暴虐の魔法少女~倒すべき敵がいないのなら魔法少女襲います~ 作:ハヤ0313
「《空間遮断》……!」
目の前に、世界を分つ結界が出現する。それはどんなものであろうと通さない、空間自体を遮るもの。
これが出来るようになって分かった事がある。
今まで私が作ってきた結界なんて、結界じゃなかった。空間を遮断し、世界から隔離する。これこそが、本当の結界。
じゃあ今までのは何だったんだって話だけど、何だろ、空箱? 空間の指定した座標になんか空の箱を作ってた、っぽい? それが単に固くなれば防護結界になるし、人の認識だけを防ぐものになれば認識阻害結界になるし、音を防ぐものになれば遮音結界になる、って感じ、なのかなぁ。
「ぐっ……!」
ただ、肉体強化結界、これが分からない。体の内部に作用しているのは分かる。筋繊維一本一本が強化されてる感じなのは分かる。けどそれって一体何よ。
あれなんだろうか。ジルコンちゃんやルビーちゃんがデフォで魔法少女のコスチュームを、やたら強度の高い衣服を生成しているように、これが私のデフォルトな力だったりするんだろうか。
でも肉体強化結界て、どこに結界要素あんねん。あれか?自分の体の内側だけを指定してるからそんな感じなのか?分からん。
「がっ……ぁ……!」
まぁ使えるもんは使うって事で普通に使ってるけれど。
それ以外にも遮音結界と認識阻害結界はよく使ってるし、戦闘となれば防護結界や結界弾なんて頻繁に使ってる。というか箱を生成してるって気付いてからは色々精度が上がってる気がする。
「ぎっ……あああああああもう無理!」
ええい! 空間遮断とかマジ無理! 魔筋が死ぬ! 千切れる! 無理!
という訳で、本日の自主練習は空間遮断さんでした。
ルビーちゃんとの戦闘で目覚めたこの力だけど、まー消耗がひどい。なんなら結界数十個形成した方がまだ楽なくらい。これで箱状の結界作って圧縮して魔弾を破壊したとか、今でも信じられない。面で形成するのでいっぱいいっぱいなんだけど。火事場の馬鹿力ってすごいな。
しかもコレを遮音結界と
なんてのたうち回ってると感知結界に反応。と同時にチャイムが鳴る。
「こんばんはお姉様」
「うん、お帰り晶ちゃん」
「今日はカレーですよ」
「やったー晶ちゃん大好きー!」
カレーは国民食!
もはや恒例となった晶ちゃんの手作りご飯。最初の内は晶ちゃんが作ったものを持ってきて一緒に食べる、だったのがいつの間にか私の部屋で作るようになっていた。おかげで台所が晶ちゃん色に染まってきている。それどころか最近はお弁当まで作ってくれるようになった。あかん、胃袋掴まれてる。お嫁に来て晶ちゃん!
まぁそれは実際には言わないけれど。……言っちゃったら、
『結婚しましょう!』
とか言いそう。めっちゃ言いそう。
まぁ最近は仕事とか学業の無い時はずっと一緒にいるから正直結婚しているようなもんだけど。食費とか渡してるし。
一緒に住んだ方が色々都合が良いかも?とか思うけど実行には移せてない。だってほら、なんか、その、アレじゃん。ええいヘタレと呼びたければ呼ぶがいい!
それに……。
「あ、そうだ晶ちゃん」
「はい?」
「この間戦ったルビーちゃんなんだけど……」
「……あぁ、例の魔法少女っぽい魔法少女」
これなんだもん! 他の娘の話題出すとトーンが一段階下がるんだもん! 怖いよ晶ちゃん!
「え、えっとさ」
「何でしょう。犯したんですよね」
「ハイオカシマシタ」
何でなんだよ! 悪の魔法少女は敗北えっちがセットなんでしょ! 何でちょっと不機嫌になっちゃうの!
ええい話が進まない!
