「ねえ! ここ! アタシの区画なんだけど!」
エリザがキレてるよ。かわいいね。
確かにここはエリザの区画で間違いないんだが、なんでそんな当たり前のことをキレながら叫んでるかと言うと、この区画に幹部が多すぎるからだと思う。
まずは最近存在感の薄いエリザ。もともと趣味的な命令しかしないサドガキだし、実務しねーしで『区画の長』としての存在感はない。君のやってきた行いが、今の君の扱いに現れているだけですね。
でもこのピンクの悪魔ガキには俺のオナホっていう役割があるからな。入れて移動してもそんなに負担にならないサイズ感と軽さが長所だ。あとなんだかんだ区画のトップなのでハンコ押してもらう仕事(比喩)はそれなりにあるから頑張れよ。
入り浸った順序で言えば二番目の幹部はトマリちゃんになるね。
最近めっきり圧が強い元・青系魔法少女だ。もともとの武器は薙刀だったはずなんだが、最近見るたびに薙刀の鎌化が進んでて死神みたいになってきてるよ。レオタードの死神だ。脚長い子だしつい見ちゃうよな。
オナホにして歩くにはちょっとサイズが大きいし、物扱いで喜ぶほど終わってるマゾでもないのでラブラブエッチをする要員になっている。一応恋人という名称で奴隷契約をしているので多少はね。
幹部ではないけど幹部級の実力者としては怪人ウルフガールも外せない。
どうにもトマリ・ホノカ・ヒナタの三人組が地区の中では抜きんでた魔法少女だったっぽくて、この三人に比べるとまあ実力は一段ぐらい劣るんだが、それにしたって悪堕ち魔法少女なので実力はある。幹部級だろう。少なくともエリザぐらいは強い。まあエリザは『あいつは四天王の中で最弱……』のポジションだが。
あとは赤青黄色信号機三人組魔法少女の赤のホノカも今は幹部待遇だからな。
炎系猪突猛進馬鹿担当だった彼女は今ではすっかり朽壊とかいう物騒な属性に反転した。炎だと思ってたけどアレは『朽ちさせて壊す』イメージの具現だったんですねー。怖すぎるだろ。性格が悪ければもっと最悪な運用ができるらしいのでしていきたいと思う。
そしてヒナタちゃん。最近加わった元・龍の魔法少女。
悪堕ちして出力が下がった珍しいパターンだ。まあ、彼女の最高潮は龍の力ありきだったしそれは仕方ない。弱くなってなお魔法少女信号機組の中だと一番強いしな。
ただ経験値不足で雑。戦闘の丁寧さだとトマリちゃんが一番で技術がある、思い切りの良さだとホノカ、そんでもって『なんかたまにものすごい動きをする』のがヒナタだそうだ。
そういう評価を降してる俺陣営の魔法少女育成担当の『消滅のフラン』も最近は入り浸っている。
俺の姉らしいのはまあいろいろ腑に落ちるところがあるんだが、未だに後ろから見てるとチビすぎて『姉を名乗る不審者か年下の姉なんじゃないか』という疑いが浮上する。同じことみんなにも言われてた。
もともと距離感は近めだったんだがえっちなことしてからバグッた。俺のことを椅子とかベッドとか抱き枕だと思っている節がある。姉という立場を利用してすぐそばにポジショニングしてる感じだ。
魔法少女には穴がある。その穴を良くも悪くも俺が埋めてしまった。その結果なんだろう。
そして最後の一人がマッドサイエンティストっていうか錬金術師の『知悉のオリガ』になる。
この袖余り白衣のチビ、なんか最近やけに俺んとこ(エリザ区画)に入り浸るんだよな。なんでだろう。用事もないくせに。いや用事はあるのか。セックスに夢中なので抱かれに来る。『お前が来い』とは言ったがこんな頻度で来るやつがあるか。俺のちんぽは一本しかねーんだぞ。増やさんでいい。
という感じで魔法少女三人+ウルフガール+フラン+オリガの合計六人の幹部級がエリザ区画に入り浸っているので、エリザの不機嫌がすごい。
しかもエリザ、この中だと最弱だからな。属性がホノカと被ってる上にホノカのが上位互換っぽい働きをするし。サイズで言えばオリガのが常設オナホ向けだし。
利点は悪魔みたいな角と尻尾が感じやすいぐらいか? でも俺の淫行スキルで開発したら普通の性感帯が普通に感じやすくなるからな……なんだろう、存在価値、確かにないかもしれない。
「アタシで童貞捨てたくせに……!」
涙目で言われてもな……
というか俺、童貞だったのか? 記憶がないから戦闘員以前のことはわからない。
