貞操逆転世界で【種付けおじさん】に選ばれたので、美少女たちの体も心も完堕ちさせてしまう話。 作:黒い床
――制服を汚すわけにはいかないから。
そんな建前で、俺たちはお互いに服を脱いでいく。もう夏服に移行していたから、下着姿になるまでにはそれほど時間はかかわなかった。
小宮は白いレースの下着をつけていた。
魅惑的に実った大きな胸は、少し小さめのブラに包まれて窮屈そうに見える。下腹部を隠す純白の三角形には、赤い花の刺繍がしてあった。
「せ、先輩って……実は身体も鍛えててズルいですよね」
「鍛えてるってほどじゃないぞ? ジムで軽く運動してるだけだ」
「……そんなにエッチな身体をしておいて、謙遜しないでください」
「お、おう」
やけに視線を感じると思ったら、俺の身体を見ていたのか。
そこまでがっつり鍛えてるわけじゃないんだけどなぁ。でも『エッチな身体』と言ってもらえるのなら、日々頑張っている甲斐はあった。
「そういう小宮もエッチだと思うぞ? ……胸も思ってたより大きいし」
「最近、おっきくなってきたんです。この前測ったときはEカップでした。でも、またブラがキツくなってきて……」
「…………」
(Eでキツいなら、今のカップ数は……)
そう考えそうになって、ぐっと堪えた。あくまで紳士的に――そう自分に言い聞かせて、そっと小宮の身体に手を伸ばす。
敏感なところにはまだ触らない。小宮の輪郭を確かめるみたいにゆっくりと肌を撫でていく。
やがて肌と肌が馴染んできたところで、小宮の身体を優しく押し倒した。
きぃ、と軋む。桃色の髪がはらりと枕に広がった。
小宮と目が合うけれど、俺は何も言わず、彼女の体を撫で続ける。腕から首、首から脇腹、脇腹から脚。決定的なところには触れずに焦らし、小宮の一番外側を堪能する。
「せ、先輩……? 手つきが、えっちぃ、です……」
「嫌か?」
「イヤ、じゃないですっ、けど。なんか、ぞわぞわしちゃって……」
潤んだ瞳が俺を見上げる。
不安そうで、なのに、期待も滲んでいる表情。嗜虐心が煽られて堪らない。脚の外側からつま先に辿り着いた俺は、復路の経路に内腿を選んだ。
「んっ……!?」
すぅ、と指先が小宮の内腿を通過する。無駄な脂肪はないけれど、女性的な丸みは感じられる。それが無性にいやらしくて愛おしい。
俺は小宮の内側に入り込むことが許されている。
そう意識するだけでどうにかなってしまいそうだった。
「ひゃあっ!? そ、そんなところ……!」
秘所にだけは触れず、指先はおへその周辺に着地する。
小さな窪みを囲うようにくるくると撫でると、小宮はくすぐったそうに身じろいだ。
「なに、これぇっ。へんなかんじぃ」
「気持ちいいならよかった」
おへそを責めるのはいったん止めにして、小宮の体から手を離した。
「あっ」と名残惜しそうに小宮が声を漏らす。
再び俺と目が合うと、熟したトマトみたいに顔を真っ赤にしながら言った。
「っていうか、さっきからわたしがしてもらってばっかりなんですけど……。わ、わたしがリードするつもりだったのにぃ……」
「小宮が可愛いからつい、な。男が積極的なのは嫌か?」
「…………イヤなはず、ないです。ふわふわしてどうにかなっちゃいそうです」
「ならよかった」
俺も経験があるわけではない。……おそらく前世を計算に入れても、これが初めてだ。
だけど、何となく小宮が何をしてほしがっているのかは分かった。
――直感。
これが種付けおじさんになった効果なのだろうか?
