※この作品はR-18です。

融合症候群(フュージョンシンドローム)   作:レスト / 三端由也

2 / 7
僕と彼女は一つになりたい(中編)

 やっとだ。この日をどんなに待ち望んでいたか。

 深夜バスに揺られて、僕は彼女の元へ向かう。

 道中ずっとそわそわしていたが、朝から仲良しすることを思えば、無理にでも寝るべきだった。

 自分へ言い聞かせてどうにか寝た。彼女も期待している。僕が疲れていては応えられない。

 初めてを全身全霊、無我夢中で愛し合えたなら。

 これからの僕たちは、とても素敵なことになりそうな。とても素晴らしいことが起こりそうな。

 そんな予感がしていた。

 

 朝方、目的地の駅前バス停で降りる。

 彼女はすぐに僕に気が付いて、向こうから嬉しそうに手を振ってきた。

 実物の彼女は、当然だが、カメラ越しよりも立体感とか肉感があって、もっと可愛らしく見えた。

 彼女は、普段通話でもよく着ていた、濃緑色の薄いノースリーブと白のミニスカートに身を包んでいた。

 やや癖っ気の強い(ここも彼女のコンプレックスだが、素敵だと思う)ミディアムヘアが、そよ風に揺らいでいる。

 近くで向かい合ってみると、背の高い僕と低い彼女とでは、頭一つ分と少しは差があった。ちょうど僕の肩くらいに彼女のてっぺんが来る。

 座って話していることが多かったから、事実としては知っていても、こうして目の当たりにすると新鮮な気分があった。

 

「本物だ」

「なーに。その感想」

 

 見惚れてつい変なことを言ってしまうと、×××さんは小さく首を傾げて照れていた。

 

「いこっか」

「うん」

 

 彼女の方がやっぱり積極的で、受け身の僕は手を引かれるまま歩き始めた。

 真夏の朝は気怠くなるようなじめじめした暑さで、少し歩くだけでもじんわりと汗が滲んでくる。

 だが手汗がすごいのは、そればかりのせいじゃないだろう。

 ずっとドキドキしている。これからへの期待感でおかしくなりそうだ。

 ただでさえむらむらしているところに、彼女は探り探り腕を絡めてきた。

 黒髪が肩に触れる。温かな体温と柔らかな肉感に、僕の腕は絡め取られる。

 隣を見やれば、幸せそうな彼女の横顔が映る。健康的に薄焼けた肌に、優しい垂れ目をしていて。額にはうっすらと汗をかいていた。

 またほんの少しでも視線を落とせば、ノースリーブの隙間から、見事な山と谷間がこんにちはしている。

 こうして身を預けられる関係でなければ、彼氏でなければ、到底見られないお宝アングルだ。

 ごくりと息を呑む。

 すごい。大きい。可愛い。エロい。

 今すぐにでも抱き締めて、その豊かな谷間に顔を埋めてみたかった。

 そんな僕を上目遣いで見上げて――僕はどんなに欲しそうな顔をしていたのだろうか――彼女は宥めるように笑った。

 

「そういうことは、家に着いてからしようね」

「まだかな」

「うふふ。もう少しだよ。私も我慢してるんだから」

 

 最後にぽつりと漏れた言葉の照れ隠しからか、彼女は腕をさらにきつく絡めてきた。ほとんど寄りかかられる格好で、歩き続ける。

 悶々としながら、今か今かと到着を待ちわびた。天国のような、地獄のような十五分間だった。

 ついに彼女のマンションに着いた。三階建ての最上階で、角部屋とのことだ。

 306号室。ここが僕と彼女の愛の巣となる。

 

「ただいま」「おじゃまします」

 

 ガチャリとドアの内鍵がかかった瞬間。

 僕たちはもう我慢の糸が切れて、一心に抱き締め合っていた。

 恥じらいも初々しさもなく、ただ互いを求めるオスとメスとなって。

 密着するとおっぱいが当たる。僕の胸板に彼女の胸が押し潰される感触を悦ぶ。

 垂れ目はとろんとして、熱を帯びて、僕を求めていた。

 彼女のぷっくりとした唇に、僕の薄い唇が触れる。

 感触を確かめ合うような優しいキスから始まって、ディープキスへ。

 僕に経験がないから、彼女が積極的に舌を出して絡めてくれる。ここでも一枚上手だ。

 彼女のリードに従って、僕も舌を差し出し、絡め合わせる。

 蕩ける舌の柔らかさと、甘美な唾液の味。かすかな息遣いと、見つめ合い。

 濃密な時間が続く。どれもこれも、僕には初めての甘さだった。

 途中から目を瞑り、彼女の背中をゆっくりなぞりながら、無我夢中で味わった。

 唇同士が貝のように繋がれ合い、舌はまるで一つの生き物のように絡み合い、さながらお口のセックスだった。

 体感たっぷり数分程度は愛を確かめ合ってから、ぷはっと口が離れた。

 名残惜しそうに、唾液が糸を引いて途切れる。

 

「ずっとこうしたかった」

「私も」

 

 すぐにまたがっつきそうになるも、指先で唇を押さえられた。

 まだまだキスし足りない顔で、彼女も堪えている。

 

「ここで盛り上がっちゃうのもね」

「そうか」

「ちゃんと部屋の用意、してるから」

 

 靴を脱いで上がる。

 リビングは女の子の部屋らしく、可愛らしい小物やインテリアで飾られていた。

 地方ということもあり、聞いた家賃の割に広々としている。

 エアコンはあるが、古くて風が弱いので気休めだと言っていた。

 真夏のうだるような暑さが、確かに部屋の中にも薄く広く満ちていた。じめじめとした熱を感じる。

 だがこの燃えるような恋の熱さを、来たる肌の重ね合わせを、空調の余計な気を利かせた涼しさが邪魔をしないという意味では、理想的かもしれなかった。

 テーブルには、まだ青みを残したすっぱそうなみかんが、かごに入って山と積まれている。

 

「好きだから。切らさないようにしてるの」

「みかんさんだったよね」

「そうだったね。りんごくん」

 

 笑い合う。

 僕たちは正直で、単純だった。甘く酸っぱい青春のように、未だ熟さぬ青い果実のように。

 不完全で、未熟で。愛を求めて、ないもの同士を求めて、固く深く結ばれようとしていた。

 

 彼女の言う通り。実に用意の良いことに、彼女が寝起きした布団はそのままで敷かれていた。

 勧められるまま、真っ白なシーツの上に向かい合って座る。

 ああ。ああ……。

 この場所こそが、ビデオ通話で何度も何度も話し合い、彼女が僕を想って幾夜も股を濡らしたところなのだ。

 ついにここまで来たんだ。じーんと胸にくる感動と達成感があった。

 

「ここにあるもの、全部×××さんの匂いがする」

「もう~。すぐそういうこと言う」

「でも一番はここにいるから」

「そうだよ。匂うのも味わうのも全部、私に来て」

 

 一度シャワーを浴びようだとか、そんな発想はどちらにもなかった。

 汗だらけのままでいい。むしろこのままがいい。

 お互いの体臭も、もちろん汗の臭いだって、すべてが愛しいのだから。

 

