(負けは、ないな)
剣……とはいえ木刀だが、それを構えて向き合って、よくわかった。
やはりセントには武術系の経験はないし、武術・戦闘技能系のツリーもない。
ハハキは『指揮官ツリー』『独自能力ツリー』『経験技能ツリー』という三つのツリーを認識している。
指揮官ツリー・幹部ツリーは戦闘員指揮や従属を強いるものなど、セントのものと変わらない。
独自能力は『竜』に関するものが多い。基本的には竜の鱗にまつわる丈夫さ・鋭さなどを上げるものだ。身体能力も上げることができる。
経験技能ツリーは、剣術にまつわるものが発現している。
これまで修めた技術が『スキル』という形式で認識されたことで、ハハキの動きの鋭さは何段階も上がった。
かつては『総合力で勝利はしたが、技術ではまだ学ぶところがある』と評価していた父が、今や『技術面でも、もう何も学ぶところのない相手』という存在になっている。それほどまでに、『ツリーを認識できているかどうか』は人の能力に影響する。
ハハキは『強者として』告げた。
「最初に一撃、入れるといい。貴様の力を見せてみろ」
『影のセント』。
ハハキから彼へ抱いた第一印象は、『軽薄そうで卑怯そう、何を考えているかわからない男』だった。
顔の造形はいいのだけれど、内心の軽さというのか、周囲を舐めているような、見下しているような心根が、表情の奥にあるような気がするのだ。
薄っぺらい男──『口は、うまそうだな。それで、総大主教様に取り入ったのか?』というのが、ハハキの抱いていたセントへの印象だった。
初日に彼を打ち据えてみて、『一応、幹部として最低限の資格はあるか』と判断したが、それだけだった。
彼について考えていくうちに、『私が鍛えるべき原石なのだな』というように思えてきたが、それはセントへの実力評価が上がったことを意味しないし……
ここで手加減をする理由にもならない。
だからこそ、最初の一撃を許した。
セントは、
「いや、すみませんね。では……」
そう言って、だらだらした足取りで近付いてきて……
木刀は下げたまま、手を伸ばしてくる。
遅い。武的ではない。だからこそ何をするか読めない動き。
『一撃許す』ということを言った手前、抵抗せずに見ているが、何がしたいのかわからない。
セントは、手を伸ばして──
ハハキの胸を隠すサラシを、引きちぎって、捨てた。
ぶるんっ、とハハキの巨乳が衆目にさらされる。
自分の『女としての価値』を軽視してはいるし、竜の因子のデメリットで露出せねばならないから、肌を見られることに慣れてもいる。
だが、胸を見られることを恥ずかしがる感性も、残っている。
「な、あ──」
みるみる顔を赤くしながら、しばらく、理解ができず、自分の胸と、セントの顔とを、交互に見ていた。
セントは、
「あれ、一撃だけって話でしたけど、追撃もしていいんですか?」
おちょくるように、言った。
それで、ハハキは、決めた。
「……死ぬ寸前までは、覚悟してもらうぞ!」
セントに対する好感度が上がっていなければ『殺す』で終わったところだった。
ハハキは上腕と脛から下あたりに竜鱗を顕す。
すると瞳が赤くなり、縦の瞳孔が入った。
腰の後ろ──股上の浅い袴から出た尾骶骨あたりから、竜の、太く鋭い尾が出現する。
さらに露出された背中からはコウモリにも似た、しかしそれを百倍にも千倍にも力強くしたような翼が出て……
口には牙が生え、額には二本の細長い角が生えた。
ここまでの変化を一瞬で終えると同時、ハハキはすでにセントに斬りかかっている。
手にしているのは木刀。とはいえ『剣術』のスキルで強化し、腕力に耐えきれるようにした木刀を、竜の膂力で振るうのだ。
その破壊力、絶大そのもの。
セントが不格好に避けたため、勢いあまって地面に切っ先を叩き込んでしまう。
それはハハキが道場として使うために張らせた板をぶち抜き、シェルターとして設計されたはずの外壁に突き刺さった。
怒りに任せたせいで勢いが強くなりすぎた、剣士としては未熟な一撃──
だが、戦闘員どもを浮足立たせるには、充分だった。
周囲で見学させている戦闘員たちが、ざわつく。
ハハキは、
「この男の敗北を見るまで、ここを動く者、許さん!」
セントは、口笛を吹いた。
「おっぱい丸出しでそんなこと言えるの、かっこいい」
「……殺す!」
もはや、好感度が上がっているなどということは関係ない。
羞恥と屈辱が憤怒を生み、ハハキの身から加減が一切なくなっていった。
セントは速くない。
だが、当たらない。
当てようという直前、自分が何を狙っていたかを一瞬忘れてしまうかのような呆けが頭をよぎるのだ。
そしてほんの一瞬、セントという目的を見失う。その間に、セントはわずかに移動し、それでギリギリ、ハハキの剣を避けている──
(……冷静になれ。剣筋が荒い)
──攻撃され、回避される。
そういうことを繰り返すうちに、ハハキの中に冷静さが戻っていた。
(普通にやれば、勝てる。勢いは必要ない。人を殺すのに適切な威力さえ出せればいい)
ハハキの動きが『剣術』に戻る。
その瞬間──
──セントの存在が、意識から消えた。
ハハキの剣が迷う。
一瞬後にはセントの存在を思い出すが、その時、すでに、セントは目の前にいない。
どこにいるのか?
