※この作品はR-18です。

悪の組織の戦闘員、スキルに目覚めて成り上がる   作:稲荷竜

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第41話 煌々原ヒナタ 5

「……来た」

 

 真っ白い、スクール水着みたいなものの上に、マントを被った女の子。

 消滅のフランはそういう見た目だ。髪が白い。目も白い。服も白い。持っている杖だけが白くない。体格はエリザぐらいか。つまり、ヒナタちゃんより年下に見える。

 

 高い帽子を被ったそいつは、まったくの無表情で、目の前に降り立ったヒナタちゃん──っていうか、俺たちに杖を向けた。

 

「魔法少女シャイニー・サンストーン。……お前は危険。フランがここで倒しておく」

 

 ちょっと待ってください。

 俺もここにいるんですけど。

 

 しかもヒナタちゃんのおまんこには、相変わらずちんぽが入ったままだ。

 空飛んでる最中にあんまりにも速すぎて怖かったから一発中出ししちゃったよ。

 

 いやどうしよう、抜いて逃げる?

 それとも存在希薄化を解いて、フランに俺がここにいるってアピールする?

 

 場所はハハキと一緒に襲撃した採石場跡だ。

 まあヒナタちゃんを狙ってるっぽいから、ここなら前に来たこともあるし、ヒナタちゃんを釣り出すのにちょうどいいと思ったんだろう。

 

 さて困ったな。

 

 フランの殺意は本物だ。このままじゃヒナタちゃんが殺される。

 存在希薄化を解いて気付いてもらわないと、たぶん俺も殺される。巻き込まれて。

 

 つまり安全なのはヒナタちゃんのおまんこから抜いて存在希薄化を解いて逃げることなんだが……

 

 それは、ヒナタちゃんの死を見守るってことだ。

 

 そいつはできない。

 だから、俺がすべきは……

 

 ヒナタちゃんとフランが戦っている最中に、ヒナタちゃんをどんどん気持ちよくして、フランがヒナタちゃんを倒すまでに、隷属させる。

 

 ガチバトルをする魔法少女と悪の幹部、そこに巻き込まれて一人だけバトルファックしてる魔法少女におぶさった存在感希薄男。

 すげーな。俺だけバトルの世界観が違う。

 

 でも、真剣だ。

 このクソ間抜けな行為に、俺は命を懸けることにしよう。

 

「……『消滅のフラン』。前に戦った時は、手も足も出なかった……逃げるだけで精いっぱいで……」

「……」

「でも、今の私なら、あなたを倒せる。……アジトに行く手段は多い方がいい。倒して──連れて行ってもらうよ、あなたたちのアジトに!」

「そんな余裕はないはず」

 

 フランの姿が、消失した。

 

 ヒナタちゃんは──

 

 急旋回して、真後ろを振り向いた。

 祭器みたいな日本刀を振って、対応する。

 

 フランが、杖で、ヒナタちゃんに殴り掛かっているところだった──

 

 ヒナタちゃんが反応しなかったら、俺に当たってたよ。

 ありがとうヒナタちゃん。ありがとう龍の魔法少女。

 

「……驚いた。これで終わらせるつもりだった」

「あなたの速さも、今は見える。……前までの、私じゃない!」

「そうみたい。だからこそ──セントがやられる前に、お前を殺す」

 

 なんか俺のことめちゃくちゃ心配してくれてて恐縮なんですけど、今一番俺を殺しそうなの、フランさんなんスよね。

 ……うおおおおおぼやぼやしてると死ぬ! 遅れて怖い! マジの『死』が迫ってたぞ今さっき!

 

 戦闘が本格的に始まった。

 

 刀と杖で打ち合う。

 

 一瞬で何回の打ち合いがあったんだろう? 音が衝撃に遅れて届くぐらいの速さで、二人の中間地点で何かとんでもないことが起きてる。

 このままだとマジで死ぬぞ俺。必死に腰を振る。乳首をつまむ。

 

「んっ♡」

「崩れた」

 

 そうだね!

 俺がヒナタちゃんを感じさせると、拮抗している戦いでヒナタちゃんがピンチになる。

 ヒナタちゃんがピンチになると、フランが殺そうとしてくる。

 

 イきながら耐えろヒナタちゃん!

