ラブホテルの一室。ネオンの残光が壁に滲み、古いシャンデリアが無機質な影を揺らしている。アリシアはベッドに横たわり、媚薬に侵された白い肌が月明かりに浮かんでいた。
「キス……しましょうか」
彼女の声が震えた。強がりとは裏腹に睫毛が小刻みに揺れている。
「ああ」
俺は頷き、ゆっくりと顔を近づけた。吐息が交差する距離で互いの鼓動が重なる。アリシアの唇が僅かに開き――
触れた。
しっとりとした感触だった。初めて交わす唇は思いのほか柔らかく、少しひんやりとしていた。媚薬のせいで熱いはずなのに不思議だった。彼女がぎゅっと目を閉じているのが見えたので俺も同じようにした。
「ん……」
微かな吐息。彼女の唇がほんの少し動く。催促のようにも思えた。恐る恐る舌先を差し出すと――迎えられた。
温かい。
アリシアの舌がぎこちなく絡みついてくる。技巧なんてない純粋な触れ合いだ。それでも驚くほど淫靡だった。舌同士がぬるりと滑り合う感触が背筋を駆け上がる。
「ちゅ……ぷ……」
唾液の絡まる音が耳奥で増幅される。彼女の唇の端から透明な糸が引いた。視界の隅で揺れる金髪。俺はゆっくりと指を伸ばして彼女の細い背中を抱き寄せる。
「もっと……」
囁かれた声は掠れていた。求められている――そう理解した瞬間、俺の中で何かが弾けた。遠慮を捨て、より深く食らいつく。
「んんっ!?」
アリシアがびくりと身体を震わせた。歯列をなぞり、上顎の柔らかい粘膜を舐める。舌裏を擽ると彼女の肩が小刻みに跳ねた。
「ふぁ……やぁ……」
抗議のようで悦びの声だった。頬を上気させた彼女が目を開く。潤んだ瞳に薄い涙の膜が張っていた。
「すごいわ……キスってこんなに……」
途切れ途切れの言葉。続きを聞く前に再び塞いだ。今度は俺の方から積極的に攻める。唾液が混ざり合い泡立ち、溢れて顎を伝っていく。
「ちゅぱ……れろぉ……」
卑猥な水音が部屋中に響いた。アリシアの舌使いも大胆になってきた。互いの口腔を貪るように吸い合う。息継ぎの合間すら惜しい。舌同士を絡ませる角度を変え、深度を変え――
(もっと深く)
欲望が膨らんだ。唇を少しずらし、歯茎の裏を舐め上げた刹那――
「ひゃぅん!」
甘い声が漏れた。彼女の体が跳ねたことで結合が浅くなり、溜まった唾液が大量に零れ落ちる。白い首筋を伝う雫が淫靡過ぎる。
「だめ……だめなの……これ以上は……おかしくなりそう……」
懇願するような声とは裏腹に彼女の腕は俺の背中を強く引き寄せていた。だから応える。
「んぶっ!?」
今までで一番激しい吸い方で彼女の舌を根元まで吸い上げた。同時に腰を引き寄せる。熱くなった彼女の中心が俺の腿に押し付けられた。
「ん……んん〜〜〜っ♡」
苦しそうな喘ぎ声。だが同時に恍惚も含んでいた。アリシアの爪が俺の背中を引っ掻く。痛みすら心地よい。
「ぷはぁっ!」
ようやく解放された唇。二人の間で橋を作った涎が重力に耐えきれず断裂する。アリシアは虚ろな目で天井を見つめていた。
「すご……かった……」
呼吸は荒く胸が大きく上下している。シャツの隙間から覗く豊かな谷間が視界に入った瞬間、下半身が疼いた。
「……胸触ってもいいか?」
問いかけると彼女は困惑した表情を浮かべる。
「初めてだから……うまくできなくても責めないでね」
その言葉だけで理性の糸が一本切れた気がした。
震える指で彼女のシャツのボタンを外していく。一つ。二つ。開かれるにつれ現れる白い肌。そして――
(とんでもない質量だ)
乳房が布地の束縛から解放されると同時にゆさりと揺れた。大きく張り出した丸みは重力に逆らい上向きで保持されている。まるで熟れた果実そのもの。乳白色の肌には産毛一本見えない完璧な艶があった。
「そんな……じっくり見ないで……」
恥ずかしげに腕で隠そうとするが逆効果だった。柔肉が押し潰され更なる谷間を作る。
「触るぞ」
宣言してから両手を伸ばす。触れた瞬間、指先が沈み込んだ。
(なんだこの感触……?)
