「精霊と日本一うゎぁーな男の自由すぎる冒険日誌」 作:めがねモエ
後編「初めてのティル、その愛、エロとバカの狭間で」の巻、その4
数々の困難、葛藤を乗り越えて、俺は我部屋に帰還した。
我ながら、この一晩で大きく成長したと思う。図らずも変態紳士としての幅は確実に広がったのだ。これならきっとティルを──、俺は自分に言い聞かせ、扉の前で軽く深呼吸した。
そして、喜び勇んで部屋に飛び込んだのだった。
「さぁ、ティル! やるぞぉぉ!」
部屋に入るなり俺は思わず叫んだが、しかしティルは、大きなベッドで小さな大の字のようになって眠っていた。待ちくたびれたのであろう、まあ、無理もない。サッとイってピュッと帰ってくるはずだったのが、どえらい時間を食って、とんでもない変態アドベンチャーになってしまったのだから。
しかし、これまたなんて無邪気でちょいと淫らでエロ可愛い寝姿なんだ、ティル。
可愛いちっちゃな大の字……。というか、いや待て、よく見ると──、両手を上げて、右足はまっすぐ伸ばし、左足は膝をまげてちょいと淫らに開脚ってぇ、これ、何かに似てる──。おや、こ、これはまさしく、あれだぁ! グリコのポーズっ!
おお! なんてお茶目な寝相なんだティルちゃん。
ああ我故郷、あの道頓堀の戎橋、通称ひっかけ橋から見るグリコネオンを思い出す。
かつてこの俺も、あの橋の上で幾多の勝負を繰り広げてみせたものだ。当時の俺は、どんな敬遠球でも果敢に打ちにいく、いわゆる悪球打ちで名を馳せ、ナニワの岩鬼とある意味恐れられた。得点圏である真夏の金土打率は5割強。あのドカベンにも迫る勢いだ。どんなに敬遠された悪球も全力でフルスイング。そしてヒットを重ねた。ただし、ホームランだけはそつ無く避けた。
ああ、今やすべてが懐かしい──。ああ、もし、ティルと一緒にあのグリコネオンを眺めつつ、夜の道頓堀を歩くことが出来たら──。なんちゅうええ感じなんやろかぁ──。
って、オイ! 俺らしくもない感傷に浸ってしもた。アホか俺は。俺はこのダンプリ世界の救世主。世界の運命を背負っとるんやでぇ。自分一人の幸せを思い浮かべるぅなんて、なんちゅうせこいセンチメントに浸っとんのや。
あかんあかん、今は目の前のマイリトルラバーをアクメに導くことだけに集中せえっ!
己を戒めるべく、俺は左手で股間のお稲荷をギュッと握りしめ、右手で自分の頬を強くぶった。──よしっ!
俺は気合を入れ直した。
おのが稲荷を握りしめ、再び伏見稲荷の千本鳥居を歩くのは、この俺が見事ダンプリ精霊界を救った後だっ!
