side槍田日巡璃
今日は体力測定。みんな体操服に着替えてグラウンドに。
……体力測定か〜!よーし!いっぱい頑張るぞ!!
「僕……体力測定苦手であります。」
「俺も〜。ゲームしてぇ。」
加糖くんと小廻くんは少し嫌そう。苦手な子もいるよね。うんうん。
「日巡璃。自信の程は?」
横にいるカノーテスちゃんに話しかけられる。
「もちろん!自信あるよ!」
「だったら勝負ね!」
「うん!いいよ!」
もっと楽しみになっちゃった!
「みんな集まってるな。」
「「「スナイプ先生!」」」
「よし。じゃあ体力測定をするが……特殊ルールがある。んーと……弾野原。これ投げてみろ。」
「俺?」
弾野原くんに投げ渡されたのはボール。
「ここに立ってくれ。何やってもいい。そのボールを遠くに飛ばしたらOKだ。……もちろん個性を使ってもいい。」
「なるほどネ!」
「まじ!?」「面白そう!」
「じゃぁ……いくヨ!」
弾野原くんがボールを上に投げ、指を銃みたいに構える。
「BANG!」
そのままボールがすごい勢いで飛んでいく。
「……ふむ。630m。充分だな。」
手元の計測器でわかるんだ!便利!
「まぁこんな感じで個性ありきの体力測定をする。君達の身体能力の上限を我々が知るための訓練でもある。全力で取り組むように。」
「「「はい!」」」
「じゃあ出席番号順にいくぞ。青空から。」
「えぇ〜……アタシからぁ?」
「うぅーん。個性ありきの身体測定かぁ〜。」
「……不満?」
後ろから声が聞こえた。
「あっ……髑髏ちゃん!」
それはそうだよね!出席番号順だもん!
「私異形個性だからさ〜。個性ありきとかよくわかんないんだよね〜。」
「……確かに。だったら本気。全力でやったら?」
「全力かぁ〜。そうだね。やってみよ!ありがと!!」
たしかに今ままでの体力測定セーブしてたかも。よーし今日はリミッター外しちゃうぞ!
「……いいよ。頑張ってね。」
よーし!頑張っちゃうぞーー!!
「次。槍田。」
「はーい!」
ボールを握る手に力が入る。
ミシ…………パキ……
うん!なんか力が湧いてくる!
そのまま。
全力で振りかぶって。
発射。
side???
考えてみれば当然だろう。2mを超える巨体。元はと言えば全身筋肉の塊のカタツムリの個性。骨はあれど……筋肉の密度は人間のそれじゃない。
「702m!」
「えっ!ほんとぉ!?やったぁ!!!」
幼い頃から夢見たブラッドロータスというヒーロー。彼女を師事して鍛え上げた身体。まだまだ発展途上ながら、いじめにより押さえつけ続けた身体が……
「日巡璃!すごいじゃない!!」
「へっへーん!そうでしょ!?」
今、産声を上げた。
side槍田日巡璃
今日はなんか調子がいいよ!身体が思い通り以上に動く!
次は持久走!走るの得意だよ!!
「走るの苦手なのよね……。」
カノーテスちゃんは苦手みたい。
「おねーさんが大事なのは身体って言ってたよ!個性に頼りすぎるのは良くないって!」
「うー……走り込みかぁ…………。」
「よし。始めるぞ。…………よーい!ドン!」
みんな一斉に走り出す…………訳ではなく。
「じゃあ俺はお先!」
流鏑馬くんは空飛んで行ってしまった。あれ持久「走」でいいの??
「あの野郎……行かせねぇよ!!」
「オイラ!フルパワーッ!!」
香曽我部くんと能面くんが走って……っていうか、香曽我部くんは全身から霧を出しながらすごいスピードで猛追。能面くんはおかめのお面つけて同じくらいのスピードで流鏑馬くんを追いかける。
「うわー!早いね!みんな!」
「ハァ……ハァ……なんで……アンタは……息上がってないのよ!」
「え?だってこんなのまだまだだよ〜。おねーさんに言われて暇な時は走ってるもーん!」
「ハァ……ハァ……くっ……運動しとけば……良かった!」
「じゃあ私も行ってくるね!!」
「え?」
足に力を込める。
「ちょっと!日巡璃!!」
ぐんぐんぐんぐんと速度が上がる。
「あははっ!3人とも!待って!!」
もう追いつくよ!!
「なっ!?」
「ヘァ!?」
「ヒューッ!早いね!!」
「追いついたーー!!一緒に走ろ〜!」
「てめ……どんな身体してんだほんとによォ!!」
「香曽我部くん身体から霧出せるんだね!汎用性あるなぁ!」
「……へっ。知ったからなんだよ!俺は負けねぇぞ!!」
香曽我部くんヤンキーみたいだけど話してみるとそうでもなぁ!結構話しやすいかも!
「私も負けないよ!!」
香曽我部くんが速度を上げる。
「まだ速度あげるのか!やるな!ボーイ!」
「うーー!靴じゃ走りにくい!!もういいや!!」
走りながら靴を脱ぐ。
「なにしてんのや!?足怪我するで!?」
「大丈夫!」
そのまま足を地面に付けて、足の裏だけ動かす。昔から……それこそおねーさんに会う前から!ずーっとやってきた私の特技!!
