「精霊と日本一うゎぁーな男の自由すぎる冒険日誌」 作:めがねモエ
後編「初めてのティル、その愛、エロとバカの狭間で」の巻、その2
「うにゃう──、マスタぁー気を付けてね。早く帰ってきてね」
小さなジャグジーでくつろぐティル。その火照った、ほんのり赤みを帯びた小さなほっぺを、俺は舌先で軽くペロリとやってやった。一応軽いキスのつもりだが、まるでジャバなんとかとかいうSF映画に出てくる宇宙人みたいだな、俺。
「おうっ! ソッコーで行ってくるから。期待して待ってろよぉ、ティル。きっと驚くぜぇ」
俺は勇んで部屋を飛び出した。
あるとっておきの「モノ」を借りに。
よぉっし、待ってろよぉティル!
俺はあまりにテンションが上がっていたため、ついフルチンで部屋を飛び出していた。
やっべぇ、やっちまったっ。
──でも、ま、いっか。
結局お構いなしで、屋敷の廊下をダッシュした。ジョニーもブルンブルンと子供のように飛び跳ねる。
俺のチームのほとんどの精霊たちと一緒に住むこのお屋敷は、部屋は無数にあるわ、大広間や宴会場、天然温泉の大浴場、露天風呂、室内プールやトレーニングジム、遊技場までありの、至れり尽くせりな豪邸で、かれこれ一年近く住んでるが、未だに屋敷全体を把握できてないほどだった。なにやら、このダンプリ世界の貴族とやらの別荘だったとかで、妖魔の出現により放置されてたのを、救世主として召喚された俺のために改築し、提供してくれたものなのだ。噂では地下に秘密のエッチ遊戯部屋まであるらしい。なんて俺好みなんだろか。
真夜中の屋敷はしんと静まり返り、廊下は、壁沿いの大きな窓から射す月明かりで、青く淡い光に満ちていた。その雰囲気は、猛り立つ俺を少し冷静にさせた。
今の季節は俺の元世界でいうところの夏にあたるそうだが、夜の少しひんやりした空気が、もろ出しの下半身に心地いい。こんな夜はあちこちで、変なおじさんが出没するだろう。
そう、今日は満月。変態露出プレイには最高の夜なのである。
そんな中を、俺はひた走った。ジョニーとパチンパチンと下タッチしながら。
こんなことなら、精霊のみんなの部屋から失敬したパンティの一つや二つ、顔に被ってくるんだった。その方が少しは様になったろうに。これではまだまだ駆け出しの素人変態。紳士の美学もわかっちゃいないと、馬鹿にされちまうな。
俺は少なからず悔やんだ。
それからしばしセルフ変態露出疾走を楽しみ、ほどなくお目当ての娘の部屋の前に立つ俺。
そして扉を開けたそこは、そう、黒衣を纏いし褐色の黒巫女、褌娘テッテの部屋。
こんな真夜中に不躾にも、俺は寝所の障子をストンと開け放ち叫んだ。
「テッテ、アレを貸してくれ! アレだ! アレ!」
テッテはすでに床についていたが、突然の来訪者(変態紳士)に驚き、スターどっきりマル(秘)報告の大物アイドル寝起き編のようなリアクションをとった。
「んんん、──な、なに、マスター、一体、どうしたというの? こんな真夜中に──」
意外にも、いや、というより、やはり彼女はそうだよねぇ、と感心したが、テッテは怒らず、眠そうな声で俺に真面目に用件を聞いてきた。
めちゃくちゃ眠いはずなのに、そして寝起きで頭が回らないはずなのに、何とか冷静な口調で生真面目にちゃんと滑舌よく話そうと、やや苦心している感のあるテッテ。こんなにも非常識で無礼でバカな俺に対して。いやはや、そういうところ、めちゃ可愛いぞっ。
「アレだよ、アレ。ほら以前にお前とぉ、なんつったっけぇ、あの──」
ちょっと恥ずかしげに、目元まで布団を上げて顔を半分隠しながら、やや潤んだその大きな瞳で、俺をじっと見つめるテッテ。
うぉおう、うぉう! なんでい、なんて可愛い寝起きどっきりだ。こりゃ本家本元、故小野ヤスシ氏もきっとびっくりだろう。こりゃぁ、あれだ! 当時、ムチムチのブルマ姿が最強に可愛かった、あの山口百恵の寝起きどっきりに勝るとも劣らない、そんな勢いだっ! きっと。
だがそんな、テッテとのドキドキ淡いひと時も束の間、俺はある重大な、そして根本的な過ちを犯してしまったことに気がついた。
「あああ──、やべぇ……」
そう、「アレ」はテッテの持ち物ではなかったのだ。「アレ」はあくまでテッテが拾ったもので、一緒に持ち主を探したんだっけぇぇ──。しまったぁー、俺としたことがぁー、なんてこったぁ、俺!
だが、だがもう、後には引けない段階に事態は進行していた。
いまやテッテは、恥じらいながらも俺の下半身を、つまりジョニーを、ジトッと潤んだ熱いまなざしでもってガン見している。つまりそれは、そう、彼女は俺が、夜這いに来たと勘違いしているのだっ!
要するに俺は、二重に過ちを犯していたのだった。
ここまで来て「い、いや、テッテ、その、間違った、ごめん。じゃ、また。お休み」なんて言って帰れるはずがないっ!
こんな、かるーく間違いだなんて言って、このフルチン下げてしれっと出ていくなんて──、テッテにしてみれば、「夜這いをする相手を間違えた」と思って当然。そんな事をすれば、テッテはゼッテェー傷つくッ!
きっと「私なんかじゃ、マスターは夜這いをする気にもならないのね……」なんてぇ感じで、その後は夜通し、枕と褌を濡らすに違いないっ!
もうあんなに熱い眼差しをしているんだ。熱い息遣いまで聞こえてきそうな雰囲気なのだ。
テッテの輝くように美しい褐色の肌も、すでにほんのり赤みを帯びて、フェロモンを発し始めているようにも感じた。「も、もうマスターったら。しょうがない人です。でも、我慢できずにこんな真夜中に押しかけて来るなんて、そこまで、私のこと……」みたいな感じになっちまっているのだった。
こうなったら、もう後には引けぬぅ! ならば俺も漢──。
「うおぉぉぉ!」俺とジョニーは一気に戦闘力を上げた。
その後、テッテがとことん満足いくまで、寝床が大潮に見舞われ水没したのかと思うほどに、どっぷり愛を交わしたのは言うまでもない。
ティルとのとっておきの夜のため、体力は温存しなければいけない状況だったが、だが、ここでテッテの愛に応えなくて、何がみんなのマスターか。ここで弱腰にも後ろに引けば、相棒17センチのジョニーにも笑われる。
俺は妥協することなく、全力でテッテを愛しぬいた。
あと、これは余談だが、ここで副次的な効果として、ティルとの真実の愛を確かめ合ったその直後の、その残白い漢汁も残漢の我慢汁も乾かぬうちの、テッテとの本気まぐわい。──これ、背徳感半端ねぇぇ。まじ、やべぇぇ。
俺は、強烈な背徳感に加え真実の愛と本気の愛とが入り混じる、混沌とした快感に溺れながら、テッテの寝所で何度も何度も雄叫びを上げたのだった。テッテ、テッテ、テッテ、と彼女の名前を、むしゃぶりつくようにひたすら連呼しながら。
そして、テッテも美しく情愛を唄うように、愛おしさこの上ない色声を上げた。