「好きにしても、いいんだよね」

 

 ここまできて断られるはずもないのだが、改めて念を押してしまう辺り、僕はやはり童貞丸出しだった。

 彼女は僕を安心させるように微笑んで、じりじりと距離を詰めて、頬に手を添える。

 

「男の子を部屋に呼ぶってことは、そういうことだよ」

 

 一枚上の余裕であり、女の子になる覚悟であり、好きに満ちた意思表明だった。

 

「×××さん」

「〇〇〇くん」

 

 お互いの名前を呼ぶだけで、恋しさと愛しさでいっぱいになる。

 

「愛してる」「愛してる」

 

 今度は膝立ちになって、再び口付けに没頭する。

 濃厚なキスと、一息の小休止とを、何十回も繰り返した。

 より密着を求めるうち、自然と僕は胡坐をかき、彼女はそこへ乗っかって来ようとする。

 だがここで、ジーンズとスカートの固さが邪魔になった。

 示し合わせて脱ぎ下ろす。

 ビンビンにそり立つ青いトランクスと、濃く収まりきらない陰毛のはみ出した白の布地とが、互いに見せつけられた。

 もちろん、それぞれの性が宿す液体でべとべとに塗れている。

 ただ今はまだそれの気分というか、順番ではないから。

 互いに気にしないふりをして、先の姿勢を構えた。

 仕切り直しである。

 いわゆる対面座位の態勢となって、さらにいっぱいの口付けを交わし、愛を貪り続ける。

 勃起した男根が、パンツの布地を滑って、つんつんと彼女のへその辺りを突いている。これもまたいやらしく、没入感を高めた。

 未だセックスへ至らないのは、こうしてお互いの下着一枚だけが、辛うじて貞操を守っているからだ。それももはや、風前の灯ではあるが。

 愛しい顔も豊かな胸も、何もかも、すべてが手の届く目の前にあった。視界一杯に彼女だけが広がっていた。

 幸せだ。とても幸せだ。

 幾度目になるかも忘れた接吻の後、僕はついに心よりの願望を口にした。

 

「おっぱい。触ってもいい?」

「そのために来たもんね。いいよ。好きなだけ触って」

 

 女神の許可を得て。

 最初は服の上から、恐る恐る触れてみた。

 柔らかかった。想像していたよりもさらに。

 弄ぶにしたがって、ぐにぐにと形を歪める。男として征服したような気分があった。

 これが生のおっぱいか。すごい。すごい。

 しかし乱暴にすれば痛いだろうから、力加減にはよく気を付ける。

 

「優しい手つき……」

 

 彼女の透明感のある声が、甘やかになっている。どうやら少しは感じてもらえているようだ。

 それに気をよくして、もっと直に触りたくなって。ノースリーブの下から手を潜り込ませた。

 五指がブラを掻き分けて、その一つの先端が乳首のあるべきところへ触れたとき。

 ぽっちが凹んでいることに気付いた。

 彼女はうっとり顔を赤らめたままで、囁くように教えてくれる。

 

「ちょっとここもね。恥ずかしいの」

 

 どうやら乳首が陥没しているのが、また一つ彼女のコンプレックスであるようだった。

 それで見せるの躊躇っていたのもあったのかな。まったく気にしないのに。

 

「いつも話してたときは、勃ってたみたいだけど」

「だって〇〇〇くん、いっつもえっちなことばかり言うんだもん」

 

 知らず知らずに自分で弄ってしまうのだと、彼女は困ったように笑った。

 

「×××さんこそ。その気にさせるようなことばっかり」

 

 僕だって、君の見えないところでしごいてしまうのを止められなかったんだ。

 

「えっち」「えっち」

「あはは」「うふふ」

「勃たせてあげてもいいけど……そのままの君も見てみたいな。いい?」

「いいけど。〇〇〇くんだけ、ずるい。私も○○○くんの裸、見たいよ」

 

 そうだよね。

 僕が君の裸を見たいのと同じくらい、君も僕の裸が見たいんだよね。

 何を言わずとも、脱がし合いっこすることになった。

 僕の方が一枚少ない分、一足早く上裸を明らかにした。

 

「腹筋、割れてるんだ」

「家にこもりがちだと、鍛えるくらいしかすることなくてね。暑苦しいかな」

「好みよ。素敵」

 

 腹筋の割れ目に指を這わせながら、×××さんはうっとりしている。

 そして、さほど立派でもない胸板(僕の情けない部分だ)に視線を向けて、嬉しそうに舌なめずりした。

 

「すごく美味しそう」

 

 僕の乳首はやや黒ずんでいて、しかもやけに発達して大きかった。

 この部分だけならば、女性のものかと見紛うほどに。

 君になることを想って、チクニーにも明け暮れていたからだとは、さすがに言い出しにくい。

 

「どうせ私のこといっぱい考えて、乳首弄ってたんでしょ」

「うん」

 

 すぐにバレた。この人には勝てないな。

 おかしいな。最初はこちらが教えていた関係だったはずなのに。

 

「かわいい」

 

 つんつんと指先でつつかれては、電流の走ったような快感が脳を突き抜ける。

 高まっていたムードも相まって、僕は情けなく喘いでしまった。

 

「あぅっ……」

「ねえ。感じちゃった?」

「やばいから……」

「後で舐めさせてね」

「うん……」

 

 僕の乳首を舐めたいと。彼女の願望リストの一つには、確かにそうあった。

 恥ずかしく思いながらも、僕は頷いた。彼女の望むことなら、何でもさせてあげたい。

 だけど、されっぱなしというのもだから。

 

「×××さんのも見たいな」

「外し方、わかる?」

「教えて」

「後ろのホックをね、うん、そうそう」

 

 ホックの締め付けが解かれる。

 ぶるんと弾けたと思うと、ついに陰部と並ぶ女体の秘奥――彼女がこの日まで守り通してきた、最後の秘密が明らかになった。

 ブラジャーの跡に沿って、そこだけはくっきりと白くなっていた。

 おお。おおおお。

 すごい。すごい! 夢のようだ!

 おっぱいが。見事なおっぱいが突き出している。

 これが、僕の。僕だけの……!

 

「感動し過ぎだよー。泣きそうになってるし」

 

 鼻息荒く一心に見つめられると、さすがに彼女も恥ずかしいようだった。

 

「ありがとう。ありがとう……!」

「大袈裟だってば。もう」

 

 照れながら、嬉しそうに顔を真っ赤にしている。

 僕のために生まれてきてくれてありがとう。ここまで育て上げてくれた君と、すべての人にありがとう。

 Eカップにほとんど近いDカップと言っていた。実際目の当たりにすれば、丘というべきか、お山のような素晴らしいボリューム感である。

 重力に従って自然に垂れているものの、若さゆえに張りはしっかりしている。

 目を見張る谷間はブラによって形成されていたもので、やや外向きに流れているのが彼女の自然な姿だった。

 瑞々しい柔肌が中心に向かって盛り上がり、滲む汗と解き放たれた熱気が、むらむらと色香を放つ。

 程よい大きさの乳輪の真ん中には、左右それぞれに横線のような凹みが入っていた。

 乳輪と陥没した乳首はやや黒ずんでいて、ちょっと遊んでいる感じが、恋愛経験の豊かさを思わせる。

 でも今は僕の――僕だけのものだ。

 

