「精霊と日本一うゎぁーな男の自由すぎる冒険日誌」 作:めがねモエ
前篇「ウェンディーはピロートークがお好き」の巻、その15
”おでんちゃん”この名を俺はもう何千回、いや何万回連呼してきたであろうか──。
この俺がまだウブだった頃、お独りチョメチョメもまだ知らぬ無垢な少年、精通という己の股間の相棒(ジョニー)の真の能力に目覚める革命的衝撃、そのまだ青いリビドーのチョメチョメ革命記念日を迎えるずっと以前に、すでにその名を知っていたのだった。その土地では小学生高学年以上の男子ならば誰もが知り、そしてその名を耳にするたびに恍惚となりはて、淫猥の響きに導かれ熱く滾り屹立する。全スケベ男子どもの憧れ、地域の地下マドンナ的存在、もはやエロのヴィーナス、いや淫奔の街ソドムに降り立った堕天使と言ってもいいだろう、その名──、
伝説のストリッパー”おでんちゃん”またの名を、ふんどしセーラーのおでんちゃんだっ!
関西の数ある、名だたるストリップ劇場の香盤でトリを務め、そして全国津々浦々の劇場にも遠征し、そして関東の名門で今や殿堂の、あの有名な東京浅草ロック座のステージにも度々呼ばれていたのである。
その程よくぷりぷっりでありながらも、しなやかでハリのある──一目見ればもうピンコ立ち間違いなしの──こぼれんばかりのエロッエロボディはもちろん、美しく玉のように輝き光るまさに玲瓏たる瑞々しい肌、そしてそのボディにして無邪気で愛くるしくも妖艶な超絶美少女アイドル顔は、どんなエロガキも、いや変態紳士をも虜にしたのだった。だが、そんな超絶エロ美少女の彼女であるが、彼女の凄さはただ外見だけのそれではないっ! むしろそれは彼女”ふんどしセーラーのおでんちゃん”にとって単なる付加価値でしかないのである。
その美しさゆえ、香盤の大トリを務めることをにわかファンからは望まれがちだが、だがしかしっ! 彼女の凄さはそんな願望を軽く一蹴する。まぁ、大トリで美しく舞いファンを魅了するのはあたり前田のクラッカーなのだが、彼女の本領発揮は、プログラム中盤のエロ遊戯──香盤の大トリより前の、つまりその日一番の美女ストリッパーがラストを飾るその前の息抜き的な演目──ポラロイドショーや天狗ベッド、チョメチョメにお客さんの指をインサートさせる指ポンショー、白黒や生板ショー等々、それらの時間帯こそが彼女の本流なのである。
そして、彼女が最も得意としていた技は、その名の”おでんちゃん”がそれを物語るように、そう、まさにおでん種、白く艶々と光るあの”おでんのゆで卵”を使ったエロ遊戯なのだぁっ!!
もうここまで言ってしまえば──、ストリップ劇場で、中盤のエロ遊戯的ショーで、おでんのゆで卵といえばっ! ──全国津々浦々の変態紳士諸氏はもうすでにお分かりであろう。
そう、チョメチョメにこれでもかと艶々のゆで卵を仕込み「さぁ漢どもよあたしの愛を受けとってぇっ!」 とばかりに、ポンッポンッポンッと勢いよく、てか、緩急つけて客席最前列から最後方までも、それこそ縦横無尽にっ! エロく可愛く美しく、そしてその超絶エロ美少女の美貌でありながらの下品で滑稽で愛くるしいM字開脚でもってぇっ! チョメの愛のエロ蜜をねっとりと帯びた淫奔のゆで卵を、神々しくもエロ馬鹿に、母鶏が卵をスッポンとひり出すがごとく、戦艦大和の46㎝主砲のように豪快に、ふんむっと息んでかっ飛ばすのであったっ!!
いやはやあっぱれっ! あっぱれっ! おでんちゃんっ!!