「やああああああっ!!」
「はァ!?足の裏だけで!?」
いけえええええ!!
「はぁ!はぁ!はぁ!……はぁ!?」
並んだ!!
「もっかい追いついたぞーーー!!」
「やるじゃねぇか!!だがなっ!!絶対負けねぇ!!」
「お二人さん!俺もおるで!!」
流鏑馬くんも追いついてくる。
楽しい!!楽しい!!!
このまま……
なんていくはずもなく。だってこれ……
「ハァ……ハァ……ハァ……」
「ぜーっ……ぜーっ……ぜーっ……」
持久走だし。
「ふーーーーーっ!……はぁ……はぁ……2人とも!お疲れ!」
「ぜーっ……ぜーっ……お疲れさん……ぜーっ……」
「ハァ……ハァ……てめぇ……どんな体力してんだよ…………。」
「負けちゃったけどね?」
そうなんだよね!2人を体力差で追い越した最後の最後。
「うふふ。皆さん早かったどすなぁ。」
憂世ちゃんに抜かれちゃった。憂世ちゃんの個性。立体文字。どうやら文字の特性が反映されるみたいで……色んな文字組み合わせたなんちゃってバイク作られてそのまま追い抜かれちゃった。
「くそっ……いい個性だな!てめぇも!」
「ありがとうございます。お二方ももう少し離されていたら抜かせませんでした。……私の個性は時間がかかることがネックやわぁ。」
「くーっ!!これじゃホークスになれん!もっと精進じゃな!」
スナイプ先生がこっちに来る。
「4人とも。いい動きだった。自らの個性の最大値を出したいい動きだった。」
あれ?そういえば能面くんは……?
「はらひれほれほ〜……」
あれ!?最下位!?なんで!?
「能面殿は個性に時間制限があるらしいであります!さっき聞いたであります!」
加糖君が答えてくれる。そうなんだ……時間制限付きの強化って感じなのかなぁ?むむむ……難しいね!
「お水持ってきたであります!全力で走られたので大変でしょう!」
「ありがてぇ!……めぐみの水じゃぁ〜!」
「加糖!良い奴だなお前!ありがとよ!!」
「私はいいよ〜。もうお水貰ってるし。」
「私もです。加糖はん。お気遣いありがとうございます。」
「いえいえ!それでは僕は失礼するであります!」
みんないい雰囲気だ〜!楽しい!
「よーし!次も頑張っちゃうぞ〜!!」
「へっ!お前がソレなら負けてらんねぇな!」
「次こそ俺が最速や!!」
「……はぁ……とてもイイ!」
憂世ちゃん?その発作ここでも出るの??
体力測定が終わって、みんな着替え終わった。
今は昼休み。ご飯を食べに食堂に向かってる最中。
「うー!……日巡璃身体強すぎるって!!」
「えへへ!そうでしょ?」
「…………ひまひま。かっこよかった?」
「とっても!!」
「やったー!」
いつもの3人組で。
お腹ぺこぺこ!何食べよ!!
「オイ!謝れや!!」
「もういいであります!香曽我部殿!」
何?なんか騒々しい雰囲気。
「日巡璃!」
「うん!行こ!」
「…………わたしも。」
聞こえた声は香曽我部くんと加糖くん。
廊下を曲がると……そこにはお菓子が散乱してる場所に倒れてる加糖くんと、誰かに突っかかってる香曽我部くん。
相手は女の子だ。黒髪。つり目の気が強そうな子。
「謝れっつってんだ!てめぇ加糖の事バカにしやがって!!」
「当たり前じゃない。そんなに鈍臭いのにヒーローを目指してるなんて。事実を言ったまでよ!」
「言っていいこと悪いことがあるだろうがよ!!」
「香曽我部殿!!もういいであります!変に争いを起こしちゃダメであります!!」
加糖くんが香曽我部くんの袖を引く。
「お前が良くても!俺が許せねぇ!!」
「…………ふん。B組には……まともな人は居ないようね。」
ってことは……A組の人?
「少し考えたらわかるはずよ。私達は既に身体測定を終わらせた。貴方達よりも1歩早く強くなれるってこと。既にコスチュームを着ての授業が午後にあるわ。そんなもの食べるくらい余裕があるなら己の力を見返したらどう?」
む…………
何がなんでも……
「コイツ!!」
間に割り込む。
カノーテスちゃんも天捻ちゃんも一緒だ。
「何がなんでも言い過ぎだよね?」
「……槍田……!」
「貴方達……誰?」
「……アンタ。A組でしょ?多少授業が早く進んだくらいで大きな顔できるなんて……脳味噌お花畑なのかしら。」
「……ん。普通科の人を馬鹿にしないで。」
「…………ふん。興が冷めたわ。」
A組の人はその場を去る。
「加糖くん。大丈夫?拾うよ。」
「もう。こんな所まで散らばってるじゃない!」
「ありがとうであります……2人とも。」
「……ん。……私も手伝う。」
「……お前は誰だ?」
香曽我部くんが天捻ちゃんに問う。……たしかに!知らないよね!
「お前じゃない。中曲瀬。普通科。ひまひまとカノカノのお友達。」
「ひまひま。」「カノカノ。」
ひまひまでーす!
……カノーテスちゃんもやってよ!!