「素敵だ。可愛い。エロいよ、×××さん」

「ふふ。〇〇〇くんって、私のどんなところでも好きだよね。お世辞じゃなくて、心から」

 

 今までそんな人いなかったよ、嬉しいな、と彼女はうっとり心地で語る。

 

「もちろん。君になりたいくらいだから」

「私も……。〇〇〇くん……ますます素敵って、思っちゃった」

 

 隣同士で寝転がり、肌と肌をくっつけ合わせ。

 息と息のかかる距離で、見つめ合いながら。

 時折、肌をさすり合い、キスを交え、顔や肩や首筋などを舐め合いながら。

 下着越しに、局部同士を触れ合わせて。染み出した愛液と先走り液が混ざってゆくのを感じながら。

 お互いの良いところ、素敵なところを語り合う。

 自分にとっては自慢か、コンプレックスとなるかもしれないもの。相手にとってはどれも素敵な個性。

 まるで繋がる前の、大事な儀式。一つになるべきものの前提を、最終確認するかのように。

 

 硬くて癖のないショートヘア。柔らかくて癖っ気のあるミディアムヘア。

 少し吊り上がり、人を寄せ付けない雰囲気のある鋭い目。優しく慈愛に満ちた垂れ目。

 控えめで目立たない鼻。ぷっくりとして愛嬌のある鼻。

 薄くかさついた唇。厚めで瑞々しい唇。

 凛として、力強さの中に優しさを含む声。透明感のある、小悪魔的で甘えたような声。

 男らしくどこか角ばった顔つき。女らしく丸みを帯びた顔つき。

 筋肉質だが、引きこもりがちで白く、血の気の薄い手足。脂肪がほどよく付いて、むちっとして、溌剌としていて、健康的に薄く日焼けした手足。

 薄く平坦な胸板。豊かに膨らんだ胸。

 美味しそうにぷっくり膨らんだ乳首。陥没した先端と、それを取り囲む美しい乳輪。

 逞しく割れた腹筋。細くくびれた腰。

 小さく引き締まったお尻。安産型で大きく、少したるんだお尻。

 貫くモノと、貫かれるモノ。

 

 僕の腕を愛おしそうにさすりながら、彼女が言った。

 

「〇〇〇くんって、男のわりに毛が薄いんだね。羨ましいなあ」

「男らしさが足りないとも、言えるけどね」

 

 一つ一つが対照的で。

 僕らは互いになく、互いが望むだけのものを持っていて。

 運命が引き合わせた、足りないものを埋め合わせるための一対に、ますます思えてくる。

 溶け合えば。もっと望ましく、好ましく、素敵なものになれる。

 

「一つになりたいなあ」

「なりたいね」

 

 甘ったるい溜息を漏らす彼女と、気持ちを同じくして。

 決して激しいものではないけれど、緩やかな一体感と興奮が、幸福がずっと続いていた。

 ふと、目線を下にやる。

 上下の両腕に挟まれて、こちら側に投げ出されたおっぱいが蒸れていた。上乳の圧力で、下乳が潰れて形を変えている。

 そこには楽園があった。天国があった。

 わかりやすく釘付けになっていると、熱だらけの視線に気付いた彼女が、いたずらっぽく囁いた。

 

「来たいの? 一つになりたい?」

「うん。いい?」

「おいで」

 

 彼女は微笑み、腕を開いて、僕を天国へ招き寄せる。

 僕のかねてからの望みを、当然のように受け入れてくれた。僕だけの、最高の女神だ。

 豊満な胸に顔を埋める。汗の溜まり混じった温さと、至上の柔らかさが挟み込む。

 おおう。おお……! おおおお……!

 ああ。どれほど。どれほどこうしたかったことか!

 感激している僕の頭を抱えるように抱きすくめて、彼女が優しく問いかける。

 こういうときは茶化さないところが素敵だ。

 

「どう。夢が叶った気分は?」

「最高だよ……」

「ずっとこうしたかったもんね。好きなだけ味わってね」

 

 年下なのに子供を甘やかすお姉さんのようで、やっぱり一枚上手だった。

 素直に甘える。

 鼻息いっぱいにフェロモンを吸い込むと、幸せが広がる。

 彼女の、×××さんの――女の子の匂いがする。

 頬をすりすりすると、彼女はくすぐったそうに小さく声を漏らした。

 こんなにも柔らかくて。いい匂いがして。最高で。素晴らしいのに。

 僕は、なんてことを考えてしまうものか。

 本当は、僕が。僕も、この胸で。

 僕自身を愛して、彼女も愛してあげたいんだ。

 矛盾した現実。果てない欲望。叶わぬ望み。

 情けなく顔を埋めたまま、切ない願いをこぼす。

 

「僕も、君のおっぱいが欲しい。これが欲しい。君をこうして、胸に抱いて、抱き締めてあげたい……」

「わかるよ。うん……。なんか、変なのにね。わかっちゃうなぁ……」

 

 なぜだか、妙に泣きそうな気分になっていた。彼女もまた同じ気持ちだった。

 実際は、どんなに深く愛そうとしても、のめり込もうとしても、こうして薄皮一枚のところで止まってしまうのだから。

 肌を触れ合い、柔肉と匂いをいっぱいに感じる歓びと、愛し合うことの限界へのもどかしさを抱えながら。

 僕たちはそれでも、愛を重ねていく。それしか方法を知らないから。

 ときに、悪魔的な思い付きが浮かんだ。

 

「そうだ」

 

 胸から顔を離し、再び顔と顔を突き合わせる。

 せめてもの慰めだ。

 

「ここをね、こうして」

「ん……あ!」

 

 男にしては立派な僕の乳首を、彼女の陥没したところへはめ込む。

 果たして、思った通りだった。

 色合いも同じ。大きさも。

 ちょうど欠けたものが埋まるように。ぴたりと嵌ったのだ。

 

「やぁん。おっぱいがキスしちゃってる……」

「僕と×××さんのおっぱいが、一つに……」

 

 素晴らしい発見への興奮のまま、ぐりぐりぐりと、円を描くように擦り付ける。

 少しでも深みに。君になりたくて。君に近づきたくて。

 ほんのわずかでも本当に一つになれた気がして、嬉しかった。

 僕らの望みに沿うように、錯覚なのかもわからないが。

 僕が入れ込むほどに、彼女の凹みもまた、吸いつくように僕のそれを捕えて離さなかった。

 それらは元々一つのものであると、高らかに謳うかのように。

 

「ああ。これ、やばい……」

「うん。すごい、いい……」

 

 単純な気持ち良さよりも、行為自体への一体感と倒錯感がやばかった。

 

「僕たちも……しよう」

「うん……」

 

 乳首同士をキスさせながら、僕たちもまたキスをする。

 やがてもしないうち、感じ入った彼女の乳首は立派に隆起した。

 すっかり固くなった僕の先端と彼女の先端とが突き合って、独楽の回転のようにこねくり回されていく。

 たっぷり口付けを楽しんだ後、色香を纏った唇とともに、乳首の先端同士も名残惜しそうに離れる。

 ようやく出るものが出てきてくれたなら。僕は自然としたいことを口にしていた。

 

