「精霊と日本一うゎぁーな男の自由すぎる冒険日誌」 作:めがねモエ
「ぶらりフルチン途中下車の旅」の巻、その6
坊やぁ♪
よい子だねんねしなぁ♪
いぃまも昔もぉ変わりなくぅ♪
はぁはぁのぉ恵みぃのぉ子守唄ぁ♪
遠いぃ昔のぉ物語ぃいぃ♪
そう、ご存じテレビアニメ「まんが日本昔ばなし」そのオープニングテーマ曲である。
珍しく俺流バージョンに替え歌せず歌ったのだが、なんだか見方によっては、或は聴き方歌い方によっては、妙なスケベ心を感じる。のは、はて、俺だけであろうか──。
ま、それはさておき、俺は抜き足差し足で森の中を進んだ。
俺をひとり浜辺に残して森に駆けていった愛しのロボ子ちゃん、銀髪の美少女こと傀儡の精霊キレスを追って。
「絶対についてこないでくださいですぅ。──絶対にですよっ! 約束ですよぉ!」
このロボ子の捨て台詞、どう考えても、百歩譲ってもなお、拭えないであろう溢れんばかりの”鶴の恩返し感”まじで極まりない。まったくもってベタ過ぎる。がしかしだ、これがつまり「鶴の恩返し」的パターンなのであれば、それはノベル系ゲームにおけるバッドエンド、その元祖とでもいうべき、選択を誤ったが故のまさに鬱エンド。主人公の不本意な離別を予兆させる、俗にいう破局フラッグが立ちまくりなのである。
いいのか俺っ! そんな危険を犯して、ロボ子との約束を侵して──。
あぁ! しかしっ! ロボ子の言う「絶対についてこないでくださいですぅ」はつまり「鶴の恩返し」でいうところの、「けっして覗かないでください」であり、てか、乙女がけっして覗かないでくださいっていうところを覗かずに我慢できる変態紳士が俗世にいるであろうか?! 否! 乙女の秘めたる恥じらいの深窓なのだぞ、覗かずにはいられなのがスケベ魂っ! 美しき乙女の秘部、恥部、おパンツ様、チョメチョメ、菊門等々、漢達の理性を狂わす魅惑のそれらは、淫奔の誘惑、まさに秘すれば花、いけないと分かっていて、でもそれを求めて止まない、だって漢(≒スケベ)だものぉ、てか、それらを求めずして真の変態紳士たりえるかっ!
あぁ、主よぉ、慈悲深き慈愛深きエロのヴィーナスよぉっ! 我を許したまえ──。
ところで、鶴の恩返しといえば、一般的には学校の教科書にも出てくる戯曲「夕鶴」が一番に思い浮かぶだろう。これは、戦後日本の演劇界、いわゆる新劇と呼ばれる新しい近代劇の流れにおいて、その創成期から、そして現代までも活躍した劇作家、木下順二氏(1914年─2006年)の代表作である。だが、この「夕鶴」も元は全国各地に残る伝承や民話を題材にしているのである。柳田國男(1875年─1962年)編「全国昔話記録」の「佐渡島昔話集」における「鶴女房」が大元であろう。だがこの「鶴女房」や「鶴の恩返し」と呼ばれる昔話、類似した伝承が全国各地に多数あり、しかもそれぞ内容とオチが千差万別で違うらしい。ま、機を織るのはどれもほぼ同じなのだが──。ま、ということはだ、仮に破局フラッグが濃厚といえど、最終的にどうなるかは蓋を開けてみるまで分からんということだ。──些か強引な論法であるが、だが、このこじつけともいえる屁理屈も、俺得意の楽観主義的思考を更に緩くするには、十分な戯れ事であった。
一つ余談だが、いわばそもそも論ではあるが、日本の昔話においていわゆるこの”異類婚姻譚”実は全国津々浦々で非常に多く民話や伝説として伝えられているのである。それも、やれ鶴だの狐だの動物はおろか、蛇だの蛤だの爬虫類やら魚介類やら、はたまた松とか柳とか樹木に至るまでも、もはやなんでもありである。あと、怪異である雪女や竜もあるから、もう節操がない。
