【質問】男にしか扱えない精霊術を鍛える学園と聞いて入学したのですが、俺以外は全員女ってどういう事ですかねー!? ~【学園からの回答】見なかった事にしてください! 何でもしますから!(全裸土下座)~ 作:信頼できる語り手
「俺が死んだら、遺産は全部お前にやるよ」
「士爵級『滴』」
温泉に浸かって茹で上がった師匠の阿呆面に、冷や水をかけてやる。
「ぷはー! 何すんだよ、メノウー!」
「明るい声で馬鹿抜かすからだ。そんな事を言う為に温泉に誘ったのかよ」
「いや、それは普通に俺の趣味。温泉巡りが趣味でさー。娘ちゃんは早い内から一緒に風呂入ってくれなくなったし、付き合ってくれる若者が欲しかったんだよなー」
学生時代に首席特権で寮に高級浴場を作って貰った話とか、心底どうでも良い自分語りを続けた後で、師匠は思い出したように真面目な表情になった。
「王国の後輩達にも、世界一可愛い娘ちゃんにも、残せるモノは残してきた。いつ野垂れ死んでも問題はないんだが……お前の成長を見てると欲が出てきてなー」
「?」
「霊能者から霊能者にしか託せない遺産もあるって事だー。同期の男連中は根こそぎ墓の下か行方知れず。かと言って、半端な奴の手に渡れば洒落にならない火種になる」
俺は目を逸らす。師匠の懸念は正しい。精霊術を学んだ今の俺には、その危険性も理解できた。
「……アンタが死ぬのなんて、まだ先の話だろ」
「それでも万が一を考える必要があんだよ。契約の重要性は嫌ってほど教えたはずだぜ。良いか、メノウ。精霊術ってのはなー……」
師匠が講義前のお決まりのフレーズを口にする。うんざりするほど聴き飽きた演説。何もなかった俺に希望を与えた言葉。
「……てなわけで、最近は娘ちゃんが全然電話してくれなくてなー。パパ寂しい……」
「何の話だよ。てか、前に端末が壊れた時、番号変えなかったか? ま、それを伝えてないなんて間抜けなオチはないと思うが……」
「あー、しまったー!!」
慌てて風呂場を出ていく育ての親を見送り、俺は溜め息を吐いた。
「……アンタがいなくなった後なんて考えたくないんだよ、馬鹿野郎」
子供染みた我儘なのは分かっているが、俺はどうしても師匠との別れを想像したくなかった。
「改めて言わせて。メラク、お帰りなさい」
「母さん……! 母さん……!!」
「感動だぜー」
抱き合う母娘を邪魔しないように、俺は後方で腕組みをしていた。屋敷が消滅したので、今はモノポリー公国手前の高級ホテルに場所を移動している。
それにしても、母娘の尻を並べたハメ比べはとんでもない体験だった。
長年溜まったストレスを発散するような激しいセックス。後背位でも自分から腰を振ってくるくらい、2人とも積極的で貪欲だったからな。
え、メラクに挿入する必要はないだろって? 世の中には合理よりも大切なものがあってだな……。
「メノウ・ルースケース。汝にも感謝を」
「気にすんなー。善人を殺すと精霊が濁る。俺はそれが嫌だっただけだぜ」
精霊は悪意に染まりやすい。悪霊使いに堕ちるのはあっという間だ。ぶっちゃけ、俺が学園生に初見で警戒されないのも、周囲の精霊達が濁ってないからだしな。
いわゆる、清潔感があるというヤツだ。おかげ様で日々、女の子を美味しく頂いてます。同意の上でのヤリチンは罪ではないのでね。
霊能者ならではの行動基準に、サファイア母娘も納得したように頷く。
「素直じゃない子」
「そこが可愛いところだから」
いや、全然分かってくれてなかったわ。照れ隠しだと思われてる。何でだよ。
「おいおい、あんまり油断してると、俺の可愛くない部分でまたアヘアヘ言わせちゃうぜー?」
ルームサービスの茶菓子を摘まみながら、風呂上がりで火照ったタリタの美乳を掴んだ。バスローブの下はノーパンノーブラなので、簡単に直揉みできてしまう。
「ん……っ、汝が望むなら我を孕ませても構わない。霊能者はできるだけ多くの子供を残す責務がある。カリナやメラクもそうして産まれた」
「えっ、妾の父さんって霊能者だったの?」
おい、メラクが知らないのは問題だろ。
「隠してたわけじゃない。深刻化してた霊能者不足に歯止めを掛ける為の政略結婚だったから、最後まで面識がほとんどなくて……語るほどの思い出がなかっただけ」
霊能者の数が減れば減るほど、その教育は失敗できない。責任重大だ。となれば、精霊術のノウハウが蓄積されている名家を相手に選ぶのも自然か。