ちなみに、この伏見稲荷大社はお稲荷の聖地。つまり、この千本鳥居を前述のようにして通ると、その年、チョメチョメ運に恵まれるという。要するに、チョメチョメ千人斬りも夢ではないということだ。もちろんこの俺、ダンプリ世界に来るまでは、毎年そうやって年始のお参りをしたものだ。
ただ、大っぴらに握っていると、「変態出没」と通報される恐れがあるので、ポケットに手を突っ込んでさり気なくやることをお勧めする。
少々話が脱線してしまったが、とにかく俺は、おのが稲荷に喝をいれた。
そして、まずは反省をする。
正直、少々お悪戯が過ぎたかもしれない。一昨日から今日までの三日間は、ティルとの、とっておきの夜なのである。ティルが眠りたくないと言ったほど、彼女にとってとても貴重な時間なのだ。
そもそも俺の毎晩ときたら、その日その日、必ず夜伽当番の精霊が部屋に来てくれて、つまり毎夜どの娘かと夜床で過ごし、寂しい思いは一切しない。まあ、そうやって精霊達の労をねぎらうのも、マスターの務めでもあるのだが。
しかしティルにとっては、多くの精霊達個々人のスケジュール調整によって決められた、マスター夜伽当番シフトの当番日にしか一緒に過ごせないのだ。長い順番待ちを経てやっとなのだ。
ま、一体どのように、誰が中心になって決めているのかは知らないが。
だから、その当番日の精霊を差し置いて、俺が他の精霊とチョメチョメしてたなんて事がみんなにバレルと、絶対吊るし上げられる。きっと、ジョニーのカリ首にお縄をかけられ、文字通り吊るし上げる「男根一本釣りの刑」に処せられるだろう。
そう思うが早いか、俺の背筋に何かがゾクっと走った。そしてジョニーは、引き潮のイソギンチャクのように縮こまる。
まあともかく、俺はさておき、ジョニーに申し訳ない。
よし、今週末は教会へ懺悔に行こう。そして今夜の悪行三昧の全てを打ち明け、許しを請うのだ。きっとあの真面目なケノンなら、俺の自責の念を分かってくれるはず。彼女に慰めてもらおう。そしてついでに、あの超爆乳でパフパフしてもらうのだ。ケノンの膝に赤子のように全裸でゴロンして、あの超ダイナマイトおっぱいをチュッチュしながらしてもらう、彼女の慈しみのこもった手淫は、全くもってたまらんのだっ! よし、週末の予定はこれで決まりだっ!
ってぇ、まてまてまて、俺はティルを目の前にしながら、何を考えてるんだっ! しっかりしろ俺っ!
しかし、そんな俺に呆れ果て、もはやカチカチになり、爆笑するかのようにビクンビクン跳ねるジョニーだった。
さて、すやすや眠るティルをどう起こすか。
「よし、丁度いい。こいつで起こしちゃるかのぉ」
ティルにとっても、中々のサプライズ寝起きどっきりになるはず。我ながら少年のように無邪気なお悪戯。
俺は「アレ」を操るように持ってティルに近づけ、その不気味な手でチロチロと、女の子の美味しい部分、つまり漢にとってチンピク必死のウィークポイントを悪戯した。そこはそう、裏を返せば、数多の女子達は分かっていないと思うが、こここそ、いわゆる女子力を発揮する部分、女の子のストロングポイントなのだ。
「ほらぁ、まずは、ほっぺさわさぁ、首筋さわさわぁ、そして鎖骨からぁの、腋の下を丹念にさわさわ&クンカクンカ。さらにぃ、もちろんおっぱいをぉ裾野からぁ、ゆっくり蜷局をまいて登りつめぇ、そして可愛いピンクのポッチをチョンチョン。──うぉ、ちっちゃくてよく見えないが、ちょぴっと、ぷくっと立ったかぁっ!」
やべぇ、こりゃ虫眼鏡いるな。「ええっと、虫眼鏡、虫眼鏡」と俺は書斎へ飛んで行き、机の引き出しを漁った。
そして右手に「アレ」、左手に虫眼鏡をスタンバイ。
「さて、つづきぃ。今度はお腹。はぅぅ、すべすべでぷにぷにだなぁ。みぞおちのあたりからぁ、するりとお臍へつつーっとね。ちょどお腹の真ん中、オヘソの少し下辺りがほんのり微かにふっくらして、薄く敷いた求肥のように何とも言えない柔らかさ。たまらなく可愛い。さてぇ、それから骨盤のラインから太ももの付け根のコマネチ線にそってぇ、いよいよ女の子のとぉっても大事な愛の深窓、チョメチョメをぉ、優しくぅ、チロチロっ!」
さすがにチョメチョメをチロチロすると、すやすや眠っていたティルも「うぅん、うぁん」と吐息をもらした。や、やべぇぇ! チョーカワえええっ!