「胸、触っていいか?」
「お好きに、どうぞっ」
まずは下着の上から小宮の胸に触れた。
ふにゅん、と程よい弾力と柔らかさが返ってくる。
「あっ、ん……、ぅん……♡」
悩ましげな声と共に姿を現したのは、下着越しの突起だった。
まだ少ししか勃起していない彼女の突起。その周りで円を描くように指を動かすと、小宮は焦れったそうな声を出した。
「ん……んぅ……♡ あっ…んん♡」
突起は徐々にぷっくりと存在感を増していく。
そこにはまだ触れないようにしながらも、指で描く円は少しずつ小さくする。いずれ真ん中に辿り着くのだと、刷り込むように。
「先輩……♡♡」
吐息を帯びたその声は、とてもいじらしいおねだりだった。
口をぱくぱくさせて、もどかしそうに自分の胸を見つめている。
「触ってほしいか?」
「ほしいっ、です……おねがい、します」
小宮は、こくこく、と勢いよく頷く。だけどそんな様子を見ていたら、少し意地悪をしたくなってしまった。
「どこを触ってほしいんだ?」
「っ!? そ、それ、は……」
「言ってくれたら、ちゃんと触って気持ちよくしてやるよ。だから教えてくれ」
「~~っ!」
俺が言うと、小宮は可愛らしく悶えた。
直接言葉でおねだりするのは恥ずかしい。でも、触ってほしい。
そんな葛藤をしているのが表情だけで分かる。
くるくる、くるくる。
小宮の言葉を待ちながら円を描き続けていると、やがて彼女は観念したように甘ったるい声を上げた。
「おねがい、しますっ♡♡ わたしのきもちいいところ……♡ ちくびぃ♡ さわってください♡♡」
「――わかった」
正直、俺も我慢の限界だった。
食い気味に頷いて、下着の上から小宮の突起に口づけをする。勃起した乳首を布越しにちゅぅぅっと吸いながら、舌先で転がした。
「あっ、うそっ、なにこれっ!?♡ んんっ~~~~~~♡♡♡」
びくんびくん、と小宮の体が痙攣した。
ここまでで聞いたことがない大きな嬌声が響く。
でも、この程度の快感では小宮を焦らした時間に見合わない気がする。我慢できたいい子にはきちんとご褒美をあげるべきだ。
だから――更に激しく責め立てる。
「っ、だめ、わたしイって……♡♡ んっ、おかしくっ♡ ああっ……!?♡」
びく、びくびくっ。二度目の痙攣は一度目よりも大きかった。小宮の腰がいやらしく跳ね、かと思えば、全身から力が抜けていく。
胸から口を離すと、白い下着はすっかり透けてしまっていた。桃色の乳首がぺったりと貼りついていて色っぽい。
「脱がすぞ」
「……はい♡」
軽く体を浮かせて、ブラを剥ぎ取る。
窮屈なブラから解放されたことで、小宮の胸はさっきまで見ていたよりも一回り大きくなったように感じた。
豊かな膨らみの頂点では桃色の乳首がきゅぅきゅぅと勃起している。
「すごく綺麗でえっちだ」
「~~っ!? じろじろ見られると恥ずかしいです……」
「知ってる」
「ひゃっ、んん~~っ!?」
短く言葉を返しながら指で乳首を弾くと、また小宮の体が痙攣した。
小宮の胸を満足いくまで愛撫した後、その手を彼女の秘所へと伸ばす。試しに下着の上から軽くなぞると、ぴちゃ、と水音が聞こえた。
「あっ……♡♡」
「このままだと汚れちゃうから、脱がしてもいいな?」
こくん、と恥ずかしそうにうなずく小宮。
ショーツを脱がすと、ぐしょぐしょに濡れた割れ目が顔を出す。
おそるおそる指先で触れると、
「んんん~~~っ♡♡♡♡」
と嬌声が弾けた。
小宮の秘所は火傷しそうなほどに熱い。入口をなぞるように指を動かすと、ぴちゃぴちゃと水音が小さく鳴り、第一関節が愛液まみれになった。
人差し指を秘裂へと差し込む。外側よりもいっそう熱い膣内は、指をぎゅっと包み込んできた。
「んっ、んあっ、あっあっ……♡」
第二間接まで入ったところでいったん止めて、指を折り曲げる。人差し指の先端で膣内を探るようにかき混ぜると、またしても小宮の体が小刻みに震え出した。
「んんっ~~!? そ、それっ、ゃぁ、あぁっ……♡♡」
内側から愛液がどんどん溢れ出してくる。