……そして、おそらく。その霊能者は例の暗殺事件に巻き込まれて夭折した。メラクが父について知らないのはそういう事だと思う。
タリタの思惑としては、あわよくば霊能者の男児を授かり、海の神『カナル』を使役させるつもりだったんだろうな。
結果として産まれた
「メラクは知りたかった?」
「確かに、よく考えると自分の出生にはあまり興味がない」
「そう、良かった」
本当にそれで良いのか不安になる会話だが、マイペースでドライなのはサファイア家の血筋なのかもしれない。
「ちなみに、サファイア家は国境警備の名目で多額の補助金を貰ってるから、未亡人でもお金には不自由しない」
「メノウ、妾が当主を継いだら養ってあげる」
アンタらさぁ……。俺の繊細な配慮を返せ。
「モノポリー公国について?」
「そう。国境の守りを任されてる母さんなら、何か知ってるはず」
キングサイズのベッドで全身を伸ばす俺の両肩に、サファイア母娘の青い髪が乗せられた。甘い雌の香りを刻むように、丸みを帯びた肢体を擦り付けてくる。
「少し前から封鎖されてるのは事実。ただ、公国側も混乱してる節があって、正確な情報は把握できなかった。もしかしたら、アイドライズ帝国の仕業かもしれない」
アイドライズ帝国は強大な軍事力を有する国だ。世界の覇権を握る為には手段を選ばない、荒らし・嫌がらせ・混乱の元でもある。
霊能者を抱えるカウンターフィト王国は帝国から目の敵にされており、頻繁にちょっかいをかけられていた。
厄介な事に向こうの工作員は優秀で、帝国に繋がる証拠を全く残さない。そのせいで王国が責任を追求しても白を切られる、とトゥルス王がぼやいていた。
「我も気にはなってるけど、立場的に国境を越えるのが難しい。だから、汝達が代わりに調査してくれると助かる」
カーテンを締め切った薄暗い部屋の中、暖色の間接照明がタリタの顔を照らす。彼女は自然な動きで俺と唇を重ね、歯茎を舌で優しく刺激してきた。
「それは別に良いけど……公国がトラブっただけで交易が止まるってのも難儀だよなー。ま、抉れたような形してる大陸だから仕方ないが」
王国の国境沿いには海から伸びる深い割け目があり、公国が他国との……文字通りの橋渡し役を担っている。
「抉れた、という表現はあながち外れじゃない。実際、大昔の王国と帝国にあたる土地は地続きだった。神同士の争いによって大陸が蒸発した結果、今の地形になったと言われてる」
メラクは俺の足元に移動し、枕元でキスを続ける母に負けじと陰茎に舌を絡めた。
「ぁふ……。もう勃起してる。こんなに元気なら、霊能者の責務もちゃんと果たせる」
「できるだけ多くの子供を、ってかー? アンタらは良いのかよ、俺みたいな生まれも分からない孤児が相手で……」
「ぇ……生まれが分からない? それはおかしい。少なくとも、汝は王国で生まれたはず」
ゆっくりねっとり、柔らかい唇が亀頭を啄む。
「守護霊を持つのは王国で生まれた人間だけ。だから、他国に滞在している者も出産前後は必ず帰国する。ね、母さん」
「ん、ちゅ……。メラクの言う通り。汝に守護霊が憑いてるなら、王国出身者で間違いない」
「ほへー」
思わぬ形で新事実が判明した。そういう常識は師匠が先に教えとけよな。
「じゃあ、祖国の為に種付けセックスに励もうかねー。なーんてな」
冗談めかして言う俺の横で、タリタは熟れた体を見せ付けるように仰向けになる。いわゆる、服従のポーズだ。
「ん、孕み役は我に任せて。育児は得意。汝は何も心配せずに精液を膣内に射精せば良い」
両膝の後ろに腕を回し、自ら股をくぱぁと開いて挑発してくる。経産婦ならではの『汝の子を産みたい』という本気の誘いは、雄の征服欲を刺激するには充分だった。
「メノウ、騙されたら駄目」
対抗心を燃やしたメラクが四つん這いになり、母の上に覆い被さる。
「妾はまだ妊娠してあげられないけど、絶対に良妻賢母になる自信がある。汝の絶倫な性欲に付き合う事も考えると、若い女性を相手に選ぶべき」
ちょうど良い大きさの桃尻は手触りが最高で、俺が手を置く為に用意された最上級クッションのようだ。
「「さあ、来て」」
高級ホテルの雰囲気に酔ったのか、盛った様子のサファイア母娘。俺は彼女達をまとめて抱き潰すべく、思い切り腕を広げた。
色々な事があって疲れていたのか、メラクは何度か交わると直ぐに熟睡した。
「本当にありがとう。あの子と向き合って話せたのは、きっと汝のおかげ」
