「精霊と日本一うゎぁーな男の自由すぎる冒険日誌」 作:めがねモエ
前篇「ウェンディーはピロートークがお好き」の巻、その6
その格闘技の存在を知ったのは、たしか俺がまだ、己がリビドーの変態才能を見出す少し前であった。
そしてのちに、俺が変態紳士の修行として弟子入りした、かの師匠、アンドレ・ザ・ドスカラス・ブギーナイツ氏が、かつてその競技の名選手として名を馳せていたと聞いて、すこぶる強く運命を感じたのをよく覚えている。
その格闘技の名は、そう「エロレスリング」。
それは世界中のアングラ地下組織で運営される、いわばアングラ格闘技。
日本においてはエロレスリングが一般的な呼称だが、海外ではヘンタイレスリングの名称の方がよく使われている。変態、つまり英語でhentaiは、台風をtyphoonというのと同じで日本語由来の英単語であるが、それを用いるのが海外ではよりポピュラーなのである。現在は、国際ヘンタイレスリング協会、通称FIHWA(ヒィィィーハァー)というヘンタイレスリングの国際統括団体も存在する。本部はスイスのチューリッヒ。
そして、そのエロレスリングであるが、基本的なルール等はオリンピックの公式競技にもなっているアマチュアレスリングと大きく変わらない。ただ、勝敗を決するその方法と、あとその競技者の衣装というか、選手の公式競技ウェアが異なるのである。
まずは勝敗ルール。アマレスの場合、相手の両肩を1秒以上マットにつけることで勝敗を決するのだが(いわゆるフォール)、エロレスの場合は、相手のバックをとり、己のエレクトしたディック(いわゆる俺でいうところのピンコ立ちのジョニーのこと)を、相手選手の菊門に根元までブっ刺し、3秒以上入れ続けてフォールとする、ことにより決するのである。だから選手は全員フルチンで試合に臨む。もちろんフルエレクト、つまりバッキバキに怒張させた状態でである。
あともう一つ、これはかなり高度な技で年に数回、いや、下手すると数年に一度出るかどうかの大技なのだが、相手をロメロ・スペシャル、いわゆる吊り天井固めで封じ込めると、それでもフォールとなる。エロレスにおいて吊り天井固めを決められるのは、選手として尋常ならざる屈辱であり、また漢として尋常ならざる恥ずかしさを伴うため、異常な興奮に襲われ、やられた選手はよくそのままアクメにもっていかれて、白い漢汁を吹き出してしまうという。別名スプレッドミルクとも言われる所以である。英語のことわざで「It's no use crying over spilled milk」(訳 こぼれたミルクを嘆いても仕方がない)は、実はこれが由来だという説もあるのだが、信じるか信じないかはあなた次第である。
競技ウェアについては、初期は下になにも穿かないフルチンで、上はピチピチのランニング、或はTシャツであったのだが(あのハチミツ好きの黄色いクマのプーによく似たスタイル。それが一時期大流行して、赤ウェアの選手が多かった時期もある)、現在は、いわゆる吊りパンのワイルドなヤツ、或は全身を覆うスーツタイプの、それぞれの股間だけ丸く切り抜いたモノが主流である。また中には、フレディ・マーキュリー張りに、胸元の大きく空いた全身タイツの股間だけくり抜いたタイプを着用する強者もいる。市販でも、その名もフレディ・マーキュリースタイルとして売られているのだ。ちなみに、アンドレ・ザ・ドスカラス・ブギーナイツ師匠もこのスタイルをよく好んで着用していた。
ま、とにかく、エロレスについて長々と説明してしまったのだが、しかしながら、俺がこのアングラ競技を始めて観戦した時の興奮たるや、それはもう筆舌に尽くし難い。
