side槍田日巡璃
「煌めく眼でロックオン!!」
「キュートにキャットにスティンガー!!」
「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!!」」
「「わーーーーーっ!!!」」
「「「…………。」」」
林間合宿1日目。3日間の強化合宿……らしい。今年中に1年生は仮免許を取る都合、もっともっと強くならなくちゃいけないのでそれ相応の訓練が必要だ……なので特訓日を夏休みに設けてるらしい(おねーさん談)。
急にバスを下ろされて、目の前にプッシーキャッツのお二人。マンダレイさんとピクシーボブさん。2人とも全然40歳に見えないくらい綺麗な人。
この合宿中はお世話になるらしい。バスの中で聞いた。
「マンダレイさんお久しぶりです!」
「日巡璃ちゃん!雄英どう?洸汰が会いたがってたわよ。林間合宿に着いてきてるから壊理共々会ってあげてね?」
洸汰くんだけじゃなくて壊理ちゃんも来てるの!?やったー!!
「わかりました!時間があれば!」
「うんうん!お願いね!」
「…………ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ……!はぁ…………感激!!」
「こら。もう既に林間合宿は始まってる。余りはしゃぎすぎないように。」
「「「はーい。」」」
引子ちゃんは相変わらずだね。
「…………それで先生。なんでウチらはこの場所に降ろされたんですか?挨拶だけって訳じゃ無さそうやけど……。」
……たしかに。見晴らしがいい場所だね!…………宿は何処だろ。
「うむ。説明をしよう。あそこを見てくれ。」
スナイプ先生が指さす。
「「「?」」」
あっ……すこーしウッドハウスが見える。……うっすらだけど。
「あそこが今日から3日間泊まる場所だ。」
「…………それだったらなんで尚更こんな場所に……」
「…………。」
なんか嫌な予感がする。
「言っただろう。既に合宿は始まってると。」
ドゴォ!!
土流が私たちを包み込み、森に押し流す。
「うわああああっ!?!?」
「きゃああああっ!!!!」
「これっ!!ピクシーボブのっ!個性!!!感激!!!」
「そんな事言っとる場合やないよ!落ちるわ!!!」
「カナ!!」
「任せて!この土は……衝撃を吸収するッ!!」
ボヨヨーン……
「のわっ!?」
「きゃっ!?!?」
皆で弾き飛ばされる。
「…………なんとか……みんな無事だね?」
「委員長。自分だけ殻に籠るのセコいって。」
「……ダメ?」
多分ピクシーボブさんはたたき落とすみたいなことはしないと思うけど、安全には安全をだよね。
「それよりも……これって多分合宿場に私たちだけで行けって事だよね。」
「……そうだなぁ……方向は教えてもらったからまっすぐだけ行こう。」
「俺空飛んで方向教えるわ。」
「流鏑馬くんありがとう!」
「……とりあえず進もう。日が暮れてしまう!」
「「「おう!」」」
慣れない山道。足場が悪いながらも進んで行く。
「……ハァ……ハァ……き……キツいでありますなぁ!」
「林間合宿ってもっと和やかなもんだと思ってたぜ……」
…………。
「……まって。何かいる。」
「はぁ!?野生動物!?」
「熊か??」
すると目の前に2mを優に超える土でできた動物みたいな化け物が姿を表す。
「「「うわああああっ!?!?」」」
「スラッグ……」
「怪刀ッ!!」
香曽我部くん!反応早いね!合わせるよ!!
私が下腹部。香曽我部君が上半身。
「ハンマーーッ!!」「乱霧ッ!!!!」
香曽我部くんの刀と、私の攻撃で化け物は土塊に戻る。
「……やるじゃん!」
「槍田こそな!」
「なっ……何何何!?」
「土に戻った……?ってことはこれピクシーボブの個性ってこと!?」
「すげぇな……この距離操作できるのか……」
「…………これがずっと出てくるって考えると相当大変だね。」
「我々も気を抜かずに行こう。近距離で戦えるものは前へ!拘束及び遠距離攻撃ができるものは後方へ!」
日河原くんが後方組に混ざっていく。
「日河原くん!後ろ任せたね!よーし!!前衛組!行くよ!!」
「「「応!!」」」
「任せてくれ!後方組!全力でサポートするぞ!!」
「「「応!!」」」
体力を使いすぎないように。それでいて迅速に。
全員で乗り切るよ!!!