「えいっ」
セントはあろうことか、ハハキの下、巨乳のせいで見えない場所にもぐりこみ……
袴を、下ろしていた。
「き、さ、まァァァァ!」
「結構ローライズだからどうしてんだろと思ってたけど、ノーパンですか」
ハハキは勢い任せで木刀を振るが、袴が足に絡まっているのと、怒りのせいで大振りになりすぎて、避けられてしまう。
パンツを穿けないのは、尻尾のせいだ。加えて、『竜』の制約のせいでもある。
上半身をさらすだけでは足りない。ハハキは『体を隠せるものの量』を少なく抑えねばならず、パンツは見えない箇所だからと制約のために身に付けていなかった。
……もちろんセントは、この戦いの前から、ハハキがノーパンであることを知っていたわけだが。
「ほらほら」
ハハキが袴を戻そうか迷っている間に、セントが木刀で突いてくる。
その攻撃は顔でも腹部でも脚でもなく、胸や股間を狙って突き出されていた。
威力はないが、そんな場所に木刀を当てられたくないという羞恥心はある。
ハハキは歯をギリギリと噛みしめて、袴を穿き直すのをあきらめた。
足首に絡まった袴から足を完全に抜き、竜鱗以外まとっていない全裸の状態で、セントに斬りかかる。
ハハキが攻撃に転じると、セントはまた逃げ一辺倒になった。
(殺す! 殺す! こいつは──鍛えてやろうなどと考えたのが、間違いだった! 私の醜態をここにいるすべての者が忘れるぐらい、残酷に、凄惨に、殺す! 私以上の恥を、死にながらさらさせてやる!)
殺意で視界が真っ赤になる。
ハハキの意識が、完全にセントに夢中になる。
剣筋がまた勢い任せになり、剣術的ではなくなる。
とはいえ威力も速度も、セントは避けるので精いっぱい、一発で当たれば死ぬ、というほどのものであることも間違いない……
「とら、え、たァ!」
速度と勢いだけでセントを追い詰め、ついに確実に当たると確信できる状況に追い込んだ。
──だがそれは、セントの誘ったことだった。
セントには戦闘能力というものはほとんどない。
武術もわからない。記憶はないが体が覚えている……ということも、なかった。
だが、彼は、他者を支配し、理不尽な目に遭わせてくる強い女を屈服させたいという気持ちだけはある。
対象となった女を尾行し、行動パターンを把握し、戦闘が始まる前に勝敗を確定させる粘着質な根気がある。
つまり、性格が悪い。
ハハキが『勝ち』を確信した一瞬を、セントは見逃さなかった。
そして、抑えていた存在希薄化スキルを、最大限に発揮した。
ハハキが対象を見失う。
木刀が空を斬り、衝撃波で戦闘員たちが吹き飛ぶ。
ハハキが探す先で……
「やっぱ、デカパイすぎて下が見えないんですね」
また、下から声がする。
ハハキは咄嗟に木刀を逆手に持って、足元を突こうとした。
だがそれより早く……
セントが、ハハキの乳首を強くつまみ、体重をかけて下へ引っ張った。
「──────」
ハハキは時間の流れが遅くなったかのような錯覚を覚えていた。
走馬灯。幼いころ、父に打ち据えられた時に見た感じ。なんで、今、流れているのか?
