転移先はロリコンが常識でした。そして俺はロリになりました 作:白い粉
その間にも読みに来て下さった方がいたようで、感無量です。
ぼちぼち書いて行けたらと思っているので、今後ともお付き合い頂けると嬉しいです。
濁ったガラス玉の中で、その瞳だけは澄んで見えた。
ただ媚を売るしかない、それが当たり前だと生きてきた子供たち。
その中で野良だった私は異分子でしかない。
異分子は取り除かれる。
良い悪いではなく、細胞レベルで刻まれた本能なんだろうと思う。
何も知らない哀れな子供でも変わりない。
むしろ、無垢な精神に被虐と淫奔だけが刻まれた彼女たちにとって、私はただのおもちゃでしかなかったのだろう。
流石に膣の中で瓶を割られそうになった時は死ぬかと思ったけど……
でも、彼女だけは私を助けてくれた。
一睨みしただけで、薄笑いを浮かべていた他の子たちが下を向いて震えていた。
彼女の瞳には、有無を言わせない不思議な力があった。
男には分からない。でも、私たちには分かる。
私と同じ野良で、なのにみんなに恐れられて……そして目を離せなくなる。
理屈で説明できないほどに、彼女の視線は私たちを縛り付けていた。
彼女に介抱されながら、こんなことがあるんだなと、ぼんやりと思ったのだ。
私にも、こんな世界でたった一つ、望みがあった。いや、生まれてしまった。
彼女の瞳に映るもの、それが私だけになれば良いと。
ーー詩織ちゃんの、ルビーみたいに紅い、……その瞳に。
ーーーー
ーー
……そして今、詩織ちゃんの唇が私を求めている。
やっと、やっとだ。
彼女の隣に座るために、私は……
*
朝起きると、そこにもう里沙はいなかった。
代わりにあったものは、起き上がるのもしんどい己の華奢な身体と、カピカピになった黄ばんだシーツのみ。
「……くぁ〜」
未だに自分のものとは思えない可憐なあくびとともに身体を起こす。
3畳ばかりの狭い部屋を出て薄暗い廊下を歩く。幾つも続く似たようなドア、その一つがゆっくりと開く。
「……やぁ、詩織。お寝坊さんだね。今起きたのかい?」
ドアを開け、そう声を掛けてきたのは俺より少し年嵩に見える少女だった。
「お前も人のこと言えないだろ、琴音。
年中寝坊して、母さんに折檻されてるくせに」
俺の嫌味に、琴音は肩をすくめる。
艷やかな長い黒髪が、それに合わせて静かに揺れる。
他に人の気配はない。
「ねぇ、詩織」
「なんだ?」
「昨晩、遅くに里沙が君の部屋から出てきたけど……なにかあったのかい?」
琴音がこちらを覗き込む。
髪が額にかかり、その表情はよく分からない。
ただ、声だけがやけに平静だ。
なんとなしに俺は言う。
「いや、母さんからのご褒美を持ってきてくれたのさ。……あ、これみんなに内緒な?」
「ご褒美?
……それは、ママが里沙に上げたものでは?」
少しだけ、不審げな琴音の声。僅かに影が交じる。
「そうなのか?
……あいつ、そんなに気を使うこと無いのにな」
「……まあ、あの子はその辺り、上手いから」
無表情。そう言って良いほどに、その時一瞬だけ琴音の表情は乾いていた。
だが、いつの間にか、いつもの茶目っ気のある笑みに戻る。
「さあ、そろそろ朝食だ。
早く行こう、遅れるとママにまた叱られる」
そう言って、俺の腕を取る琴音。
それに気を取られ、ボソリと琴音が呟いた言葉を、俺は聞き逃したのだった。
「……あの子、ホントに上手いよね。
……ゴマすりだけの、アバズレが」