餅より柔らかいのに弾力もある。温もりは体温を超え蕩けるようだった。指を広げて全体を包み込もうとしても到底足りない。片手では支えきれず溢れていく。
「ひぅっ!」
僅かな接触でアリシアが反応した。乳頭が勃起しており軽く引っ掛かるだけでも刺激になってしまうようだ。
「こっちも感じるのか?」
「わ……わからないけど……なんかゾクゾクして……」
嘘をつけない表情だ。ならば遠慮無用とばかりに両掌で揉み込む。重量がありすぎるため軽く持ち上げるだけでも重力の存在を意識させられた。
「あっ……あん……っ!」
可愛らしい声が漏れ始める。指が乳肉に埋もれるとまるで泥濘に沈む感覚だった。グニャリと形を変えながらも元に戻ろうとする自己復元性が素晴らしい。
(これは……凄まじい)
左の乳房を掌全体で捏ね回し右を人差し指と親指で摘み上げる。硬く痼った乳頭はコリコリとした芯を持っており弄れば弄るほど硬度を増していった。
「やぁっ……!そこばっかりぃ……!」
抗議の声だが甘さを含んでいる。彼女自身も混乱しているようだった。胸への愛撫だけで腰が小刻みに揺れている。
「気持ち良いんだな」
「そ……んなこと……ないわよぉ……っ」
強がり。だが嘘をつけない表情は期待で赤く染まっている。試しに左右同時に鷲掴みしてみると――
「ひゃぁんっ!!」
一際大きな喘ぎ声。乳房全体が揉みしだかれながらも中央へ寄せられる形になり谷間がより深くなった。指が沈む速度と復元速度のギャップが官能的すぎる。
「おっぱい……すごすぎる……」
無意識のうちに呟いてしまうとアリシアがくすりと笑った。
「ゲンマの好きなようにしていいわよ……?」
その言葉で残った理性の最後の柱が崩れた。俺は彼女の胸に顔を埋めた。
「えっ!?ちょっと……!」
驚愕の声。構わず唇で乳頭を咥える。唾液を塗りつけ舌先で転がすと――
「ひぃんっ!!」
電撃を受けたかのように跳ねた体。そのまま吸い上げると濃厚な母乳のような香りが口中に広がった。
「やだぁ……赤ちゃんみたいに……っ」
恥ずかしがりながらも彼女の腕は俺の頭を抱え込んでいた。もっと強く求めている証拠だ。左も同様に貪りながら右手で全体を弄ぶ。上下左右様々な角度から揉みしだくたびに彼女の肢体が痙攣する。
「だめ……こんな……変になるぅ……っ」
涙目の訴えだが腰の動きはより明確になっていた。股間から滴る蜜がシーツに染みを作っている。
「胸だけでイケるか?」
意地悪く問いかけると首を横に振った。だが態度は雄弁だった。太腿を擦り合わせ内股をもじもじと動かしている。絶頂の寸前なのは明白だ。
「ほら……イケよ」
乳首を甘噛みしながら命令すると――
「あっ……あぁ……イク……イっちゃう……っ!」
一瞬の硬直。そして弛緩。アリシアは全身を震わせながら絶頂を迎えた。汗で光る肌。上下する胸の谷間。そして――
「媚薬の反応……弱まってきたな」
体内で燻っていた毒素の残留信号が減少していた。明らかに絶頂が排出を促した証拠だ。
「まだ……足りないかも……」
潤んだ瞳で見上げてくるアリシア。俺は無言で頷き再び彼女に覆い被さった。退廃都市の片隅で彼らの夜はまだ続く。
「胸だけでイッちゃった……」
アリシアは呆然とした表情で呟いた。潤んだ瞳と赤く染まった頬が初体験の衝撃を物語っている。
「すごい反応だったな」
俺は汗ばんだ額に張り付いた彼女の金髪を指で払う。その些細な接触すら過敏になった肌には刺激らしい。
「ならば、本番だな」