その競技会場の異様な熱気たるや、どのアングラ格闘技も比ではない。チェリーボーイならば、その会場の毒っ気ある淫靡なムードにやられて、引き潮のイソギンチャクのように縮こまり、おぴっこをちびってしまうこと間違いない。そして、観戦している漢達の──まぁレディというか、クィーンというか、いわゆるオネェやハードゲイの屈強な漢達がやはり多いのだが──そのギラついた目つき&オーラが、混じりけない純度100%のノンケ漢にとって、アメリカの刑務所張りの恐怖そのものであった。そう、まるでピラニアの水槽に入れられた生餌の金魚のように、そのプレッシャーに押しつぶされてしまいそうになり、会場の端っこでひっそりと息を殺して観戦する羽目になるのである。
だがしかしっ! そんなプレッシャーはまだまだ序の口である。
その神をも恐れぬ変態ジャングルたる競技マットの上で、対戦相手と対峙する選手の、その異常という言葉では足りない、常軌を逸した、もはやわけの分からない闘争オーラたるや、その顔面から溢れる鬼神のごとき形相と、股間の鬼立ちのディックと、もうありえないほどエロバカテンションをフルスロットルで解き放つその光景は、この俺に、今まで生きていた中で最大の動顛をもたらし、──なにか、心の大切ななにか、いわゆる純粋な悪戯っ子な、──そう、青く輝く結晶のような少年の幼心を、粉々に粉砕し擦りつぶされる(或は人によっては磨かれる?!)、──そのような感覚に襲われたのをよく覚えているのである。
下手すると、動悸、息切れ、目眩を同時に引き起こしたのかと錯覚し、「求心買っとくんだったぁっ!」っと、心でつい叫んじまうほどの、尋常ならざるプレッシャーであった。
そんな──、そう、今ではいい思い出話を否応なしに想起させる、──まさに今現在、俺の置かれた状況っ!
小憎たらしくも小さなエロ野獣、──俺の大切なウェンディをそのストーキングの餌食にしておきながら、何故か今は彼女に餌付けされて、可愛がられて、半野良飼いされているという、まったくもって上手くやりやがった憎々しい奴──、狡猾ド変態小動物、リス公との対峙である。
「カァァァァァッー、キキキキィー」
と、まるでH・R・ギーガーのエイリアンのように、その鋭く鈍く光る前歯をむき出しにして威嚇するリス公。
流石の俺の相棒、17センチのジョニー(≒17ミリのジミー)も奴のその異様なド変態闘争オーラにやや押され気味であった。ジョニーの奴が、珍しくもガマの油のごとき汗を滴り落としてやがる。こんなのは初体験の時以来だぜいっ!
お互いにじりじりと間合いを詰めては、また距離をとり、一進一退の見えないバトルたる心理戦を、ウェンディとのラブラブディナーを展開しているテーブルの下で繰り広げていた。
なんとまぁ、忙しいことよ。折角のディナーがこんな余興つきの、変態異種バトル観戦ディナーになるとは。しかも、そのバトルを繰り広げる闘士が、ディナーに舌鼓を打ちながらそれを観戦する俺ってぇ、コレ如何に。
やべぇ、こんなことなら読書大好き精霊のゾーイから借りた「武井壮の目指せ! 百獣の王 人間VS動物のシミュレーションバトル 実践編」をちゃんと読破しておくべきであったぁっ! ゾーイちゃん、借りっぱなしにしていつまで経っても返さない&感想はおろか、本の話もふらない、もしかして忘れてるっ? って思わせて、彼女が部屋に訪ねてくるのを変態プレイの準備をきっちりして待ち構える下心アリアリの俺が悪かったよぉ。
「ゾーイちゃんのような小動物系可愛さの精霊ちゃんと、チョメチョメ対決するシミュレーションしてたんだぉんんっ!」
って、彼女に飛びかかりたかった俺。ちくしょう、いささか入念で遠回しすぎる悪ふざけが過ぎた結果がこれだ。
てか、話が逸れたが、いくら百獣の王、武井壮氏といえど、この変態リス公とのシミュレーションバトルはねぇかなぁ、やっぱし。って、これも逸れてるっ!
しかし、俺はやるぜっ! なぁ、ジョニーよ。俺はウェンディのためにも、この勝負に勝ち、このラブラブディナーを味わい尽くし、大切な一夜をやり遂げて見せるっ!