そしてそれらの大概が、命を救われたお礼にと貧しい独り身の悶悶とした若者の家にやってきて──また、大概が「旅の途中で迷ってしまって、一晩泊めてくれませんか?」とかのたまって──その後なし崩し的に女房になるのだが、例えば雪女に至ってはかなり強引である。猛吹雪の冬山で遭難した親子の命を奪おうとした豪雪の怪異当人が、その親父の命は奪っても、「そなたは若く魂が輝いている」とかどうとかのたまって若者の命は助け、そして、その後にひょっこりと独り身になってしまった若者の元へやってきて、嫁にしてくれと言うのである。てか、なんでやねんっ!? 若者が雪女好みのイケメンだったのか?! 父親に反対されたらマズイからとりあえず親父の命は奪ったのか?! とか勘ぐってしまうほどやや不自然に思うくだりである。で、この雪女女房のお雪(大概の伝承はこんな可愛らしい名前で呼ばれている)は子宝にもたいそう恵まれ、若者が秘密を喋ってしまうまでは、それはそれはとても幸せに過ごすのである。ったく、ヤリまくってからにぃっ!!
だが、そうっ! ヤリまくるには訳があるのだっ! そうそう、鶴にせよ雪女にせよ、基本的に彼女等はすべて擬人化するわけだが、全員がめちゃ美女なのであるっ!! あぁ、全くこれはもう確信犯だっ! つまりは物語を確実に伝承する上では、やはり漢心をくすぐる必要があるからなのかもしれんが、気持ちはわかるが、もれなく美女化てぇっ! ったく股間にグイグイとくる夢物語である。
とまぁ、長々と語ってしまったが、つまりはだ、これ、現代はもちろん太古の昔から妄想を膨らませる悶悶とした漢達は、突然自分の所にやって来る美女や美少女をマジで心の底から、それこそ各人の心の奥底のリビドーの泉の底から切々と夢見ていたのであるっ!! これ間違いないっ! 天から天女や天使や、あぁっ女神様が降ってくるのを待ち望んで、妄想して、そして悶々と独り致して、止まなかったのであるっ!!!
因みにだが、かのスタジオジブリの傑作アニメ(てか傑作という言葉だけでは、まるで足らない程の作品ですが)「天空の城ラピュタ」における主人公、正義と誠実、そして純粋さの象徴のような少年パズーも、天からゆっくりと降ってきたヒロインである女の子シータを受け止めた時のことを、後に彼女にこう言う。「さっきまでひょっとすると天使じゃないかって、心配してたんだ」と。
これっ! つまりそんな彼でさえ、正義と純粋の少年主人公のパズー君でさえ、同じ穴の狢っ!! パズー君も”天使舞い降り”の妄想をしたことのある悶悶とした男子なのだっ! さらにパズー君なんて、こともあろうことか気を失っているシータを自分の家にお持ち帰りしたのであるっ!! ちょっ! おぃっ! パズー君っ! その美少女をどうするつもりだぁっ!? ってツッコミを入れたくなるこの俺、純粋なるスケベなオッサンである。
このぉっ! チェリーボーイの癖にやるぅっ! 親方に相談もせずちゃっかりお持ち帰りだなんて──、ったく、もし同じ事をアラフォーのオッサンがやっちまったら、やれ美少女の誘拐とか監禁とか、まとめサイトであれこれ書かれ、社会から非難轟轟、マジでお縄になるか抹殺されるであろうレベルのおイタである。コワいコワい。
俺としちゃ、彼、パズー君のスケベダークサイド心を勘ぐってしまうってもんよ。ってか、こんな事を言ったら方々からお叱りを受けるかも──。