それをキャッチした変態紳士諸氏はもう、感極まりその場でひと飲みに、或は愛をじっくりと噛みしめるように一口また一口とゆっくりと食するか、はたまた或は後生大事にタッパーにしまい家宝にするか、それぞれが正に天の恵み、エロ女神からの慈愛なるご褒美を授かったように、厳かにその幸運と名誉を享受するのであった。
ま、食品衛生やら風営法やらの関係で食べちゃダメなんだけどねぇ──。
ただ、それを食べてあたった奴はいなくとも、その後大出世したというサラリーマンは数知れず。そのおでんちゃんのエロゆで卵、あげまんの験担ぎになったのも伝説の一つである。
あとこれは余談ではあるが、そのおでんちゃん独特の定番コスチューム、上はいわゆる制服の王道セーラー服(白地に紺縞でリボンは赤色)の夏服で、下は褌一丁という可憐かつ豪快なミスマッチコーディネイトなのだが──、
ん──?
てか、ちょっとまてまてぇいっ! 俺ってばっ!!! いま滔々と”おでんちゃん”について語ってる場合じゃねぇっつーのぉっ!!!
今は、漢と変態粘着質ストーカー小野獣こと騎馬合体アナ&ルーと集団痴漢軍団灰色ネズ公どもとの戦いだったのだっ! そして、ティルちゃんがヤバい状態で、そして、何故かその”おでんちゃんコスチューム”で登場したフラウが助太刀で──。
マジで脱線が過ぎたようだった──。
おでんちゃん話は尽きることが無いのだが、とりあえずは中断だ。これ以上エロ馬鹿な脱線話に読者様をつきあわせてしまっては、話の腰折れ、ジョニーの中折れになりかねない。
とりあえず”おでんちゃん”の話の続きは最後に後述(※1)するとして──。
まぁ、とにかくだ、つまりこの俺が──、って、何を話していたっけ──?
えー、青いリビドーのチョメチョメ革命後は──つまり覚えたての頃は、あのイタリア映画「マレーナ」に出てくる主人公の少年に負けないほどお独りチョメチョメに耽まくっていたのだが──なにかあるたびに(落ち込むことがあるたびに)夕焼けの波止場に行き、暁の水平線に沈む夕日に向かって彼女の名”おでんちゃん”を連呼しながら、盛大にジョニー(当時は15センチのジョニー)をぶっ放しイキ果てたものだった。
てか、一応ズボンの下からであるが。
ま、いくら昭和エロススキの時代といえども、公然と今のダンプリ精霊界のように堂々とフルチンになるわけにはいかない。あたり前田のクラッカーだけど──。
つまりだ、この俺のエロの魂の根源、心の奥底のリビドーの泉のその源泉エネルギーの一つがまさにこれ、少年期に出会った”おでんちゃん”なのであるっ!!!
そんなおでんちゃんコスチュームに身を包んだフラウは──、
不思議ちゃん系少女の精霊でゴスロリ衣装がトレードマークの彼女に、これまた意外にも、なんというか、とてもしっくりとマッチしていて──、
どことなく影のある美少女、金髪ツインテールと一見派手で明るい印象だが、その表情はいつもけだるく虚ろでそして冷ややか。ぱっちり開くときっととても愛くるしいであろうその瞳も、不思議少女独特の不穏な怪しい輝きを放ち、右目にかけられた眼帯がそれを助長する。てか、たぶんファッションでつけているだけの眼帯なんだろうけど。にっこり笑うことは少なく、いつも微笑むぐらいにしか表情を変えない彼女が、エロ可愛くも荒々しい豪快なふんどしセーラースタイルに身を包むなんて──、その究極ともいえるギャップ萌えが、俺をそして17センチのジョニーを熱くするっ!
