「エロ怖」日本の怪異を訪ねて 怖くてドエロい短篇集⭐️イラスト付き 作:みなぽん
登場人物
柳沢 昂(やなぎさわ のぼる)
大東亜文化大学 民俗学教授。
日本各地に残る因習・怪異・禁忌を研究する民俗学者であり、**「超常民俗学」**の第一人者と呼ばれる人物。
穏やかな物腰と知的な雰囲気を持つイケオジ教授で、学生からの信頼も厚い。
その一方で、警察や行政が扱えない怪異絡みの事件の調査・解決にも密かに関わっている
研究分野は 土着信仰 呪術民俗 怪異伝承 日本全国を巡り、禁忌の儀式や失われた呪術の記録を収集している。
口癖は――
「私は日本の民俗学を研究する傍ら、怪異のもたらす事件の解決にも関わっています。
怪異は我らの傍に常にあり、じっとこちらを見つめているのです。」
姉川 美奈子(あねがわ みなこ)
柳沢ゼミ ゼミ長。
寺の娘であり、幼い頃から密教の作法や呪符を学んできた。真面目で責任感が強く、ゼミをまとめる柳沢教授の右腕。
柳沢への尊敬は人一倍強く、研究でも怪異調査でも常に全力。清楚で落ち着いた雰囲気の優等生タイプだが、実はかなり大胆な一面も持つ。
主な能力 密教呪符 護符結界 退魔真言
怪異との戦いでは、呪符を空中に展開して結界や封印を行う。
南條 美和(なんじょう みわ)
美奈子の同期。
元陸上部エースで、現在も抜群の運動能力を持つ。長身スレンダーな美人で、ファッション誌の読者モデルも務める人気者。
明るく社交的で、ゼミのムードメーカー。
しかし彼女にはある秘密がある。
彼女の体には、日本の妖怪姦姦蛇螺(かんかんだら)の巫女の力が宿っている。
その能力は――六本の不可視の腕
普段は見えないが、戦闘時には空間に六本の腕を展開し
・怪異の拘束 同時攻撃 霊的防御 などを行うことができる。
八氏役 紗奈(はちしやく さな)
ある日突然、柳沢ゼミに転入してきた謎の美少女。
黒髪ロングの長身で、どこか古風なお嬢様のような品のある話し方をする。
しかし 異常なほどの大食い 可愛い少年を見ると目を輝かせる という不思議な癖を持つ。
その正体は――
都市伝説の怪異 八尺様 人間の姿に化けて大学生活を送っている。
戦闘時には本来の姿へと変貌する。
身長 約240cm
能力 怪力 霊圧 空間移動
柳沢ゼミにいる理由は、本人いわく
「人間の文化に興味があるからですわ」だが、本当の目的は不明。
不破 スクナ(ふわ すくな)
飛騨地方に伝わる呪術名家不破家の娘。
不破家は古くから両面宿儺の信仰と呪術を受け継ぐ一族。
スクナは母の後を継ぎ、宿儺と契約を交わし第三十三代・宿儺の憑代となった。
ツインテールの野性味あふれる少女で、細かい呪術よりも
身体強化特化型呪術を使う。
戦闘スタイル 超人的身体能力 怪力 高速格闘 とにかく殴る、蹴る、投げる。
怪異退治の方法はシンプル。
「祓えないなら殴って祓う」
柳沢ゼミでは最も危険な戦闘要員。
池袋駅周辺における怪事件の歴史的考察――「辻神の祟り」か、それとも都市が生み出す闇か 有明書房館 立川 幹雄 著 より
江戸時代の記録文献と、昭和から現代に至る新聞の縮刷版。これらを丹念に読み比べていくと、池袋という街にまつわる、奇妙な符合が浮かび上がってくる。
もちろん、私は怪異の存在を信じているわけではない。事件にはそれぞれ固有の事情があり、合理的な説明が可能なはずだ。しかし、それでもなお、池袋という土地に繰り返し現れる惨劇の記録には、考察に値する何かがある。
その発端は、江戸時代、第八代将軍・徳川吉宗の治世にまで遡る。
当時、高田雑司ヶ谷方面と板橋方面を結ぶ街道が交わる四つ辻、現在の西武線池袋駅東口付近にあたる場所は、夜ともなれば追い剥ぎや辻斬りが出没する危険な土地だったという。記録に伝わるところでは、実に十七人もの人々が辻斬りの犠牲となる凄惨な事件が発生した。下手人は役人と村人たちによって取り押さえられ、斬首されたと伝えられている。
事件の犠牲者を弔い、再び同じ惨劇が起こらぬよう建立されたとされるのが、池袋駅近くに残る四面塔である。観音の慈悲によって辻斬りの狂気を鎮め、命を奪われた者たちの成仏を願う。そうした祈りが、この場所には込められているという。