 

 ヒナタちゃんは刀で杖を受けたけれど、押し込まれている。

 力比べ──どう見てもヒナタちゃんより体格が未熟なフランだが、腕力はどうやら、彼女の方があるらしい。

 

 龍化覚醒魔法少女をパワーで上回る。

 ……いや、強すぎるだろ、本当に。

 

「──消え去れ」

「っ、ああああああああああ!」

 

 フランの言葉とともに『何か』が発動する──

 その直前、全身からパワーを放出したヒナタちゃんが、フランを吹き飛ばした。

 俺は吹き飛ばされない。ちんぽ入るぐらい密着してるお陰で『本人』判定に紛れることができたんだろうか。

 でもびっくりして射精してしまった。

 

「っく、つううう♡」

 

「……力を扱いきれてない」

 

 違います。俺が中出ししたせいでイッてるだけだよ。

 

「ヒナタ、ヒナタ、隷属すると言え!」

 

 呼びかける。

 存在希薄化を入れてても、なんとなく『何かを言われてるなー』というのを無意識で感じるようで、俺の言葉は認識されていなくても、それなりの影響を相手に与えることができる。

 ただし『昼ごはんはラーメンにしようか、牛丼にしようか』と迷っている人に『ラーメンがいいよ』と言うとラーメンに決まる、という程度の力しかない。

 もっと心の壁を崩さないと、そもそも『俺に隷属する』という選択肢が出ないだろう。

 

「ヒナタ、こっちに来い。全部一人で背負う必要なんかないんだ。お友達と仲良くしたいだろう? こっちに来れば、それが叶う」

 

「セントはやらせない。お前は危険だ」

「私は……二人を助けるっ!」

 

「もう『龍に騙されてる』とは言わない。騙されてなくても、いいじゃないか。トマリちゃんは、家庭に居場所を失った。でも、俺が今は保護してる。今、とっても楽しそうで、幸せそうにしてるぞ。ちょっと圧は強いけど!」

 

「魔法少女。フランの家族を奪った連中。セントまでやらせない」

「二人を奪ったあなたたちを、許さない!」

 

「ホノカちゃんだって、家庭環境っていうか、金銭の状況が悪かった! でも、うちの組織なら、お金の心配をせずに好きなことができるって喜んでた! 龍が救ってくれたか? 龍がそんな現実的で人間的な問題までフォローできたか!? 今、幸せなんだよ! 洗脳されてるかどうかなんか関係ねえ! 今、幸せなんだ、ホノカちゃんは!」

 

「消え去れ魔法少女。すべての魔法少女を、フランは消滅させる」

「大樹教団! 私から、友達を奪ったあなたたちを──倒す!」

 

「必殺技の溜めに入るんじゃねえよ!!!」

 

 存在希薄化でうっすら説得ができるかなーという淡い望みを持って叫び続けたが、耳に届いてる感じがしない。

 二人は何やら大技を出すために溜めに入ってしまっていて、一瞬後には両方死ぬか、片方死ぬか、二人は相打ちで俺だけ死ぬかって感じだ。

 

 ……もうしょうがねえよなあ!?

 

 存在希薄化を解除する。

 

「話を聞け!」

 

「セント!?」

「なっ──あ、いひいいいいいい♡♡♡」

 

 力んだせいでまた中出ししちゃった。

 存在を認識できたせいでヒナタちゃんがイく。

 ガクガク震えながら脚から力が抜けていき、それでも、頑張って立っている。

 しかしもう、『必殺技の溜め』は維持できていない。

 

「あ、か、赤、こーとぉぉぉ……!」

 

「聞け! トマリも、ホノカも、俺が幸せにした! 家庭環境、金銭問題、そういう、あのぐらいの年の子が気にするべきじゃない問題を、現実的で、『世界の命運』なんかと比べたら小さいけど、リアルにあの子たちを苦しめる問題を、俺が解決した!」

 

 まあトマリの問題はなかったところに俺が発生させたもんだけども!