おぉぉぅふぅ、なんて可愛くて、コケティッシュで、往年の”おでんちゃん”にも勝らずとも劣らないエロ素敵なオーラを放っているんやぁ、フラウぅぅ──、
その姿をじっとりとおっさんのジト目でもって見るにつけて、俺(≒エロバイン)はエロと郷愁とが綯交ぜになった複雑な思いで感動の涙を流し、そして滾り、17センチのジョニー(≒17ミリのジミー)は漢の我慢汁をドバドバとこれまたさらにさらに垂れ流し、ビクンビクンとウェンディちゃんのチョメチョメの中で跳ねまわるのであった。てか、この滾りっぷり、ばれねぇかなぁ──。
そしてその複雑なエロ郷愁が、ズブズブと俺の心の奥底のリビドーの泉に流れ込み、その根底から掻き回し、──これはある種、中学の頃によくオカズにしたエログラビア等を偶然にもエロ画像&動画サイトで発見した時の感じにも似ているのだが──よってエロパワーがフルスロットルで滾りまくる俺(≒エロバイン)だった。
このエロパワーの凄まじさは、本体側の俺、つまりウェンディちゃんとチョメチョメをしている俺(≒本体)にも、ガラガラどっかーんっと稲妻のように影響し、暴れる鰻はもはや龍が如き激しさでウェンディちゃんの唇や口腔内、桜の花弁のように可憐なその舌に絡みつき、チュウチュウと愛を貪る。そして熟練炭坑夫の強腰は、高度経済成長期のフル回転操業の如き激しさでもって腰を振り始めたのだった。本体側の俺がこれなのだから、エロバイン(≒俺)はもうそれこそ半端ない。集団で抑込技一本を決めようとする灰色ネズ公どもを、もはやぬいぐるみを払いのけるかのように、かるーく軽々と、一気に蹴散らし立ち上がったのだったっ!!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!! 百人力たいぃぃっ!!」
と、俺はいきり立ちそして何故かガッツポーズを決めていた。
「フフフ、マスターったらそんなに滾っちゃって、嬉しいわぁ。フフ、なんなら今すぐあたしとアレするぅ? ねぇしたいでしょ? いいわぁよぉ。そのキモ逞しいアレで。フフフ。でもね、早く助けないとティルがとっても危険な状態よ、助けてあげたら? ね、マスター、フフフ」
と挑発するように、自ら褌の前掛け部分をグイっとつかみギューっと上に引っ張り上げて、股間の陰阜に、その薄ピンクの肌がいかにも柔らかそうな、こんもりとしたチョメ丘に食い込ませ言うフラウ。いかにも見せつけるように、腰を前に突き出して。ってオイ、お前もいつもよりもエロすぎやしないか?! そんな娘やったやろか──。
「てか、そうだった!! ティルぅっ! 今すぐ行くぜっ!」
と言うが早いか、俺はズバッと飛んで次の瞬間にはティルを空中で抱きかかえていた。我ながらめちゃかっこよくねぇ。白馬の王子すぎるぜいっ!
「大丈夫かぁっ!! ティルぅっ!!」
と俺はここぞとばかりに、男前ごえ声優№1と私が思う山寺宏一氏張りのイケメン声をつくって彼女に語りかけた。
「もうっ!! マスタぁーったらぁっ!! フラウのエッチな姿に鼻の下伸ばしてぇっ!! もうもうもうっ!! この浮気者ぉぉぉっ!!!」
てぇ、ええええぇっ!! そこぉっ!! そこツッコむのぉぉぉっ! ティルちゃんてばっ!
「オイオイオイオイっ、ティルちゃん、フラウに助けられてて──、てか俺に助けられてそりゃねぇーぜよ」
「だってさぁ、マスタぁーのこのエロバインのエネルギーゲインは一目でわかるんだよぉ! 股間のこれを見ればっ! フラウを見たとたんにこんなにピンピンに立てちゃってさぁ、もうプンプンっ!!」
えっ! そうなん?! 17ミリのジミーの立ちっぷりはエロバインのエネルギー状態を表してるの? てか、わかりやすっ!!
