「ご主人様、あの、」
「しゃべる前にさっさとしゃぶれ」
幹部にはそれぞれ個室が用意されている。
俺が勤める悪の組織は東京の地下に存在する。
ここは大昔に使用されて存在を忘れられた避難用シェルターだった、とかいう話がある……事実かどうかは、知らない。戦闘員同士で語られる噂話の域を出ない。
何せ俺たち戦闘員は情報を得る手段が限られている。
基本的にはこのアジト内に軟禁状態で、出撃の時だけ外出許可を得ることができる。
インターネットに接続できるものを始めとして情報収集の手段は何もない。無駄な会話も禁じられている。
そういう中でひそひそ話して得る情報というのが唯一の娯楽なわけだ。
また、幹部の覚えがめでたければある程度の特典をもらえる場合もあるらしい。
それもこれも生き残って昇進し『幹部付き』にならないと無理な話で、ようするに、俺たちは情報の封鎖された地下に閉じ込められ、『この組織で出世すること』以外には希望のない人生を送ることになる。
……この手口、完全に宗教だ。
というかエリザの『ご主人様』になってからヒアリングを重ねた結果、ここはマジで宗教組織だということが判明した。
俺たち戦闘員が出撃前集会のたびにやらされてる謎の宣誓儀式から『宗教っぽいな』とは思ってたが、本当に宗教らしい。
なお、どういう名前の宗教かはエリザも知らなかった。幹部会では『教団』と呼ぶようだ。それで通じる。一神教なので他の宗教を認めてないからだ。
という事実が判明して、やばさのベクトルがちょっと違う方向いちゃったけど、実質的な脅威度が変わったわけでもない。
俺はこの組織を支配するし、女たちを犯す。魔法少女も犯す。やることは変わらない。
とはいえ、エリザ以外の幹部については、あと一人しか知らないし、ボスの顔みたいなものも、わからないわけだが。
「おいエリザ、お前は体つきも口のサイズもガキなんだから、もっと喉に押し当てて俺のモノを気持ちよくしろ。そんな先端だけちろちろ舐められても気持ちよくねえんだよ」
「……お、ごおっ……」
エリザは涙目でこちらを見上げながら、言われた通りにする。
こいつを隷属させて一週間が経過した。
基本的にエリザは俺が『言葉で告げた命令』には絶対服従。
解釈の余地がある発言をしても、なるべく俺に不利益が出ず、得が出るような方向性で解釈をするようだ。
ただ、解釈の余地と仕方は、本人の頭と心にかかっているところがあるので、相手のおつむの様子を見ながら適切に指示をした方が、結果的にストレスが少なくて済むだろう。
危害を加えるようなまねは一律で禁止されているらしい。
反撃を誘ってやったらこの馬鹿なメスガキは乗ってきたわけだが、俺に攻撃をしようとしたところで不自然に体が止まったのを見ている。
そのあとおしおきでクリトリスにリードつけて『お散歩』してやったら、すっかり大人しくなった。
ことあるごとにケツを叩いたのも効いたのかもしれない。
かくして下剋上は成ったわけだが、まだ、体裁的に、俺はエリザ付き戦闘員のままで過ごそうと思う。
他の幹部はこのメスガキほど馬鹿じゃなさそうだし、そうじゃなくても『いきなり力をつけました!』なんてアピールしてたらうまくいくもんもうまくいかない。偽装は大事だ。
「もっと吸え。あと、先端の穴に舌入れて舐めろ」
「んぶっ、うっ、ぢゅううう……」
エリザのこめかみあたりから生えた角を指先でカリカリしてやると、エリザは焦ったように命令に従った。
角。普段は見えなかったが、どうにも、悪魔っぽいパーツは尻尾だけじゃなくて、角もあったらしい。
そして角も尻尾も、結構な性感帯のようだ……
幹部は『因子注入』で生まれる、元人間のはずだ。
ということは因子を入れた結果、この角と尻尾が生えたわけで……因子はどうして弱点部位を増やすようなことをするんだろう?
そもそも、因子とは、なんだ?
「エリザ、お前の顔は本当にかわいいな」
「おぶっ!?」
「笑え」
「……」
「苦しそうな顔は君には似合わないよ。笑え。笑って、俺のちんぽ吸いながら、喉で締め付けろ。笑顔を絶やすな。わかったか?」
「んぶへっ、は、へっ、へへへっ……」
卑屈だがまあ、許してやろう。
エリザから聞き出した話によると、スキルツリーの存在は、幹部なら誰でも知っているもののようだった。
つまり、『スキルツリーを認識できるか、できないか』。これが一般戦闘員と幹部との差になるわけ、だが……
どうにも話を聞いていくうちに、違和感のある事実が判明したんだよな。
エリザはどう見ても女だ。全裸にしてケツの中も、まんこの中も見たから、間違いない。
……そして幹部連中も、全員、女らしい。
それから。
魔法少女──俺たちが戦っている相手。世界の平和を守るべく、悪の組織から無辜の民のみなさんを守っている存在も、当然、女しかいない。
そして魔法少女は総じて幹部級に強力だ。各々独自のスキルっぽいのを使って戦うし、戦闘員じゃ束になってもかなわない。
幹部と同じぐらい──スキルツリー認識者と同じぐらい、強いのだ。
……もしかして、スキルツリーを認識できるようになるのって、ほぼ女なんじゃねえの?
じゃあ俺は? どうして俺は、この力を得た?
俺は男だ。間違いない。元女ということもない。ということは、仮説が間違えている?