膣肉がぎゅうぎゅうと指を抱き締め、もっと中へと懇願していた。
そのおねだりに応えて、人差し指をもう少し膣奥へと潜り込ませる。小宮は体をピンと伸ばして、僅かに腰を浮かせていた。
「あっ、ああ……んあっ~~……っ♡♡♡」
こつん、と指が何かに当たる。
何かの『口』のようなものだった。それを指でちょんっと触ると、小宮が恥ずかしそうに教えてくれる。
「せ、先輩……そ、そこはっ♡ 赤ちゃんの……♡♡」
「赤ちゃんの? ……あっ、なるほど」
赤ちゃんを作る場所――子宮の入口。
「……こんなに手前にあるものなのか?」
「っ!? わ、わかんない、ですけどぉ……♡♡ きもち、よくてぇ♡ 降りてきちゃってるのかもですっ♡」
「――っ!」
それはズルいだろ。
理性が一瞬にして吹き飛びそうになる。唇を噛んで何とか堪えた。そうでもしないと、いきなり乱暴にシてしまいそうだったから。
「……もう、入れても大丈夫だよな?」
「はあ、はあ……♡ いい、ですよ♡」
恥ずかしそうにしながらも、小宮の視線は俺の下腹部を向いていた。
びくん、と思わず反応してしまう。
自分を落ち着けるように深く息を吸ってから下着を脱ぐと、上向きに反った陰茎が露わになる。
「っ!? ……お、おっきい……です、ね」
「怖いか?」
「い、いえ! で、でも、こんなにおっきいのは……動画でも見たことなくて……」
「動画? AVのことか?」
「~~っ!? そっ、それは……その…………エッチな女でごめんなさい」
小宮は両手で顔を覆って「う~う~」と唸った。
可愛い生き物すぎる。
そして、小宮でもAVを見るのか。……なんか、すっごく興奮するんだが。肉棒にぐんぐん血が送り込まれていくのを感じる。
「ま、またおっきくなった……!?」
「小宮がエロ可愛いせいだな」
「エロかわっ!? わ、わたしが、ですか……?」
「まだ十八歳未満なのにAVを見てオナニーしてるんだろ?」
「ちっ、ちが……くはないですけど! でも違うんですっ! わたし、男優さんにはちっとも興味がなくて……」
顔を真っ赤にしながら主張してくるので、ひとまず話を聞いてみることにする。
「じゃあどうしてAVを見てたんだ?」
「それは……せ、先輩とエッチなことをする妄想のため……です」
「え?」
「……男優さんの顔とか身体とか……おちんちんとか……そ~ゆうのを先輩に置き換えて、妄想してたんです! 先輩以外の男の人でオナニーとかできないですから!」
「…………」
「む、無言はやめてくださいよぉ! 惨めになるじゃないですかぁ!」
ヤケクソに言い切ったかと思えば、今度は半泣きになる。
コロコロと表情を変える小宮が――堪らなく愛おしかった。
っていうか、今の告白がエロすぎる。今までずっと俺でオナニーしてきた? 俺以外ではオナニーできない?
なんだよそれ!! ズルすぎるだろうが!!!
「これからはそういう動画を見なくても済むな。……本物の感覚、よく覚えておけよ」
「~~~~っ♡♡♡♡」
小宮の瞳が甘く蕩けた。
ぷしゅぷしゅ、と秘所から愛液が零れてくる。早く早くと言葉なくおねだりをしてきているみたいだ。
「入れるぞ」
「っ、は、はい……♡」
陰茎の先端を割れ目に這わせ、くちゅくちゅと馴染ませる。カウパーを愛液が混ざって陰茎を濡らしたたところで、ゆっくりと挿入を始めた。
「んっ、ああ……っ、う、んん~~っ♡♡」
「大丈夫か?」
こくこく、と小宮が頷く。
まだ亀頭しか挿入できていないのに、小宮の体がひくひくと小さく痙攣を始めているのが分かった。膣内は陰茎の先端をなんとか咥え込み、締め付けてくる。
大丈夫そうなら、と挿入を再開する。小宮の膣内は本当に狭くて、奥に入っていくたびに彼女の体を広げているように思えてくる。
「っ、んああっ♡ やっ、んんっ~♡♡」
小宮の声は、想像よりも甘ったるかった。
「……痛くないか?」
「ちょ、ちょっと、だけ苦しいです……けどっ、それよりもずっと、きもちいいです♡」
「――っ」
「あっ、おく、までぇっ♡♡ んんっ~~~~~~!?♡♡」