「まぁまぁまぁ、エネルギーがアップすることはええことやろ。ははは──」
ってか、この娘ときたら──、こんな戦いの最中にそんなことで嫉妬すんのかっ! いやはや、ティルちゃんてばほんまにほんま可愛い奴やなぁ。
「そんなことより、ティルちゃんよ! 俺はいいことを思いついたってばよ。せっかくエロバインのエネルギーがフル充電になったんだ。アレだ、アレを使うぞっ!」
「え? アレ?」
「おうよっ!! でだ、オイッ! フラウっ! 聞こえるか? あんまし細かく説明してる暇はねぇ。とにかくだ、俺とティルちゃんはこのまま体育館内を飛行してリス公ども&ネズ公どもを引きつける。その間にフラウ、お前が跳び箱の一番上の段を外して待っててくれねぇかっ!!」
「ふへぇ? なにそれ? マスタぁー」
「フフフ、マスターったら。アレのお誘いじゃなのねぇ。残念だわぁ。でもいいわ。未だにこの状況、わけが分からないけれども、助けてあげる。これも私の運命だわ」
「あんがとよぉっ!!」
っと俺(≒エロバイン)はフラウに一瞥をいれ、そしてエロい意味をたっぷりと込めてウィンクした。
「さぁっ!! ティルちゃんよぉ、ちょっと飛ばすぜぇっ! しっかり俺につかまってろよぉっ!!」
バイクに彼女を乗っけて疾走するようなセリフを決め、エロバイン(≒俺)はグンとスピードを上げ急上昇し、そして空中でティルちゃんのほっぺに軽くキスをした。
「はぅっ、マスタぁー」
「さぁっ! 戦いの第二ラウンドいってみようぜぇっ!」
エロバイン(≒俺)はそこからハヤブサのように鋭く滑空し、騎馬合体アナ&ルーのアナの頭上をかすめて飛行した。
「さぁっ!! きやがれエロ小野獣どもめっ!!」
「キキキキキキキィィィィッ!!」
「グギギギギギギギィィィッ!!」
チュウチュウチュウチュウチュウチュウチュウ──。
あたり前田のクラッカーのようにリス公アナ&ルーは激昂し、ティルちゃんをお姫様抱っこしながら華麗に──まさに白馬の王子よろしく飛行する俺(≒エロバイン)の後を追って爆走してきた。
こりゃマジでマッドマックス怒りのデスロードになってきたぜっ!!
だが、俺の思考は至って冷静であった。なぜなら、そう、絶対に負けられないから、二度とティルちゃんをあんな危険な目に遭わせてはならないからである。我ながら油断した己を戒めねばと、強く心の奥底のリビドーの泉に誓ったのだった。
そしてこんな絶対に負けられない戦いでは、俺の脳裏に必ずといってこのBGMが流れるのであった。俺にとっての絶対に負けられない戦いのテーマ曲。そして、こいつが俺の脳裏に流れるとき、俺は絶対に負けない。
そんな、戦う俺のリビドーを勇気づけ鼓舞しかつ冷静に挑ませるその曲──。
ワンダバダ、ワンダバダ、ワンダバダ、ダバダワン♪ ワンダバダ、ワンダバダ、ワンダバダ、ダバダワン♪ ワンダバダ、ワンダバダ、ワンダバダ、ダバダワン♪ タァー、タラッタッタァー♪ タラッタッタァー♪ タラッタァァー♪ タァー、タラッタッタァー♪ タラッタッタァー♪ タラッタァァー♪ タタタァァー♪ タッタァァー♪(ワンダバダ、ワンダバダ、ワンダバダ、ダバダワン♪ 繰り返し)
そうっ! ご存じウルトラマンの定番BGM「ワンダバ」であるっ!!
これほどまでに緊張感漂う、そして正義に力漲る戦闘シーンBGMはないであろうっ!!
ガキの頃から、てか、生まれて初めてウルトラマンをテレビで視聴した時から、俺はこの戦闘シーンBGMが大好きであるっ!!! そう、あれはたしか「帰ってきたウルトラマン」であっただろうか──。
って、浸ってる場合ではない。が、俺はこのワンダバのリズムに乗ってひたすらに飛んだ。
そして、もはや戦いのみに生きる狂戦士(バーサーカー)と化した騎馬合体アナ&ルーは、もうそれこそ流鏑馬の大会でもあれば絶対に優勝するであろう勢いでもってザクロ弾を撃ち込んで来る。でもって、俺はというと、ひたすらに回避回避回避&逃げ切れるか逃げ切れないかギリギリの状況を思わせる速度で飛行し、狂戦士軍団と化したリス&ネズ公どもを引きつけている。ちなみに、ティルちゃんは俺(≒エロバイン)の腕に抱かれて、それこそ花嫁のように可愛く大人しくうっとりとしているのだ。もう管制制御支援は受けられない。
だが俺は、心の奥底のリビドーの泉をまるで霧の摩周湖の湖面のように鎮めて、その湖面に映る心の目、心眼でもってザクロ弾を躱しまくった。それこそニュータイプのように。てゆーか、エロバインはオーラバトラーのつもりなんだけど、一応──。
見えるっ! 見えるぞぉっ! アナ&ルーの野郎どもっ! 貴様らの邪悪な一挙手一投足がなぁっ!!
