said槍田日巡璃
「「ようこそ!私達のコテージへ!」」
「「「…………。」」」
「パパ。ママ。……恥ずかしいからやめて。」
着いたのは……砂浜に隣接してある木造の家……コテージ。大きい……本当に大きい。
そして目の前には……ポーズをとってる2人の男女。多分カナのご両親…………なんか雰囲気全然似てないね???あと周りにメイドさん多数。
顔は……カナに似てる。どっちもの顔のパーツをバランスよく貰ってる感じ。身長と体型は…………全然似てないね。
「ハッハッハ!いいじゃないか!カナのお友達だ!こんなに招待するなんて初めてじゃないか!」
「ええ!そうよカナ!お母さん張り切っちゃったんだから!」
「…………もぉ〜……恥ずかしい。」
ルンルン踊りながらカナに話しかけるご両親に……自然と笑みが溢れる。
「はい!私槍田日巡璃です!カナ……カノーテスさんとは仲良くさせてもらってます!」
「ん。中曲瀬天捻です。……カノカノとはマブダチ。よろしくお願いします。」
「憎田愛と申します。こちら……つまらぬものですが。」
愛ちゃんが私たちで選んだお菓子を渡してくれる。……口に合うといいけど。ドキドキ……
「まぁありがとう!疲れたでしょ?さささ。早く入って?」
「はっはっは!皆可愛いじゃないか!カナも隅に置けないな?」
「パパ!!!」
「旦那様。これ以上はお嬢様がお怒りになるかと。」
「おぉ怖い怖い!早く避難しないとな!」
「うふふ!愛の逃避行よ!」
「あぁマドモアゼル!私も連れて行っておくれ!」
カナのご両親がコテージに入っていく。
「「「……。」」」
「……ごめんね。うるさくて。」
「……いいんじゃない?素敵な人達じゃん。」
「はぁ……そう言ってもらえると少し嬉しいわ。」
「大変だね……私のパパとママは違うから……少し新鮮。」
「そ!れ!よ!り!も!……日巡璃。何さっきの自己紹介。」
カナが腕を組んでこちらにご立腹モード。
「えっ!?ダメかな??」
「ダメでしょ!!?」
カナが私の手を取る。
「……彼女って言ってくれなきゃ。」
「…………初対面の人達にそれは厳しいんじゃないかな??」
「……バカ。かっこいいところ見せてよ。」
カナが顔を少し赤くして私の顔を見上げる。
「ヴッ……」
うちの彼女はいつの間にこんなテクニックを…………いつもだった。いつもカナは強かったよ。
「皆さん!早く入っておいで!暑いだろう!」
「「「はーい!」」」
カナの別荘に1週間お邪魔します!!
よぉし遊ぶぞぉ!!!
「もぐもぐ……」
「もぐもぐ……」
「はっはっは!いい食べっぷりだね!2人とも!!」
なにこれ美味……
到着が既にお昼すぎ。みんなでご飯を食べることに。
カナのママが作ったピザとパエリアらしいけど……どっちも美味しい。本当に美味しい。手が止まらない。
横の天捻ちゃんもたいそう気に入ったみたいで、私と同じく黙々と食べてる。
「おいひーです!幸せです!」
「ん!ん!」
「うふふ♪本当に嬉しい……いっぱい食べてね?」
「「はーい!」」
「……日巡璃。周りについてるわよ。」
「え?どこどこ?」
「……もー。じっとしてなさい。」
カナがハンカチで拭いてくれる。えへへ。なんか嬉しいね。
「「……じー。」」
「…………パパ。ママ。何?」
「ねぇカナちゃん。ママの勘違いだったら謝るんだけど……もしかして2人は付き合ってる?」
「!?!?」
「…………もぐもぐ……ごくん。」
「なっ…………な……ん……。」
「勘違いだったらいいの。……余計なお世話だったかしら?」
カナが固まった。……両親に同性愛者ですって告白するようなものだもんね。
私はカナとカナのご両親の関係をよくわかんないけど……きっと相当な勇気がいる決断だよね。個性溢れる超常社会になったけど……それでも同性愛者……LGBTだっけ?はまだ異様な目で見られるから。
私はカナの手を握る。
「!」
だから私は一緒に背負ってあげたい。
「報告が遅れました。私……槍田日巡璃は、カノーテス・ディミトリウさんとお付き合いさせて頂いています。」
一緒に歩いていきたい。これからも。
「日巡璃……。」
「……そうか。…………カナのことは好きかい?」
「はい。とても。その先を考えているくらいは。」
「…………。」
「……。」「……。」
沈黙。
重苦しい空気が流れる。
でも目を逸らさない。最初はカナに強引に引っ張られたとはいえ……私が選んだ道だから。
「…………パパ……あの……」
「カナ。……今は私達はこの人と話しているんだ。言いたいことがわかるね?」
「…………はい。」
カナが少し驚いた表情を見せて……黙ってしまう。……試されてる。私。
「……槍田……日巡璃さんと言ったかな。カナが君と付き合ってるということは……どういうことかわかってるかな?その先……というのも。君はまだ若い。決断をするには早すぎると思うのだが……どうかね?」
女の人と付き合うって事。付き合った先のこと。
そんなの……そんなの!!