まあ戦闘員にはセックスとかしてる余裕ないし、戦闘員以降での初めての女がエリザではあるのか……でもハメられたぐらいで彼女面されてもウゼエんだよな。
「というか嫉妬をするなと言っておいたはずだが……」
「しなくても存在感ないじゃない!」
良いオナホなら大事にしてやると言ったが、確かに最近は積極的に来るやつ(オリガ、フラン、トマリ)が多くてちんぽ乾いてる暇もなく、結果としてオナホ用法もやれてない。
これは契約不履行だ。俺が全面的に悪いな。
あと特別感で言うと、今度の魔法少女連合への対策の打ち合わせにハハキ区画に行った時、三日ぐらいハハキとまぐわってるんだよな。
常設オナホだけど特にメリットもないので積極的なオナホにかまけてエリザだけ放置してる現状は考えれば考えるほど俺の怠慢だ。自分の物にしたからにはせめて自分で言ったことぐらいは守ってやるべきだ。
「よしエリザ、わかった。お前が正しい。デートに行くか」
「本当!?」
本当!? と目を輝かせるエリザはかわいいんだが、最初から今までずっと『そもそもなんで、お前は俺のことそんなに好きなの?』というクソデカイ謎があるんだよな……
もう覚えてないのかもしれないけど、俺がこうしてここにいるの、お前が俺をいじめ殺そうとしたせいで覚醒したのもあるんだぜ。
しかもその後、戦闘員の前で公開凌辱して隷属させたからな。俺、恨まれるようなことしかしてねぇんだよ。
百歩譲って俺のしたこととエリザが俺にしたことでイーブンだとしても、好意は生まれようがない深い溝が俺たちの間にはあるよな。
俺も協力的でも好意的でもない相手を屈服させてやろうって準備はしてたけど、こうまで好き好きこられると逆に扱いに困っちまうよ。
なんか結果的にハーレムみたいになってるから女どものバランス調整が大変だな。スマホゲーの運営か、俺は?
あと戦闘員の中でもシイがあからさまに好き好き視線向けて来るし、イチもなんかイチの過去と俺の過去が関係ありそうなにおわせしてくるし、ゴオは死んだし(龍化ヒナタにやられた)、ハチはマイペースで無礼だし、ナナはうるせえし、直属戦闘員の残り半数は死んでるか存在感がない。ニイ、サン、キュウ、トオ、もはやどういう性格だったか思い出せねえよ。
……まあしかし。
決戦だ。
魔法少女たちが集まっている。これをどうにかする──最悪、殺さなきゃいけないケースもあるんだろう。
俺はなるべく魔法少女をオナホにしたいが、自分が確実に死ぬ状況なら殺すこともありうる。『命を懸ける』と『死ぬ』はまったく違う。命を賭けのテーブルに乗せるぐらいはやるが、差し出すようなことはしない。
だからそろそろ、『今あるもの』を大事にしていくべきなんだろうなとは思う。
新しい物を際限なく求める時間はこれで終わって、俺は、俺が獲得したものを大事にしていく。
何より、新しい魔法少女たち、連合組まれたせいで仕込みの時間がねえんだよ。俺は直接戦闘でわからせるタイプじゃなくて、戦闘始まったころにはもう全部終わってるように状況を整えるタイプだからな。
ヒナタ戦は俺にしてはかなり準備不足だった。お陰で実力不足も露呈した。ああいう状況が起こるんなら、俺の出る幕は正直言ってどこにもない。
どうしても欲しいようなものがあれば話は別だが、そもそも『魔法少女を救いたい』も聞こえのいいおためごかしだからな……
できたら救いたいが命懸けてまでやるようなことじゃないよ。
他者救済は自分に余裕があって初めて目標たりうる。連合とか組むなよ。殺すしかなくなっちゃうじゃん……って感じ。
「行くわよセント! アタシに付き合って外出できるなんて、光栄でしょ!?」
「ああ、もうマゾの本性出していいぞ。対外的に……と思ってたけど、もう『対外』もなんもねえから……」
「え? あ、ご、ごめんなさい。アタシ、あの」
「……やっぱ『いつも通り』でいいや。人のこといきなり鞭で打ってくるところは別にして、お前の当時の性格はまあまあ嫌いじゃないよ」
「そ、そうよね!」
手がかかる女どもだ。
決戦を前に、俺たちはデートをすることにした。
そういえば、デートなんてした奴隷はエリザぐらいだなーなんてことを、ぼんやりと思った気がする。
もう少し幸せにしてやるべきだったかな、と。
後から、思うことになった。