まぁ、そもそも、いつの日かリス公と激突することになるだろうということは、想像するに容易かった。これはいわゆる恋敵の定め、同じ精霊を愛した漢(雄)同志として、避けられない運命だったのだ。
そして、奴もそのことは重々承知していただろう。
だがしかしだっ! まさかこの俺が、最新式エロ&戦闘兼用マルチロール機、ヌシ様人形改Ⅱ「エロバイン」を駆って出てくるとは思いもよらなかっただろうなっ!
あっ! まてよ、そうかっ! 動揺しているのは奴も同じなのだっ!
そういえば奴も威嚇はするものの、イタズラに仕掛けてはこない。
そうかそうかっ! 奴もこのエロバインを警戒して、俺の出方を様子見してやがるんだな。
それはまったくもって、好都合だぁっ!
まずはこちらも様子見で、そう、じっくりと相手してやるとするか。
そうして、俺は──。
誇らしげに、そして些か余裕の笑みを湛えてジャブリをグイッとやり、トンッとワイングラスをテーブルに置いた。
「さぁ、まずは前菜からだねぇ」
と、箸で真鯛の切り身を数きれ一気にガバッとつかみ上げ、豪快に口に放り込んだ。暴れる鰻がここは自称無差別級美食家の舌らしく、料理を味わうべくのたうつ。
「もう、マスターったら。そんなにガッツいたら、味わうどころか、何を食べているのか分からないんじゃないかしら」
と、困り顔の微笑みで俺に言うウェンディ。
「ほ、ほんなほとないよぉほぉ」と貪りながら──、
「ふぉぉぉぉっ!! 美味いっ!! この真鯛の甘さと旨みが引き立つ絶妙なソルト加減っ! そしてオリーブオイルの味と香りが、ベストのハーモニーを奏でとるぅっ!!」
この俺の、かつて褒め殺しのファットボーイと呼ばれた、グルメリポーターのバイト時代を彷彿とさせるリアクションに、「フフッ」っと思わず吹き出すウェンディちゃん。
「もう、大げさなんだから、マスアーは。本当にちゃんと味わってるのか、むしろわからないわ」
「いやいや、めちゃめちゃ上手いちゅーねんっ! これはもう今まで食べたカルパッチョの中で一番っ! てか、毎日食べたいくらいや。そう、今後ずっと、俺はこれを一生食べ続けたいんや。せやでぇウェンディ」なんて、テヘっ!
「マスターったら──」
とぉ──、てゆうかぁ、料理も上手いけど、その少し恥ずかしそうに微笑むウェンディちゃんの方が、めちゃたまらんちゅーねん。その微笑みをずっとずっと、一生見つめたいっちゅーねんっ!!
俺は心の中でスキップランランと大はしゃぎであった。
そして、自分で作った料理を、高貴な雰囲気ムンムンで、まるで王室の王女様のように、上品かつ巧みにフォークとナイフを操り食べるウェンデイを見つめていると、──そのパクッと真鯛を口に入れて、もぐもぐする麗しの唇を見つめていると、──あぁ、なんて素敵でキュートなもぐもぐだぁっ! その麗しの唇の嚙むたびにプリップリと動くエロい挙動、たまらんっす──という変態感情と共に、俺に更なる強烈な欲望を沸き起こさせるというか、心の奥底のリビドーの泉から、またトンデモなくドエロい指令が上がって来るのであった。
「どう? ウェンディちゃんも、自分で作った料理を食べて、どう? 美味しい? うん?」
俺は、ウェンデイのもぐもぐと食べているその生々しくも美しいお顔を、お風呂を除く痴漢以上の粘着質な眼差しでもってガン見する。
「フフッ、ま、マスター、なにぃ? ち、近いわ」
「うん? どうなんだい? ウェンディちゃんっ! うん? うんっ!?」
と、俺はグイグイと顔を近づけ、エロ部長が部下の美人OLを無理やりの飲みに誘った時のように、ここぞとばかりに迫るっ!