九割ほど挿入しきると、小宮は甲高い喘ぎ声とともに絶頂した。
びくびくと跳ねた体は、残りの一割を自ずから埋めてくる。
既に最奥に達していた先端は子宮口に押し付けられた。
「んああっ~~~~~~~~ッ♡♡♡♡♡」
大きな絶頂。それに伴って膣肉がぎゅっと締まり、陰茎から精液を搾り取ろうとしてくる。
今すぐ出してしまいたいくらいに気持ちいい。
だけどここで終わるのは勿体ない気がして、はああ、と吐息に快感を逃がす。
「……全部入ったぞ」
「っ、奥……やばっ、んん♡ 先輩の、んっ♡、ここ、ぁっ♡ 凶器すぎます……♡」
「動いてもいいか?」
「っ、はい♡ もう痛くないのでっ、いっぱい、動いていいですよっ♡♡」
「あんまり煽んな――!」
「んふあぁっ♡!?」
ここまで煽られて、興奮しない男がいるわけがない。……いや貞操逆転世界にはいるのか? まあ、どうでもいいか。
今はただひたすら――小宮を貪りたい。
「やっ、ああっ、んにゃぁっ♡ はっ、んあっ、にゃ、んあ~~~~っ♡」
「はあっ、はあっ」
「あんっ♡ うぅぅんっ♡ やっ、こすれて、ひろがって♡ おかしくなっちゃうよぉ」
奥に挿入しても、膣内から抜こうとしても、ずっと気持ちよかった。
入れるときはぎゅうぎゅうと締め付けてくる膣肉を押し広げる快感が堪らない。逆に抜くときには絡みつく膣肉をごりごりと削る亀頭に快感が集まっていた。
理性はとっくに弾けている。
結合部の熱さが全身に伝播していた。
心地のいい眩暈を感じながら、貪るように肉棒を抜き差しする。
「んあ♡♡ だめっ、もう、イってるのにぃ♡ んにゃっ、あんっ♡♡」
「くっ……俺も、そろそろ、出る」
「っ♡ いい、ですよっ♡ いっぱいください♡♡ せーえきっ♡ だしてっ♡♡」
せりあがってくる快感を吐き出す場所を求めて、俺は勢いよく陰茎を奥まで挿入する。
ごつん、と亀頭が子宮口に頭突く。
その瞬間、
――どくどくどくっ
と白い稲妻が弾けた。
「っ~~~~♡♡♡」
「っ、く……」
小宮の最奥に欲望の塊を全部ぶちまけた。
「あっつぅ……♡ しかもこんなにいっぱい……」
「はあ、はあ……大丈夫か?」
「だ、大丈夫じゃ、ないかもです。お腹、パンパンです……♡」
「…………抜くぞ」
「あんっ♡」
射精し終わった肉棒を引き抜く。
微かに小宮が体を震わせると、秘裂から白濁した液体が溢れてきた。
「あっ、やだっ。もったいないです……」
「――っ」
精液を零すまいと小宮が割れ目に指で栓をした。
その仕草があまりにもエロくて、瞬く間に肉棒が硬さを取り戻す。
「あと四回、だな」
「っ♡♡ ……先輩、わたしをめちゃくちゃにしてください♡」
「……ああ、望むところだ」
ぱんぱんに膨らんだ肉槍を小宮の体に突き立てる。
愛液と精液で滑りがよくなった膣内は、すんなりと俺を受け入れてくれた。
ぱんっ、ぱんぱんっ、と力強く腰を打ち付ける。
「んんぁっ~~!? せいえきっ、おなかのなかでゆれてぇっ♡♡」
「はぁ、はぁっ」
「やばっ、だっめぇ…♡ もどれなくなっちゃうっ~♡♡」
「――っ」
――二発目。
「んああっ♡ すきぃっ♡ せんぱい、すきぃ♡ んあああああっ~~~~!?」
「はあっ――」
――三発目。
「お゛お゛っ♡♡♡ あ゛~~~~♡♡」
「っ、はあぁっ!」
「ん゛ああああああ゛っ~~♡♡ ん゛ぉあああああ♡」
――四発目。
「ん゛お゛ぉ♡♡ しぇんぱい♡♡♡ しぇんぱいしぇんぱいしぇんぱいしぇんぱぃぉぉぉぉ゛~~~~!?♡♡♡」
「これがっ、最後だ――ッ!」
「っ゛♡♡ ん゛あああああああああああああああああ゛~~~~~~♡♡!?」
――五発目。
脱出ミッションを達成する頃には、小宮はめちゃくちゃに乱れていた。どこか下品にも感じられるいやらしい声で喘ぎ、口の端から涎を垂らしている。
下腹部は精液でドロドロだった。おまけに、へその辺りが少し膨らんで見える。注いだ精液がお腹に溜まってしまっているのだろう。
******
おめでとうございます!
