転移先はロリコンが常識でした。そして俺はロリになりました 作:白い粉
琴音とともにエレベーターを降り、会社の受付のように無機質な一階フロアを通って階段で地下に向かうと、そこにはこの家……というか施設の食堂があった。
学食のような光景。
制服を着た少女たちがカウンターに並び、給食ロボットから好みの食事を受け取る。
そして、長いテーブルに座り、気の合う相手と食事を摂る。
そんな光景。
ただ一つ学食と違うのは、そこに並ぶ少女たちは皆、春を売るためにここにいるということだけだ。
食堂に入ると、独特の匂いが鼻をついた。合成された甘ったるい芳香剤と、様々な体液が混ざり合ったような饐えた匂い。
無数の美少女たちが規則正しく列を作り、まるで工場ラインのように次々と食事を受け取っている。
「詩織は今日もオートミール?」
隣では琴音もプレートを受け取っている。彼女はクリームシチューを選択していた。
「ああ。腹持ちがいいから」
無愛想に答えながらトレーに載った灰色のペースト状オートミールをロボットから受け取る。
受け取ると言っても、自販機の受け口のような所に出てくる皿を取り出すだけだ。
食事への選択肢はあるが、実質的には業務効率とコストのバランスで決められているようなレシピ。
うんざりする。
が、それでも食えるだけマシだ。
この世界に飛ばされた直後は残飯を漁る生活をしていたのだから。
「そう。お腹すくなら、僕のシチューを半分あげようか? 僕は詩織が食べているのを見てるだけで良いよ」
そう言って、琴音はスプーンでオートミールを掬い、俺に差し出す。
「いや、悪いだろ。それは」
「良いんだ」
「ダメだよ? こんなとこ見られたら、お母さんに、怒られる」
そんなやり取りを琴音としていると、いつの間にか背後に里沙。
琴音と俺の間に割り込むその小さな手には、自分の食事の載ったトレーがある。
「あ……ああ、そうだね。ごめん」
琴音はバツが悪そうに謝ると、そのままスプーンを引っ込める。
「……里沙、おはよう」
「おはよう」
俺の挨拶に、里沙は短く返すとそのままテーブルの方へと歩いて行く。
昨夜の事など無かったかのような、澄ました態度にどこか気後れがする。
ただ、その一人で所在なさげに一人テーブルに付く姿を見て、俺もその隣に腰を掛ける。
琴音も、俺の隣に座る。
「おはよう里沙。今日は……オートミールにしたんだね」
「……うん、昨日、詩織ちゃんが食べてたから」
「そう……」
琴音の言葉も素っ気ない。そしてそのまま3人共押し黙る。
里沙の方を見る。
スプーンで掬ったオートミールを口に運ぼうとしている。
その口は小さく、スプーンのオートミールも大して量があるようには見えない。
あの口を、昨夜自分は吸ったのだ。
胸を揉みしだき、秘部を弄んだのだ。
全くロリコン冥利に尽きる話ではないか。
……だが。
どうにも昂ぶらない。
やはり、身体が少女になると、心もそれに引き摺られるのかと思う。
思えば今までの人生で、女性に対して一方的に奉仕させることはあっても奉仕することはなかった。
しかし逆に自分が行為に及ぶ場合、相手に対して優しさを見せるという発想もなかった。
当然だろう。
俺はロリコンだ。
自分の欲望のために異性、それも立場の弱い歳下を利用する男だ。
対等な関係なんてものもなかった。
だが、この身体になってからは違う。ロリコンはロリになった。
ロリに同情することも……まあ、増えた。
俺自身は特に意識しているわけじゃないのだが……
それは果たして成長と呼べるのだろうか。
それとも同類相憐れむ、ただの偽善者に過ぎないのか。
俺には分からなかった。