※この作品はR-18です。

SSSS級カノジョ宝多六花が、冴えない僕と一緒にエッチをお勉強してくれた夏   作:前野へーた

3 / 8
まずはキモチイイ体づくりから♥️
第一話 初イキ記念日♥️


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♀ 宝多六花 (16) ―― 夏休み、開幕。

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【知識系】ぜんぶ★☆☆☆☆!

・カラダの知識

└ 保健体育レベル。

└ Gスポットって都市伝説でしょ?

・ワザ :

└ 技術ゼロ。されるがまま。

└ 腰の動かし方? 知らない。

・アブナイ知識:

└ 淫語なんて言えるわけない。

└ 「あそこ」が限界。

 

【肉体系】ポテンシャルは高いけど……

・ビンカン度 :★☆☆☆☆

└ 胸とクリはなんとなく。中は無感覚。

・カラダの正直さ:★☆☆☆☆

└ 声は我慢できる。濡れにくい。……はず。

・オンナ度 :★★☆☆☆

└ 身体つきだけはイイ線いってる。

 

【心理系】素直になれない系女子

・ココロのゆるみ:★☆☆☆☆

└ 恥ずかしいものは恥ずかしい!

・したがい度 :★☆☆☆☆

└ 対等でいたい。言いなりはイヤ。

・つくしたい :★★☆☆☆

└ ユウに喜んでほしい気持ちはある。

 

【称号】なし

【スキル】なし

 

 ――要するに、まっさらな状態。

 これから夏休みをかけて、ユウと一緒に「開発」していく。PDCAで、ね。

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 夏休み初日。午前十一時。

 ユウはベッドに寝転がって、スマホの画面を睨んでいた。

 

『女性の約70%は、挿入だけではオーガズムに達しません』

 

 知ってた。知ってたけど、改めて見ると重い数字だ。

 

『重要なのはクリトリスへの刺激です。挿入中も、恥骨で擦るように動くと──』

 

 画面をスクロールしながら、ユウは六花の顔を思い浮かべた。

 深い青色の瞳。少しだけ大人びた顔立ち。からかうような笑い方。でも、照れると耳まで赤くなる。

 正直、六花は可愛すぎる。ユウの中では、SSSS級だ。

 そんな彼女が、今日の午後、この部屋に来る。

 

「エッチの練習をしよう」と言って。

 

(……本当に、僕なんかが気持ちよくさせられるのか?)

 

 不安が胸を締め付ける。

 六花は今まで、ユウとのセックスでイったことがない。

 

「気持ちよくないわけじゃない」とは言ってくれたけど、それは慰めかもしれない。

 でも──

 

(六花が提案してくれたんだ。僕も、ちゃんと応えたい)

 

 スマホを握る手に、力がこもった。

 知識だけじゃダメだ。実践しないと意味がない。でも、まず知識がなければ、何もできない。

 あと三時間。

 ユウは画面をスクロールし続けた。六花のために。今日のために。

 

 ◆◆◆

 

 午後二時。

 ユウは自分の部屋で、ベッドに腰掛けたまま落ち着かない気持ちを持て余していた。エアコンの効いた六畳一間に、窓の外から蝉の声が響いている。今日から始まる夏休み。そして今日から始まる、六花との「特別な計画」。

 

 インターホンが鳴った。

 心臓が跳ねる。玄関に向かう足取りが、自分でもわかるほどぎこちない。

 

 ドアを開けると、六花が立っていた。

 白いブラウスにデニムのショートパンツ。しっかりと脚を出す、いつもより少しだけ大人っぽい格好だ。深い紺色の髪が、夏の日差しを受けて青みを帯びて輝いている。右側頭部のオレンジ色の髪飾りは、ユウがプレゼントしたもの。「ユウの彼女である六花」のトレードマークだ。

 

「来たよ」

 

 六花は小さく笑った。でも、その頬がほんのり赤いことに、ユウは気づいていた。

 

「う、うん。入って」

 

 部屋に入った六花は、いつものようにベッドの端に腰を下ろした。ユウも隣に座る。二人の間には、拳ひとつ分ほどの距離があった。

 