てか、些か話の脱線が過ぎたが──、
こんなアホなこと考えつつ、俺は森の中をフルチンで進んだ。
相棒17センチのジョニーの奴は、ややうたた寝をしているかのような、地味な半立ちでプランプランと揺れていた。
さぁーて、ロボ子ちゃんはどこかなぁーっと、茂みをかき分け森の奥へ奥へと──、
それは、”分け入っても分け入っても青い山”と山頭火先生張りに、茂みをかき分け道なき道を、己のまさに我が道、変態紳士道を突き進むとばかりに、ひたと進んだのだった。
それからいかほど進んだであろうか──、ふと耳に聞こえたガサゴソッという、突然部屋に入ってくるオカンにオナバレ寸前で辛くもエロ本を隠した少年がたてる独特の不自然な物音にも似た、そんな何かしらのエロを秘めたるかのような音に、俺は素早く反応し身をかがめた。
そーっと藪を分けて見た先には、真珠のように艶々と輝く白い、そして繊細でかつマシュマロのように柔らかそうな、まさに天使のそれのような、桃尻がっ!! おおおっ! これは紛れもなく銀髪の美少女の桃尻っ!! そうっ! しゃがんでウンチングスタイルをとり、ペロンとプリーツスカートを捲り上げたロボ子の後ろ姿があったっ!!
こ、こんなところで、ウンチングスタイルってぇ、ま、まさかロボ子ちゃん?! まさか生理現象をもよおしちゃったとかっ?! まさか、図らずもロボ子の”本物の乙女おぴっこ”をっ!? こんなところで拝めるのかっ!? ってか、あんなにルービー出しといて、まだ出るのん? しかもモノホンおぴっこがっ?! あぁ、これぞ僥倖エロなのかっ?!
先ほどまでうたた寝をするかのように、ぬらりくらりとプランプランとしていた半立ちの相棒17センチのジョニーの奴がピクリっと反応し、頭を擡げた。目ざとい奴め。
俺はあたふたと跳ね上がるジョニーを落ち着かせ、さながら狙撃手をサポートする観測手のように、よーく目を凝らしてその桃尻の割れ目の奥の院を注意深く見つめた。──そこには、これまたまことに可愛い、目の中に入れても痛くないほど、というか、眼球と心にその佇まいを焼き付けたいほど愛おしい、キュッと窄まった可憐な乙女の菊門が慎ましく鎮座していた。あぅあっ、なんてキュートで気品ある菊門か。高貴な香り、天然エロフレグランスさえ漂ってきそうなその美しくもいじらしい窄まり、その皺っ! あぁ、そこに舌を、俺の自慢の暴れる鰻の奴を這わせて、そしてグリグリと中に潜り込ませて味わいたいぞっ。ロボ子ちゃんっ!
などとエロく様子を伺っていると、──刹那、徐に、その可憐な菊門が卑猥にヒクヒクと身悶え始めた。それこそ、乳房を求める赤子の唇のように柔らかくいたいけな愛らしさでもって。
えっ? あぁぁっ!! ちょっ、まてっ、うぉおおおっ!! ま、マジかっ!? ええっ! まさかっ!! マジかぁっ?! ロボ子ちゃんっ、まさかっ、まさか”おっきい方”なのかっ?!
いやいやいや、マジかっ!? てゆーか、マジかぁっ?! 乙女のお花摘みの現場を、それもおっきい方の”おっきいお花摘み”の現場を目撃してまうんか俺ぇっ!? てか覗いてんねんけどぉっ!
やべぇ、クソヤバすぎるぅっ!! 禁断の、究極の乙女の羞恥。絶対に見られてはいけない、乙女にとって究極の秘すべき穢れのお花摘み、不浄のお花摘みがぁっ! まさに眼前でもよおそわれようとしとるでぇぇっ!!
ええんかぁっ?? ロボ子ちゃん、見てええんかぁっ!!!