「そ──」
っと何かウェンディが言いかけて、唇をフワっと少し開いた刹那っ! 俺はっ! そして暴れる鰻もっ!
「ぶちゅぅぅぅぅーっ!」っとぉ、音が響いたと錯覚するほどに、激しくウェンディに口づけをする。
勿論逃さないように、彼女の頭を両手で優しく抱え込んで。
そしてその刹那に、彼女の口腔に暴れる鰻が乱れ入って、得意のペロペロちゅっちゅで弄りまわしているのは、言うまでもない。
「あっ──」
という可憐な吐息を漏らすだけで、後はなすが儘のウェンディ。
「おうふぅ、おうふぅっ! おおうふぅぅっ!」
と、俺は貪るようなディープキスをしつつ、暴れる鰻で略奪するかのように、ウェンディの口腔にあるモノを吸いとり、そしてソレをじっくりと、美味しんぼにゲスト出演したのだと妄想する勢いでもって、とくと味わった。
──その、もぐもぐとしたモノ──、
──それは、女神の造りし美味とでも言おうか、その昔、神に供える御神酒は美少女に米をもぐもぐと嚙ませて、それを吐き出させ溜めたものを発酵させて造ったというが、つまり「ギャートルズ」でいうところのサル酒みたいなもんだが、そんな高貴かつ神々しくも、どこか漢の欲望をも感じさせる、究極にエロ神々しい「まいうぅーっ!」であった。
それは、ウェンディの造ったスペシャルのディナーであり、それを彼女がそのキュートなお口でもぐもぐした、彼女のお口の蜜がふんだんに絡み、その歯で優しく柔らかく嚙みほぐした、まさにこの上ない究極のウェンディ味!
うおぉぉぉぉっ!! なんとぉぉっ!! 美味かぁぁぁっ! これがウェンディちゃんのもぐもぐ味っ!
やべぇっ! やべぇっ! ヤバすぎる美味さだぁぁぁぁっ!! こんなエロ美味いもん食ったら、もう何も食べれなくなっちまうじゃねぇーかぁっ!!
もう、暴れる鰻もとち狂う、リビドーの泉は間欠泉、ジョニーの奴は漢の我慢汁をまるで失禁したように吹き上げる始末で、もうどうにかなってしまほどの興奮と幸福感に襲われたのであった。
「ふはぁっ」と口を離し、
「ウェンディちゃんのもぐもぐしたの食べちゃったぁっ!」
っと、得意のテヘペロをキメて、俺は恐る恐る彼女を伺う。
すると彼女は、小さく「コホンッ」と咳払いをして、ワイングラスをとりジャブリに口をつけ、ほんの少しだけコクっと飲んだ。
「もぉうっ、マスターったら。いつでもどこでも、マスターは突然なんだから──。今夜は私、マスターのしたいことなんでも叶える覚悟って、言ったのは事実だし、そのつもりだけど、でも、私も一応、なんていうか、ノーマルな女なのよ。そんな変態なことを──」
と言いつつ、また少しシャブリに口をつけ再び軽くコクっと飲むウェンディ。
「──私にも心の準備っていうものがあるのよ。マスター」
少し涙目になったウエンディの瞳が、これまた震えるほどに美しい──。
っが、これは些かおイタが過ぎたのでは、と思ったが──、
「──私のぶんの真鯛の切り身、マスターに取られちゃったわ。前菜が少なくなってしまったわ」
ってぇっ! そこかぁっ! 突っ込むところはっ! そこかぁっ!
て、言いたいとこだが、これはウェンディが精いっぱい平静を装っている証拠だ。ホントはめちゃ動揺してるけど、ここで取り乱してしまっては、この後俺がバリバリの変態プレイを躊躇して、完全燃焼で今夜を楽しめないっ! ──なんてことになってしまわないかと気を使ってるんだな。きっと。
どんな変態プレイをされても大丈夫だから、安心してぶつかって来てっていう、つまり彼女の優しさだっ!