「ユウ、顔赤いよ?」

 

 六花がこちらを見て、くすりと笑う。

 

「そ、そうかな」

「大丈夫? 緊張してるの、バレバレなんだけど」

「六花だって、赤いじゃん」

「っ、うるさい」

 

 六花が視線を逸らした。耳まで赤くなっている。

 恋人になる前から、六花はこうやってユウをからかう癖があった。でも、からかい返されると途端に照れる。そのギャップが、ユウは好きだった。

 

「ふふ、お揃いだね」

 

 六花が小さく呟いた。緊張を、二人で分け合っている。それだけで、少しだけ心が軽くなる気がした。

 

「でも、ユウとだから、大丈夫」

 

 六花の声が、さっきより柔らかくなっていた。

 

「ね、手、繋いでいい?」

 

 ユウは頷いて、六花の手に触れた。

 冷たい。緊張しているのだ、六花も。

 指を絡める。細くて、柔らかい指。六花の指が、ユウの指を握り返してきた。

 

「あったかい」

 

 六花が呟いた。

 しばらく、そのまま黙っていた。心臓の音が聞こえそうなほどの静けさの中で、ただ手を繋いでいる。六花の手が、少しずつ温かくなっていくのがわかった。

 

「六花」

「ん?」

「こっち、来て」

 

 ユウは六花の手を引いて、自分の方に寄せた。そのまま、腕を回して抱きしめる。

 小さくて、柔らかくて、温かい身体。シャンプーの匂いがする。六花の心臓の音が、自分の胸に伝わってくる。

 

「ユウ」

「ん」

「もうちょっと、このまま」

「うん」

 

 六花の腕が、ユウの背中に回された。ぎゅっと、抱きしめ返される。

 

「落ち着く」

 

 六花が、ユウの肩口に顔を埋めたまま言った。

 

「僕も」

 

 どれくらいそうしていただろう。六花の身体から、少しずつ緊張が抜けていくのがわかった。呼吸が深くなる。身体が柔らかくなる。

 

「大丈夫。一緒にやっていこう」

 

 ユウが言うと、六花は小さく頷いた。

 顔を離す。六花の目が潤んでいて、頬が上気している。唇が、無意識に少しだけ開いている。

 

 待っている、と思った。

 ユウはゆっくりと顔を近づけていく。六花の吐息が、唇に触れる。甘い匂い。心臓が、うるさいくらいに鳴っている。

 

 そして──唇が、重なった。

 ちゅっ……。

 軽く触れるだけのキス。六花の目が、ゆっくりと閉じていく。

 

 もう一度。

 ちゅっ……ちゅっ……。

 唇を重ねるたびに、六花の身体が少しずつ近づいてくる。

 

 舌を入れると、六花の舌が、おずおずと絡んできた。

 くちゅ……くちゅ……。

 

「ん……」

 

 六花の声が、キスの合間に漏れた。

 くちゅ……ちゅる……。

 舌と舌が絡み合う。唾液が混ざり合う音が、静かな部屋に響いている。

 

「んっ……んむ……っ」

 

 六花の声が、少しずつ大きくなっていく。

 

「っ、舌、絡まって……」

 

 キスを解くと、六花が熱っぽい目でこちらを見ていた。唇が濡れている。

 

「ユウの、味……する……」

 

 恥ずかしそうに、でも嬉しそうに、六花が呟いた。

 

 ◆◆◆

 

「じゃあ、始めようか」

 

 ユウが言うと、六花は小さく頷いた。

 

「うん。PDCA、始めよう」

 

 六花が提案した「計画」。夏休みの間、二人でエッチの練習をしよう、というものだった。計画を立てて、試して、振り返って、改善する。PDCAサイクルを回して、二人で気持ちよくなれるようになろう、と。

 

「今日のPLANは……」

 

 ユウがスマホのメモを見る。事前に二人で話し合って決めた内容だ。

 

「膣内だけでイくのは難しいから、外側を一緒に刺激する。目標は、六花が外でイくこと」

「うん」

 