あぁ、もうこの俺は無敵だぁっ!! あぅあぁ、ティルちゃんよぉ、俺には宇宙がぁ見えるぅっ──、そしてウェンディちゃんとの愛の終着点、遥かなるアクメもすぐそこに見えちまうぅぅぅっ!!
ま、こうしながらも、俺とウェンディちゃんとの愛のチョメチョメは続いているのだ──。
エロバイン(≒俺)とそれを追う小野獣狂戦士軍団の隊列が、体育館内を二周三周とグルグル回る。このままずっと回り続ければ本当にバターになっちまうのでは? とアホな考えすら浮かんでくるくらい、俺は己の研ぎ澄まされた飛行感覚とその華麗なる回避旋回に酔いしれていた。ザクロ弾がまるでシャボン玉に見えるほどに。
と──、そんな俺を一喝するようにけだるい声が頭に響いた。
「マ、マスター、もうほんとうにヒドイ人。わたくしのようなか弱い女に。一体いつまでこれを持ち上げていればいいのかしら。腕がだるくて、たまらないわぁ。もういっそ、降ろしてしまいましょうかしらねぇ。それともぉ、どこぞへ投げ飛ばしてやりましょうか? フフフ──」
「あっ!! フラウっ!」
やっべぇー、俺の見事な飛行に自ら酔いしれて作戦忘れるとこだった。てか、ワンダバ逆効果かっ!?
「マスタぁー、うーん♡」
「ってぇっ!! ティルちゃんてばこんなタイミングでキスてぇ、ホンマこわい娘やわ。お姫様抱っこで完全にトロットロになっとるやんけぇぇ! それは戦いの後っ!!」
ティルちゃんわざとだろっ!!
「うっし、時間かかってすまねぇっフラウ。あと少しだぁっ! もうちょっと待ってくれぇっ!! 今すぐそっちに向かうっ!!」
てか、グルグル回ってるのはフラウのために時間稼いでるのに俺が遅れてどうすんだ。
「よし、ティルちゃんよもう一度反対側に回ったら、管制指揮車両まで飛べるか?」
「えっ!? う、うん。もう大丈夫だよ。あのくらいの距離ならなんとかなる!」
「うっし、俺が車両の手前で思いっきり放り上げるから、そのまま飛んで管制指揮車両で待機だ。俺の合図を待ってくれっ!」
「うん! わかったよ、マスタぁー! あたし最後まで頑張るぅっ!!」
「いい娘だ。よし、いくぞぉっ!!」
「うんっ!」
「いちにいのぉさんっ!! それぇっ! とんでけぇぇぇぇっ!!」
「はいなぁっ!!」
っと、ティルちゃんはブーケトスで投げられた花束のように可愛く舞って、管制指揮車両に辿り着いた。
その動きを警戒してか、騎馬合体アナ&ルーはザクロ弾を車両にも撃ち込む。が、素早く車両に飛び乗り走り出すティルちゃん。流石だな。流石ミリターっ娘に目ざとくキャラチェンジしたティルちゃんだ。
さぁ、次は俺の番だぁっ!!
「フラウ、今から突っ込むぜぇっ!! 大きく開いて待ってろっ!!」
「フフフ、マスターったら、イヤらしいわねぇ」
エロバイン(≒俺)はまっすぐ平均台に向かって飛行した。床面ギリギリまで高度を下げ、平均台直前で急減速、わざとらしく踏み台で足をついてトンッと飛び上がり、平均台の上にスチャリと降り立った。そして今度はそこから走った。
そう、フラウが最上段を持ち上げて待っている跳び箱に向かって。
その俺の動きにつられて、灰色ネズミ軍団は次々と踏み台でキッチリ踏み込み、ピョンピョンと平均台にあがって来る。そしてもちろんエロバイン(≒俺)の後を追って激走する。列をなして。チュウチュウチュウチュウチュウッと。馬鹿正直に。てかバカだけど。
「さぁ行くぜぇっ! フラウっ! タイミングはわかってるよなっ!」
「フフフ、運命ですもの。当然よ、マスター、フフフ──」
そして俺は跳び箱の中に飛び込んだ──。
後はもう察しの通り。──さながらハーメルンの笛吹き男に操られるネズミのように、灰色ネズミ軍団は俺に続いてドカドカと跳び箱の中に飛び込んだ。跳び箱の中といえばもう、コミケ3日目東エリアをひっくり返したような有様であった。でもって、灰色ネズミ軍団最後尾の一匹が飛び込むと同時に、フラウの抱える跳び箱最上段はドッカリと、まるで吸血鬼か或は悪魔の棺桶を閉じるかのように降ろされた。
「フッ、もう腕がだるいのを通り越してイタイいわぁ。マスターったら、これ、どうしてくれるのかしら、フフフ」
フラウのけだるい呟きを合図に俺はネズ公どもともみくちゃになりながら叫んだっ!
