「精霊と日本一うゎぁーな男の自由すぎる冒険日誌」 作:めがねモエ
後編「初めてのティル、その愛、エロとバカの狭間で」の巻、その3
少々、羽目を外しすぎてしまったか──。
図らずも、テッテとの夜這い愛をやり遂げた俺は、今度は絶対に間違えないようにと、「アレ」に関する記憶を反芻し、かつ屋敷の部屋割りを頭の中でよくよく確認しながら、深夜の屋敷を徘徊した。ハメハメしたのがバレバレなぐらい、色んな汁でベトベトの猥褻な匂いをプンプンふりまくジョニーをプランプランさせながら。我ながら見事なまでの変態重ね技。もろ出しフルチンwith猥褻フレグランスである。
そして、例の「アレ」の持ち主、より厳密にいえば、「アレ」の作り主である娘の部屋に急いだ。
そう、そこはキュートな妖狐、春車菊の部屋である。
俺は同じ過ちを犯さぬように、そぉっと、本家本元故小野ヤスシ氏にならって、静かに部屋に忍びこんだ。間違ってもマーシー氏のように返り討ちドッキリに遭ってはならない。
暖色系の間接照明でほんのり彩られた、この上なくいい匂いの充満する女の子ムード満点の部屋の中を、俺はナメクジのように慎重に進んだ。漢の我慢汁を垂らしながら。「おはようございます(小声)」お約束である。
「お、ぐっすり眠ってるな。可愛い寝顔しちゃってからに。で、そうそう、アレはぁと、アレはどこだぁ。──げっ」
やはりと言うべきか、春車菊は「アレ」をしっかり胸元に抱きしめて眠っていた。
「やべぇ、これとれっかな?」
しかしまあ、何とキュートな寝顔か──。
だが、躊躇している暇はない。
俺は爆弾処理班のごとく慎重に、ソレの抜き取り作業にかかった。むにゃむにゃと時折唇を動かす春車菊。か、可愛いぃ。──焦って起こしてしまっては元も子もないが、このままゆっくり作業をしていても、この寝顔に魅せられて、俺が我慢出来ずにまた夜這いをかけてしまいそうであった。元よりジョニーを起こしてはならない。
だがすでに彼は半立ちであった。
俺の額にジットリと汗がにじみ、ジョニーはトロトロと漢の我慢汁を垂らす。
しかし、しかし、なんて可愛い寝顔なんだぁ──。
春車菊は静かに寝息をたてている。その時折するむにゃむにゃがぁ──。うぉー。か、可愛いっ! たまらんキュートなくちびるぅ──。このちっちゃな唇、今すぐにでも吸い付きたいぃ──。俺の、「暴れる鰻」との異名を持つこの舌で、ディープにそしてバキュームも伴って、春車菊のお口の中をまさぐり、蹂躙し、ペロペロし尽したいっ!
俺の我慢も、ジョニーの漢の我慢汁も、限界を迎えつつあった。
やべぇ──。だが、しちゃダメだっ!
せ、せめて、これをやって──。やはりこういう局面でのお約束をやるしかないっ!
春車菊の可愛い寝息クンカクンカだっ!
俺はギリギリまで己の鼻孔を春車菊の口元へ持っていき、彼女の呼吸にピタリと合わせて深呼吸をした。
ふはぁぁ──。
それは、屋久島の縄文杉をも凌駕し、いかなる森林浴もかなわないであろうか、究極のリラクゼーションがそこにはあった。
なんという甘美な香り。甘く、そして果実よのうにフルーティーで、それでいて、シトラスミントのような爽やかさもある。なんと奥深い香り。純米大吟醸酒を口に含んだ時の感覚か、あるいは、もっと壮大な、豊かに実った収穫時期の果樹園にいるような錯覚さえ感じた。
女の子の吐息ソムリエでもある俺にしても、これ程の逸品は然う然う目にかかれない。
うぉぉ──。クンカクンカクンカ。なんて癒しだ──。俺は目を閉じて、春車菊という愛らしい妖狐から、豊かに実る美しき天界の桃園を体感した。
──って、俺は何をやってるんだっ! 時間がないっちゅーの!
もたもたしていて、隣の部屋で寝ているはずの春車菊の母、秋桜ママに気づかれては、すべてが水泡に帰する。
一向に進まぬ不発弾処理に焦っていた俺は、ふと、ある妙案を思いついた。
そして、いったん春車菊のもとを離れて向かったのは大広間。
たしか夕食後のこと、あの眼帯っ娘でゴスロリチックなフラウが、いつも肌身離さず持ち歩いている、あの何だかよくわからぬ不気味な操り人形を、何故か今日に限って忘れて、リビングのソファに置いてったのだった。珍しいなとみんな言いつつも、結局そのままにしておいたはず。
そして、幸いにも、その不気味な操り人形はまだそこにあったのだった。
「よぉぉぉし、よしよし、いい子だ。ちょっくら身代わりになってもらうぜぇ。よぉぉぉし、よしよし、よし──」
人形とはいえ、精霊が肌身離さす持ち歩くモノだ。何が起こるか分からないので、俺は、とりあえずムツゴロウ先生張りにあやして機嫌をとってみた。幸いにか、操り人形は俺のなすが儘になっていた。てか、操り人形だから当たり前か。
そして、フラウの操り人形を携えて、再び春車菊の元へ俺は走った。
これをどうするかって? 入れ替えるのである。替え玉作戦だっ!
再び作業にかかる俺だが、にしても、強くギュッと抱かれている春車菊の「アレ」とフラウの操り人形の入れ替え作業は、困難を極めた。ただ、それが春車菊の俺に対する愛の強さの表れだということは、自明の理である。
どれぐらい時間が経過したであろうか、俺は全身漢汗汁でびっしょり、ジョニーはベトベト。だが不退転の決意で臨んだこの作戦、俺は自分でも些かドン引きのエロに対する執着心でもって、春車菊の「アレ」を見事抜き取るのに成功した。「よっしゃあぁぁぁ!」と俺は小さく叫んだ。と同時にジョニーも喜び勇んでビックンと強く跳ねた。
彼はもはや雄叫びを上げる寸前であったのだ。
さあ、ティル待ってろよぉ! お前を愛しぬくぜぇぇ!
見事に成功した、春車菊の「アレ」フラウの操り人形替え玉作戦だった。俺とジョニーは、春車菊とフラウに感謝の念を伝えるべく、その場でお互いピンコ立ちでしばし黙祷を捧げた。
そして、俺は「アレ」を携え一目散に我部屋に向かったのだった。
これは余談だが、春車菊が「アレ」をすり替えられた事に気がついて起きないようにと、ジョニーの、その尿道に残っていた残白い漢汁混じりの漢の我慢汁や、なんやかんやの汁という汁を、フラウの操り人形に、入念にたっぷり塗り込んでおいたのは言うまでもない。
春車菊いわく「アレ」を抱きしめて寝ると、俺と一緒に寝ている感覚でぐっすり眠れるそうな。
春車菊の可愛い寝顔を眺めつつ、そしてクンカクンカしつつの、フラウの操り人形ズリ。──まじやべぇ。
ジョニーに抱き付かせズリズリすると、操り人形はなすが儘に、カチャカチャと喘いだ。間接的なフラウに対する凌辱。そしてそれは春車菊にもだ。それにティルには背徳。
一人三役ならぬ三悪。この三つ巴のどす黒い快楽の渦に呑み込まれ、真の悪、変態ダークサイドに己がイってしまわぬよう正気を保つのに、俺は必死だった。
簡単に言えば、最後までイってしまわないよう、ジョニーを自重させるのにいささか苦心したのだった。