 六花の顔が、また赤くなった。

 

「恥ずかしいこと、はっきり言うね、ユウ」

「六花が言い出したんじゃん」

「それは、そうだけど」

 

 六花が視線を逸らす。でも、逃げる気配はない。

 

「脱がせてよ、ユウが」

 

 六花が言った。

 

「え?」

「自分で脱ぐの、恥ずかしいから。……できないの?」

 

 少しだけ挑発するような目。からかわれている、とユウは思った。でも、六花の耳が赤いことに気づいている。からかいながら、六花も緊張しているのだ。

 

「わかった」

 

 ユウは六花の前に膝をついた。

 ブラウスのボタンに手をかける。指が、震えていた。

 

「手、震えてるじゃん」

 

 六花がくすりと笑った。

 

「緊張してるの、私だけじゃないんだ」

「うるさい」

 

 一つずつ、ボタンを外していく。

 ブラウスがはだけると、白いブラジャーが見えた。六花の胸は、身長に対してやや大きめだ。ブラジャーの上からでも、その膨らみがわかる。

 

「そんなに見たかったんだ、私の身体」

 

 六花が呟いた。からかうような声。でも、声が少し震えている。

 ブラウスを脱がせる。白い肩が露わになった。鎖骨のラインが綺麗だ。

 

「ブラも」

 

 六花が言った。自分では外せないから、という意味だろう。

 ユウは六花の背中に手を回して、ブラジャーのホックを外した。何度かやったことがあるけれど、まだ慣れない。

 ブラジャーが外れると、六花の胸が露わになった。

 ぴんと張って上向きになった、形のいい乳房。薄いピンク色の乳首が、少しだけ硬くなっている。

 

「っ、そんなに見ないで」

 

 六花が腕で胸を隠そうとした。さっきまでの余裕が消えている。

 

「やっぱ恥ずかしい……」

「綺麗だよ、六花」

「っ、そういうこと言うの、ずるい」

 

 六花の顔が、耳まで真っ赤になった。

 ショートパンツに手をかける。ファスナーを下ろして、ゆっくりと脱がせていく。

 白いショーツが見えた。新しいものだ、とユウは思った。今日のために選んできたのだろうか。

 

「全部、脱がせて」

 

 六花が小さく言った。声が震えている。

 ショーツに指をかけて、ゆっくりと下ろしていく。

 六花の秘部が、露わになった。

 薄い茂み。その奥に、ピンク色の割れ目が見える。そして──すでに、透明な液体が光っていた。

 

「濡れてる」

 

 ユウが思わず呟くと、六花が顔を両手で覆った。

 

「っ、言わないでよ、そういうの……」

「ごめん」

「ごめんじゃないし……」

 

 でも、六花の身体は正直だった。触ってもいないのに、愛液が溢れている。期待しているのだ、六花も。

 

「僕も脱ぐね」

 

 ユウは自分の服を脱いだ。六花が、指の隙間からこちらを見ている。

 

「ユウも、なってるね」

 

 六花が呟いた。ユウの下半身を見て、少しだけ笑う。

 

「お揃いだね、また」

 

 

 ◆◆◆

 

 ベッドに横になった六花の隣に、ユウは身体を寄せた。

 

「触るよ」

「うん」

 

 六花の肩に手を置いた。

 

「っ」

 

 小さく息を呑む音。でも、声にはならない。

 肩から鎖骨へ。指先でなぞるように触れていく。

 

「ん……」

 

 鼻から漏れるような、小さな声。六花の喉が、こくりと動いた。

 鎖骨から、胸の上部へ。膨らみの始まりに触れる。

 

「んっ……」

 

 今度は、口から声が漏れた。六花が目を閉じている。

 乳房の膨らみに沿って、指を滑らせていく。でも、乳首には触れない。周りをゆっくりと、円を描くように。

 

「んっ……んっ……」

 

 六花の声が、少しずつ大きくなっていく。身体が、微かに震えている。

 