「よし、ラストスパートだっ! このムチッと可愛いティルの太ももをさわさわぁ。内ももさわさわぁ。それからしなやかな脛。そして可愛いつま先まで。ちょっと足を持ち上げて、膝の裏から、美しいラインのふくらはぎもさわさわぁ」
それからしばし俺は、夢中で縦横無尽にティルをさわさわした。その他も、華奢な肩から柔らかそうな二の腕の下。体を持ち上げて、プリッとした可愛いお尻ももちろんのこと、さわさわっ!
まるで童心に返ってしまった俺は、待ちくたびれたように男の我慢汁を垂らしまくっているジョニーのことも完全に忘れて、悪戯に没頭した。
「これマジいいわぁ」
そして、ちょうど「アレ」の頭をティルの腋にうずめて、疑似クンカクンカ&ペロペロごっこをしている時に、とうとうティルが目を覚ました。
「ほぇ、ぁ、ま、マスタぁー? マスタぁーなの?」
まだよく状況が掴めていないティル。
「おはようございます、ティル様ぁ」
「うむむ、もぅ、どこまで行ってたのぉ? わたしねむっちゃったよぉ。もうぅ」
目をこすりながらゆっくりと上半身を起こすティル。
「うん。ごめんなティル。ちょっとな、その、なんだ、道に迷って──(ていうか、血迷って──)」
「うん? 道に迷った?」
ふと、顔を上げる。
ティルの目の前には丁度「アレ」の不気味な顔があるのだが──。
「きゃぁぁぁぁー、なに、マスタぁー! きゃぁぁぁ──」
ニンマリせずにはいられない俺ってば、大好きな子をついイジメちゃう悪ガキの気分。
まるで呪いの人形のような「アレ」に驚き、ティルは慌てて後ろにぴょんと飛びのいた。
その仕草はどこか、ねこじゃらしであやしていた子猫が、何かに驚き突然ぴょんと飛び跳ねるのに似ていた。
「ははは、ごめんごめん驚かせて。でもな、ティル、よく聞けぇ、これがお前の相手だ!」
「ぎえぇぇぇ!? なにそれ! 気持ち悪いよ、マスタぁー」
歌舞伎の大見得のように口元を曲げるティル。そんな表情も可愛いなぁ。
「これはな、えーっと、その、なんだ、まあ、なんというか、そう、とある有名な人形職人が拵えた、俺を模した人形なんだ。まぁフィギュアみたいなもんだ。その名を、ヌシ様人形という」
「ぬ、ヌシ様人形!? 全然マスタぁーに似てないよ。まるで呪いの人形だよそれ、なんか怖い」
ま、たしかに、誰しもがそう言うであろう。事実、そう見える。てか最初に拾った時だって、俺もテッテもそう思ってた。
「何を言う、ま、確かに見た目はアレだが、まあ、慣れだよ慣れ。見つめてるとほら何となく可愛く見えてくるよ。それに股間をよく見ろ。ちゃんと人形版の17センチのジョニーがついてるだろ。これこそまさに俺だ。そうだろう?」
「わ、うわぁ、な、なんかぁ、ここだけやたらとリアルな質感してるね」
マジマジと「ヌシ様人形」の股間をのぞき込むティル。
実はこの俺、ちゃんとヌシ様人形版ジョニー、ま、これじゃ、ジョニーというよりジミーかな。17ミリのジミーを誂えておいたのだった。
元々、春車菊の「ヌシ様人形」にジョニーはついていない。てか当たり前か。だから俺はこれを持ち帰る道中、以前どこぞの魔窟でか拾った精霊石のかけらと、俺の陰毛やティンカス、漢のあらゆる汁という汁を混ぜ合わせ、念を込めて股間にぐりぐり押し付けたのだ。すると、この立派な17ミリのジミーが生えたって訳だ。
さすが、精霊の力の込められた石。魔術の媒体になると聞いていたが、こんなにも簡単に出来るとは恐るべし。
てことは、まさか、これを使えば精霊みんなのチョメチョメの、乙女の未開封膜も再生できるとかとか──。
ぐふふ。って、おい! 変態っ!
