※この作品はR-18です。

悪の組織の戦闘員、スキルに目覚めて成り上がる   作:稲荷竜

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エリザの一人称モノローグです


第4話 エリザの内心

 物心ついた時には『教団』にいて、知らないうちに因子を注入されていた。

 

『教団』には多くの人が所属している。

 支部も各地にあって、そこから才能ある子を本部に招き入れているみたい。

 

 アタシは一般教団員同士の間に生まれた子供で、物心ついた時にはもう、本部で幹部をやっていた。

 灼熱のエリザ──それが自分の唯一の名前。苗字とか、そういうのも世間にあるらしい。でも、アタシにはたぶんない。

 

『教団』の教義は難しくてよくわからない。

 総大主教様のお話も大人向けで、アタシには全然わからなかった。

 

 難しいことも、面倒くさいことも嫌い。

 ストレスが溜まるようなこと、全部嫌い。

 

 アタシは総大主教様の神託の通りに出撃して、暴れるのがお仕事。

 それだけで褒められたし、いっぱい燃やせばご褒美もくれた。

 

 戦闘員はいくらいたぶっても怒られなかったし、ちょっとムカつくことがあったら、痛めつけてすっきりした。

 

 全部、うまくいってた。

 なのに……

 

 アイツが、現れた。

 

 最初は新しいアタシ付きの戦闘員だっていうから、ちょっと教育をしただけ。

 戦闘員って、雑魚のくせに、自分には何か意見をする権利があると思い込んでるやつも多いのよね。

 前に新しくアタシ付きになった戦闘員が、アタシの態度とか、勉強しないところとか、そういうのに文句言ってきて、本当にうざかった。

 鞭で叩いて動かなくしたら静かになったから、新しいアタシ付きの戦闘員は、とりあえず気が済むまで叩くようにしてる。

 だって、イラつくこと言われてうっかり殺しちゃったら、もったいないもん。幹部付きになるまで生き残る人材は貴重だから大事にするようにって、総大主教様にも言われてるし。

 

 でも、それがよくなかったみたい。

 

 気付いたらアタシは『終わって』た。

 

 体中全部、取り返しがつかないぐらい敏感にされて、お尻の穴なんて、触ったこともないはずなのに、気持ちいい穴に変えられてた。

 クリトリスっていうのも、アタシ、存在さえ知らなかったのに、いつの間にか、弱点になってた。

 角とか尻尾とか、知らない間に体についてて、そのくせ敏感で触られたくない弱点……

 

 アイツのせいで、たくさん増やされたし、見つけちゃった。

 

 ……許せない。

 隷属紋とかいうのを刻まれたけど、関係ない。

 殺しちゃえば解決する。

 

 だから、隙をうかがって、アイツを殺そうと思った。

 

 でも、罠だった。

 アイツはアタシの心を読んで、一番弱いところを突いて来る。

 

 殺してやろうと思ってたのに、アイツに振った鞭は、勝手に止まった。

 動けなかった。

 

 アイツが、『おしおき』をしてくる。

 

 また、弱点を見つけさせられちゃった。

 アタシって、喉にいっぱい、臭いの出されて、『死ぬ、助けて』って、そう思うような……

 

 ……アタシはずっと強かったし、強いことを褒められた。

 いっぱい燃やして、いっぱい痛めつけて、魔法少女だって、倒したことがある。

 強ければ強いほど褒められた。強いなら何をしてもよかった。

 

 でも、『弱さ』を発見させられて、どうしたらいいかわかんなくなった……

 

 強いから許されてきたのに。強いから褒められてきたのに。

 もうお尻の穴も、クリトリスも、おまんこも、おっぱいも、弱点だらけで、アイツに責められるとすぐに助けてって気持ちになっちゃう。

 

 強いからよかったのに、こんなに弱かったら、もう、アタシ、存在価値がないんじゃないかな……

 

 でも、アイツは、アタシのこと、かわいいって。

 かわいいんだって、アタシ。

 

 知ってたけど。

 ……知ってたけど、なんだか、その言葉は、今まで聞いたことないぐらい、『本当の言葉』みたいに思えちゃったのよね。

 

 ……アタシは、強いから許されてたし、強いから、周りの連中も従った。

 アタシが褒められたりしたのは全部『強いから』。強いから、雑魚どもも逆らえなくてアタシの言いなりだったし、総大主教様も、強さだけをいっぱい褒めてくれた。

 

 弱いのに褒められたの、初めてだった。

 

 だから、アイツにとって、アタシって、本当にかわいいんだなって、そう思って……

 

 なんだか、すごく、嬉しかった。

 弱くていいんだ。

 ……アタシ、もしかしたら、本当は、強さなんか、いらなかったのかも。

 強い強いって褒められるから、必死に強い人ぶってきただけで……

 

 強くなくても褒めてもらえるなら、それが一番いいよね。

 だって、強いってことは、戦わないと証明できないんだもん。戦わないでも、認めてもらえるなら、それが一番いいよね。

 魔法少女との戦いって正直、怖いし。戦いそのものも、褒められるからやってるけど、本当は、そんなに好きじゃないし。

 

 アタシは、弱い。

 そう思ったら、すごく楽になった。

 

 思ったより、強くないといけないっていうプレッシャーが重かったみたいで、さんざん犯されて、心も体もぼこぼこにされて、それでもかわいいって言われた時……

 

 すごく、嬉しかった。

 

 それから、なんだか、アイツに声をかけられたり、視線を向けられたりするだけで、嬉しくなっちゃうことが増えた。

 アイツは酷いやつだけど、でも、アタシはアイツの前だと弱くていいから、すごく楽で……

 総大主教様も、顔の知らないアタシの親も言ってくれなかった、『本当のかわいい』を言ってくれたのが、本当に嬉しくて、たぶん……

 

 これが好きってことなのかなあ?

 

 初めてだからよくわかんないけど、でも、酷いことされても、アイツに声をかけられたりするだけですごく嬉しいから、『好き』以外にないよね?

 

 アタシは、アイツが好き。

 これが初めての恋愛なんだと思うと、なんだかとっても、幸せ。

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