「ユウ」

「ん?」

「じらさないで」

「もう少しだけ」

「っ、意地悪」

 

 六花が唇を尖らせた。でも、その目は潤んでいる。

 もう少しだけ、乳房の周りをなぞってから──乳首に、指先を触れさせた。

 

「んんっ……!」

 

 六花の身体が、びくりと跳ねた。

 小さな突起が、硬くなっている。指の腹で、ゆっくりと転がす。

 

「あ……っ」

 

 声が変わった。抑えようとしているのに、漏れてしまう声。

 

「そこ……っ」

「気持ちいい?」

「わかんない……っ、けど、変な感じ……っ」

 

 親指と人差し指で、軽くつまんでみる。

 

「あ……っ!」

 

 六花の背中が反った。

 

「痛い?」

「痛くない……っ、けど……っ」

 

 そのまま、軽く引っ張る。

 

「んっ……!」

 

 六花の太ももが、もじもじと擦り合わされた。下が気になっているのだ。

 

「っ、下、濡れてきた……」

 

 六花が、恥ずかしそうに呟いた。

 

「自分でわかる……触ってないのに……」

「見ていい?」

「っ、見なくても、わかるでしょ……」

 

 でも、拒否はしなかった。

 ユウは身体を下にずらして、六花の秘部を見た。

 さっきよりも、明らかに濡れている。透明な液体が、割れ目から溢れて、太ももを伝っている。

 

「すごい、濡れてる」

「っ、だから言わないでって……」

 

 六花が顔を覆った。でも、足は閉じない。見せている。ユウに、見せている。

 

「触るよ」

「うん」

 

 太ももの内側に手を置いた。

 

「あ……っ」

 

 柔らかい。指が沈む感触。六花が気にしている部分だけど、ユウはここが好きだった。

 ゆっくりと、秘部に近づいていく。指先が、愛液で濡れた。

 

「っ」

 

 六花が息を呑んだ。

 指を、割れ目に沿って滑らせる。ぬるぬると、抵抗なく動く。

 

「ひ……っ」

 

 声が裏返った。

 

「っ、音、出てる……」

 

 六花が呟いた。

 くちゅ、くちゅ、と、濡れた音が響いている。

 

「ぐちゅぐちゅ言ってる……恥ずかしい……」

「六花が濡れてるから」

「っ、ユウのせいでしょ……」

 

 指先で、ゆっくりと探っていく。柔らかいひだの間を、上から下へ。

 

「あ……っ、あ……っ」

 

 六花の声が、連続して漏れるようになった。

 そして──小さな突起に、指先が触れた。

 

「あっ!」

 

 六花の身体が、大きく跳ねた。

 

「ここ?」

「そこ……っ! やば……っ」

 

 見つけた。六花のクリトリス。小さな、豆のような突起。でも、触れただけでこんなに反応する。

 ゆっくりと、円を描くように擦る。

 

「んっ……! あっ……! やっ……!」

 

 六花の声が、止まらなくなった。太ももが震えている。

 

「気持ちいい?」

「気持ちよく、ない……っ、ない、から……っ」

 

 否定しているのに、声は完全に乱れている。

 

「嘘」

「嘘じゃ……っ、な……っ、あっ、あっ、あっ……!」

 

 指の動きを速くすると、六花の声も速くなった。

 

「やだ……っ、こんなに濡れてるの……おかしいよ……っ」

 

 愛液が、ユウの指を伝って手のひらまで濡らしている。

 

「っ、嘘……気持ち、いい……っ」

 

 六花が、ついに認めた。

 

「認めたくない……のに……っ」

 

 目に涙が浮かんでいる。恥ずかしさと、快感と、混ざり合った涙。

 

「六花、可愛い」

「可愛くない……っ、こんなの……っ」

 

 でも、六花の身体は正直だった。クリトリスを擦るたびに、愛液が溢れる。声が漏れる。身体が震える。

 

「中、触っていい?」

「っ、うん……」

 

 許可を得て、指先を入り口に当てた。ゆっくりと、押し込んでいく。

 ずぷ……。

 