「吸ってもいい?」

「ふふ。どうぞ」

 

 仰向けになって身を任せる彼女に、僕は覆い被さる。

 真上の角度から、愛しい彼女の顔をまじまじと楽しんでから、メインディッシュへと移る。

 豊かに実った白桃の先端、やや黒ずんだつぼみへと、躊躇うことなく吸い付いた。

 母乳こそ出ないものの、わずかに汗のしょっぱさと甘いフェロモンの味わいがする。

 

「可愛い。赤ちゃんみたい」

 

 夢中で吸い付く僕に母性を呼び起こされたのか、彼女は僕の頭を愛しそうに撫でてくれる。

 僕も甘えたい気持ちが強くなって、本当に彼女の子供のようなつもりになって、一心不乱に吸い続ける。

 ただしばらくそうしていると、次第にメスを悦ばせてみたいというオスも顔を見せ始めた。

 彼女にはやっぱり、一番に気持ちよくなってもらいたい。

 甘えるような愛撫から、徐々に責め立てる動きへ。小刻みに吸っては舐めてを繰り返すようになっていった。

 舌を乳輪に這わせ、外側から中心へ渦をなぞると、彼女は猫撫で声を震わせた。

 

「あぁん」

 

 搾乳機のように口を窄ませ、ピストンが行ったり来たりを繰り返すように、緩急を付けて吸い上げる。

 片手で側乳をさすりながら、もう片方の手で、反対側の乳首をくりくりする。

 彼女はたまらず喘いだ。

 

「あっ、〇〇〇くん、すごい……! うぅんっ、初めてなのに……ああぁ」

 

 確かな手ごたえに悦びを覚える。初めて僕が彼女の上をいったような、そんな達成感もあった。

 嬉しさに、ますます責めを激しくしていくと。

 

「待って。もうダメ……」

 

 半ば強引に押しのけられてしまった。

 彼女は、すっかり涙目になっていた。息も絶え絶え、しきりに胸を上下させている。

 何かに期待するように切なげな瞳で、甘い吐息をつく。

 今すぐにでもセックスしたくてたまらない、そんな淫らな女の顔を見てしまった。

 

「ダメだよぉ。おっぱいだけでイっちゃうよぉ……」

 

 まだ楽しみたいの、と弱々しく懇願されては、ただ頷くしかない。

 未だにパンツ一枚だけは下ろしていないのは、そうするとすぐにでもおっ始めてしまうに決まっているからだ。

 高まって高まって、愛し合って愛し合って。いよいよどうしようもなくなってからしたい。

 僕たちの初めては、最高なものにしたい。

 僕たちにとって暗黙の共通認識で、そうすることが何より大切な気がしていた。

 

「ね、そろそろ交代しよ? 今度は私の番」

 

 攻守が入れ替わる。

 僕が仰向けになり、彼女が上になる。

 少しだけ余裕の戻った彼女は、いたずらっ子の笑みを浮かべていた。

 柔らかな髪が腕に振りかかる。側面から襲い掛かってきた。

 唾液をたっぷり含ませて、既に興奮でぴんと勃っている僕の先っぽ、黒ずんだ乳首を舐め掬い取る。

 

「お、おおぅ」

 

 ものの一瞬で喘いでしまう。すごいテクニックだ。

 様々な角度、緩急自在に乳首を責め立てながら、弄るのはそこばかりではなかった。

 いつの間にやら、彼女の手がトランクスへ入り込んでくる。

 ほんの挨拶するように玉袋をさわさわと弄んでから、手慣れた様子で肉棒を掴んだ。

 彼女の手が、僕の欲望に汚されていく。

 カリにひっかかるところまでを、繰り返し繰り返し、丁寧にしごく。

 

「大きいね。素敵よ」

「う、ううう……!」

「これが、私に入ってくるんだぁ……」

 

 もうすぐのことを想ってうっとりしながら、執拗に手は休めない。

 にち、にち、と先走り液のぶつかる音だけが静かに、時折遠くからくるセミの声と混じって、部屋に充満した。

 うわぁ。ああぁあ。

 この人、なんて当然な顔で、すごいことするんだ!

 

「イキたくなったら言ってね」

「あ、ああ……!」

 

 喘ぎなのか返事なのか、自分でもよくわからない声が出た。とにかく気持ちよくてたまらない。

 常に男根をゆっくりしごきながら、気の済むまで乳首を味わい尽くす。脇腹や脇の下まで、愛撫することも忘れない。

 いつもは優しい垂れ目に宿すその瞳は、今やギラギラした肉欲の光に満ちていて、まるで彼女の方がオスの獣のようだった。

 もしくは、老獪な魔女に違いなかった。

 男のカラダのどこをどうすれば気持ち良くなるのか、隅々まで知り尽くしているのだ。

 そして忘れてはいけないのは、僕は童貞だった。

 ただでさえ最愛の人に弄ばれているのだ。さらに死ぬほど上手いとくれば、とても長時間など堪え切れない。

 

「うあ、あぁあ……やばい、イキそう。もうイキそう……!」

 

 正直に告げると、彼女の手がぴたりと止まった。

 

「…………?」

 

 どうして、イカせてくれないんだ……?

 ふわふわした心地とまとまらない思考で、息も絶え絶えに見上げる。

 加虐心に満ちた、心の底から楽しむような、彼女の素敵な笑顔があった。

 なんて憎たらしく、可愛らしい小悪魔なんだ!

 

「ひどいよぉ」

 

 僕は切なさいっぱいで、情けない声を出すしかなかった。

 生殺しなんて、あんまりだ。

 しかも彼女は、僕の体液に塗れた指先で、僕自身の先端をつつきながら、実に憎めない理由を告げてくるのだ。

 

「だって。初めては、飲みたいんだもん」

 

 そうだった。彼女は確かに言っていたのだ。僕の精液を飲んでみたいと。

 

「フェラ、してくれるの?」

「うん。私のも、舐めて欲しいな。〇〇〇くんも、したかったんでしょ?」

「したい」

 

 やおら立ち上がって、白いパンツを見せつける。

 もはや愛液の洪水によって、それは決壊していた。太ももの先辺りまで、透明なぬめりが滴っている。

 

「すごい量……」

「こんなになったの、〇〇〇くんが初めてだよ?」

 

 ちゃんと責任、取ってね。

 期待するような囁き声で言われては、僕の中の男が暴れ出してしまった。

 何度も擦り付けた僕のカウパー液も、いくらかは混じっているに違いないと思えば。それだってたまらなく興奮するのだ。

 僕は衝動的に彼女の太ももに縋り付いて、そこに付いたぬめりを舐め取った。

 

「やぁ。どうしたの。くすぐったいってば~」

 

 なるべく一滴でも逃すまいと、太ももの先から付け根まで、一気に舐め上げる。

 口に粘り付いて、酸っぱかった。

 甘いのが好きな僕には本来、大の苦手なものだったけれど。

 でも大好きな人が僕のために出してくれたものだと思えば、まったく気にならなかった。むしろ幸福な気持ちで満たされる。

 野獣になった僕は、縋ったままで彼女のパンツに手をかけ、ずり下ろした。僕もまた、カピカピぬるぬるになったトランクスなど、一息に脱ぎ捨てる。

 ついに肌身一つ、生まれたままの姿となった。

 

