side槍田日巡璃
暇だなぁ……
今日は形だけ処分の日。免許持ってない私達が普通科の子に個性を使った……ので体裁的な処分。
まぁこれで何も無いっていう例外を作っちゃうと線引きが難しくなっちゃうもんね。しょうがないよね。
にしても……
「ふぁ〜……」
朝起きて、皆を見送ってすぐ。
あまりにもすることがないから机に向かってたけど……宿題も終わっちゃった。安毛ちゃんはもう一寝入りしてくるってウキウキだったし……することないよねぇ。
うーん…………何しようか。
部屋を少し見渡す。あ……あれ……天捻ちゃんから借りてる本。早く返さないと……
………………天捻ちゃんが無事でよかった。本当に。……本当に。
私達が仲良くしてたから。ヒーロー科を目指してたから。
……虚しいね。いじめる人の思考は私には理解出来ない。例えどんな理由があったとはいえ……いじめを正当化していい理由は存在しない。
本当は同じ目に合わせてやりたかった。天捻ちゃんのためなら……退学だってしても良かった。
でもそれは天捻ちゃんが望まないから。それはヒーローのすることじゃないから。きっとおねーさんだって非難する。
「……ふぅ。」
……私ってこんなに天捻ちゃんが大事なんだ。
天捻ちゃん…………
スマホを開く。
「…………ふふっ。」
寮に来た時。天捻ちゃんと撮った写真を見る。天捻ちゃんは……この頃から私のことが好きだったんだよね。
…………そっか…………そっかぁ。
少しだけ口角が上がる。
コンコン
部屋のドアがノックされる。
あれ?……今日は誰もいないはずだけど……安毛ちゃんかな?
「はーい。今開けるね!」
ガチャ……
「安毛ちゃん?……どうした…………の……」
目の前にいたのは天捻ちゃん。……天捻ちゃん!?
「やっほ。」
「あれぇ!?天捻ちゃん今日学校行かなかったっけ!?」
「……熱が少しまだ残ってたから……早退してきた。」
そう言われるとほんのり頬が赤い気がする。
「大丈夫!?早く休まないと!!」
「……ひまひまに…………会いたくて。」
視線を下に落とし、少しモジモジする天捻ちゃん。……ちょっとだけキュンとした。
「……そっか。……皆が帰ってくるまで私の部屋で寝てる?」
「ありがと……ひまひま。」
天捻ちゃんが部屋に入る。制服のままだけど、流れるように私のベッドに入っていった。
「辛くない?水持ってこようか?」
「大丈夫。ひまひまに会って……ちょっとだけ元気出た。」
「……だったら……良かったね。」
「……照れてる?」
「うるさい。」
なんでカナといい天捻ちゃんといい2人とも歯の浮くようなセリフを吐けるかなぁ……?私だけダメージ受けてるの意味がわかんない。
「……ひまひま……こっち……来て?」
「……風邪うつっちゃうよ?」
「大丈夫。……それとも…………嫌?」
そんな言い方されたら……
「嫌じゃないよ。……じゃあ横失礼するね?」
「ひまひまのベッドだよ……?失礼も……何も無いよ。」
「だとしてもなの〜。」
「そっか。」
天捻ちゃんが開けてくれたスペースに潜り込む。
すると天捻ちゃんは私に抱きついてきた。
「…………ひまひま。……助けてくれて……嬉しかった。」
「……バカ。なんで言わなかったの。…………私天捻ちゃん死んじゃうと思ったんだからね?」
私も天捻ちゃんを抱きしめる。
「それは…………ごめん。…………私……いじめを少しなめてたかもしれ……ない。言えないね。……周りにさ。」
「…………そうだよ。言えないよ。…………心配かけたくないから。…………でも……でも言って欲しかった。」
「…………ごめん……ね。」
「……うん。」
天捻ちゃんの力が少し強くなる。
「ねぇ……ひまひま……私今から……悪い子になっても……いい?」
「……え?」
急に何を……?
