魔法つかいプリキュア‼︎短篇集 for adults 作:ヨザリイコイ
しかし奇妙な事にみらいはリコを煽り立てます。
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「やったあ! 勝ったぁ!!」
みらいにゲームで勝った。たったそれだけのことなのに、嬉しくて嬉しくてついつい大はしゃぎしてしまう。
「うそ……、負けちゃった」
「ふふん! 私だってやる時はやるんだから!」
呆然とするみらいを得意満面になって見下ろす。
そうそう、ずっとこうしたかったのよ!
何度も何度も負け続けてやっと手に入れたこの光景。ああ、この心地良さ、ずっと浸っていられるわね。
「それで……、私は何をしたら良いの?」
「それはね、ズバリ夜は何もしないことよ!」
早速、本題に入ったみらいに人差し指を突き立てて、ずっと温めていたおも〜い罰を宣告する。
でもみらいは首を傾げるばかりで、ちっとも動揺しない。どうしてかしら?
「ごめん。ちょっと何言ってるか分かんない」
「分かんないって、毎晩やっていることをお預けにするだけよ」
「ええっ!!」
私の説明を聞いたみらいは、まるで私の死が訪れたかのような表情を浮かべて戦慄いた。
「まさか晩御飯抜き? リコのご飯が食べられないなら、死んだほうがマシだよ」
「待て待て待ちなさい! 違うわよ!」
死んだ魚のような目で大袈裟なことを言い出すものだから、両手を大きく振って必死になって否定する。
でもそこまで想ってくれるのはとっても嬉しい。
「私だってみらいに美味しいって言ってもらいたいもの」
「良かったぁ。じゃあお風呂禁止? それはそれで困るけどさ……」
私をやけに艶めかしい目で見つめながら、みらいは身体を色っぽくくねらせる。
「リコがそういうのが好きならまぁ……、我慢するよ?」
「人を変態扱いしないでちょうだい! 私が寝る時に困るじゃないの!」
「違うの?」
「違うわよ! 私だっていつも身体はしっかり洗ってるじゃない!」
「あぁ、いつも楽しみにしてたからなんだね。嬉しいなぁ」
「そんなことないし!」
あぁ、いけない。またみらいのペースにはまっている。いつもここでムキになって余計な事をしちゃうから気をつけないと。
「じゃあ歯磨きの路線もないし、まさか寝ちゃダメとか?」
あら! 核心を突いてきたわね。流石はみらい。
「でも私もリコもこのところずっと寝てないよね? リコったらあんなに甘えてくるんだもん」
「甘えてないし! みらいが私を寝かせないだけじゃない!」
私が噛み付いても、みらいはヘタヘタと笑うばかりでちっとも堪えない。ダメだ、完全に遊ばれている。これじゃいつもとおんなじじゃない。
「え〜、だってもっとイカせてって、リコがおねだりするからぁ」
「おねだりなんてしてないわよ!! ああすればみらいが喜ぶから……」
「えっ、じゃあ嫌だったの……?」
「そんなことないわよ!!」
急にしょんぼりするみらいに思わず本音を漏らしてしまう。
「いや、リコ。気を遣わなくていいからね」
「遣ってないわよ! 本当にみらい無しだと生きられなくなっちゃうくらい、気持ち良かったんだからぁ!!」
恥も外聞もなく本音を次々とぶちまける。
するとみらいはあっさりと笑顔に戻った。なんだか上手く載せられたような気がする。
「良かったぁ。それじゃあリコが勝ったご褒美に早速……」
ははぁ、そんな事だろうと思ったわ。
「待ちなさい。負けた罰を有耶無耶にしようったって、そうはいかないわよ」
「へ?」
「今日から3日間、エッチはお預け! それが罰よ!」
本当は当分の間といきたいところだけど、3日後は大事な日だから手心を加える事にした。
それでも毎晩私を求めるみらいには辛いはずなのに、余裕綽々の笑みを浮かべている。これはどうしたことかしら?
「リコ、自分にペナルティ掛けちゃダメだよ」
「どういう意味よ」
「リコが3日も我慢できるわけないじゃん」
「そんなことないし! 3日ならギリギリ」
「ほらぁ、語るに落ちてるよ」
「落ちてないし!」
「でもリコってお仕置き大好きだもんね。うん、良い事だと思うよ」
みらいは、生温かい目で私を見ながらヘタヘタと笑う。
「だから私は変態じゃないったら!」
「私に負けてお仕置きされる時、いつも喜んでるのに?」
「えっ、あれはご褒美じゃないの?」
「やっぱり期待してるじゃん。いっぱいご褒美あげるからね」
わくわくもんだぁと服を脱ぎながら迫るみらい。だからその手に乗るつもりはないったら。
「ダメ。3日間は辛抱しなさい」
「えぇ……、じゃあせめて寝る時にリコの杖を貸して」
代わりの条件にしては、妙な注文をつける。どういうつもりかしら?