「ティルっ!! 今だぁっ!!!」
「ほいなっ! マスタぁー」
「それ、いちにぃのぉさんっ!」
「スカンクボムっ!!!」
「スカンクボンバー!!」
バフフフフフフフッ!!!
それは、とてつもなく大きな”音”であった。まるで鯨かなにかがこいたような。
エロバインの隠された必殺技の一つ、つまりはアレである──。
「エロバインシンクロ強制解除!!」
「イエスッ! マスタぁーっ!」
チュチュチュチュチュチュチュチュチュチュッ、グギュギュギュギュギュギュギュギュギュウゥゥゥゥっ!!
エロバインとのシンクロを強制解除した俺は、管制指揮車両のカメラからその後の様子をうかがった。跳び箱はポルターガイストか、或は悪魔でも飛び出すのかといった具合に小刻みにそして時に激しく揺れ動き、上からフラウが必死に抑えこんでいた。
「ちょ、ちょっとぉ! んんっ! 運命とはいえ、ほんとうにわけがわからないわぁ。このお礼は一体いかほどかしらねぇ、マスター、んんっ──」
そしてしばらくして、跳び箱は完全に沈黙した──。
確かにこりゃあ、フラウにまた大きな貸しができてしまったな。
あの不思議ちゃん精霊をたっぷりともてなさんといかんか。てか、フラウは無茶振りの女王だから先が思いやられる。が、まぁそれも一興である。なにせ、ふんどしセーラースタイルを着こなしてくれたフラウなのだから。
めざとく17センチのジョニーの奴が「せやねぇ、それも面白そうやで旦那ぁっ!」と言わんばかりにピクリと反応する。てか、おめーはウェンディちゃんに集中しろっ!!
「そろそろ大丈夫だろう。フラウ、すまんがもう一度跳び箱の最上段を外してくれ」
「フフフ、人形使いであるわたくしが、傀儡に成り果てたマスターに命令され、操られるなんて、ほんと滑稽だわぁ。フフフ」
「ティル、エロバイン再起動&再シンクロスタンバイっ!」
「イエスっ! マスタぁー」
「一応スカンクボムの残り香が心配やから、中和剤散布も忘れんといてや」
「合点承知だよんっ!」
そして俺(≒エロバイン)は失神した灰色ネズ公どもの坩堝から、ぬいぐるみを蹴散らすかのようにバッシュっと勢いよく飛び出した。そして空中でくるっと後方伸身2回宙返り3回ひねりっぽいH難度技、つまりは体操の白井健三選手があみだしたシライ3っぽい技を決めて、スチャリと平均台の上にドヤ顔気味で10.0の着地を決めた。
「さっすがマスタぁー、エヘッ、決まったねっ!」
「フフフ、わたくしにもそんなエッチ難度技を決めてくれるのかしら。フフフ」
我ながら決まりすぎで怖いくらいだと思ったその刹那──、
ベチョリィィィッ!!
っと、金メダル級の着地を決めたエロバイン(≒俺)の足元に、ドロッとした──不吉ななにかを思わせるほどに深紅の──果汁が飛び散った。
これはっ、ザクロ弾っ!
「キキキキキキキィィィッ!」
「グギギギギギギギィィィッ!」
ふと見ると、俺(≒エロバイン)の真正面に奴らはいた。
そう、粘着質の変態ストーカー小野獣こと騎馬合体アナ&ルーであるっ!