「……あのね……ひまひまに助けてもらった時……すっごく……かっこよかった。胸がキュンキュンした……。もっと……やって欲しくなっちゃった。」
「ダメだよ!!もう絶対いじめさせないから!!」
「んへへ……嬉しい。……でも……それくらい……私ひまひまが……好きなんだなって…………あの時のひまひまが……脳裏にこびりついて離れないの。…………好き。かっこいい。だから…………またいじめられるのも……悪くないかなって…………思っちゃった。」
「天捻ちゃん…………」
「そんなこと……しないけどね……?」
くすくすと笑う天捻ちゃん。少し不安になりつつも、天捻ちゃんの頭を撫でる。
「……んふふ。」
「……え?」
すると天捻ちゃんが私を仰向けにさせて、上に乗る。手を握り、私の顔を覗き込むように見下ろす。
「ひまひま。……好き。いっぱい好き。愛してる。ねぇ……私も彼女にして……?カノカノだけずるいよ。結婚しよ。結婚。……いっぱい子供作ろ。子作りしよ?2番目でいいから…………ね?ね?」
天捻ちゃんが捲し立てる。
「彼女にしてくれないのは……少し寂しい。ひまひまのこと……諦められない。子種だけでも……いいから……ちょうだい?ひまひまの……初めての女になる……から。愛してるよ……愛してる。……ひまひまの全部。全部愛してる。…………逃がしたくない。もう……私だけのものにしたい……ねぇ……ひまひま……私……私……」
「天捻ちゃん。」
「…………ごめん。……困っちゃったよね。……気にしないで。」
天捻ちゃんの手の力が少し弱くなる。
「……私と付き合ってくれる?」
私は逃がすまいと上半身を起き上がらせて、天捻ちゃんを抱き寄せる。
「……え?」
「私もさ。天捻ちゃんのこと好き。……いじめられてた時……死んじゃわないか不安になった。怒りで頭がどうにかなりそうだった。…………でもね?天捻ちゃんの事思ったら冷静になれたんだ。…………私の中で……天捻ちゃんがそれくらい大きくなってる。……これはきっと……好きってことだよね?ううん。好き。私……この気持ちを好きだって信じたいから。」
「ひま……ひま。…………嬉しい……。」
天捻ちゃんが少し上体を起こして私を抱きしめる。
ぽよぽよと柔らかい感触が私の顔を埋める。
「好き……好き……夢じゃない……よね?」
「夢だったら……また告白するよ。何度でも。」
「……〜〜〜ッ!!……ひまひま……かっこいい。…………私だけの……ひまひま。」
「カナもいるよ?」
「大丈夫。共有財産だから。」
「……いつの間に……。」
天捻ちゃんが私を解放する。……ちょっと寂しい。
「ねぇ……ひまひま。私……我慢できない。」
「……えぇ!?今!?熱あるんじゃ……」
「あれね……嘘。」
「嘘ォ!?」
「ひまひまのことが……頭から離れなかったから…………授業のこと全然集中できなかった。……だから……帰ってきた……んふふ。」
「悪い子。」
「そうだよ……?今日は悪い子……悪い子には……どうするの?」
天捻ちゃんが私のソレを腰をグラインドさせて刺激する。
「天……捻ちゃん!?……んっ……!?」
「ねぇっ……ヒーローは……悪い子にっ……何するの?」
「くっ……んっ……!?」
「んふふふ…………負けちゃうっんだ?……私みたいなっ小さい子に……ヒーローなのに……」
「まっ……待って!」
「やーだ。……私の脳を焼いた…………責任取って?未来のっ旦那様……♡」
「やっ……!!」
「熱大丈夫だったん?」
「ん……ありがと……いんいん。」
「心配したんやで?昨日の今日やし…………槍田はんは何してますのん?」
「今日……看病してもらったから……疲れてる……と思う。」
「…………。」
「そうなんだ。お疲れさん。しっかり休むんだよ。」
「…………うん。」
「…………中曲瀬様。くれぐれもやり過ぎには注意してくださいね。」
「はぁーい。……んふふ。」
「「??」」
魔性の女だ……天捻ちゃん。