「何に使う気?」
「オカズ」
「とんでもないこと考えるわね?! それよりもなんで杖なのよ! 私で良いじゃない!」
「見ただけだとちょっと……。杖なら挿れられるからね」
「ちょっと待ちなさい。独りでする時は、私が杖よりも役に立たないってこと?」
みらいはニヤニヤと笑うだけで、何にも答えない。もうそれだけで言わんとしている事が分かった。だから容赦しないことにした。
「みらい、3日と言わず私が良いというまでエッチはお預けよ!!」
「自分の首を絞めてどうするのさぁ」
「黙ってなさい! キュアップ・ラパパ! みらいよ、ずっと発情してなさい!」
減らず口を叩けないように、みらいに魔法を掛ける。なんとも下品な魔法だから普段は使わなかったけど、煩悩塗れのこの子へのお仕置きにはちょうど良い。
「私をずっとムラムラさせるだなんて、やってる事あべこべじゃないかなぁ?」
頬を赤らめながらもまだ挑発してくる態度がまたまた頭にきて、追い打ちをかけることにした。
「キュアップ・ラパパ! みらいの身体よ、私の手でしかイケなくなりなさい!」
魔法の中身を聞いて、みらいの顔色が一気に蒼くなった。それはそうよね。自分でイケなくなってしまったんだもの。
「ちょっと待ったぁ! 今、リコの手でしかイケなくなれって言いました?!」
「言ったわよ。何か困ることでもあるのかしら? まさか私以外に相手をする人がいるっていうの?」
もしそうならただじゃおかないと杖を構えて凄むと、みらいがもの凄い勢いで首を横に振った。私のことをよく分かってるだけはあるわね。感心感心。
「そ、そんな人いないから! もう勘弁してぇ!」
「ならしばらく我慢なさいね」
「そんなぁ……」
「何か文句あるの?」
「い、いいえ! 何も!」
「道理で様子がおかしいはずモフ」
リコをおちょくり過ぎて仕返しに魔法をかけられた。それがみらいがずっと身体をモジモジさせている原因だったモフ。
「リコの火加減を間違えるだなんて、みらいらしくないヘマをやったものモフ」
そういうことはよく心得ているはずモフ。それなのになぜかこんなつまらないミスをして、自分の首を絞めたモフ。
「本当に変だよね。それにリコに負けるだなんてぇ」
はーちゃんから見ても解せないらしく、はぬぅと頬を膨らませてるモフ。ちょっとリコが可哀想な気もするけど、あの腕だからそう思われても仕方ないモフ。
「みらい、何か困ってることでもあったのかなぁ?」
「いや、そんな話は聞いても見てもいないモフ」
せいぜいこの前受けた試験の結果が危ないかもしれないとかそんなものモフ。
「モフルンがそういうならそうかなぁ……。私も覚えがないもの」
「ひとまず様子を見るモフ。何か考えがあるのかもしれないモフ」
夜中にゴソゴソと音がする。
「リコッ、リコォ……」
隣を見るとみらいが自分を慰めている。私を誘惑しようって魂胆かしら。
放っておいてもう一度寝ようとすると、妙なことに気づいた。みらいの秘裂から星がついた細長い物が生えている。
「ちょっと、みらい! それは何よ!」
「あ、リコ。起きたんだ……」
イケないはずなのに、艶めかしい顔でこちらを見るみらい。普段ならこんな顔を見せつけられたら一回戦に移るのだけれども、どうにか堪えて怪しい棒に指を差す。
「それは何って聞いてるの!」
「リコの杖だよ。可哀想だからって慰めてくれたの」
「なに訳の分からないこと言ってるのよ! 返しなさい!」
「やだ。だってリコより上手なんだもん」
「なんですってぇぇぇえ!!」
蜜でベタベタになった杖を奪い取り、みらいに追加のお仕置きをする。
「キュアップ・ラパパ! みらいの身体よ! 10倍敏感になりなさい!」
「ひやぁっ!」
急にあちこち敏感になった事に我慢できず、みらいは悲鳴をあげる。でも身体をいじってもベッドを擦り付けてもイケないから悶えている。
「ついでにこれも没収よ!」
魔法を解けないように、みらいの杖も取り上げる。
でもそれを見て、みらいがヘタヘタと笑い出した。
「リコもマーキングしたいんだね」
「そ、そんなことないし!」
「遠慮しないでほしいなぁ。リコを杖にしてる気分になれるのに」
思いもよらない事を言われて、身体の奥がキュンと疼く。
私がみらいの……? みらいの道具にされちゃうの?