しかし、『力を得られるのは女だけ』という推測は、なんだかしっくりきたのも事実。
……『因子』が何かも含めて、ボスに話を聞く必要がありそうだ。
ボスも女らしいからな。犯しながら聞いてやろう。
「ああ、エリザ、そろそろ出してやるから、全部呑めよ」
「……んんんん~!」
「なんだ、笑顔で。そんなに嬉しいか。ほら」
角を掴んで、頭を引っ張ってやる。
そして喉奥に押し付けて、涙目で反抗的に唸るエリザを無視し、射精。
「んごぁっ! お、えっ……!」
「笑顔」
前に喉奥に出してやったらだいぶ苦しそうに咳込んでたから、きっと喉に出されるのが嫌なんだろう。
でも何事も最初はつらく苦しいもんだからな。そのうち慣れてくれるだろう。
最後の一滴まで出してから角を放してやると、エリザはパッと俺から遠ざかって、床に向けて咳込み始めた。
口からはボタボタと俺の精液がこぼれている……あーあ、もったいない。俺の精液はぶっちゃけどうでもいいけど、このエリザの幹部部屋の絨毯、かなりいい艶のワインレッドのやつなんだよな。
こういう高そうな家具類の値段とかはよくわからないものの、そんな俺が一目で『いいものだろうな』とわかるぐらいには、いいものっぽい。
他にもエリザの部屋は、ワインレッドの色調でそろえられた家具類があって、どれもこれも、華美ではないけどセンスがいいものばっかりだ。
乱暴なサドガキだけど、もしかしたら育ちがいいのかもしれない。
「おい、いつまでも咳込んでないで話をしろよ。何か俺に言いたいことがあるんだろ?」
新しく用意させた俺用の椅子(エリザのものは小さくて使いにくい)で脚を組んで問えば、エリザは咳を必死に抑え込もうとしつつ、声を発した。
「あのっ、か、幹部会、ごほっ、ごほっ……幹部会が、あって、お付きの戦闘員を、連れて行く、から……」
「ああ、俺にお付きとして出席しろってことか。そうだな……」
ボスのことも、幹部どものことも、ほぼエリザからまた聞きした情報しかない。
実際に見てみるのも必要だろう。
「……一応確認するぞ。お前らはスキルツリーを認識できる。そうだな?」
「は、はい」
「しかし、他人のスキルツリーは見えないし、どのぐらい育っているかも、そもそも、スキルツリーというのがあるかどうかさえ、わからない。そうだな」
「はい……」
スキルツリーはある、と幹部どもは言う。
だが、他人のそれが実際にあるかどうかはわからない。どのぐらい育っていて、どういうスキルをとっているかも、わからない。
エリザは少なくとも他者のスキルツリーを、その存在の有無まで含めて認識できない。
認識できるヤツも、いる可能性はあるか。
……でもまあ、顔を見ておくぐらいはしておきたい。
安全策をとるなら幹部会なんか出ない方がいいのはわかる。でも、おどおどビクビクすることと、慎重とは違う。
……見ておくか。
「わかった。お前のお付きとして出てやる」
「あ、ありがとうございます」
「その代わり、人前でそんなふうにおどおどすんなよ。俺がいじめてるみたいで気分悪いだろ」
「うえっ!?」
「なんだその声は」
「い、いえ、あの……なんでも、ないです」
「……大丈夫か? いつもの感じ、できるか?」
「えと、たぶん……」
「……ああ、それから、腹は隠せよ。お前、いつも腹出してるからな。隷属紋が見えないようにしとけ。いいな」
幹部の中にはスキルツリーを育てて、隷属紋のスキルを開けてるやつもいるだろう。
そうでなくとも、急にヘソの下にタトゥーみたいなもんがあったら不自然に思われる。……まあ『エリザだし』で済まされる可能性もあるが、ここはとらなくてもいいリスクだろう。
「え、あの、で、でしたらご主人様、お願いが……」
「なんだ、お願いばっかだな。まあ聞くだけ聞いてやる」
「……服を、その、一緒に、選んでもらっても……?」
「………………」
なんだろう、ストックホルム症候群でも発症したのかな。
俺はエリザにいきなり鞭で打たれていたぶられたりということがあって、このメスガキのことははっきり言って嫌いなんだが……
見た目がいいんだよな。こうやって甘えた顔をされると、ついつい甘くなってしまうような気がする。
……格差、だな。
今後、俺は隷属紋を刻んだ女を増やすつもりでいるが……
その時に、『頑張って俺に奉仕したらご褒美がもらえる』という状況を作っておいて、俺への貢献度で格差を作るのはまあ、いいことだと思う。
なので服選びぐらいは、まあ、いいか。
「……わかった。付き合ってやる。というか──あの露出度の高いボンデージ以外の服、そもそもあるのか?」
「お買い物に……」
「……」
「か、幹部、なので……許可を、出せます、から……」
「…………わかった。付き合おう」
「えへっ、えへへへっ、えへへへへへへへっ」
怖い。
なんでか知らないけど、ボロボロ泣きながら笑ってる。
エリザ、壊れちゃったかもしれない。
「嬉しいっ……嬉しい……」
「……えーとその、金はないけど、俺」
「あります、エリザ、幹部だから」
どうしよう、声の甘さというか、トーンが二段階ぐらい上がったぞ。
何か間違えたんだろうか、俺。
……まあいいか。
目ざわりなら殴るなり犯すなりしてわからせよう。
そういうわけで……
幹部会のための、服を買いに行くことになった。