「くっそたれめぇ、やっぱりアホな灰色ネズミ軍団と違って、このスカンクボム作戦にかからなかったなぁっ!! リス公どもめぇっ!! 敵ながらあっぱれだぜいっ!!」
応えるかのように、奴らもその邪悪なる漆黒の目でエロバイン(≒俺)を睨みつける。
「もう灰色ネズ公どももいない。決着をつける時だっ! リス公アナ&ルーっ!」
対峙する俺(≒エロバイン)と騎馬合体リス公アナ&ルー。
先ほどまでの激闘が、まるで夢か幻かと思うほどの一時の静寂が辺りを包んだ。
今まさに、漢と雄二匹の決戦の幕が切って落とされようとしている。
てゆーかっ! まだ戦いは終わらんのかっ!! と言わんばかりの苛立ちにも似た小刻みな身震い、ピクピクの17センチのジョニー(≒17ミリのジミー)のチンピクが俺(≒エロバイン)の股間を鈍く襲う。
てかジョニーよ、お前はホントに雄には興味ねえっていうか、乙女にしか良い反応しねぇよなぁ。
ま、あたり前田のクラッカーだけども。ジョニーだもの──。
※1) おでんちゃんに関する後述
あとこれは余談ではあるが、おでんちゃん独特の定番コスチューム、上はいわゆる制服の王道セーラー服(白地に紺縞でリボンは赤色)の夏服で、下は褌一丁という可憐かつ豪快なミスマッチコーディネイトなのだが、この褌姿におでん種の芸風が後に、イラストレーターでありコラムニスト、それに俳優業でブルーリボン賞を受賞し、作家としてもベストセラーを連発するなど、もはやそのマルチな才能は枚挙に遑のない才人リリー・フランキー氏のキャラクター、子供達に大人気”おでん君”のデザインに影響を与えたというのは──、まぁいわゆる都市伝説(注1)ではある。
とはいえ──、
私の永遠の憧れであるリリー・フランキー氏も、ともすれば”おでんちゃん”を愛していた──、なんてことは都市伝説レベルの話ではあるのだが、この俺にとってはなにか、たとえ嘘でも、嬉しくもあり、また運命を感じ、そしてその憧れ、背中を追いかけ近づきたくても手を伸ばしても、夜空に輝く三日月のように手の届かぬ存在であるリリー氏の、その傍らに並べるのではとふと可能性を感じ、己の変態魂を熱くさせるには十分だったのであるっ!
ちなみに、先に少しおでんちゃんコスチュームについて書いたが、前述のとおりセーラー服(夏服)の上だけで、下にスカートは履かず褌一丁、でもそれはたまに冬服(紺地の長袖)になる場合もある。但し褌一丁は変わらない。そして足元であるが、やはり初期の頃は、ひざ下の短い白ソックスにローファーであり、その後クシュクシュソックスに変化し、そしていわゆるコギャルの代名詞ともなったルーズソックスへと進化。そして後年は紺のソックスにローファーや、黒のニーハイを褌に合わせることもあったのだった。これまた昭和と平成の時を超えた融合エロである。この褌にニーハイがまた案外そそるのである。また時に、褌に黒あるいは白のガーターストッキングや、ハロウィーンイベントなどではスパイダー系のストッキングなんて時もあったのである。
きっと、このおでんちゃんの美しいおみ足のエロエロコーディネイトが、後に俺を、特におみ足好き・太もも大好き・おしり好きな変態紳士へと成長させる、その原体験となったのだろうと今は思っている。
うむ、変態は一日にして成らず。
それは人の、つまりその漢の成長にとって欠かせない日々の勉強、いわば学問や鍛錬のように積み重ねが重要なのである。エロ経験の。
注1)リリー・フランキー氏のおでん君キャラデザインに関する都市伝説は完全なる創作です。
勝手な都市伝説を作中にて語って申し訳ございません。ご容赦のほどを。
補足)伝説のストリッパーこと”ふんどしセーラーのおでんちゃん”のキャラクターは架空の人物です。エロレスリングのレジェンドであり、主人公の師匠である”アンドレ・ザ・ドスカラス・ブギーナイツ師匠”も架空の人物であるように。って、あたり前田のクラッカーか──。