わ、悪くないかも。ずっと一緒にいられるし、杖なら大事にしてもらえるし、何より……。
「みらいが……、つかってくれる……」
「やっぱりリコ、そういうのが好きなんだね」
「そ、そんなこと」
ないしという前に扉が勢いよく開かれ、私たちの顔目掛けて枕が投げつけられた。
突然のことだったからモロに顔に喰らってしまい、2人揃ってベッドの上にひっくり返る。
「うるさいわよ、アンタたち」
不機嫌そうなピーちゃんの声と共に、扉がバタンと閉められた。
「寝ようか……」
「そ、そうね」
今度ははーちゃんが来るかもしれないもの。大人しくすることにしましょう。
ピーちゃんがママ2人のせいで寝不足だとボヤいていたから、みらいに何かあったのか聞いてみたモフ。
するとまぁ、中々に酷い事をしていた事が分かったモフ。
「道理で杖から甘い匂いがした訳モフ」
「良かったぁ。ちゃんと匂いがついていたんだ」
「いや、仕事道具をおもちゃにしちゃダメモフ」
流石にそれはどう考えてもいけないことモフ。
「でもあの後リコも同じ事したからおあいこだよ」
「そういえばみらいの杖からも甘い匂いがしたモフ」
杖を取り上げた時にみらいに煽り立てられたのもあるのだろうけど、欲望に忠実すぎるモフ。
それにしてもベタベタに汚れた杖を持ちたいだなんて、どうして思えるモフ?
「どうせならもっと甘い匂いがするようにしたいなぁ」
みらいがピンク色の脳みそのまま、またとんでもない事を言い出したモフ。勘弁してほしいモフ。
「嗅がされる方の身にもなってほしいモフ。甘すぎて死んじゃうモフ」
「慣れた方がいいよぉ〜。女はね、大事な人に甘い匂いを嗅いでもらう事が生き甲斐なんだ」
「そんな女、みらいとリコだけモフ」
溜息混じりに毒を吐くのも許してほしいモフ。とても付き合いきれないモフ。
それにしてもモフ。もし恋人ができたとしたら、モフルンもこうなるモフ? 流石にごめん被りたいモフ。
夜中に隣からゴソゴソと音がする。
「リコッ、リコォ……」
またみらいが自分を慰めている。杖は取り上げた筈なのに変ねぇ。しかも今日は何かに秘裂を擦り付けている。
それが何なのか確かめてみると、なんと初心者向けの箒。それがみらいの下に寝そべっている。
「ねぇ、みらい」
「あ、リコ。どうしたの?」
「その箒は誰のものかしら?」
皆まで聞かなくても分かるけど、聞くだけ聞いてみる事にした。
「もちろんリコのだよ」
「また私の持ち物を使ったのね! 我慢できなくなっちゃうじゃない!」
一日中、みらいの匂いに包まれてごらんなさい。授業どころじゃなくなっちゃうわ。
「今、我慢できなくなっちゃうって言いました?!」
「流れに乗せようったって、そうはいかないわよ!」
ベッドに押し倒そうとするみらいを押し返そうとするも、思いの外力が強くて負けそうになる。
そんな時、ドアが勢いよく開いて寝惚け眼のフェリーチェが部屋に入ってきた。それもひーちゃんの方だ。
「た、大変!」
慌ててみらいと2人で掛け布団を被ろうとすると、ひーちゃんが杖で私たちの頭上を指した。
「金盥」
その言葉が終わらないうちに、頭に重いものが落ちてきて、私もみらいもベッドにひっくり返った。
はーちゃんと違って手が早いのね。もうちょっとお淑やかになるよう躾けないと。
「ひーちゃんになんてところ見せたモフ」
「ご、ごめんなさい」
モフルンに睨みつけられて、みらいが小さくなるモフ。リコの箒で慰めていたところをひーちゃんに見られるヘマをやらかしたから、そのお説教をしているモフ。
「真似したらどうするつもりモフ?」
「いや、それはその……」
「鍵くらいつけるモフ」
テープで後付けできるワイヤー錠だってあるモフ。みらいの懐でも買える物もあるんだからそれくらい用意するモフ。
「でもみらい、そんなに我慢できないモフ?」
「うん」
身体が上気してる事からして、相当キツそうではあるモフ。薬を用意しておいて良かったモフ。
「みらい、これを飲むモフ」
「これは?」
「七色の四ツ葉のクローバーの薬モフ」
「あれかぁ。確かにこれなら魔法は解けるね。でも……」
みらいは瓶を受け取らずに、モフルンに背中を向けたモフ。
「どういうつもりモフ?」
「台無しになっちゃうから受け取れないよ」
「何がモフ?」
「私とリコを熟成させてる最中なんだ」
「ちょっと何言ってるか分かんないモフ」
いつから2人して果物になったモフ?