ピロートークの雰囲気にも関わらず、俺の膝の上に座るタリタの膣には陰茎が突っ込まれている。背面座位の体位だ。
彼女が尻を揺らしたり足を組み替える度に、俺の竿はぐりんぐりんと回転させられていた。
「うおー、真面目な話するなら抜いてくれー」
「ん、大丈夫。最後まで抜いてあげるから。遠慮せずに何回でもイって」
タリタは俺の手を取り、気品溢れる所作で甘噛みする。バスローブがはだけ、上気した背中が俺の目に飛び込んできた。
辛うじて素っ裸ではないものの、タリタの全身を構成する輪郭がダイレクトに伝わってくる。触覚で味わう曲線美。ある意味で裸よりもエロい姿に、収まる勃起も収まらない。
「我も一緒に、イク、から……っ! 母娘揃って子宮をきゅんきゅんさせる、この悪いおちんちんで……! ゃ、ぁ……っ!」
膣液を掻き出す勢いの突き上げに、タリタが段々と内股になっていく。水の名家らしい透き通った嬌声が漏れた。
「はひぃ……! ぁ、は……!」
子持ち未亡人の包容力と危うい色香が、俺が無意識にかけていたリミッターを外す。
「ぉ、奥……っ! グリグリ、無理ぃ……!」
彼女がどれだけ暴れても、今の体勢からは逃げられない。
「ぁ、ぁぁ……! イった、ぁ……!!」
湯気が出そうなほどに温まったタリタの頭が、俺の胸に押し付けられた。
「ふぁ……汗だく。シャワー浴びないと」
ベッド脇に置かれた水のペットボトルを直飲みし、俺に渡してくる。今さら間接キスを気にするのもおかしいので、俺はゴクゴクと喉を潤した。
「ぁ……間接キス……」
いや、アンタが気にするんかい。何だその可愛いギャップ。この未亡人、なかなか侮れない。
「そういや、海の神は俺が持っていって良いんだよなー?」
「ん、どうせ我には制御できない」
海の神格精霊『カナル』。コイツの処遇は王都に戻ってから決定されるが、それまでは俺が預かる事になった。理由は単純で手綱を握れるのが俺とフィラーしかいないからだ。
「つっても、俺も自信はないんだけどなー。人の想像を越えるのが神ってヤツだ」
そもそも、フィラーも完全に掌握できてるわけじゃない。結果として安定してるだけで、いきなり裏切ってもおかしくないのだ。
……裏切り、って言い方は少し不適切か。精霊は精霊のルールで動く。多くの場合、人間側がそれを理解できてないだけだからな。
「メノウ、公国では気を付けて。王国の霊能者は狙われるから」
「おー? 盗賊でも出るのかー?」
「違う。むしろ、熱心な『歓迎』を受けて取り込まれないように注意して。精霊を個人で扱う技術は基本、王国にしかない。他国の人達は学園生から少しでも情報を得ようとする」
あー、そっちね。
言われてみれば、他国の連中は精霊との距離が遠い。集団で祈りを捧げて、伝統的な儀式を執り行い、ささやかな恩恵を得る。
引っ越しの前には食事情や住環境と並んで、移住先の精霊が汚染されていないか、荒ぶっていないかを確認するのが国際常識だ。
「歓迎ねー。俺は魚料理が食べたいぜ」
「公国は漁業が盛んだから、これから飽きるほど食べれる」
「そりゃ楽しみだ」
ま、だらだらと長居する気は元からない。フォビアに任せてきた学園の方も心配だし、さっさと解決して帰りたいもんだ。
「滞在番号を発行しますね。身分証を提示して頂けますか? はい、確認完了しました。あちらの待合室でお待ちください」
多様な人と物が行き交うモノポリー公国に入国するには、厳重なセキュリティゲートを通る必要がある。
全く同じフレーズを口にしながら、狂いのない手付きで機械を操作する係員。楽しそうだったり、憂鬱そうだったりする入国審査待ちの外国人。
人、人、人、人、人……。そんな長蛇の列を遠目に眺めて、死んだ表情をしている2人がいた。
「うえー、気持ち悪くなってきたー……」
「帰りたい……」
そう、俺達である。
メラクは印象に違わず人見知りだし、俺もかなり人混みがキツい。学園の連中は精霊関係者なので平気だが、精霊と関わりの薄い人間は何を考えてるのか分からなくて苦手なのだ。
「……帰るかー」
「賛成」
「いや、ナニしに来たんだよ、アニキ達は」
褐色肌の男子が呆れ気味のツッコミを入れる。俺とメラクは飛び上がって驚いた。
「ショッパー……!」
「よ、アニキ。オレのコト覚えてたんなら、面会にもキてよ。独房に放置なんてヒドいじゃん」
この女子っぽい容姿は間違いない。隠秘哲学の元構成員で、不良の巣窟であるグルーストリートを牛耳っていた少年『ショッパー』。
「どうやって脱獄したんだー?」