「それにな、ティル。この人形には俺の陰毛が編み込まれてあって、こいつを抱いて寝ると、俺を感じることが出来るらしいんだ。俺と添い寝してるのと全く変わらない心地になるそうな。ちょっと抱いてみな」
俺は「ヌシ様人形」をティルに渡した。
「う、うん、でも……そのぉ」
もじもしてやや躊躇するティル。やはり見た目が不気味なので気の進まない様子であったが、それでも恐る恐るジミー付きの「ヌシ様人形」を抱き寄せる。
「あっ! ああ! すごい、これ、ほんとだぁ! 本物そっくりの、マスタぁーだ! この抱き心地も、触り心地も、匂いもなんだかマスタぁーだっ!」
って、おい! まじかよ? そんなにか?
正直俺は、春車菊の言うことは信じてなくて、冗談のつもりでティルにすすめたのだが──。この不気味な人形にしてそうまで言われると、些か微妙な気分になる。
「それに、この股間のこれも、そっくりぃ! この少し左曲りなのも。弾力も、ほらぁ!」
ジミーをグニっと鷲掴みするティル。
って、ええ!? な、なんだ! あれぇ?
「い、いぎぃ、いぎぎぎ、お、おいっ! ティル! ちょ、ちょっと待てっ! そ、そんな、あんまりそんな無理やりな変な方向に曲げるなっ! ま、まさか──。そ、その、その17ミリのジミー、俺のジョニーと、感覚が連動してやがるぅぅっ!」
「え、ええぇ!」
「うぎゃぁ! おぅふっ!」
驚いて、ひときわ強くムギュッとジミーを握るティル。お、おまえ、お約束がすぎるぞぉぉ──。
「ええええ! ご、ごめんなさいマスタぁー。単なるおもちゃと思ってついつい。ゴメンナサイですぅ」
慌ててジミーをなでなでし、頬ずりし、ペロペロまでしてくれるティル。
うおおっ! や、やべぇっ! やべぇぇっ! これが、ティルにしてもらう本当のアレかぁ──。
そう、それは図らずも、まさに夢にまでみたティルの愛撫。
本物の17センチのジョニーに適した、実物サイズの手とお顔と頬と吐息とお口と舌と唇と、まさにティルの全てで行われる、ティルの愛情のこもった愛のちちくり。
うぉぉーたまらんっ! 何たることかっ! 俺は猛烈に感動してるぞぉぉっ!
俺は無言で男泣きした。ティルに優しくジミー(≒ジョニー)をチロチロされながら。
図らずも、図らずも、こんなことにっ! 春車菊の「ヌシ様人形」がここまで凄いとはっ! そして精霊石のパワーやべぇっ!
攻略に苦心した変態アドベンチャーも、全て無駄ではなかったのだ。
俺は感涙に咽び、相棒17センチのジョニーは漢の汁という汁をドバドバと咽び流した。
「ま、マスタぁー涙まで流してっ! そんなにっ! まだ痛いのぉ?」
慌ててパクッとジミーを口に含み、口内で優しくよしよしと舌を這わすティル。あの俺の大好きな、まあるく見開いたお目目でもってジトッとこちらに切ないまなざしを向けながら。
ああぁ──。ティルぅ──。
「いいや、ティルの優しさに感動して、ちょっとウルっとしただけだいっ! てやんでぇい」
俺は少し恥ずかしくなって、照れ隠しにテキトーなことをほざきつつ、いまティルととっておきの夜を迎えられたこと、そして、そのために多くの精霊達に支えられているのだということを実感し、感動と快感に酔いしれた。
そしてダンプリ界の神に感謝した。オゥフッ!