脱出ミッションをクリアしたため、【セックスしないと出られない部屋(レベル1)】から脱出します。
獲得リザルトはアプリからご確認ください。
******
壁の液晶画面に脱出ミッション達成の報せが表示される。
――と同時に。
ここに来たときと同じように、目の前が真っ白に光った。
◇ ◇ ◇
目を開けると、生徒会室に戻ってきていた。
その光景があまりにも日常に染みついたものだったから、さっきまでの出来事が夢だったんじゃないかと思えてくる。
「~~~~っ♡!?」
ばさっ、と小宮が不意に立ち上がった。
びっくりしてそちらを向くと、小宮と目が合う。その瞬間、小宮の顔が熟れたトマトみたいに真っ赤に染まった。
「あっ、えっ……あの――」
「……小宮?」
「っ、きょ、今日は帰ります! また明日から頑張るので!」
「ちょっ――」
引き留める間もなく、小宮は荷物をまとめて生徒会室を飛び出した。
ばたばた、ガタガタと慌ただしい音の余韻だけが残り、それもすぐに消える。生徒会室に残ったのは俺一人。
「あの反応……やっぱり夢じゃないってことだよな……?」
と独り言ちる。
確証と呼ぶには弱いけど、明らかにさっきまでの出来事を受けての反応だった。最後の方はかなり激しくヤったしな……むしろあの程度で済んでよかったと思う。もっと怖がられる可能性もあった。
――キーンコーンカーンコーン
一人で考えていると、下校時刻を報せるチャイムが鳴った。
時計を見れば、もう十九時を過ぎている。
そういえばあの部屋の壁には、
******
また、【セックスしないと出られない部屋(レベル1)】滞在中は3分の1の速度で時間流れます。
******
と書かれていた。
俺が生徒会室に来たのは十七時くらいだったから、だいたい二時間経っている。計算上、あの部屋で過ごしたのは――六時間ということになる。
「…………いったん家に帰るか」
考え始めたら、あの部屋での出来事を思い出してしまいそうなのでやめる。
あんなに乱れた小宮の姿を思い出したら――また勃起して帰れなくなる気がする。
手早く帰り支度を済ませ、俺はそそくさと生徒会室を後にした。
◇
中等部から高等部に上がったタイミングで、俺は一人暮らしを始めた。
両親が仕事の関係で海外に行くと言うので、日本に残らせてもらうことにしたのだ。とはいえ、貞操逆転世界における男の一人暮らしはハードルが高い。両親が色んな物件を吟味した結果、かなりセキュリティが厳重な高層マンションの最上階という、非常にブルジョワな家に住むことになった。
いつものように家事を済ませ、夕飯を食べて落ち着いてからスマホを開く。
もちろん確認するのは【種付けおじさんアプリ】だ。
******
おめでとうございます!
チュートリアルクエスト1をクリアしました!
獲得リザルトを確認してみましょう。
******
アプリを開くと、すぐにそんな案内が表示された。
『確認する』というボタンがあるので、タップしてみる。
******
【獲得リザルト】
種付け経験値:100
施設経験値:20
受精経験値:100
以上がステータスに反映されます。
******
……ひたすら胡乱なリザルトだけど、今は気にしないで『次に進む』を選ぶ。
******
・あなたのレベルが1から2に上がりました。
・小宮四葉のレベルが1から2に上がりました。
******
レベルとやらは、俺だけじゃなくて小宮にもあるらしい。そういえば相手を選ぶ段階で小宮の名前の後ろに『レベル1』と記されていた覚えがある。
……まるでゲームみたいだな。いや、【孕ませクエスト】というアプリである時点で、ゲームなのだろう。
起きた出来事から考えてみると、このゲームを仕掛けてきている〝何者か〟は超常的な存在だと言っていいと思う。
神、悪魔、或いはそれに類する〝何者か〟。
具体的なことは分からないが、人知を超えていることは間違いない。明らかに人の手でできる領域を超えている。
「焦って答えを出そうとしても無駄か。……それよりも今は現状把握に徹した方がよさそうだな」
と結論づける。
実際、まだこのアプリのこともよく分かっていないのだ。色々といじってみるに越したことはない。
どうやら俺と小宮、それぞれのステータスを確認できるらしい。
まずは自分のステータスから開いてみる。
******
名前:間藤零士
ジョブ:F級種付けおじさん
レベル:2
残り能力ポイント:2
種付け回数:5
・小宮四葉(レベル2)
所持施設:1
・【セックスしないと出られない部屋(レベル1)】
******
……お、おう。
戸惑いはするものの、大抵はこれまで案内されたとおりの内容だ。気になるのは『残り能力ポイント』という項目だろうか。これは初めて見た数値だ。