夜。
「お疲れ様。」
「…………あい。」
「……キツかった……。」
「…………お腹ぺこぺこ……。」
なんとか着くことに成功した。……本当になんとか。
道中沢山泥の化け物が出てきて大変だったけど……何とかなったね。みんなのお陰だよ……。
「やるじゃん皆!今日中に帰ってくるとは思わなかったよ。」
「マンダレイさぁ〜ん……やりすぎですよぉ……」
「うふふ。ごめんね?でもまだまだ余力はありそうね?」
「みんなで協力したんです〜!」
「…………あれ?A組は?」
「バス乗る時一緒だったよな?」
「A組は別の方向から来てる。……と言ったがもう既に到着してる。」
「「「早!?」」」
「と言っても30分くらい前だがな。」
30分前かぁ……それでも負けちゃったな……
「個性の兼ね合いもあるが……チームワークでは負けてしまったな。次頑張ろう。」
「「「……はい。」」」
みんなガッカリムード。出来る限り全力出したんだけどな……
「ひまちゃん!」「ひま姉!」
この声……!
「壊理ちゃん!洸汰くん!!」
2人が合宿場から出てくる。
「大丈夫だった!?泥だらけじゃない!」
壊理ちゃんに制服の泥を叩かれる。
「えへへ……頑張ったから!」
「雄英……すげぇな……」
「洸汰くんも来るんだよぉ?」
「頑張る!ひま姉には負けない!」
「え?誰?」
「すっげぇ可愛い子いるんだけど。」
「槍田の知り合い?紹介してよ。」
「お嬢さん!僕とお茶でも……」
ちょっと男子!!
「……は?」
洸汰くんからどす黒いモヤが……!!
「洸汰くん!!……この子は私のお友達の出水壊理ちゃん。マンダレイさんの養子で……こっちの洸汰くんの彼女さんだよ。洸汰くんもマンダレイさんの養子なんだよね!」
「よろしくお願いします。」
壊理ちゃんが洸汰くんの腕を取る。
洸汰くんの表情が少し綻ぶ。…………はぁ良かった。
「なんだよぉ!見せつけやがって!」
「なんだ。僕の魅力が分からないのも無理はないネ。既に魅力的な太陽がいるんだからサ!」
「弾野原サン。最初から既に負けてるッス。」
「うるさいネ!」
「……とりあえず今日はとっとと風呂と晩飯を食べて休んでくれ。明日の朝は早いぞ。」
「「「はい!」」」
しょんぼりムードもどこかに行っちゃった。ありがとう壊理ちゃん。洸汰くん。
その後はお風呂。ご飯を済ませた。
「……そういえばなんでA組早かったの?」
「あぁそれはね……」
お風呂上がり。B組の女子部屋でお話してると、A組女子が突撃してきて雑談大会。私は気になってることを無神さんに聞いてみた。
「薬額くん……あの体育祭の時ディミトリウさんと戦った子。あの子がいるから体力面でスピードダウンすることはほぼ無くて……攻撃力って面でも薄暗い場所だったのもあり最強格の周導さんが居たから余り困らず……他にもサポート個性の強い子も居たから慣れない道と方向がわかんない以外に困ることなかったわね。」
「うぅーん……それを踏まえると速度的に負けてもしょうがなかったのかなぁ?」
流鏑馬君が方角を教えてくれてたのはあるけど……それ以外のサポートがなかったのもある。天眼君が道を教えてくれて、無頭くんが接敵確認。みんなでできることはやった。……けどA組の方が一枚上手だったってだけ。
「……悔しいわね。」
「うん。」
ちなみに女子部屋には壊理ちゃんがいる。洸汰くんとの馴れ初めとか好きになった話とか沢山聞かれてるけど……壊理ちゃん洸汰くんの事になったら長いから聞いてる皆大丈夫かな?
「しょうがない負けではあったけど……もっとできることはあったわね。」
「そうだね。反省だね。」
「……ストイックね。」
「無神さんに言われるってことは褒めてるってことかな?」
「当たり前じゃない。」
「にしし。」
それよりも無神さん。肩にくっついてる福ちゃん相当眠そうだよ。寝かしてあげない?
「槍田!助けて!!話終わんない!!!」
「それでね!その時洸汰が!」
「えぇ……まだ続くのぉ?」
「…………長いねぇ。」
ほら言わんこっちゃない。
「壊理ちゃ〜ん?」
「ひまちゃん!ひまちゃんは知ってるもんね!あの〜……」
明日も朝早いから寝ようよ〜。
壊理ちゃんは元気すぎるよ……。