てか──、こんなん、究極の乙女の羞恥美っ! 究極の乙女の深窓っ! 究極の秘すれば花っ! 究極のド変態っ!! あぁぁーっ!!
俺は心の奥底のリビドーの泉の水面に頭を突っ込んで、そして水の中で──、そう、つまり誰にも聞かれないように、だがありったけの力でもって大きく愛を叫んだ。
見たいィィィッ!!! ──と。
その叫びに「異議なしっ!!」と挙手をするかのように、不撓不屈のエロ精神でもって変態紳士道の極みを体現せんとする、天を劈くような固い屹立でもって呼応する17センチの相棒ジョニー。
やっぱお前もせやろぉっ? せやろなっ!? それしかないやろてぇっ?! と、互いに変態決意を確認しあっていると──、
「フゥー、フゥッ」
っと、いかにも銀髪の美少女らしい、さも密やかで、辺りを”乙女の秘密の花園”に一変してしまうような美しいいきみ声が世界を透き通るように小さく響いた。
うおぁぁぁぁっ──。
俺は目を凝らして、彼女の菊門を見つめ──もうそれは今にも開花しそうな蕾のようにぷっくりと膨れ上がり、漫然とパクパクしていた。
あうぁぁぁぁぁっ──。
俺は彼女の後姿──そのウンチングスタイルでかつ桃尻ペロンの姿──を俯瞰し、或はまたその桃尻の中心の菊門に焦点を絞って凝視し、それらを何度も繰り返して、その言いようのない美少女のエロ痴態を余すことなく貪るように堪能した。出来れば4kあるは8kの超高画質カメラで収めたいっ! が、それは叶わぬ、ならば己の目と心の奥底のリビドーの泉に焼き付けようぞとばかりに。
そしてとうとう──、そのぷっくりと膨れた蕾から、ニョキっとソレは顔を出したのであった──。
「フゥゥッ」と、ロボ子のいきみ声が響く──。
うぁうあぁぁぁぁっ──。
俺は無意識のうちにその場で立ち上がってしまっていた。もうド変態の極致で、そのド変態の突端の断崖絶壁の上に立ち尽くすかのように、呆然と屹立していた。もちろん相棒17センチのジョニーも。
もし断崖絶壁を、そのいわゆる一般的上級変態趣向と眼前に広がる超弩級変態趣向を隔てる深い谷底を、ひょいっと飛び越えてしまえば──、俺は、きっと後戻りは出来ない。そうだろう、ここを超えればさらに俺は生まれ変わり、言わば変態として更なる高みへ進化するのかもしれないが──。そこを超えていいものなのか──、俺ってば。ふと、そんな気がしたのだった。
だが、その谷間の対岸までの距離はそう遠くは感じなかった。俺ならば、もしや、いともたやすく軽くひょいと飛び越えられるような、そんな気すら──。
あまりの超弩級ド変態にやや意識を朦朧というか恍惚となりつつ、ふやけた思考の中で俺はそう感じていた。
そして俺は一歩を踏み出した──。
だがその一歩目で図らずも枯れ枝を踏み「パキッ」と音を立ててしまった俺。
「ひやぁうっ!」っと声をあげて、愛らしいお目目をまん丸く見開いて振り返るロボ子ちゃんっ!
あっぁっ!!
「えっ? えぇっ!? ま? ひやぁぁぁぁぁっ!! イヤァァァァァッ! ま、マスタァァァっ!!!!」
羞恥の叫びと共に、菊門から顔を出したソレはポトリと下に敷かれた葉っぱの上に落ちた。
あっ! ああっ! てかっ!?