「ソレは勿論……こんなカンジ」
右横に気配。俺が精霊術を行使する暇もなく、黒ローブの人物の手が実体のないソレを奪った。
「アレキサンドライト……!」
「海の神『カナル』。これは君達のような子供には過ぎた玩具だ」
「さっすが、ボス。格がチガうね」
ショッパーがパチパチと手を叩く。
「……心臓に悪いぜー。来るなら事前にアポ取れ、アポ。学生気分で犯罪組織やるなよ」
「私を前にして虚勢を張れる、その気概は認めよう。誰にでもできる事じゃない。だが、すまないね。今回は神格精霊の回収が目的で、君に用はないんだ」
今にも去ろうとしている黒ローブに、俺はずっと考えていた質問を投げた。
「師匠を殺したのは、本当にアンタか?」
「──空白に誘え、『ハーメルン』」
アレキサンドライトとショッパーの姿が消え、指を鳴らした音だけがその場に残る。
「……」
「メノウ……?」
「あー、悪い。昔の話よりも、今は……」
「すみません、お時間よろしいでしょうか!?」
俺が軽く首を振っていると、息を切らせた中年のスタッフが走ってきた。
「その学生服……もしや、カウンターフィト霊脈学園の方では……!」
「そうだが……何か用かー?」
「おお!」
中年スタッフは半ば倒れ込む形で、床に額を擦り付けた。
「どうか! どうか、我らにご助力を……!」
「メノウ、これって」
「多分、そういう事だなー。原因調査の手間は省けそうだ。顔を上げな、おっちゃん」
残念ながら、おっちゃんの土下座を見せられても楽しくも何ともない。
「精霊絡みの案件なら、俺達が解決してやるよ」
治せない。師匠はもう助からない。
「メノウ……お前は色んな人間と縁を結べ。それができなくて失敗した奴を俺は知ってる。才能のある霊能者ほど道を誤りやすい」
見た瞬間に悟った。普通の怪我や病気じゃない。最高峰の霊能者が10年単位で準備したような高度な術が命を蝕んでいる。
「不幸自慢はするなよ。精霊は人から学ぶ。えっと……あと、あれだ。はは、格好良い遺言考えてたんだけどなー。頭回らん」
王国の盾『ジャスパー・ルースケース』を殺害するに足るほどの神業。俺の腕では解除は不可能で、下手に触れても余命が縮むだけだろう。
「師匠……俺は……! ……っ!!」
ネガティブな事を言いそうになる舌を噛み、詰まらない言葉を呑み込む。
「俺は……アンタが師匠で良かったよ」
「だろー?」
師匠はいつものように、馬鹿みたいな大口を開けてニヤッと笑った。
「俺は聖人じゃないからよ。悔いなら幾らでもある。お前に教えたい事もまだまだ残ってんだ。積んでる漫画も読める内に読んどきゃ良かったぜ。あー……」
このまま昨日と同じ旅が続いてくれないかと、あり得ない希望が脳裏を過る。
「やっぱ、我ながら最高の人生だったなー」
眩しいくらいに明るい昼間の出来事。1人の男が死んだ。それだけ。
雲1つない快晴で死ぬなんて、師匠らしいな。アンタに雨は似合わない。
それから、暫くの間。ぼんやりと抜け殻のような日々が続いた。俺は師匠の言葉を思い出しながら、やりたい事を探してみる事にした。
そして、ようやく思い至る。
『俺が死んだら、遺産は全部お前にやるよ』
師匠が俺に託すはずだった、霊能者にとって最大の遺産。精霊の譲渡が。
──ない。
第3回ヒロイン人気投票(殿堂入り除外)
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①赤:ドゥーベ・ルビー
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③白:フェクダ・ダイヤモンド
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④黒:メグレズ・オニキス
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⑤紫:アリオト・アメシスト
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⑥黄:ミザール・シトリン
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⑦緑:ベネトナシュ・エメラルド
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◎灰:スピカ・ゴッシェナイト