「……はぁ。それで、どうしました?」
「あ、うん。なんかその子の魔法が魔筋……晶ちゃんの言うMPだけに効力のある非殺傷性の魔法だったんだけどさ」
「……? はい」
そう。私のゴリゴリの物理攻撃と違って、相手の魔筋にのみダメージを与える魔法。
それを使えれば何の躊躇いもなく殴ったり出来るんだけど。やり方知ってるかな。
「そういうの晶ちゃんも出来る?」
「出来るも何も……魔法ってそういうものでは?」
え。
「私の魔法もそうですし……」
「そうだったの⁉」
初耳なんだけど!
「妖精からそのように聞きましたけれど」
「聞いてなかった!」
「あぁ……彼女、色々雑でしたもんね」
マジか。妖精さんマジか。そういう事はちゃんと言ってよ。
「とはいえ私の魔法も完全にMPだけにダメージ、という訳ではありませんけどね」
「え、そうなの?」
何なんだ。どういう事なんだ。教えて晶ちゃん先生!
「はい。石礫や水流やお姉様の拳といった物理的なものに関しては流石にMPだけを直接、といった感じにはならないようです。それらは当たれば普通に痛いですしね」
「だ、だよね」
「ですが、それがこと魔法少女戦となると、コスチュームを始めとした防御障壁に当たりますよね? そうなると肉体にダメージがいく前にMPにダメージがいっているようです。炎や凍結といったものが分かりやすいですね、あれらはMPを直接燃やしたり凍らせたりしているんです」
「ふ、ふむ?」
「ですので魔法少女の場合は大抵何かしらの防御手段を用いてますから、魔法は非殺傷性と言っても過言ではないでしょう」
一般人相手だと違いますが、と付け加える晶ちゃん。
「件の魔法少女の場合、純粋魔力で構成された魔法のようですから、その人の場合は完全に非殺傷性なんでしょうね」
はーなるほど。
「……何でそんな事知ってんの晶ちゃん」
「妖精に聞いたのと……他の魔法少女に喧嘩売ってる内に気付いたというか……」
……じゃあ、私の場合はなんだろ。結界弾だけが非殺傷性なんだろうか。
「お姉様の場合は結界弾もそうですけど、結界を纏った拳なんかも本来は非殺傷性、というかMP直接攻撃だと思います」
「めっちゃ殴ってるけど」
「そうですね。なので話が戻りますが、物理的な衝撃が加わる私の一部の魔法やお姉様の拳や箱に関してはMPだけではなく肉体にも影響がある、という事だと思います」
という事はまぁ、私の場合は物理と魔法、両方の性質を持った攻撃、という事かな?
なんて難しい事を話しつつカレーを食べ終わる。うーん今日も美味しかった。
というか晶ちゃんの料理が日に日に美味しくなってる気がする。なんか秘訣でもあるんだろうか。自炊しない私としてはちょっと気になるところ。い、いや料理できない訳じゃないし。料理するのが面倒だからしないだけだし。買い物したり作る手間暇とか考えた結果外食してただけだし。
「そういえばお姉様」
「んー?」
「ディルドは結局うまくいったのですか?」
「ぶふぅっ⁉」
あ、あぶねー! 皿落とすとこだった!
何なん⁉ 皿洗いしてる時にそういう話題振るの何⁉ 定番なの⁉ いつぞやなんかも、
『この後えっちしましょうね』
とか平然と言ってきたし! 晶ちゃんの指であんあん言わされた時もそうだし!
「う、うまくいきましたけど。そ、それがナニカ」
「ちょっと今作ってみてくれませんか?」
えぇぇぇ……いやまぁ、減るもんじゃないから良いけどぉ……。
「……ほい。掌の上に直立してるよ」
「何で直立……では少々失礼しますね」
そう言って、むんずと掴む晶ちゃん。ち、躊躇とかないの。
「……見えませんけど本当にディルドなんですね」
「そりゃ、まぁ」
私の形状にぴったりフィットな逸品です。
「……私を使ってくださればいいのに」
はー何も聞こえなーい。
「んー……洗剤をちょっと使いますね」
と、いつぞやを彷彿させる事を言って魔法のディルドに洗剤をかける晶ちゃん。
「おぉ、見えるようになりました。……ちゃんとおちんちんの形してるんですね」
「おちんちん言うな」
清楚系女子大生の晶ちゃんからそんな言葉聞きたくない。
「…………」
「……え、なに、使いたいの?」
マジか。晶ちゃん私お手製のディルドで致しちゃうの? お姉さんちょっと興味持っちゃうぞ。
「使いたい、と言えば使いたいのですが」
マジか。マジなのか。ちょっとお姉さんに詳しく。
「お姉様。これに感覚を繋げられたりしませんか?」
「……感覚を?」
「えぇ、触覚を」
どゆこと?