ステータスの『残り能力ポイント』の文字をタップすると、画面が切り替わった。
******
残り能力ポイントを使用して能力パラメーターを強化することが可能です。
残り能力ポイント:2
【能力パラメーター】
筋力:85(B)
体力:89(B)
知力:95(A)
魅力:80(B)
******
なるほど……『能力パラメーター』はステータスと別枠に存在するらしい。
数字の後に書かれているアルファベットは、ランクのようなものだろうか? ゲームっぽく考えるのなら、AとBしかない俺はそこそこ優秀なように思える。
「試しに割り振ってみるか。えっと――」
検証として、体力と魅力にそれぞれ1ずつ能力ポイントを割り振る。
すると能力パラメーターは次のように変わった。
******
【能力パラメーター】
筋力:85(B)
体力:90(A)
知力:95(A)
魅力:81(B)
******
体力がBからAになったことから、『90以上がAランク』という仮説が浮かび上がってくる。他の要素がある可能性も否めないが、いったんはこの仮説を信じておこう。
次は小宮だ。
若干気が引けるものの、今は割り切ってステータス画面を開く。
******
名前:小宮四葉
レベル:2
残り能力ポイント:2
性行為回数:1
経験人数:1
膣内射精:5
口内射精:0
肛内射精:0
顔面射精:0
性的傾向:マゾ寄り(70%)
好きな体位:寝バック
******
「………………」
絶句だった。
まさかこんなものが見えてしまうとは思わなかったのだ。
いわゆる〝エロステータス〟。
前世ではエロゲーでたまに見かけたが、貞操逆転したこの世界では初めて見た。
見てはいけないものを見てしまった居た堪れなさと、【孕ませクエスト】の異常性を思い知る。やはりこのアプリは何かがおかしい。
小宮のステータス画面を閉じると、また新しい案内がポップアップした。
******
以上でチュートリアルは終了です!
まずはレベルを上げて、E級を目指しましょう!
S級に到達したプレイヤーには、特別なギフトが与えられます!
******
何となくだが……まあ、このアプリについて理解することはできた。
現在の俺のジョブは『F級種付けおじさん』。レベルを上げていくことで、種付けおじさんとしてのランクを上げていくことができるらしい。
目指すべきは『S級種付けおじさん』――到達すれば特典が用意されている。
「こんなの、やるわけないだろ……」
呟きながら、持っていたスマホをベッドに放った。
この【孕ませクエスト】は怪しすぎる。生徒会室ではお試し感覚で触ってしまったが、実際に異常な出来事が起きてしまった以上、もう使うわけにはいかない。
――ぶるるっ、ぶるるっ
枕元で小刻みに震えるスマホ。
拾い上げて確認すると、次のような文章が表示されていた。
******
一定期間内にレベルアップを確認できなかった場合、種付けおじさんの資格を他のプレイヤーに移譲します。
******
――それはある種の脅しだった。
やる気がないなら取り上げるぞ、と。お前以外の奴に渡すぞ、と。
このアプリの異常性を理解したからこそ、この脅しが効いてしまう。
もしも俺以外の、悪意のある第三者がこのアプリを手にしてしまったら――?
自分なら真っ当に使えると言いたいわけじゃないけど、その気になればいくらでも悪用できてしまう危険なアプリだ。顔も知らない第三者の手に渡ることを想像すると、途端に怖くなってくる。
もしも俺の知り合いが第三者の餌食になってしまったら――?
そう考えると、まだ自分が持っていた方がマシに思えてくる。
「よし、ルールを決めるか」
ルールさえ決めておけば、たとえ持っているのが自分であっても〝やりたい放題〟にはならない。
一晩中考えて、次の三つを絶対厳守のルールとすることにした。
******
【アプリ使用上のルール】
・相手の同意を得ないかぎり、性行為やそれに類する行為はしない
・能力ポイントを割り振らない
・性行為をする際には、決して相手を軽んじない
******
アプリの案内曰く、【孕ませクエスト】の存在を教えることはできないらしい。説明しようとすると、規制がかかるのだとか。……怖すぎる。
本当は『アプリの存在を明かしたうえで同意を得る』というルールにしたかったところを諦めて、この三つになった。
「問題はこのルールを守りながらレベルアップできるのか、だけどな……」
難しいかもしれない。……でも、ルールを緩め始めたらなんでもありになってしまう。
だから、ここは俺が頑張って何とかするしかない。
――まずはE級種付けおじさんを目指して。
俺の【孕ませクエスト】はこうして始まったのだった。