「ずいぶん積極的……。〇〇〇くん、そんなに私が欲しいんだ」

「そうだよ。欲しくて欲しくて、たまらない」

 

 濡れ濡れの股の前で、思い切り目を見開く。

 何度も画面越しに見た、生のおまんこが目の前にある。盛り盛りとした陰毛が、溢れんほど滴る愛液が、今か今かと僕を誘っている。

 これだ。これが欲しかったんだ。

 僕はこれを貫いて、愛して、愛し抜いて。これになりたかったんだ。

 今もなりたくて、なりたくて。胸が張り裂けそうで、仕方がないんだ。

 もうすぐ手の届くところにあって。間もなく繋がれるのに。

 他の誰よりも近いのに、何よりも遠いもので。

 生まれ持った性別は決まっていて、反対になることはできない。

 僕は君になれない。

 それが自然の摂理で、この世の決まり事で。

 なのに、君の誇らしい女体になることを。そこに僕という要素を混ぜ合わせることを。

 今また、ありありと想像してしまって。

 そうなる期待感とか、予感すら謎に込み上げてきて。

 もうすぐだ。きっともうすぐだと。

 僕は意味も分からず、わけもわからず、とにかく感動して、興奮していた。

 

「横になろ」

「うん」

 

 ひとまずは、上手の彼女に窘められて。俗にシックスナインと言われる体勢になった。

 横向けで、互いの太ももで顔を挟み合う。どちらにとっても動きやすく愛しやすい、対等な姿勢だ。

 目の前には、剛毛に覆われた彼女の秘部が――神秘のジャングルがいっぱいに広がっている。

 汗とフェロモンと愛液が混ざって、発酵したような、ものすごい匂いを発している。

 脳天をくらくらさせるほどの、強烈な性の香り。

 知らない人のなら避けてしまうのかもしれないが……これが×××さんのだとまったく別だ。

 とにかく愛しい。嗅ぎたくて嗅ぎたくて、癖になって仕方がない。願わくば僕も一緒になって、この匂いを漂わせてみたい。

 すぐにでもしゃぶり付きたいところだったが、その前に彼女が心優しい提案をしてくれた。

 

「まずは一発、抜いちゃおっか。ずっと我慢させてごめんね」

 

 百戦錬磨の女戦士は、僕へ止めを刺しにかかった。

 今にもはち切れそうな怒張に、生温い吐息が近づく。

 柔らかい唇が亀頭のてっぺんにキスをして、先端を舌がちろりと舐める。

 僕には見えないが、たぶん口が開いて、まずは先っぽがすっぽりと咥え込まれた。

 鈴口が美味しそうに啜られた後、ずぬぬぬぬ、と熱く柔らかい口内へ沈み込んでいく。カリを過ぎて、徐々に根元の方まで包まれる。

 硬い歯が当たらないように、気を付けてくれているのがよくわかる。さりげないテクニックと思いやりが、とても嬉しい。

 すごいことに、僕のは相当な大きさのはずなのに、彼女は器用に喉も使って、奥の奥まで咥え込んでしまった。

 

「ん」

 

 くぐもった声で一つ気合いを入れると、自らの口をさながら膣と見立て、バキュームのごとく吸い上げ始めた。

 激しい上下運動と吸引力には、既にほとんど限界だった僕は、為すすべもなく敗北を喫した。

 

「ああ、あああ! ああああぁぁぁぁ……」

 

 消え入るような、女の子のような情けない悲鳴を上げて。

 僕は欲望そのものを、彼女へとぶちまけた。

 目がチカチカして、視界が一瞬ぐるんとして、意識が飛びそうだった。

 数秒か、十数秒か、どれほどか。

 とにかく、生涯で一番長く激しいオーガズムに感じ入る。

 彼女は口の動きを止め、一滴たりとも子種を逃すまいとして、無心に味わっているようだった。

 どくんどくんと、肉棒が波打って、白くでどろどろした液体が、愛する人の喉の奥へと、体内へと注ぎ込まれていく。

 僕は放心状態のまま、だらしなく口を開け、もたれるように彼女の下のお口へ口付けしていた。鼻先が彼女の愛に塗れた。

 どれほどそうしていたか。彼女自身の発する芳香に、鼻も慣れてきた頃。

 ようやく一滴も出なくなって、しばらくしてから、彼女は満足して口を離した。

 

「気持ちよかった?」

「うん……。とっても」

「美味しかったよ。ごちそうさまでした」

 

 望みを一つ叶えてご満悦の彼女は、切なげな声で僕にもお願いしてきた。

 

「私の方も、お願い。たぶん……すぐだと思うから」

「わかった。任せて」

 

 あれほど素晴らしい体験をさせてもらって、お返しをしたい気持ちでいっぱいだった。

 今度こそ、彼女の股にしゃぶり付いた。画面越しで見ていただけのものに今こうしていると、感動もひとしおだ。

 もじゃもじゃを舌で掻き分けて。クリトリスも陰唇も、何がどうで、どこがどうなっているのかもよくわからないけれど。

 とにかく彼女が悦ぶことだけを意識して、無我夢中で舐め続けた。

 その必死な想いが、下手なりにでも伝わったのだろう。彼女を感じさせたのだろう。

 

「あ、ああああぁぁぁあ……!」

 

 達したようだった。

 身が強張り、僕の顔をぎゅっと挟み込むように太ももが固く閉じる。

 愛液が滝のように溢れてきた。

 僕もまた一滴たりとも逃すまいと、口を大きく開けて膣口をすっぽり覆い隠す。

 とにかく全力で啜った。舌の先端を穴に搔き入れてまで、全身全霊で味わった。

 口いっぱいにべたべたが広がって、顔中液まみれで。

 すっぱくて。すごい臭いがして。どろどろしていて。

 でもそれが、たまらなく嬉しかった。幸せだった。

 彼女の全身が火照っていた。太ももに熱を感じる。

 やがて彼女は、オーガズムの余韻からこちらへ戻ってきた。

 

「うぅ、もう……。やぁだぁ~。全部飲んだの?」

「×××さんが僕のも、飲んでくれたから」

「だって私、汚いよ。すっぱいの、好きじゃないでしょ」

「そんなことないよ。綺麗だよ。美味しかった。ごちそうさまでした」

 

 ちょうど彼女が言ってくれた言葉を返すと、彼女はしばらく黙り込んでしまった。

 そして、すすり泣くような声が聞こえてくる。

 

「私……臭いでしょ?」

「臭くないよ。最高の匂いだ」

「ほんと?」

「ほんと」

 

 きっぱり言い切ると、また少し黙り込んで。

 

「……初めてなの」

「うん?」

「こんなに一生懸命、美味しそうにしてくれたの。初めてなの」

 