「あ……っ」

 

 熱くて、きつくて、濡れている。六花の中。

 

「入って……きた……っ」

 

 指を奥まで入れて、中をゆっくりと探る。

 

「んっ……、そこ……っ」

 

 反応する場所を探す。前側の壁を、指の腹で擦ってみる。

 

「あっ……! そこ、なんか違う……っ」

 

 見つけた。Gスポット、と呼ばれる場所だろう。少しざらざらした感触の部分。

 

「ここ?」

「わかんない……っ、けど、そこ擦ると……やば……っ」

 

 中と外を、同時に刺激する。指で中を擦りながら、親指でクリトリスを転がす。

 

「ひゃっ……! 中と外、同時……っ!」

 

 六花の声が、一段階上がった。

 

「やばっ……やばやば……っ!」

 

 両足が、ユウの手を挟むように閉じようとする。でも、ユウは手を止めない。

 

「頭……っ、真っ白に……っ」

「このまま、イっていいよ」

「イくって……っ、わかんない……っ、けど……っ」

 

 六花の中が、きゅうきゅうと締まってきた。

 

「なんか……っ、お腹の奥、ぎゅってなる……っ」

「そのまま」

「来る……っ」

 

 六花の声が、切迫してきた。

 

「来る、来る……っ」

「いいよ、そのまま」

「来る来る来るっ……!」

「六花──」

「ユウ……っ! ユウっ……!」

 

 名前を呼ばれた。六花が、ユウの名前を連呼している。

 

「あっ、あっ、あっ──—っ!!!」

 

 六花の身体が、大きく仰け反った。

 

「イ……っ、なにこれ……っ!!」

 

 中がきゅうきゅうと締まって、指を締め付ける。六花の全身が、小刻みに震えていた。

 

「あ……っ、あ……っ、んんっ……!!」

 

 白目になりかけている。涙が、目尻から流れ落ちた。

 

「──────っ!!!!」

 

 そして──六花の身体から、一気に力が抜けた。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 六花の荒い呼吸が、静かな部屋に響いている。

 

「六花、大丈夫?」

「大丈夫……っていうか……」

 

 六花が、虚ろな目でユウを見た。

 

「すごかった……」

「イけた?」

「うん……たぶん……」

 

 六花の身体が、まだ小刻みに震えている。

 

「まだ、びくびくしてる……」

「ごめん、指、抜くね」

「っ、ゆっくり……まだ敏感……」

 

 ゆっくりと指を抜くと、六花が小さく声を漏らした。

 

「んっ……」

 

 指が、愛液でてらてらと光っている。

 

「こんなに出てたんだ……」

 

 六花が、恥ずかしそうに呟いた。

 

「シーツ、濡れちゃった……ごめん」

「いいよ、そんなの」

 

 ◇

 

(……やば)

 

 六花は、自分の呼吸がまだ整わないことに気づいていた。

 身体が、まだびくびくしている。指を抜かれた後も、お腹の奥がじんじんしている。

 イった。生まれて初めて、人にイかされた。

 

(……声、出しすぎた)

 

 思い出すだけで顔が熱くなる。

 

「やばやばやば」とか、「来る来る来る」とか、なんだあれは。自分の声じゃないみたいだった。

 ふと、部屋の壁が気になった。

 

「ねえ、ユウ」

「ん?」

「ここ、壁、薄くない?」

 

 ユウが一瞬きょとんとした顔をして、それから少し困ったように笑った。

 

「うん、まあ、ちょっと」

「っ」

 

 聞こえてたかもしれない。隣の部屋に。さっきの声。

 

「私、声、大きかった?」

「うん」

「っ、なんで正直に言うの」

「六花が聞いたから……」

「聞いたけど! 嘘でも『大丈夫』って言ってよぉ」

 

 顔を両手で覆った。耳まで熱い。

 

「やば、引っ越して」

「無理だよ。ていうか、気にすることないって。恥をかくのは僕だけでしょ」

 

 ユウが笑いながら言った。その顔を見ていたら、少しだけ恥ずかしさが薄れた。

 