だが、奇妙なのは、事件がそこで終わらなかったことである。
昭和以降の新聞記録を追うと、池袋周辺では、百貨店の窓ガラス落下による死亡事故、サンシャイン通りで発生した無差別殺傷事件、自動車の暴走事故、大学の劇団関係者による不可解な殺人事件など、社会に大きな衝撃を与えた事件がたびたび記録されている。さらに、地元の物件における不審死の噂も絶えない。
そして、かつて池袋には、戦犯として裁かれた人々が収監され、処刑された場所も存在した。
こうした出来事をひとつの線で結び、池袋には古くから「辻神」が棲みついているのだと語る者もいる。辻神とは、道の交差する場所に宿るとされる神霊、あるいは祟りをなす存在である。これが人間に憑依し、理性を失わせ、残虐な行為へと駆り立てるのだという。
もちろん都市が中心部から押し出した社会的リスクが、周辺地域に集積するという周辺都市へのリスクパージ説も一定の説得力があるだろう
東京を例にとれば、北の池袋、東の上野、西の新宿、南の五反田といった繁華街である。
孤立といった要素を重ね合わせてみることで、事件が起こる背景を、怪異に頼らずに考えることができる。
[#ユーザー]
柳沢先生たちは現代の池袋で起きた、少女連続殺人事件を辻神に取り付かれたものの犯行として追いかける。現在のジャックザリッパー的なスリリングで、恐怖が溢れる展開で。
登場人物
柳沢 昂(やなぎさわ のぼる)
大東亜文化大学 民俗学教授。
日本各地に残る因習・怪異・禁忌を研究する民俗学者であり、**「超常民俗学」**の第一人者と呼ばれる人物。
穏やかな物腰と知的な雰囲気を持つイケオジ教授で、学生からの信頼も厚い。
その一方で、警察や行政が扱えない怪異絡みの事件の調査・解決にも密かに関わっている
研究分野は 土着信仰 呪術民俗 怪異伝承 日本全国を巡り、禁忌の儀式や失われた呪術の記録を収集している。
口癖は――
「私は日本の民俗学を研究する傍ら、怪異のもたらす事件の解決にも関わっています。
怪異は我らの傍に常にあり、じっとこちらを見つめているのです。」
姉川 美奈子(あねがわ みなこ)
柳沢ゼミ ゼミ長。
寺の娘であり、幼い頃から密教の作法や呪符を学んできた。真面目で責任感が強く、ゼミをまとめる柳沢教授の右腕。
柳沢への尊敬は人一倍強く、研究でも怪異調査でも常に全力。清楚で落ち着いた雰囲気の優等生タイプだが、実はかなり大胆な一面も持つ。
主な能力 密教呪符 護符結界 退魔真言
怪異との戦いでは、呪符を空中に展開して結界や封印を行う。
南條 美和(なんじょう みわ)
美奈子の同期。
元陸上部エースで、現在も抜群の運動能力を持つ。長身スレンダーな美人で、ファッション誌の読者モデルも務める人気者。
明るく社交的で、ゼミのムードメーカー。
しかし彼女にはある秘密がある。
彼女の体には、日本の妖怪姦姦蛇螺(かんかんだら)の巫女の力が宿っている。
その能力は――六本の不可視の腕
普段は見えないが、戦闘時には空間に六本の腕を展開し
・怪異の拘束 同時攻撃 霊的防御 などを行うことができる。
八氏役 紗奈(はちしやく さな)
ある日突然、柳沢ゼミに転入してきた謎の美少女。
黒髪ロングの長身で、どこか古風なお嬢様のような品のある話し方をする。
しかし 異常なほどの大食い 可愛い少年を見ると目を輝かせる という不思議な癖を持つ。
その正体は――
都市伝説の怪異 八尺様 人間の姿に化けて大学生活を送っている。
戦闘時には本来の姿へと変貌する。
身長 約240cm
能力 怪力 霊圧 空間移動
柳沢ゼミにいる理由は、本人いわく
「人間の文化に興味があるからですわ」だが、本当の目的は不明。
不破 スクナ(ふわ すくな)
飛騨地方に伝わる呪術名家不破家の娘。
不破家は古くから両面宿儺の信仰と呪術を受け継ぐ一族。
スクナは母の後を継ぎ、宿儺と契約を交わし第三十三代・宿儺の憑代となった。
ツインテールの野性味あふれる少女で、細かい呪術よりも
身体強化特化型呪術を使う。
戦闘スタイル 超人的身体能力 怪力 高速格闘 とにかく殴る、蹴る、投げる。
怪異退治の方法はシンプル。
「祓えないなら殴って祓う」
柳沢ゼミでは最も危険な戦闘要員。
辻神の街――池袋・少女連続殺人事件