でもちょっとやせ我慢かな?! あぁぁっ! なんてええ娘やぁっ! なんてあげまんやぁっ! ウェンディィっ! もうメチャ好きやぁぁぁっ!
でも、ならばこそっ! 彼女のためにもっ! そのウェンディの心意気、俺は乗ったぜっ! 今夜はフルスロットルで俺の持てる変態を全て、ウェンディにぶちまけちゃうよぉぉっ!!
「ごめん、ウェンディ。あまりにもその食べてる姿が美しくて。ほんまにごめんなぁ。かんにんやでぇ。でもな、ウェンディのもぐもぐしたの、もうそらぁめちゃめちゃ美味しかったんよ。まさにウェンディ味や。そらもう信じられないくらいにエロ美味いんだから。たぶん天国でも、こんな美味しいものは食べられないだろうなぁ。なんてぇぇ。てか、もうこの先一生、ウェンディのもぐもぐしたものだけ食べて生きていきたいぐらいや。マジでっ!」
「マスターったら。もうほんとに常軌を逸してド変態なんだから。フフ、でも、もしそんなことをしたら、私、もぐもぐばかりして自分では食べられないし、それに顎が疲れちゃうわ」
「じゃあさぁ、ウェンディ、俺が食べるモノはウエンディにもぐもぐしてもらって、ウェンディが食べるのは俺がもぐもぐしたものにしたらどう?」
っと俺は、しれっと超弩級の変態な提案をして、莞爾と笑ってみせた。
「えっ──」
と、キョトンとした顔もまた美しい。
一瞬、ウェンディの中の時計が止まったように俺は感じた。
「そっ、それなら──、疲れないし、どちらも食べられるし──、まあ、いいわよ。──あっ! ダメだわ。だって、マスターの方がたくさん食べるし、やっぱり私の方が疲れちゃうわ。マスターの平らげるクジラのお食事のような量を、すべてもぐもぐするなんて、絶対に無理よ。フフッ」
もはや吹き出し、クククと笑いながら言うウェンディ。
「ごめんねド変態な提案して。でもまぁ、とりあえず、今夜のディナーは全皿、一口づつは、ウェンディ味を味わいたいかなぁ。やっぱ、もう一度味わうと忘れられへんわ。ウェンディのもぐもぐ味」
っと、再びテヘペロする俺ってば、お茶目さん上手だな。自画自賛だが。
そしてそれと同時に、心の中で、ウェンディに米でもブドウでもいいからもぐもぐしてもらって、それを発酵させて、口嚙み酒(ギャートルズのサル酒)をマジで造ってみたいぃっ。てか、絶対造るっ! ウェンディ印の口嚙み酒だぁっ!! と、ジョニーと暴れる鰻とリビドーの泉に約束してしまった俺。
ぜってー美味いぜ、こりゃ、まさに女神が醸す酒だっ!
たらふく飲んで、酔いしれたいのだ。口嚙み酒に、そして、ウェンディの愛にっ!
「ド変態ね、フフっ」
微笑みながら、今度はパンに手を伸ばし、少しちぎってバターを塗ってパクッと口に入れるウェンディ。
「じゃぁ、こんなのはどうかな?」
と、俺は同じようにパンを少しちぎって、大股開きのウェンディの股間に持っていき、そしてヌチョっと、彼女のトロットロのエロ蜜を塗りつけたのだった。パンきれをチョメチョメに直接押し当てられた時の「あんっ」というウェンディの吐息が、これまたエロエロディナーらしい淫猥なムードを、更に盛り上げる。
あぁっ! これこそが俺の求めるエロエロディナーだっ!