わからない。
わからないまま──『その時』が来た。
淫行スキルによって開発された乳首。
その快楽が、ハハキの背筋を駆けのぼり、脳髄に突き刺さる。
「────────ひ、ぎゃ♡ ひいいいいいいいい♡♡♡!?」
悲鳴のような嬌声だった。
セントはなおも乳首を下へ引っ張る。
ハハキは咄嗟に、剣を床に突いて、勝手に落ちていく体を、震えて力の入らない腰を支える。
倒れないように──なぜ、そうしているのかさえもわからない咄嗟の行動で、わけのわからない快楽への、必死の抵抗だった。
セントは容赦なく乳首を引っ張り続け……
パッ、と放した。
力が消えて、ハハキの体が反動で後ろへ倒れそうになる。
だが、支える。脚に力を込めて、倒れないように、後ろへ泳いだ上体を引き戻そうとして、
「あ、すげー濡れてる」
おまんこに、指を入れられた。
「は、ぎゃ♡」
不意打ちで一気に指を根元まで入れられた。
前へ戻そうとしていた上体がまた後ろに流れ、ついに体が支えられなくなり、背中から倒れる。
だがそれでも、おまんこには、セントの指が入ったままだ。
指で押し上げるようにしながら、セントは容赦なくハハキの中をかき混ぜた。
ハハキは木刀を持っていない方の手を伸ばし、セントの指を抜こうとした。
だが、おまんこを激しくこすられながら、持ち上げられ、腰がどんどん浮いてしまい、手が届かない。
「戦闘中だっていうのにめっちゃ濡れてるな。もしかして戦いで感じる変態?」
「ひっ♡ ちがっ、ちがっ♡」
「何が違うんだ? 人をぶん殴ろうとしながらこんだけ濡れてるって異常だぞ。変態だろうが」
「ちが、ううう♡ わ、私、こんな、おか、おかしいっ♡ おかし──」
「イけよ、変態」
「──イイイイイイイイ♡♡♡」
乱暴におまんこをいじられて、ハハキはイッてしまった。
仰向けで、腰を天に向けて突き上げるようにしながら、派手に汁を噴いて、イッてしまった。
全裸の上、戦いの最中で、部下の戦闘員たちが見ている前で、イかされてしまった。
「派手にイッたな。俺を叩きのめそうとしてたんだっけ? その俺にまんこに指突っ込まれて、こんだけの人が見てる前で潮吹きとか、変態以外のなんなんだ?」
「こ、ころす……殺すぅぅぅ……! き、貴様が、何か、卑怯な、ことを──」
「ああ?」
セントの空いている手が伸びて来て、素早く乳首をつまんだ。
そして、容赦なく、引っ張る。
「──お、ほおおおおおおお♡」
「デカパイの上で敏感乳首おっ立ててさあ。まんこほじくられながら『殺す』とか、なんだ? 笑わせに来てる?」
「そんっ♡ な、わけ、が、あ、る、か……!」
「どうもー。デカパイと影の薄い男でーす。僕たちの名前は覚えなくてもいいんで、デカパイの無様なイき様だけは目に焼き付けて帰ってくださいねー」
「き、さまあ!」
おちょくられて湧いた激しすぎる怒りが、ハハキの右手に木刀があることを思い出させた。
乳首を引っ張るためにセントの頭がそこにある。渾身の突きで、あの頭部を弾けさせてやる──
「危ねえなあ」
──ゴリッ。
セントが、おまんこの中で指を曲げて、クリトリス側に押し込んだ。
それは、
(え、なんで、なんで、私、あ、これ、だめだ。だめな、こと、された。それ、だめなんだ、私……)
ハハキさえも知らなかった、ハハキの弱いところだった。
「ひっ……ぎゅううううううううううう♡♡♡」
「あえぎ声がうっせえんだよ。アレか? 剣道とかで『メーン』ってやるやつ。お前の流派はあえぎ声も腹から出すの? すげえ卑猥流派だな」
「きさまぁ……♡ きさ、まあ……♡」
「よし、こっちもそろそろ攻撃に移るか」
おまんこを指で浮かされたままのハハキの視界に、ぼろりと出されたモノが映る。
男性器。ペニス。ちんぽ。
呼び方は様々あるが、勃起したそれが、ハハキのおまんこの上に乗せられた。
その用途は、一つだ。
ハハキは、つい、あっけにとられて、セントのペニスをまじまじと見てしまった。
セントは笑う。
「よしじゃ、行くぞ。──突きぃ!」
指が抜かれるのと入れ替わりで、セントのペニスが、ハハキのまんこに入った。
一気に奥まで。
ハハキは喉の奥からすさまじい甲高さの声が出ているのを、どこか客観的に認識した。
イッている。イかされている。どうしようもないほどイかされている。
部下たちの前で凌辱されている。
