がり。
「……あれ?」
「あら。」「……ん?」
たしか……
「圖書憂世さん!と離引子さん!2人とも寮なんだ!」
「うふふ。槍田日巡璃はんも寮なんですね?」
「へぇ……B組にも結構寮の女の子いるんだな。」
2人でくつろいでるみたい。仲良しさんだね!
「うん!私福岡だから!」
「福岡!遠いね。」
「引子はんも遠いじゃありませんか。」
「え!……引子ちゃんって呼んでいい?引子ちゃん何処なの?」
「私?私京都。圖書と一緒。」
一緒!?もしかして天気ちゃんと天眼くんみたいに……
「え?幼なじみなの?」
「うふふっ。私達従姉妹なんどす。」
「えぇええ!すごーい!!全然似てないね!?」
「お母さんが姉妹なの。どっちもお父さん似だからあんまり似てないだ。」
「へぇ!だから2人とも美人さんなんだねぇ〜♪」
2人の目が見開かれる。
「まっ……口が達者です事。槍田はんもお綺麗な顔しとられますやないの。」
「えぇ〜?そんなことないよ。」
「またまた。」
「圖書。」
引子ちゃんが憂世ちゃんを手で制する。
「…………なるほど。」
「……言いたくないなら言わないで?槍田って虐められてたとか言ってたよね?大丈夫だったの?」
「そうだよ。まぁ私の外見ならしょうがないよね。」
「異形差別……少なくなったとは聞いてましたけど……」
「そうだね。私達の周りじゃなかったから。……気が付かなかっただけかもだけど。」
少ししんみりムードになっちゃった。どうしよ……そうだ!
「…………まぁ私は小さい頃にヒーローのお姉さんに助けて貰ってから、胸を張って生きるようにしたんだ!いじめにも負けないぞって!」
「めっちゃかっこいいじゃん。」
「ヒーローはんのお名前お聞きしても?」
「いいよ!ブラッドロータス!」
「ブラッドロータス!……知ってるよ。チャート120位くらいのヒーローでしょ?」
「え!知ってるの!すごいすごい!」
「うふふ。引子はんはヒーローオタクやからね。ヒーローの事大好きなんやよ。」
「そ……それよりも!ブラッドロータスって雄英の保健室にいるよね!」
「そうだよ!おねーさんとは雄英で会う約束したんだ!」
「またまた……ついさっき『どんなヒーローが居るか見てくる!』とか言って学校駆け回ってたのは何処の誰やっけ?」
「圖書!!」
「うわぁ!本当にヒーロー大好きなんだね!羨ましいなぁ!」
「羨ましい……か。好きな事見つかるといいね。」
「うん!見つける予定だよ!」
「……健気どすなぁ。心打たれますわ。」
「…………圖書……ホント変わんないね。」
「……あれ…………ひまひま?」
後ろから天捻ちゃんの声!
振り返ると天捻ちゃん。お風呂セット持ってる。
「天捻ちゃん!どうしたの?お風呂?」
「ん……ひまひまは?」
「ごめんね?もう入っちゃった。」
「次は……一緒に入ろ。」
…………ちょっと難しいかも。
「ん〜……機会があればね?」
「……わかった。ばいばい。」
「ばいばーい。また夜ね!」
「あの方も可愛らしいお方……。どちら様ですか?」
「あの子はね!普通科で私の隣の部屋に住んでる中曲瀬天捻ちゃん!……ヒーロー科落ちちゃったんだって。」
「……そう。…………みんなヒーローになりたくて雄英に来てるはずなのに。なれない子もいるなんて…………大変だね。」
「でも天捻ちゃん頑張るって言ってたからしっかり応援してあげるんだ!私も一緒に頑張るよ!」
「っ!!!く〜〜っ!!」
急に憂世ちゃんが悶え始めた。
「……憂世ちゃんどしたの??」
「……ごめんね。槍田。コイツ健気とか頑張ってるとか努力とかしてる可愛い子が大好きなんだ。変態なんだよ変態。」
「やめておくんなまし!正常!正常どす!!」
「どこがだよ。努力してる子を影で見守りすぎてお前中学生の頃変態おばけって呼ばれてたんだぞ。」
「変……そんな…………私は努力を愛でたいだけなのに…………。世の中おかしいわ……。」
しくしくと手で顔を覆い鳴き始めた憂世ちゃん。そんな憂世ちゃんに目もくれず話し出す引子ちゃん。
「……まぁ人の事言えないけどお互い変なやつだよ。だから多少変な特徴あってもみーんな普通。あんまりいじめられたとか気にしない方がいいよ。」
「しくしく…………。」
「……!……ありがと!いい人だね!」
「……まぁね。普通いじめとか大嫌いだから。槍田とは仲良くなれそう。改めてよろしく。」
「よろしくね!引子ちゃん!……憂世ちゃんもよろしく!」
「はい。よろしゅう。」
「やっぱ泣き真似かよ。ダリィな。」
「そんな酷い事言わいでも!」
なんか言い合いが始まっちゃったからお部屋に戻った。凄く仲良しなんだね!
そのまま部屋で勉強中。
ノックと共に天捻ちゃんが入ってきた。
お風呂上がりだ!髪の毛ふわふわだね!
「……ひまひま。一緒寝よ。」
「いいよ!ちょっとまっててね。一区切りつけちゃうから!」
「うん。…………ベッドで待ってる。」
prrrr……
およ!カノーテスちゃんから通話だ!
『もしもし!日巡璃!大丈夫!?』
「え?何が?」
「……むぅ。」
『天捻が今から夜這いをかけに行くって……』
「夜這い……?なにそれ。」
「『え?』」
2人の空気が固まる。
「知らないから調べるね!」
『いやいいわ!知らないなら知らない方がいい事もあるのよ!!』
「…………強敵。」
「……そう?じゃあやーめた!」
『…………知らないならそれはそれで……でもそれはそれでちょっと複雑ね。』
「カナカナ。本当に強敵…………だね。」
なんの事??