「次から、気をつける」

「無理しなくていいよ」

「無理するの。……聞かれるの、恥ずかしいもん」

 

 でも、さっきの自分を思い出すと、我慢できる自信がなかった。

 ◇

 ユウは六花の隣に横になった。まだ、自分の方は何もしていない。でも、今は六花の余韻を大切にしたかった。

 

「ユウ」

「ん?」

「入れて」

 

 六花が言った。

 

「え?」

「だから……入れてほしいの。……ダメ?」

 

 六花の目が、まっすぐにユウを見ている。

 

「いいの?」

「うん。ユウにも、気持ちよくなってほしいから」

 

 

 ◆◆◆

 

 コンドームを着けて、六花の上に覆いかぶさった。

 

「入れるよ」

「うん」

 

 先端を、入り口に当てる。濡れていて、熱い。

 ゆっくりと、押し込んでいく。

 ずぷ……。

 

「あ……っ」

 

 六花が息を呑んだ。

 先端が入った。そのまま、ゆっくりと奥へ。

 ずず……。

 

「んっ……入って……きてる……」

 

 六花の声が、かすれている。

 

「熱い……っ、ユウの……熱い……」

 

 奥まで入った。根元まで、全部。

 

「全部、入った」

「うん……っ、わかる……っ、奥まで届いてる……っ」

 

 しばらく、そのまま動かずにいた。六花の中が、ユウを包み込んでいる。熱くて、きつくて、濡れている。

 

「六花」

「ユウ」

 

 名前を呼び合う。それだけで、胸が熱くなった。

 

「動くよ」

「うん」

 

 ゆっくりと、腰を引く。

 ぬちゅ……。

 湿った音がした。六花は濡れている。ゆっくりなら、ちゃんとセックスができるくらいには……。

 

「んっ……」

 

 六花の声が漏れた。

 そして、また奥まで押し込む。

 ずぷっ……。

 

「あ……っ」

 

 ゆっくりと、往復を繰り返す。

 

「あっ……あっ……」

 

 六花の声が、動きに合わせて漏れる。

 でも、これだけでは六花はイけない。事前に調べた知識を思い出す。

 腰を押し付けるようにして、恥骨をクリトリスに当てる。そのまま、擦り付けるように動く。

 ぐりっ、ぐりっ……。

 

「ひゃっ……! なにこれ……っ!」

 

 六花の反応が、一気に変わった。

 

「中と外、同時に……さっきと同じ」

「そこ……っ! さっきの場所……っ!」

 

 恥骨がクリトリスを擦るたびに、六花の声が高くなる。

 

「やば……っ、また来る……っ」

「いいよ、そのまま」

 

 腰の動きを速くする。

 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅっ……。

 

「あっ、あっ、あっ……!」

 

 六花の声が、連続して響く。目がとろんとしてきた。

 

「気持ちいい……っ、認めたくないのに……っ、気持ちいい……っ」

「僕も、気持ちいい」

「ユウも……っ?」

「うん……六花の中、すごい……きゅうきゅうしてる……」

「言わないで……っ、恥ずかしい……っ」

 

 でも、言われて嬉しそうな顔をしている。六花の中が、きゅっと締まった。

 

「また来る……っ、さっきより……っ」

「一緒に、イこう」

「うん……っ、ユウと一緒に……っ」

 

 腰の動きをさらに速くする。限界が近い。

 

「イく……っ」

「僕も……っ」

「イく、イく……っ」

「六花……っ」

「ユウ……っ! ユウっ……! ユウ──っ!!」

「──っ!」

 

 六花の中が、ぎゅうぎゅうと締め付けてきた。

 絶頂している。六花が、僕の腕の中で、絶頂している。

 

「あっ、あっ、あっ──—っ!!!」

 

 六花の声が、頭の中を駆け巡った。この声を出させたのは、僕だ。この身体を震わせているのは、僕だ。

 

(イかせた──僕が、六花を──)

 