「あっ! ロッ、ロボ子っ!! お、俺ってば──」
不意にロボ子に気がつかれて、てかっ、何故だ? 超弩級ド変態のエロにあてられたのか? 俺自身も何も考えずほぼ無意識に立ち上がり歩み寄っていたという事実に驚きつつも、さすがに声が出なかった。てか、出るのはジョニーの漢の我慢汁ばかりで──。
ブブブッ、ブリッ、ブッ、プスゥー、ブッブッ──。
とてつもなく卑猥で超弩級にエロすぎる銀髪の美少女の”おっきいお花摘み”の姫音。
「イヤァァァッ!! なんでぇ?! なんでマスタぁーがぁ?! うぁうぅぅっ、見ないでぇぇぇっ!! 聞かないでぇぇぇっ、ド変態キモ豚ァァァッ!! キモ豚マスタぁーの、バカァァァッ!!」
羞恥と罵倒の入り混じる混乱に満ちたロボ子の叫びの中、あぁぁ、なんという淫猥かつ愛おしい姫音かぁ──、などと感慨に浸る余裕もなく、俺はもはや変態の権化となってロボ子に突進するかのよう駆け出した。てゆーか、ロボ子っ!? ソレって!? ええぇっ?? ソレ?
とりあえずひり出し切ったロボ子はサッと立ち上がりひらりと身を翻して、大きな木の幹を背にしてこちらに向き直った。その目は、そうそれは魔獣との戦闘時に見せる戦乙女の目、殺気のこもった鋭い眼光、まさに戦士の目でありながらも──、同時に恥じらいと戸惑いの純情乙女の動揺も色濃く帯びており、いわゆるツンデレヒロインの高飛車かつドギマギの目のような、漢を胸キュンさせるなんとも言えない究極の愛らしさがあった。
ほんの一瞬ではあるが──、あぁしかし、愛らしい銀髪の美少女が見せるそのキリリとした真剣勝負の眼差し、殊に命を取りあう戦い、その殺意むき出しの鋭い眼光もまたカッコ可愛すぎるし、そんで戸惑いと恥じらいのウルウル目。なんちゅー萌え萌えのコントラストかっ! ──と思った俺だが、流石に浸る余裕はない。
「マスタァァァッ!! なんでぇっ?? イヤだぁっ! なんでここにいるのですぅっ!! うぁううう──」
「いや、その、ロボ子、俺ってば、その、あれや、ロボ子が心配で、そんでや、その──」
「もうイヤだぁ、わたし、こんなの見られたらぁ、マスタぁーにぃ、こんなとこ、イヤだぁ、もう生きていけないですぅぅ、うぅぅ、あたしもう、恥ずかし過ぎて、死んじゃうぅぅ、死んじゃいそうぁよぉぉ、うぅぅ──」
わなわなと震える声で、そしてSF映画「猿の惑星」(1968)のラストシーンならぬ、円谷プロダクション制作「SFドラマ 猿の軍団」(1974-1975)の最終回を見たかのようなまん丸に見開いたそのお目目から、ポロポロと涙を流し始めたロボ子。
あまりの羞恥心にもう感情が限界、あらゆる思いが爆発して制御不能に陥った、そんな美少女のマジ泣き、フリーズ寸前ロボ子のマジの誤作動泣きであった。
「いや、てゆーか、その、ロボ子ちゃんよっ!! お前はマジで、そやっ! ”美しいっ!!! ”お前はどんな姿でも美しいんやっ!! 俺は感動したんよ!! お前のお花摘みの姿の美しさに感動したんやてぇぇっ!! クソマジで感動したんやてぇぇっ!!」
あ、てか、ここで修飾語にクソとか、軽率じゃね? 俺ってばやっちまった?