俺は得意げにパンを口に放り込んだ。
「おおうぅふっ! ウェンディのエロ蜜バターがまた格別に美味いっ!」
「もう、ほんとにマスターったらぁ」
「てへっ!」
「でもね、マスター、エッチに戯れるのもいいのだけれど、今夜はもっとお話しもしながら、ディナーを楽しみたいわ」
なるほどぉっ! それもそうやなぁ──。ってか、それが普通か。
「おうっ! これまた、クールビューティ&言葉数少ないで有名なウェンディちゃんから、沢山お話をしたいやなんてぇ、めちゃ嬉しいぜいっ! 俺もお話しめっさしたいしたいっ! 俺は、ウェンディの少女時代とかの話とか、めちゃ聞きたいわぁー。どんな美少女ぶりやったんやろうかぁ。超ー超ー興味あるでぇ」
自分でも鼻の穴が広がってるのが分かるほどに、馬鹿面テンションではしゃいじまった俺。ウェンディの少女時代とか、考えてみたら、それ、めちゃめちゃ知りたいっちゅーねん。てか、卒業アルバムとか、めっちゃ見たいわぁっ! それ、やべぇっ!!
少女ウェンディの、ガチの制服姿とか、ガチのブルマ姿とか、ガチのスク水姿とか、うわぁーっ!! めちゃめちゃ見たいわぁぁぁっ!!
「いいえ、今夜は私、マスターの話が聞きたいの。マスターの子供も頃の話とか聞かせて」
「ええぇっ!! 俺のっ! 話しっ! いや、そんなのつまん──」
「うんん。マスターのお話し。マスターの家族とか兄弟とか、──マスターってどんな子供だったの?」
ま、マジですかぁっ! ウェンディちゃんっ! うーん、まぁ、ウェンディが聞きたいなら、まぁ、ええけどぉ──。でもなぁ、ウェンディちゃんよぉ──、読者諸氏、紳士諸氏は聞きたくないやろなぁ。そんな俺の過去なんてぇ、汗臭くてちっとも萌えへんやろうしなぁ──。
「まぁ、そんなにウェンディが聞きたいんやったらぁ。そうやなぁ──、まぁ、ええけどぉ──。どっから話そうかなぁ──」
っと、俺は今度はフォッカチャを少しちぎってウェンディのエロ蜜をペッチョリとつけて口に放り込み、そしてシャブリをクイッと口に含んだ。
おおうぉぉっ! このほわほわフォッカチャ&ウェンディのエロ蜜バター&シャブリのハーモニー、めちゃウマっ! たまらんっ!
そうやってウェンディ味のあれやこれやを堪能していると──、
「バキッ!」っと何かが割れる鈍い音がテーブルの下から響いたっ!
あっ! やべっ!
そう、それは、とてつもなくドス黒く殺意渦巻く漆黒の瞳で俺を睨みつける小野獣リス公が、クルミの殻を歯で嚙み割った音だったっ! その響きに、「こっの、糞メタボ野郎っ! もはや我慢ならんっ!」という殺気が込められていた。
「あれ、クルミの殻かなぁ──」っと適当に誤魔化す俺だが、もう下にいる奴はやり過ごせそうになかった。
己が全身全霊&ド変態で愛するクールビューティな女神さまのチョメチョメを、そのエロ蜜の滴るチョメチョメを、これでもかの大股開きのチョメチョメを、そのチョメやエロ蜜のエロ香しい匂いも、むわっと全身で味わえる近さで目の当りにしながら、全くもって指一本触れられない状況で、尚且つ、恋敵であるこの俺に好き放題にされている様を見せつけられて、正常でいられるであろうか、──否。
奴は、もう戦うことでしか自分を保てないといった鬼リスの形相で、そのエロ闘争本能はすでに臨界に達していた。
リス公め、スーパーサイヤ人ならぬスーパーエロリス公にでも覚醒したってかぁっ!
よし、やってやろうじゃねぇかぁっ!!
ジョニーよっ! 行くぜっ! 漢と漢(雄)の勝負だぁっ!
流石のジョニーも、やや警戒してはいるが、ビクンビクンと大きく跳ねて、戦闘態勢を整える。武者震いってやつか。ってか、ジョニーの戦う相手は普通、乙女のチョメチョメだろうが、もう四の五の言ってらんねぇっ!
もう後には引けねえぇ、そんな時も真の漢にはあるのだと、俺は痛感したのだった。
てか、そう言い聞かせるしかねえだろ。これって。マジで。