 その瞬間、快感が一気に押し寄せてきた。

 今までの射精とは、全然違った。

 ただ「出る」んじゃない。六花をイかせた達成感と、愛情と、快感が、全部混ざって、身体の奥から噴き上がってくる。

 

「──っ、六花……っ!」

 

 腰が勝手に動いた。奥まで押し込んで、そのまま──

 びゅるっ、びゅるるっ……。

 

「あ……っ、出てる……っ、ユウの、出てる……っ」

 

 六花の声が、遠くから聞こえた。

 

「熱い……っ、お腹の中、熱い……っ」

 

 コンドームの中に、全部出していた。止まらない。六花の中で、六花に包まれながら、全部出していた。

 

(気持ちいい──今までで、一番──)

 

 頭が真っ白になった。

 六花の身体の熱さ。締め付け。声。匂い。全部が、快感を増幅していく。

 

「六花……っ、六花……っ」

 

 名前を呼ぶことしかできなかった。

 

「ユウ」

 

 六花の手が、背中に回された。ぎゅっと、抱きしめられる。

 

「気持ちよかった?」

「うん」

「よかった」

 

 その声を聞いて、ユウは確信する。

 今日、何か大切なものを手に入れた。六花と一緒に、手に入れたのだ。

 

 ◆◆◆

 

 どれくらいそうしていただろう。

 まだ繋がったまま、ユウは六花を抱きしめていた。六花の身体が、まだ微かに震えている。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 六花の荒い呼吸が、ユウの首筋にかかる。

 

「六花、大丈夫?」

「大丈夫……」

 

 弱々しい声。でも、六花の腕がユウの背中に回されている。離れたくない、と言うように。

 

「抜くね」

「もうちょっと、このまま……」

 

 六花がぎゅっと抱きついてきた。

 

「ダメ?」

「いいよ」

 

 もちろん、いい。ユウだって、まだこうしていたかった。

 

「すごかった」

 

 六花が呟いた。

 

「二回も、イっちゃった」

「僕も、気持ちよかった」

「ほんと?」

「うん」

「よかった」

 

 六花の声が、嬉しそうだった。

 しばらくして、ゆっくりと繋がりを解いた。

 

「んっ……」

 

 六花が小さく声を漏らす。

 

「中から、出てきてる……」

 

 六花が、自分の下腹部を見た。コンドームの中に溜まったものが見える。

 

「いっぱい出たね」

「うん」

「私のせい?」

 

 六花がからかうような目で見てきた。少しだけ、余裕が戻ってきたらしい。

 

「六花がエロすぎたから」

「もー、そういうこと言うの、やめて」

 

 でも、嬉しそうな顔をしている。

 コンドームを外して、ティッシュに包んで捨てた。それから、六花の隣に横になる。

 

「ねえ、ユウ」

「ん?」

「こういうの、大事なんだって」

「こういうの?」

「終わった後……こうやって、くっついてるの」

 

 六花が、ユウの胸に顔を埋めた。冷めないようにタオルケットをかけてやると、赤い顔をほころばせる。

 

「調べたの。恥ずかしいけど」

「そうなんだ」

 

「動物は……終わったらすぐ離れるでしょ? でも、人間は違う。こうやって、一緒にいられる。……それが、人間だけのセックスの、最強の技術なんだって」

 

「六花、すごいね。ちゃんと調べてて」

「当たり前でしょ。私が提案したんだから」

 

 六花がユウの胸を軽く叩いた。でも、顔は嬉しそうだ。

 

「だから、これからは……終わった後も、ちゃんとこうしよう」

「うん」

「『好き』も、言おう」

「え?」

「終わった後に言う『好き』は……してる時より、重いんだって。頭がはっきりしてるから」

 

 六花がユウの顔を見上げた。頬が赤い。

 

「だから、言うね」

「うん」

「好き。ユウのこと」

 

 小さな声。でも、はっきりと聞こえた。

 

「僕も、好きだよ。六花」

「っ」

 

 六花の顔が、さらに赤くなった。

 

「なんか、恥ずかしい」

「六花が言い出したんじゃん」

「うるさい」

 