 ――ああ。

 もしかしたら、今までの人たちは。

 上辺だけで、上っ面だけで、彼女に惚れてしまったのかもしれない。

 そのことが、結果として、彼女を深く傷つけた。彼女は自信をなくしてしまった。

 誰かは、彼女を単なる遊び相手として。

 誰かは、彼女の身体的特徴をあげつらって。

 誰かは、彼女の性格を否定して。

 誰かは、彼女を人と思わず、いつも高圧的で。

 この子は今まで、身体の繋がりだけで、求められるだけで。本当の意味での恋愛ができていなかったのかもしれない。

 だったら。僕は君のすべてを肯定しよう。受け入れよう。

 君になりたい僕だからこそ、心からそう願うからこそ。躊躇いなどなかった。

 

「当たり前だよ。×××さんの全部が好きなんだから。君になっちゃいたいくらいなんだから」

「ああー、そうだった。私になりたい、変態くんだった」

 

 呆れたように笑ってから、ぽつりと言う。

 

「〇〇〇くんにだったら、全部、あげてもいいかな。あげたいな」

 

 彼女は愛おしそうに、僕のタマをさすった。

 僕は深く感動していたけど、月並みな言葉よりも、とにかくしてあげたいことを返した。

 それで十分、気持ちが伝わると思って。

 

「このまま続けてもいい? もっと舐めたい」

「うん……。そうしよっか。どうせ出したすぐには、えっちできないもんね」

 

 再び、シックスナインに没頭した。

 一度思い切り吐き出して少しは冷静になると、周りのことがよく感じられた。

 特に彼女の大きな胸の先っちょ辺りが、常に僕の下腹部に触れているのがわかって、それはもう大変に興奮した。

 丁寧に丁寧に。お互いを想い合って。一つになることを願って。

 体感で、数十分ほどはそうしていただろうか。

 ゆっくりゆっくりと、二人で一緒に盛り上げて。徐々に徐々にまた、吐き出したいと込み上げてくるものがあった。

 彼女が僕のおちんちんから口を離したのが、その合図で。

 身も心も、いよいよ準備万端だった。

 仰向けになった僕に、腹の下から彼女が這い寄ってくる。

 たぶんわざと、僕を喜ばせてくれるために、おっぱいを擦り付けながら迫り上がってきた。

 彼女の紅潮した顔が目の前にきて、とろんとした目で。

 

「ねえ」

 

 耳元に顔を寄せて、悪魔が囁く。

 

「生でしよっか」

 

 僕は耳を疑った。

 

「生で?」

「したくないの?」

「もちろん、したいけど」

「いいよ。しよ?」

 

 できちゃってもいいから。

 彼女は、動物的本能がそのまま口に出るほど、目いっぱいに発情していた。

 

「だって。一つになりたいんでしょ」

「なりたいよ。狂おしいほど、なりたいよ」

「だったら、混ぜ合わせなきゃ。溶かし合わせなくちゃ」

 

 私の遺伝子と、僕の遺伝子を。

 

 理屈が通っているようで、通っていない問答。

 けれど本能は、それが正しいと理解していて。

 はっとする僕に、彼女がもたれかかる。黒髪の先端が鼻孔をくすぐる。

 ほとんど泣きそうな声で、彼女は願った。

 

「そしたら。そしたらね、きっと」

 

 彼女もまた、何か予感していたのかもしれない。

 あり得ない想像に。だが妙に湧き上がる期待に、胸を膨らませて。

 僕は頷いた。悪魔の提案に乗ってしまった。

 なぜなら僕も、もうどうしようもなく。彼女の奥に注ぎ込みたいと願ってしまっていたからだ。

 一番最初に、画面越しにぶっかけてしまったあの日から。ずっと。

 彼女を直接汚したい。いや、汚すんじゃない。

 僕の綺麗な愛で、純粋な欲望で、いっぱいに満たしたいんだ。

 そうしなければ、本当の意味で一つになれないと。

 心が、本能が。理解しているのだ。

 それは彼女も同じで。だからこんな提案をしてきたのだ。

 

「私ね、ずっとゴムだけは付けてたの」

 

 だからこれは、ちゃんと初めてだよ。

 いたずらっぽく笑って。誓いのキスを交わして。

 

「私が上になるよ。リードしてあげる。いっぱい気持ちよくなってね」

 

 ついに、そのときは来た。

 僕はシーツの上で仰向けになり、彼女が腰の上に座り込む。

 てらてらに濡れて突き上がったおちんちんに優しく手を添えて、自らの腰を持ち上げる。

 彼女に愛され、丁寧に舐められ上げ、貫くためにイキり立った男根と。

 僕が心を込めて愛撫し、挿れられたくて、期待に濡れぼそった陰部とが。

 その先端が触れ合った。キスをした。

 彼女は、小悪魔のような笑みを浮かべて。焦らして、焦らして。

 亀頭と陰唇が、表面で擦れ合い、ほんの浅く入ったり出たりを繰り返して。

 お互いの液で濡らし、十分に馴染んだのを確認してから。

 

「入れるよ」

「うん」

 

 ぬぷぷぷ、と沈み込んでいく。熱い液体同士の交わる音がした。

 柔らかい膣肉を掻き分けて、彼女の内側の熱を感じながら、僕自身は深く突き進んでいく。

 

「ん……」「あ……」

 

 入り込んでいくだけで感じ入るものがあって、僕も私も小さな嬌声を漏らした。

 彼女の濃い体毛と、僕の男にしては薄い体毛も、触れ合い絡み合う。

 やがて、一番深いところに達して。股と股同士が、押し付けるように触れ合う。

 

「「はあー…………」」

 

 揃って、長く甘い溜息が漏れた。

 充実感と、深い感動と、幸福感が満たしていた。

 

「やっとだ」

「やっとだね」

 

 女の子座りの中心に、僕が突き刺さっている。

 くびれた腰。ぱんぱんに張った胸と、ぴんと勃ち上がったままの乳首。女の色香に満ちた、幸せそうな優しい笑顔。

 素晴らしいアングルの絶景だった。この瞬間を永遠に切り取っておきたいほどに。

 

「ずっとこうしたかった」

「私も。こうやって繋がる日を、ずっと待ってたの」

 

 一身にもたれかかってくる。

 柔肌の重みと、肉の柔らかさを感じる。

 

「……どうする?」

「しばらく、このままがいいな」

「私も……」

 

 この感動的な気分を、肉欲だけのものにはしたくなくて。

 すぐには終わりにしたくなくて。

 静かに繋がったままで、まずはじんわりと感じてみたかった。

 彼女の背中に手を回して、そっと抱き締める。

 彼女は僕の胸板に顔を預け、胸の鼓動を聞いていた。

 余計な言葉は要らなかった。

 温かく、優しい時間が続く。 

 その間も、真ん中ではずっと繋がって。

 注ぎ込み、込まれたいと。

 りんごとみかん、愛情のミックスジュースを作って、シーツへ垂れ流しになっている。

 

「キスしよう」

「うん」

 

 彼女が少し無理をして身を伸ばし、僕が首を持ち上げれば。

 背丈の差はあっても、辛うじて唇は届く。

 もう何度目になるか。濃厚で甘い舌の感触を味わう。

 そうしていながら、やはり常に繋がっていることには変わりなく。

 吐き出したくて仕方がないオスの本能と、注がされたくて仕方がないメスの本能が、むらむらと込み上げてくる。

 ほとんど無意識に、終わりを求めて。果てることを求めて。

 どちらからともなく、腰を動かし始めていた。

 それでも、キスはやめない。離れたくない。

 