「ややこしい事になる前に薬を飲むモフ」
「モフルン。あと少しだけ様子を見てよ」
「何か変わるモフ?」
「ちょっとリコを揺さぶろうかなって。あと15時間後に」
15時間後ってどういう事かと考えたら、不意に今日がいつだったかを思い出したモフ。それでみらいが何を狙ったかも得心したモフ。
「よぅし、分かったモフ。好きにするモフ」
「ありがとう。ところで」
「安心するモフ。蜂蜜酒なら魔法界で買い溜めしておいたモフ」
「流石はモフルン、用意が良いね」
午前0時2分前。なんとも良いタイミングで目が覚めた幸運に感謝する。
リコの様子を窺うと、私に背中を向けて寝ている。たてている寝息は不規則だ。狸寝入りはしていない。
こっそりとベッドを抜け出して、リコの机の引き出しからダガーを取り出す。わざと音を立てて。
「やっぱりちゃんと研いである。ワクワクもんだぁ」
ひんやりして冷たい刃には、錆一つついていない。それじゃあ今日はこれを……、なんてね。
あと1分25秒。
「みらい! 何してるの?!」
でも飛び起きたリコには、これがブラフだって分からない。
あと1分8秒。
「あぁ、リコ。これで身体を冷やしたくってさ……」
刃の部分に頬擦りすると、リコは血相を変えて私からダガーを奪い取り、机に突き立てた。
あと49秒。
「そんな危ない事しなくていいわよ! 私がなんとかするから!」
「でも当分はお預けなんでしょ? なら……」
あと32秒。
「そんなのもういいわよ! これ以上、私の持ち物に浮気しないでぇ!! みらいを気持ち良くしていいのは、私だけなんだからぁッ!!」
泣き縋るリコに罪悪感を抱きつつも、欲しかった言葉を引き出せた事に思わずほくそ笑む。
13、12、11、10、9……。
「それは本心?」
8、7、6、5、4……。
「そうよッ!!」
3、2、1、ジャスト0時。ふふふ……。
「そうなんだぁ。じゃあ、生まれてよかったと思えるくらいに…………」
リコを抱えあげて、ベッドに2人で寝転ぶ。
「気持ち良くしてね」
「それが狙い?」
私の悪巧みにリコも気付いたようだ。涙を引っ込めて呆れ顔になっている。
「本当、悪い子になっちゃったのね」
「そうだよ。リ、コ、せ、ん、せ、い」
両腕をうなじに絡めてこちらに引き寄せ、喉に吸い着く。さぁ、早くわる〜い子の私をお仕置きしてよ。
リコが辛抱堪らんと私に挑み掛かろうとした時、誰かがドアをノックした。
「モフルンモフ」
「ごめんなさい。今良いところなの」
「もっと良いところにするもの持ってきたモフ」
そう言ってモフルンは扉を少し開けると、蜂蜜酒を載せたお盆をこちらに差し入れた。瓶だけしか用意していないのがニクい。
「早くふーちゃんに会わせてモフ」
扉が閉まり、2人ベッドの上に取り残される。近くには誰もいない。せいぜい天窓から覗く十六夜の月だけだ。
「全く気が早いんだから」
「良いじゃない。私も会いたいよ」
「ならその前に、貴女を素直な良い子にしなきゃいけないわね」
そのための毒消しをリコは口に含む。それも毒消しどころか、三日三晩はぶっ通しで動けるだけの量を。
「んむっ」
リコは唇を重ねて、蜂蜜酒を私の口の中に流し込む。
リコの味が混じったそれをゴクンゴクンと飲み干して、火照っていた身体をさらに温める。これならふーちゃんといわずんーちゃんまで出来ちゃうかもしれない。最高の誕生日プレゼントだ。
「今夜は寝かせないから」
「私もそのつもりだよ」
月明かりを浴びながら、私たちはお互いを貪り合った。