「イヤですぅッ!! ド変態キモ豚ぁっ! ド変態キモ豚ぁぁっ!! 信じられない、信用ならないド変態キモ豚ですぅっ!! このド変態キモ豚野郎ですぅっ!! あぁ、もう、イヤァですぅっ!! あたしはもうお嫁に行けないですぅ、生きていけないですぅっ! ド変態キモ豚マスタぁーの馬鹿ぁっ!!!!」
と、その場から走り出したロボ子。
「あっ!! ロボ子っ! ちょ、まてぇっ!」
俺も後を追って駆け出した。そして、相棒17センチのジョニーはまさに暴れ馬のごとくブルンブルンと荒れ狂い、ビクビクと脈打ち、そして涎(男の我慢汁)辺りにまき散らしたのだった。
森の中を疾走する銀髪の美少女とフルチンのおっさん。
あぁ、なんたる絵面か。
もはや変態紳士ならぬ変なおじさん、つまりは痴漢が少女を襲おうとしているとしか見えないであろう。
彼女の美しい全力疾走を後ろから眺め、その巧みに密林の樹木をかわし、力強く蹴り上げる脚、素早く引き上げる太もも、そのリズミカルでしなやかな脚の運び、まさに洗練された肉体の動きそのもの。あぁ、なんたる美しさ。そして、蹴り上げるたびにプリーツスカートがふわっふわっと捲り上がり、チラッチラッと覗く美しき桃尻ときたら、あぁ、その躍動する美少女の桃尻、たまらんちぃっ! たまらなくエロ美しいっ!! このまま永遠にエロ美しき後ろ姿を眺め走り続けたいぃっ! てゆーか、メタボな俺の体力じゃ無理だっちゅーの。
「あぁぁっ、まっ、待ってくれやぁぁっ! ロボ子ちゃんよぉっ! ごめんてぇ、ほんまごめんてぇ、悪気はないねんてぇ、マジで、ほんまのほんまぁ、たまたまやねん、たまたま偶然出くわしてもうてんやんてぇ、ゆるしてぇなぁっ!」
「うるさいですぅっ! キモ豚マスタぁーっ!! 腐れキモ豚、ド変態キモ豚ぁっ!! 約束したのにぃぃっ! ついてこないでって、約束したのにぃぃっ!! 絶対って、言ったのにぃぃっ!! 最悪ですぅっ! 最低のド変態ですぅっ! 最低最悪のド変態キモ豚野郎ですぅっ!」
「ほんまに、ほんま、ごめんてぇっ!! なぁっ!!」
「もうイヤですぅっ!! わたし、もう絶対にイヤですぅぅっ! もう死にますっ! もう生きていけないぃっ!! ふえぇぇぇんっ! こんなこと、最悪ですぅ、死んでやりますぅっ!!!」
「なんやて!? おい、ロボ子っ! やめてくれぇぇっ!! ロボ子に死なれたら、俺ってば、ちょっ、マジで許してぇなぁ、悪いのは俺やしぃ、死ぬとかやめてくれぇ、俺はどんな償いでもするから、マジでやめてくれぇぇっ!!」
「イヤァァァっ! もうイヤですぅっ! ついてこないでくださいぃっ!! わたし死にますぅぅぅっ!! こっちに来たら、わたし、わたし、マスタぁーを殺してわたしも死にますぅぅぅっ!! ぶっ殺しですぅぅっ!!!」
あぁ、もうかなりわけがわからん──、ぐらいに、ロボ子ちゃんてばパニックやわなぁ。やべぇ、マジでやべぇわ。
などと声を掛け合いながら走っていたのだが、やはり万能の精霊であり、魔獣との激しいバトルも難なくこなすその超人的な身体能力、この雪見大福の太鼓腹、メタボの化身、或は実写版マシュマロマンのようなこの俺が敵うはずもなくどんどんと差を広げられ、とうとう逃げ切られてしまったのであった。
あうぅぅ──。我ながら、マジで情けない。
「ごっ、ごほんっごほんっ、ごぶっ、ぐえっ、おえっ、うげげげっ─、おえぇぇーっ」
俺は完全にロボ子を見失い、完膚なきまでに息が上がってしまって、そして森のどこともわからない所で、膝に手を当て俯き、深くむせ込んでいた。まるで、いい歳のメタボなおっさんが会社の若い後輩の酔った勢いのみの軽いお誘いにノッて年甲斐もなくフットサルに参加し、そしてあえなく撃沈した時のように。ごぶっ──。
しかし、せき込みながら、俺は少し冷静になって考えていた。
あの時、そう、ロボ子が美しきウンチングスタイルでブリブリとひり出したモノ、あれは、あれは──、いや、見間違いか? でも、しかと俺は見たんだっ! しかもしかと二度見したんだっ!! そう、あれは乙女のおっきいお花摘みのアレではない、つまりエロの秘宝中の秘宝”乙女の黄金”ではなく、それはっ、それは紛れもなく、そう、なんとそれはっ!! ポテトフライであったのだっ!!!