「こう、クリトリスとこのディルドを繋げられないかなと」
「クリトリス言うな」
だからそういう事を! ……えっちの時はわりと言ってるけども。
「……ちなみに何で?」
「お姉様におちんちん生えないかな、と」
「なんてこと言うの晶ちゃん」
私にちんちん生やして何をしたいの。
「それで処女を奪ってもらえないかな、と」
「なんてこと言うの晶ちゃん」
ナニをしたいんですかそうですか。
「い、いやそもそも感覚繋げるとか無理だよ」
「こう、感知結界の応用でいけませんか?」
「あれは触覚とかそういうのじゃないから……」
どことなくソワソワしてる晶ちゃん。溜まってんのかな。いやでも昨日もシたばっかなんだけども。
「むぅ」
「むぅじゃありません」
ええい可愛い子はむくれた顔しても可愛いんだからもうー。
「私考えたんです」
「な、何を?」
「敗北したらえっちされるじゃないですか?」
うん、されたいの晶ちゃんだけだと思うし、えっちぃ事を前提にしてるの私らだけだと思う。
「もし私が敗北して、えっちな目にあう時」
「あう時?」
「処女破られるかもしれないじゃないですか」
だからそんなんやるの私らだけだと思うんですけど。
いや私は相手が処女だった場合破らないけども……破らなかったけども。
「だから、いざという時に備えてお姉様に貰ってほしいな、と」
そうはならんやろ。いや、そう、なる、のか……?
「という訳でお姉様」
「……はい」
「プチっと破っちゃってください」
「そんなプチっとやるもんじゃないでしょ!」
軽ぅい! 処女軽ぅい! 一生に一度のイベントだぞぅ!
「私はお姉様にだったら捧げても問題ありません」
「問題あると思うなぁ……」
重い。晶ちゃんの私への信頼とかそういうのが重い。
なんかそういうの育むイベントあったっけ? ……はい、半同棲みたいな現状ですもんね、そうなってもおかしくないですね、はい。
「い、今更だけど、超今更だけど女同士だよ?」
「……? それが何か。そもそも、そこら辺の男よりもお姉様の方がよっぽど魅力的です」
「それはどうも……?」
評価してくれてるのは有難いけど!
「という訳でお姉様、抱いてください」
「えぇぇ……」
「むー」
いやだって、その、ほら。
「せめてそういうのは、ちゃんとしたムードとかそういう……」
あたふたしながら何とか誤魔化そうとしていると、
「失礼」
晶ちゃんが近付いてきて、
晶ちゃんの顔が迫ってきて、
晶ちゃんの唇が、
「……ん」
私の唇と、重なった。
いきなり過ぎて、びっくりして、硬直して、息が、出来ない。
敗北えっちしている時は、とにかく晶ちゃんを気持ちよくしようと、おっぱいとかあそこばっかり攻めていて、キスは、実は、した事が、ない。
私なりに一本線を引いていたのに、
「ん……は……んっ……」
晶ちゃんは、そこを飛び越えてきた。
少しだけ背伸びをして、目を閉じて、頬を紅潮させて、まるで恋する乙女のような顔で、私に、口付けをしている。
「お姉様……ん、ちゅ……」
触れ合っていただけのそれは、いつの間にか吸い付いてくるようになり、何度も、何度も繰り返される。
私の肩に添えられた手が、時折きゅっと握られる。
これ以上ないくらい近い距離で、まつ毛がぴくんと揺れる。
時計が、コツコツと鳴っているのが聞こえる。
どれだけ、キスしているのか、分からない。
「……好きです、お姉様」
ちゅぅ、っと音をたてて離れた晶ちゃんは、そう言った。
直視しないようにしていたそれを、冗談なんて一切含まず、宣言した。
「お姉様」
潤んだ瞳で、こちらを覗き込んでくる。
「私の処女を、貰ってください」