「……分かりません。」
「「!」」
「私にとってカナは女でも男でも関係の無いくらい素敵な人です。それがたまたま同性だっただけで……私はこの感情を、気持ちを恥じません。迷いません。……ご両親には辛い選択をさせてしまうかもしれません。ですが何度でも頭を下げに来ます。何度でも。何年でも。……私にとってカナは……それくらい大切です。カナだけじゃないです。ここにいる愛ちゃんも。天捻ちゃんもどちらもカナと同じくらい大切です。」
「…………なるほど。同性愛者だけではなく……ハーレム……と言った形なのかな?」
「ふぅ〜ん?最近の子は進んでるのね?」
カナのパパが水を1口。
「……ねぇママ。」
「わかってるわ。パパ。」
「うん。ありがとう。……ねぇカナ。」
「……はい。」
「幸せかい?」
その質問にカナは少し俯く。
そして……
「………………とっても。信じられないくらい。」
満面の笑みを向けた。……私に。
「……ふふ。」
笑みが溢れる。
「そっか。……じゃあ…………娘の成長をお祝いするのも親の役目だね。」
「…………パパ!」
「あら?初めっから何言われても頷く気だったくせに。」
「ママもじゃないか。あんなに値踏みする気でいたくせに。」
「それは言わない約束よ。…………カナ。私達は貴方の選択を心より祝福するわ。」
「ママ!!……ありがとう!」
カナが立ち上がり、カナの両親に抱きつく。
「はははっ。苦しいよカナ!……おめでとう。」
「んふふ。……急に娘が3人も増えたわね?……ママ困っちゃうわ?」
「パパ……ママ……大好き!」
3人のハグを尻目に……私はどっと疲れが来た。
「……はぇぇ……なんか疲れた。」
力を抜く。ほんと……一世一代の大勝負だったね……
「お嬢様。お疲れ様です。」
「……いいなぁ……カノカノ。…………私もあんな……かっこいいプロポーズ……して……くれる?」
「…………2人にもするよ。ちゃんとね?」
「……んふふ。」
「お嬢様…………!」
「さぁ!みんないっぱい食べて飲んでくれ給え!僕達に新しい娘が出来た門出のパーティだ!」
「そうねパパ!いっぱい料理持ってこさせましょう!ちょうどいいからメイドちゃんたち皆呼んじゃいましょ!」
「いいねママ!よぉーし!パパ張り切っちゃうぞぉ〜!!」
お……カナのパパママがなにかのスイッチ入ったみたいで、何処かに行っちゃった。
「……日巡璃。」
「どうしたの?」
カナが私を抱きしめる。
「…………かっこよかった。」
「んへへ。……カッコつけたいじゃん。」
カナを抱き上げる。……カナの顔はすごく嬉しそう。
「……どれだけ私を惚れさせたら気が済むの?」
「お互い様だね?」
「…………2人だけの世界禁止。」
「「!」」
天捻ちゃんの声で目が覚める。
「お嬢様。お食事中ですよ。」
「あっ!ごめんね?」
「……いいじゃない。少しくらい。」
「カノカノのアレ……3人でいちばん……長い……から。」
「そんなことないわよ!?」
「あります。」
「ないわよ!!……ないわよね?」
うーん……黙秘します!
「……ピザ美味しい。」
「日巡璃!!」
黙秘します!!!