ただの戦い、毎朝の訓練のはずだったのに、いつの間にかここは、セントによるレイプ会場に変えられていた。
セントがハハキの両方の乳首を引っ張りながら、おまんこを犯す。
ハハキはもう、わけがわからなかった。
(あれ、私、集会、集会をしてて、弱い幹部のセントを、鍛え直してやろうって、木刀渡して、それで、戦いを、してて……)
何が起きているか認識できない。
精神が現状を素直に受け止めることを拒んでいる。
そのハハキに、
「俺に隷属すると誓え」
「──!」
思考能力を取り戻させる声が、届く。
「ば、馬鹿を、言うなっ……! 誰が、貴様なんぞに……!」
「馬鹿言ってんのはてめぇだろ。全員の前で犯されて、無様に足ピンで潮吹きまくって、デカパイ引っ張られて倍ぐらいに伸ばされて、木刀持ってんのにイきまくりでまともな抵抗もできねえ。お前、この先これで、どうやって生きてくんだ? 昨日までみたいに偉そうなツラができんのか?」
「だ、だって、だって、こんな、の、間違って……!」
「てめぇの弱さはこうやって晒されたんだよ。無様なイキっぷりと一緒にな。明日から、全部の戦闘員が『こういうこと』をしてくるぞ。てめぇの穴を狙って、デカパイ狙って、勝負っていう名目で取り囲んで、てめぇを犯す。一度犯したら、ずっと犯され続ける。てめぇの人生はもう終わってんだよ」
「ちが、ちが……き、貴様が、貴様が、卑怯な、ことをして……わ、私、こんな、おかしい、だって、私、こんな、こんなこと、今まで、したことも、ない、のに、こんなに、気持ち良いの、おかしい……!」
「じゃあギッチギチに拘束して戦闘員用のオナホとしての第二の人生を送らせてやろうか?」
「……ひぐっ、ひ、ひ、ひ、うっ、うううう……!」
「泣いてんじゃねえよメストカゲ。……戦闘員のなぐさみ者になって、いたぶられて、誰の子供かもわからねえのを孕んで、今までトップだったのが、いきなり最下位の肉便器になる……こんな人生、やだろ?」
「わ、私は、つ、強い、剣士……」
「俺が守ってやるよ」
「……」
「俺のモノになれば、お前は、俺の部下として、剣士のままでいていい。俺のモノに手を出すやつを、俺は許さねえからな。だから、俺の奴隷になれよ。俺に服従を誓え。俺は、俺のモノは大事にするからさ」
悪魔のささやきだった。
肉便器。強さを誇った自分が、抵抗も出来ず、戦闘員ごときに犯され続ける。そういう未来……
それを思い描かされたあとにこの言葉は、あまりにも、心に刺さりすぎた。
それが、少し気になる男──
──いや。愛しささえ感じる男からの提案であれば、なおさらだ。
(ああ、私の人生、終わったんだ)
何を間違えたのかわからない。
わけがわからないうちに、こうなっていた。
絶対に何かをされている。絶対に、セントのせいだ。
でも……
(この人の奴隷として、始まっていいんだ)
それは、肉便器の未来とは比べ物にならないぐらい……
幸せに、思えた。
「わ、私は、剣士、だ……」
「そうかい。で?」
「け、剣士としても、使って、くれますか……?」
「いいぞ。お前は俺の剣になっていい」
「……誓い、ます。あ、あなたに、服従、します……」
「そうか。ああそれとな、別に敬語なんか使わなくていいぞ。今まで通りにしてくれていい。今まで通り、お前は、剣士でいていい。──まあ、俺の肉奴隷と兼任だがな」
「……そ、それで、いい、です」
「『それでいい』?」
「あ、や、そ、それがいい……それが、いい……! 私は、あなた……き、貴様の、剣士で、肉奴隷……だ……」
「よし、じゃあお前の宣言を認めてやる──」
セントの宣言と同時に、ハハキの下腹部の紋様に、くっきりとピンクの色がついた。
その色付きを確認してから、セントがハハキの子宮にペニスの先端をぶつけ、
「──中に出すぞ。一滴もこぼすなよ」
ぶびゅっ、びゅ、びゅびゅびゅびゅ! と精液が発射された。
すさまじい量だった。
子宮がねばっこいと感じるほどの濃度だった。
自分が侵略されている感覚をハハキは覚え……
あまりにも幸せで、何度もイッた。
十秒以上は射精してから、セントはハハキの中からペニスを抜く。
乳首も放してやると、ハハキは床に背中から叩きつけられるように、ぐったりとした。
だが、膣には力を込めて、セントの精液をこぼさないようにしていた……
「陥落完了、と」
セントは笑って、ズボンを穿き直す。
こうして『竜鱗のハハキ』が、新しい奴隷となった。