「このまま」

「うん」

 

 口付けを交わしたまま。全身で繋がったまま。

 ゆっくりゆっくりと。激しいピストンなどは要らなかった。

 円を描き、互いを馴染ませるように擦り合わせるだけで。それだけで、僕たちは至上の幸福と興奮を止めどなく得た。

 一つに。このまま一つに。どこまでも深く。

 よりいっそう強く舌が絡み合い、性器が一番深いところに突き刺さったとき。

 

「「~~~~~~~~っ!」」

 

 同時に、果てた。

 すべてを愛で満たして、一心に想いを吐き出し合って。

 理性の糸が、ぶち切れる音がした。

 長く心地良い、オーガズムの波に。加速する熱に浮かされながら。

 僕たちは、見つめ合った。

 最愛の人の、瞳が潤んでいる。

 

「このまま、愛し合おう」

「ずっと、ずっと」

「溶けて混ざって」

「いっこになるまで」

「健やかなるときも、病めるときも」

「死が私たちを」

「ともに打ちのめすまで」

 

 この身、一つに。分かたれることなく。

 

 それは本当に、僕たちが言ったことなのか。もっと大きな何かが言わせたことなのか。

 気付けば、僕たちは涙を流していた。

 どんなに想い合っても一つになれない、哀しみゆえではない。

 これは嬉し涙だ。

 遠く離れた場所で。長い時間をかけて、少しずつ少しずつ愛を深め。

 待ち望んでいたこの日、ようやく深く繋がることができた。

 たくさんの愛と遺伝子をやり取りした、二人の心は。身体は。

 うっすらと期待していた予感を。待ち望んでいた素晴らしいことを。

 僕も私も、ようやく理解した。

 僕たちは、本当の意味で結ばれる。真の意味で、一つになることができる。

 現実の壁など、愛の限界など、存在しなかった。

 僕たちはきっと、運命に選ばれた。かけがえのない半身同士だったのだ。

 

 目の前にはもう、愛しいものしかいなかった。

 僕たちは獣になった。抜かずの正常位で、すぐに二回戦を始める。

 全身を舐め回す。おっぱいを強く吸い上げた。

 彼女は狂った獣のようによがり声を上げて、細い手足を絡めて、僕に縋り付く。

 それからは、あらゆる体位で。

 彼女に導かれるまま。僕の欲望が衝き動かすまま。

 ひたすらにお互いを貪り合った。

 汗を絡め、涙が出れば舌で掬い取り、愛情の証をすすり合った。

 お互いの体液をめいっぱいに塗り付けて、擦り付けて。全身ぐちょぐちょになって愛し合った。

 それは――後から思えば。

 僕と私が互いの愛情で満たし合い、外側も内側も、ありとあらゆる体液を総交換して。

 本当の意味で繋がるため、身体を本格的に馴染ませていくための、準備的行為に他ならなかった。

 日が昇り、落ちて。夜の帳がかかっても。

 僕たちは止まらず、言葉を交わす余裕もなく、必要もなく。なおいっそう愛し合うことに没頭していた。

 互いの息遣いと匂い、肌の温かさを頼りにして、ひたすら性行為は続いた。

 布団もぐちゃぐちゃになって。ほとんど水たまりのようで。

 ともに絶倫となり、絶頂も数十を超えては数えることもやめ。

 さらに朝日が昇る頃。

 次第に、僕と彼女の境界が曖昧になってくる。

 どちらが攻めていて。どちらが受けているのか。

 どちらがしていて。どちらがされているのか。

 どちらが愛していて。どちらが愛されているのか。

 わからなくなってくる。

 僕は本当に僕なのか。私は本当に私なのか。

 僕は私と僕自身を愛し、私は僕と私自身を愛していた。

 永遠とも思える、甘美で濃厚な時間の果てに。

 理性など、何もかもが吹き飛んで。

 欠けた者同士は、ついに完全になろうとして。

 知らず知らずのうち、互いを結び合わせ、埋没させていった。

 僕は彼女で満たされていた。彼女も僕で満たされていた。

 全身の感覚が、わからなくなって。とにかく、あったかいものが広がって。

 あらゆる個所に、柔らかく素晴らしい匂いに満ちた、温かな肉感がいっぱいに広がって。

 どこもかしこも繋がって。僕たちは、あらゆるところで、あらゆる部位で、細胞一つ一つまで、セックスをしていて。

 もっともっと、深く溶け合って。

 僕は私にすべてを包まれ、私は僕にすべてを包まれて――混ぜ合わされていく。

 

 

 ***

 

 

 長い、長い。微睡みの中で。夢の中で。 

 気付けば僕は、私だった。

 僕は、彼女だった。×××さんになっていた。

 誰かにおしめを取り替えてもらった、ぼんやりとした記憶から始まった。

 僕は私になりきって、ただ丁寧に時間だけを追って、すべてを追体験していた。

 話を聞いていただけのことも、まだ聞かされていなかったことも。

 話されるつもりのなかったことも――すべてを知った。

 

 小さいとき、塀の上で歩いていたらバランスを崩して、開いてしまった股をコンクリートに打ち付けて、とても痛かったこと。

 3つ下の弟は、とても生意気だけど根は可愛くて、よく面倒を見てやっていたこと。

 田舎娘だから、都会には憧れがあったこと。実家の農作業を時々手伝っていたこと。

 仲の良いクラスメイトたちとの、楽しい思い出。けれど、どんなことでも深く話し合える人はいないことへの寂しさ。

 諸々の受験とかへの不安と、乗り越えたときの喜び。

 電車では大きな胸やお尻が災いして、度々痴漢にあっていたこと。

 バイト先の店長の視線が、とにかくいやらしいこと。不倫関係を迫られたこともあったこと。

 君の言っていた通り、背が低くて吊革を掴めなかったり、高い棚の物が取れないのにはよく苦労した。

 

 リアルタイムで。19年もかけて。まさに私の人生そのものをなぞった。

 本当に長い長い、夢だった。

 やがて、私が僕であったことさえも忘れかけてしまうほど、長い時間を経て。

 色々なことがあった。

 私はとにかく、自信がなかった。失敗続きの人生だったから。

 最初の彼氏には、甘い言葉で唆されて。初めては痛くて。最後にはこっぴどく裏切られて。

 死にたいと思ったこともあった。幾夜も枕を涙で濡らした。

 二人目の人には、濃い体毛を笑われて。臭いからと、舐めることを拒否されて。

 三人目には、ただのすれ違いから、お前は最低の奴だと、ひどい奴だと散々責められて。

 四人目は、私のカラダだけしか見ていなかった。便利な肉壺で、おもちゃ扱いされるだけだった。

 つらかった。

 真実の愛なんて、どこにもなくて。

 深く傷付いていたけれど、困ったことに、カラダはそれでも愛を求めていた。

 私はたぶん、周りに見せているところよりも。人が思っているよりもずっと、えっちだった。

 人寂しさと恋しさに、衝き動かされてしまうところがあった。悩ましく、根の深い病気だった。

 また傷付くだけになるかもしれないと思いながら、出会い系掲示板を開いてしまう。

 