 六花がユウの胸に顔を埋めた。耳まで真っ赤になっている。

 

「でも、嬉しい」

「僕も」

「ユウ」

「ん?」

「もうちょっと、このまま」

「うん」

「離れたくない」

「僕も」

 

 しばらく、そのまま抱き合っていた。六花の心臓の音が、ユウの胸に伝わってくる。

 

「ねえ、ユウ」

「ん?」

「今日のCHECK、しよう」

「今?」

「うん。……忘れないうちに」

 

 六花が身体を起こした。でも、ユウの手は離さない。

 

「目標は、私が外でイくこと、だったでしょ」

「うん」

「達成。二回もイけた」

 

 六花の顔が、また赤くなった。

 

「新しい発見は……クリトリスと、中の前側の壁。そこを同時に刺激されると、すごい」

「うん」

「課題は……」

 

 六花が考え込んだ。

 

「私、まだ、自分から動けてない。ユウにしてもらうだけだった」

「そうかな」

「そうだよ。……次は、私からも何かしたい」

 

 六花がユウを見た。

 

「上に乗ったり、練習しようかな」

「っ」

「ふふ、顔赤くなった」

「六花のせいだろ」

「私のせいにしないでよ」

 

 六花が笑った。いつもの、からかうような笑い方。

 

「今日は、ありがとう。ユウ」

「僕の方こそ」

「明日も、来ていい?」

「もちろん」

「じゃあ、また明日」

 

 六花が、ユウの唇に軽くキスをした。

 ちゅっ。

 

「好きだよ、ユウ」

「僕も、好き」

「ふふ、何回も言うの、いいね」

「うん」

「じゃあ、シャワー借りていい?」

「一緒に入る?」

「っ、バカ」

 

 でも、六花は拒否しなかった。

 

 ◆◆◆

 

 夕方六時。

 時計塔前のバス停で、六花を見送った。

 夕焼けの光が、六花の顔を照らしている。髪飾りのオレンジが、夕日と同じ色に輝いていた。

 

「今日、ありがとう」

「うん。……また明日」

「うん。明日も、頑張ろうね」

「何を?」

「PDCA」

 

 六花が笑った。

 

「ばいばい、ユウ」

「ばいばい」

 

 バスが来て、六花が乗り込んだ。窓から手を振っている。

 ユウも手を振り返した。

 バスが走り去っていく。六花の姿が、小さくなっていく。

 

「今日、うまくいったな」

 

 ユウは呟いた。

 六花がイけた。二回も。一緒にイけた。

 

「明日は、もっと」

 

 夏休みは、まだ始まったばかりだ。

 時計塔の影が長く伸びる中、ユウは自分の部屋に戻っていった。

 明日への期待を、胸に抱えて。

 

(続く)

 

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★ EPISODE 1 RESULT ★

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【達成】

☑ 六花、初めての「外イキ」成功!

☑ クリトリスの場所、発見!

☑ 恥骨グラインドで同時刺激、成功!

☑ 「好き」って言えた(お互いに)!

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【ステータス変化】

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・ビンカン度 :★☆☆☆☆ → ★☆☆☆☆+(クリ感度UP)

 

・カラダの正直さ:★☆☆☆☆ → ★☆☆☆☆+(声が漏れるように)

 

・ココロのゆるみ:★☆☆☆☆ → ★☆☆☆☆+(「気持ちいい」を認めた)

 

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【NEW! スキル獲得】

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  B-1 『キスでとろ〜り♡』習得!

条件:ビンカン度Lv2 + ココロのゆるみLv2✓

「っ、舌、絡まって……」「ユウの、味……する」

内容:キスだけで蕩ける、濡れ始める

 

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【NEW! 称号獲得】

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・『はじめてのオーガズム♡』習得!

 

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【六花の感想】

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「イけた。ユウとで、初めて。

……やば、思い出すだけで顔熱い」

 

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【次回予告】

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「今度は、自分から動いてみようかな」

 

――六花、女性上位に目覚める……?

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   NEXT → EPISODE 2「自分からすりすり♡」

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