第一章 血の辻
梅雨の湿気が雑居ビルの壁にへばりついた夜のことだった。
七月十一日、午前零時を回った頃、柳沢昂は研究室の机上に広げた新聞の縮刷版から目を上げ、読めかけの古文書に栞を挟んだ。
「……先生」
姉川美奈子が扉を叩く音もなく開けた。その面色は蒼白だった。
「西池袋公園で、また遺体が見つかったそうです」
柳沢は栞を挟んだ本を閉じた。
「また」
「はい。今度は十五歳の少女でした」
柳沢は眼鏡のブリッジを中指で押し上げた。そのしぐさを、美奈子は何百回も見てきた。先生が考えるときの癖だ。
「三件目ですか」
「三件目です」
柳沢はゆっくりと椅子に背を預けた。窓の外には大東亜文化大学のキャンパスの闇が広がっている。池袋の繁華街から電車で25分少し離れた場所とはいえ、夜の空気にはあの腐った果実のような匂いが漂ってくることがある。柳沢はそれを錯覚だと思いたかったが、今はもう錯覚だとは言えなかった。
「警察は」
「猟奇事件として捜査中だそうです。遺体の状況が前の二件と同じだと」
美奈子は唇を噛んだ。
犯人は被害者を凌辱して腹にシルシを刻み殺害したのだ。
柳沢は立ち上がった。
現場に着いたとき、警察の検視が終わった後だった。
黄色いテープが張り巡らされた西池袋公園の一角に、白い布の下に小さな隆起があった。十四歳。まだ子どもの背丈だ。柳沢はそれを見下ろし、美奈子が隣で小さく息を呑むのを聞いた。
「先生、これ」
美奈子が懐から護符を取り出した。結界の呪符だ。彼女の指が微かに震えている。
「霊圧が――あります。それも強い」
柳沢は眼鏡の奥の瞳を細めた。
「私が近づいてもいいですか」
二人が振り返ると、南條美和が立っていた。長身で、夜の闇の中でもその輪郭は際立って美しかった。読者モデルとして雑誌に登場する彼女の写真を柳沢も見たことがあるが、実物の方が遥かに鋭い。
「美和、来ていたのか」
「美奈子から連絡をもらって。走ってきました」
彼女はそう言って、白い布の下の遺体に目を落とした。その瞳が一瞬、翳った。
「……これ、酷い まともな人間のやったことじゃないですよね」
「断定はできないが怪異絡みだが」
柳沢は言葉を切った。
柳沢は公園の入り口にある交差点を見た。信号機が赤に変わった。夜の池袋の交差点は、昼間の喧騒が嘘のように静かだ。だがその静寂の底には、何かが潛んでいる。
「辻神。道の交差する場所に宿る神霊、あるいは祟りをなす存在。人間に憑依し、理性を失わせ、残虐な行為へと駆り立てる」
柳沢はそう言って、懐中電灯の光を遺体の周辺に走らせた。光がアスファルトの上の何かを捉えた。
血だまりの中に、指で描かれたような文字があった。
「『祟』」
美奈子が呻いた。
「祟。つまりは祟り。犯人は殺された少女の体に刻んでいた。
柳沢研究室に戻ったのは午前三時を回っていた。
美奈子が淹れた茶を両手で包み、柳沢は資料を広げた。有明書房館の立川幹雄が書いた池袋の怪異に関する考察。四面塔の建立。江戸時代の辻斬りの記録。そして昭和以降、繰り返し池袋で発生してきた惨劇の数々。
「立川氏の記述によれば、池袋には古くから辻神が棲みついている。道の交差する場所――辻は、この世とあの世の境界でもある。そこに宿る神霊は、時に人間に憑依し、狂気を与える」
「人間に憑依する、ということは」
美奈子が慎重に言った。
「犯行をしているのは、人間ということですか」
「そうだ。だがその人間は、自らの理性で動いているのではない。辻神に憑かれた者は、神の意志で動かされる。辻神が求めるのは供物。特に若い命。少女の血と肉体は、古来より神への供物とされてきた」
美奈子の顔が強張った。寺の娘として、彼女は供物の意味を知っている。
「四面塔は、それを鎮めるためのものだったのでは」
「そうだ。観音の慈悲によって辻斬りの狂気を鎮め、命を奪われた者たちの成仏を願う。だが四面塔の力も、都市の膨張とともに薄れてしまった。池袋という街が巨大になるにつれ、辻神は力を取り戻した。人間が集まり、欲望が交差し、負の感情が渦巻く場所こそ、辻神の餌場なのだ」
柳沢は茶を一口飲んだ。
「そして今、この街で少女連続殺人が起きている。祟の文字を刻みながら、辻神は三件目で終わるわけではないだろう。次がある」