 ついに私は、僕と出会った。

 

 HNりんご。

 

 りんごくん。ふふ、と笑みが零れた。

 私が付けた安直な名前と、妙に発想が似ていたのが面白かった。

 その子が、誠実で優しいメッセージを送ってくれたから。

 もしかしたらって。最初は興味本位で、始めてみたの。

 それからの日々は、まるで夢のようだった。

 当初の進路相談なんてもうどうでもよくて、ただあなたと話しているだけで楽しかった。

 本当はね。あなたにも自信がないことは、わかっていたの。

 なのにあなたは、そんなことおくびにも出さなくて、ただ一生懸命私を励ましてくれて。

 優しい想いが伝わってきたから。幸せな気持ちになった。

 そして、私もあなたの寂しさとか、つらさがよくわかったから。

 いつしか、どうしようもなく好きになっていた。

 深く愛して、この身と愛でいっぱいに満たしてあげたいと思った。

 ……ずっとおっぱいを見つめてくるところには、ちょっとだけ辟易したけれど。

 大好きの前では、それも愛嬌だった。

 運命の人だと思った。素敵な偶然が引き合わせてくれた、奇跡だと思った。

 四人も回り道をしてしまったけれど。それはあなたに会うための準備だったのだと、今なら思える。

 恋愛に下手で不器用なあなたを、私なら上手く導いてあげられるから。

 

 ねえ。

 

 あなたが私になりたいと言ってくれたとき。最初はちょっとびっくりしたけれど。

 実はこっそり、私も夢描いていた。妄想を膨らませては、あそこを濡らしていた。

 だから私も、あなたの気持ちがよく理解できてしまったの。

 だってあなたは、私にないものをたくさん持っていたから。素敵な魅力をいっぱい備えていたから。

 嬉しかった。

 言われてからは、ますます意識しちゃったよ。募る想いは、もどかしさは、日に日に強くなって。

 えっちなこともいっぱいしたよね。一つになったら何をしたいか、たくさん話し合ったよね。

 幸せだった。できることなら、ずっと。その先まで。

 二人で、一つになって。

 ついに、今日――。

 やっと。やっとだね。

 深く結ばれて、愛し合って。とろとろに溶け合って。

 

 そして――。

 

 夢の最後で。

 私は僕であったことを思い出し、僕は私であったことを思い出した。 

 僕たちの想いは、確信へと変わった。

 

 そうだ。そうだったの。

 

 僕がずっと、私になりたかったように。

 私もずっと、僕になりたかったの。

 

 

 ***

 

 

 長い夢の果て。互いが互いのすべてを知り、体験したとき。

 その上で受け入れたいと、一つになりたいと想い固めたとき。

 二人の心が溶け合い、精神が互いの境界をなくす。

 変化を阻む、最後の砦が崩れ落ちたとき。

 現実へと、感覚が戻ってきた。

 今や統合されつつある精神に合わせて、肉体も生まれ変わる。

 まず、平坦な胸板に変化が生まれた。

 徐々に丸みを帯びて、胸が膨らんでいく。これは私の胸であり、そして僕の胸にもなるものだ。

 陥没していた先端が、盛り上がっていく。私の凹みに僕の膨らみが結合して、確かな土台と形を作る。

 私たちの乳首が、つぼみがついに顔を出す。

 顔が熱くなる。形が作り変えられていく。

 目も鼻も口も、輪郭までもが蠢いて。僕らを混ぜ合わせて、求めるところへ移り変わっていく。

 一度腹が割れ、力強い腹筋が覗いたかと思うと、外側から包むようにして、柔らかな脂肪が覆い隠していく。

 手足もそうして、内側の僕の筋肉を、私の脂肪が覆っていった。

 喉の奥からは、絶え間なく嬌声が漏れる。

 同時に、僕と私の声が調和して、響いていた。

 僕たちは、ついに一つになろうとして――生まれ変わろうとして、変化の苦しみと歓びに喘いでいる。

 元々存在を異にする者同士。多くのことが、正反対で。

 何もかも足りないもの同士が、お互いを求めて、性の断絶をも越えて。

 ぜんぶ溶けて混ざって、いっこになるのだから。

 出産よりもさらに、困難な行程には違いなかった。

 変化には大きな痛みを伴うが、それ以上の快楽物質が吹き荒れることで進行を支える。

 何より、魂の奥底まで深く愛し合い、固く、分かち難く結び合わさることへの歓びは、何物にも代えがたい。

 僕のモノはとうとう、私の中へと引き込まれていった。

 肉棒は退化して、私のクリトリスへと合流する。

 失われる寂しさはあったが、しかし大きな喪失感はなかった。

 男としての機能までは失われないことを、体内にはその名残を宿すことを。

 私たちは、その気になればいつでも、私たち自身の子供を作れることを――本能は、カラダは知っていたからだ。

 

 僕たちの共同作業は続く。私たちが望む方向へと、変化はクライマックスを迎える。

 

 僕たちは、女の子になりたかった。

 欠けたものを埋め合わせて。繋ぎ合わせて。

 もっと望ましく、好ましく、素敵で。

 もっと自信に満ちていて、人からも愛されるような。

 そんな魅力に満ちた、可愛い女の子になりたかった。

 僕だけでは。私だけでは。とても自信がないけれど。

 私たち二人なら、なれると思った。

 

 生まれ変わりの人生の、第二次性徴が終わる。

 新しい19歳の自分へ。現在へと肉体のステージが到達する。

 胸は充実し、腰はきゅっとくびれ、股には綺麗なアンダーヘアが生え揃い。

 

 僕と私は――わたしは。

 

「んああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーっ!」

 

 その瞬間を、女としてのオーガズム――絶頂とともに迎える。

 間断なく続く快感の津波は、長く苦しい変化のトンネルを抜けた二人への、新たな旅立ちへの祝福なのだ。

 わたしは、感じ入るまま存分に、生まれ変わった絶叫を、雄たけびを上げた。

 透明感のある、ちょっと甘えたような、しかし凛とした力強さをもどこかに感じさせる、そんな声で。

 

 

 ***

 

 

 こうして、僕たちは――生まれ変わったいっこのわたしは。

 

 男ならまず目を見張るような、ふくよかで形の整った胸を持ち。

 その豊かな胸をさりげなく際立たせる、くびれた腰を持ち。

 お尻は安産型で、大きくて。でもたるむことなく引き締まっていて。

 むちっとして肉付きがよく、けれども内側はしっかり鍛えられた、白く美しい手足を誇り。

 それから。

 まんこを。おまんこを。

 僕にはなかったもの。私が与えたもの。女体の神秘を宿して。

 濃過ぎない程度に濃い――僕が好きだと言ってくれたから――ふさふさに整った陰毛を備え付けて。

 僕のすべては捧げられ。私のすべてを味わって。

 私を想う僕と、僕を想う私の心とが渾然一体になって。

 ついに真の意味で結ばれた、深い歓びと感動を噛み締めながら。

 二人でともに作り上げた乳首を、ビンビンに勃てて。

 私と僕をともに想って、股をとろとろに濡らしていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。