 

「洗脳されてるかどうかは、もう、何も言わない! でも、友達のことをよく見てみろ! 本当に今、不幸か!? 幸せじゃないのか!? お前らは──『龍』は、友達のリアルな幸せのために、何をしてくれた? ただ、お前らを使って自分のために動かしてただけだろうが!」

 

「ちがう、ちがううううう……! と、トマリちゃんもっ、ホノカちゃんも、騙されてる、だけ……!」

「騙されてても幸せならいいだろうが!!!」

「ちが……」

「トマリの家庭環境が気まずかった問題を、お前は知ってたか? 相談されたか!?」

「……」

「ホノカの家がシンママ家庭で子だくさんで、あまり金銭状況がよくない話を、されたか!?」

「…………わたし、は……」

「人生にはな! 不幸だとか幸せだとかを意識しないで、ただ目の前の楽しいことだけしていい時期があるんだよ! そういう時期に、魔法少女なんかやってんじゃねえ! そういう時期に戦いなんか押し付けて来るのは、洗脳してようがしてまいが、ろくでもねえやつだ!」

「……」

「お前もこっちに来い、ヒナタ! そんで二人と一緒に、クリスマス……は終わったし……初詣……も過ぎたし……二月!? 二月になんかあるかイベント!? 節分!? もう豆まけ!」

「…………」

「俺と来い! 全部の魔法少女に青春をくれてやる!」

 

 後ろにすがりついてチンポ入れながらしゃべるたびに力んでるせいで何回か中出ししてる淫行悪の幹部のセリフという点が自分でも気になるが、間違ったことを言っているつもりは全然ない。

 

「……ううう……♡ うううう……♡」

 

 ヒナタは泣きながら、細かくイッている。

 

「やだあ……やだよお……なんで、なんで……あなたが、正しいと思えるの……間違ってる、こんなの、絶対、おかしいよお……」

 

 おかしいのは俺もすげー思うよ。セリフ全部が『お前が言うな』って感じは俺もすげー感じる。

 少なくとも無許可挿入しながら言う言葉は一個もなかった。

 でもまあ、

 

「誰がいつ言うかなんか関係なく、正しいことっていうのはある」

「……」

「トマリとホノカは幸せだ。そして俺は君たちの幸せを願ってる」

 

 それは本当にそう。

 心からそう。

 

 ただその願いとは別に、俺にも俺の願いがあって、そっちを優先するだけなんで。

 

「俺と来い、ヒナタ。友達と話してやれよ。冷静に、お互いに頭ごなしの否定をしないで、話し合ってやれって」

「……私……」

「……」

「許して、もらえるかな……」

「知らんよ。それを確かめに行けって」

「…………」

「話し合いをすることを、俺が後押ししてやる。来い。お前の意思を、俺が認める」

 

 ヒナタの腹部から、光が発せられた。

 隷属紋の光だ。──隷属する宣言はなかったんだが、心が折れただけでもOKなのかも。

 

 ともあれ、これで──

 

「っ、あ、ああああああ……? あああああ……!?」

 

 ヒナタが苦しみ始めた。

 俺には認識できないが、『樹』が反転? を始めたんだろう。

 

 俺は……

 なんか危なそうな感じだから離れようとも思ったんだが。

 ヒナタが俺の手を掴むから、離れずに抱きしめてやることにした。

 

 もちろん俺は褒められた大人じゃないけど、まあ、褒められた大人じゃなくても、誰かにすがりつく時間は必要だろう。

 すがりつく相手を選べる状況ならまあ、俺以外の誰かを選んだ方が絶対にいいと思うが……

 

 誰もが、『ふさわしい人』に手を伸ばせる状況にあるわけじゃない。

 どうしようもなく詰んでいる状況だって、世の中にはたくさんある。

 

「大丈夫だ。俺がいてやる」

 

 このぐらいの年齢の子を犯す男はろくでもないが、そういう男しか優しさをもたらせない状況はある。

 まあつまり政府と社会が悪いんだよ。龍だの俺だのに、こんな子たちがすがりつくしかない状況ができるっていうのは。

 

「あ、あ、あ……♡ あ、はあ……♡」

 

 ヒナタの中で変化が終わったらしい。

 

 ぼろぼろと、『龍化覚醒』の影響で生えていた角が消え、尻尾も……消えていくみたいだ。

 

「ああ……♡ 気持ちいい……♡ 気持ちいい……♡ 頭、すっきりして、お腹、あったかくて、気持ちいい……気持ちいいよお……」

 

 ボロボロ泣き始めるので、ぎゅっと抱きしめてやる。

 そうしたら、縋り付くように、俺の腕を抱き始めた。

 

 俺は……

 

「……後でいろいろ説明します」

 

 目の前で無表情のままこっちをジトッと見てるフランに、小声で言った。

 何を考えているのか全然わからなくて怖い。

 

 たぶん、俺のボス戦はまだ終わってないんだよな……

 フランにどう説明すっかなー……

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