マジか──。
マジか、ロボ子ちゃんてば、菊門からポテトフライをひり出す──。てかぁぁぁっ! くっそマジかっ?!
それは、たとえば、食べたものを消化しきれずそのままとか、いや、そんなレベルの代物じゃないっ! てかそれならば大量にポテトフライを丸呑みしたのか? てか仮にそうでも、そんなレベルのクオリティではないっ!! マジで揚げたてのホカホカ、カリっとこんがりキツネ色に揚がったポテトフライであったのだぁっ! しかも香ばしく美味そうな香りもしていたんだっ!! これは視覚でも臭覚でも確実にマジでそう感じとったのだっ!
やべぇ、マジやべぇっ! マジでビビったってレベルじゃねぇぞっ!! これはマジでくそやべぇぇっ!!!
でもだ、そもそもおぴっこを精霊オリオンビールにして出せるロボ子ちゃんなのだ。ならば料理は──、こりゃ容易に想像がつくっていえばそうだが。
てゆーかっ!!!
傀儡の精霊たるロボ子を作ったいにしえの精霊超古代文明のオーバーテクノロジーってやつはっ!? なんやねんそれっ!! マジでけしからんっ!! 乙女傀儡に、それも銀髪の美少女傀儡のキレスになんちゅう機能を持たせとんねんてぇっ!! 信じられんっ! いやぁぁぁっ、マジでけしからんッ!! ちょーマジでいい趣味してやがるぅぜぃっ!!
ロボ子を設計したいにしえの超古代科学者ってやつは、ほんまマジで脱帽だぁっ!!!
そして、そうこうとエロと動揺と感動に打ち震えながら──ジョニーはこのド変態にギンギンに反応してプルプル震えているのだが──密林の緑に覆われた天井を見上げ、濃く密集した葉の微かな隙間から漏れ射す数条の陽の光にやや神々し神秘性を見出し、俺は究極の財宝を図らずも見つけてしまったのかと感慨に耽っていると──、
「どうして──」
えっ? 俺は前を向いた──!?
「もうっ!! どうしてちゃんと追いかけてきてくれないのですぅっ!! キモ豚マスタぁーっ!! このド変態キモ豚野郎ぉっ!! ヘタレド変態キモ豚ぁっ!! あたしこんななのにぃ、こんなに酷いことになってるのにぃっ! どうして、どうしてちゃんとあたしを追いかけてきてくれないのですぅっ!! うぅぅ──」
なっ、なにィィっ! ロボ子ちゃんってば、もどってきたぁーっ!! てか、自分で本気の猛ダッシュで逃げ出しといて、そんでわざわざ戻ってきて、で、何故追っかけて来てくれないのとかぁーっ!?
「おまっ、メンヘラかぁーっ!」
てゆーか、俺はツッコまずにはいられなかった。いや、俺が悪いんだけど。
そして、相棒17センチのジョニーの奴ときたら「俺もロボ子ちゃんにツッコみたいぜよっ! 旦那、もうおりゃあ我慢できんてぇ、どスケベ晒した銀髪の美少女に突っ込みたくて仕方がないぜよ、たまらんちぃっ! もう待てんてぇ、後生だ旦那よぉ」とばかりにビクンビクンと、そしてダラッダラに男の我慢汁を垂らしながら跳ねまくるのであった。
しかしながら、いやはや、やはり蓋を開けてみなければわからなかった俺の”異類婚姻譚”である。