その時、研究室の扉が開いた。
「お邪魔しますわ」
八氏役紗奈が立っていた。黒髪ロングの長身が、深夜の研究室の蛍光灯の下で影を落としている。彼女はいつも通り、品のある微笑みを浮かべていたが、その目だけが笑っていなかった。
「紗奈、どうして」
「公園の近くを通りましてね。あの匂いがしましたの」
「匂い」
「辻神の匂いですわ。古くて、腐っていて、それでいて甘い。あのような臭いを、私は存じ上げております」
柳沢は紗奈を見つめた。八尺様。都市伝説の怪異が、人間の姿で大学に通っている。その彼女が辻神の匂いを感知した。それは、この事件が単なる人間の猟奇殺人ではないことを裏付けるものだった。
「紗奈、辻神について何か知っていることはあるか」
「ございますわ。だって私も辻神のようなものですわ。ただ憑くだけではございませんの。辻神に憑かれた者は、次第に辻神そのものの性質を帯びてゆきますの。人の皮を被った怪物になる。ですから、犯人を見つけても、すぐには分かりませんわ。人間に見える。けれど、もう人間ではない」
柳沢は黙って聞いていた。
「それと」
紗奈は廊下を見た。
「スクナちゃんもいらしているようですわ」
扉がまた開いた。今度は、ツインテールの少女が、タンクトップ姿で入ってきた。不破スクナだ。深夜のキャンパスをランニングしていたのだろう、額に汗が光っている。
「電話が来た。美奈子から。祓えないなら殴って祓ってやるって。」
スクナは柳沢の前に座り、テーブルの上の菓子を勝手に食い、自分で茶を注いだ。
美和が苦笑した。
「だからこそスクナは頼りになるよね」
柳沢は皆を見渡した。
「今回のケースは難しい。怪異なら殲滅できる。だが、犯人は人間だ、既に辻神に憑かれているにしても、私たちは犯人を捕まえて辻神ときりはなさなければならない」
「先生」
美奈子が挙手した。
「辻神はどうすれば鎮まるのですか」
柳沢は立ち上がり窓際に歩いた。深夜の大東亜文化大学のキャンパスの向こうに池袋の夜景が広がっていた。無数のネオンが海の波のように揺れている。
「辻神を祭るための場所をつくりみんなの力を借りて儀式を行えば一時的には鎮まる。」
「柳沢先生、それは辻神の汚れた欲望を果たさせと言う事ですね。」八尺様が柳沢に問い詰めるように聞いた。
「紗奈さん、汚れた欲望を叶えさせるとはどういうことですか?」美奈子が問う。
「私の場合は、かわいい少年をしゃぶり尽くすことでした。今回の男の場合は女の子を犯し蹂躙することでしょうね。」
「殺される可能性もあるってこと?」美和が柳沢に問うた
「もちろんそんな事はさせないさ、犯人を見つけ美奈子が池袋のラブホテルに祭壇を作る、スクナがぶちのめし、凶器を応酬、美和の姦姦蛇螺(かんかんだらの力、―六本の不可視の腕で拘束、紗奈が祭壇まで奴をはこぶ。」
「そしてその後は、どうすんのさ、」スクナが問う。
「奴の欲望が尽きるまで、みんなでセックスしてもらう。辻神を完全にそいつの中から性液と共に排出させるんだ。若いみんなに、こんな屈辱的な行為を頼む事は、本当に申し訳なく思っている。だが、これ以上死者を出すわけにはいかない。」
柳沢教え子たちに深く首を垂れた。
第二章 辻の獣
池袋の雑居ビルに入っているカプセルホテルの一室。
薄暗い廊下に安っぽいラブソングが漏れ聞こえてくる。辻家浩也は、狭いベッドの上でスマートフォンの画面を睨みつけていた。
『ホントに3万? 手取り?』
『ああ。現金で払う。お前の顔、タイプだからさ』
『わかった。東口の……あのホテルね。30分後』
やり取りを終え、浩也はニヤリと口角を吊り上げた。画面に映っていたのは、厚化粧に加工フィルターをかけたような女。田口あやめ。パパ活で小銭を稼いでいる、典型的な今時のガキだ。
「……ざまあねえな」
浩也は呟いた。彼は三十年間、この街で生きてきた。だが誰も彼を見てくれなかった。就職活動はすべて失敗し、親のスネをかじりながらネットの海でしか自分を肯定できなかった。そんな彼が目にするのは、SNSでブランドバッグを自慢する女たち。体一つで楽に金を稼ぐ女たち。彼女たちは浩也のような男を「キモい」と蔑み、金のある男の股間に顔を埋める。ーー
「お前らは、商品だ。俺が値踏みしてやるんだ」
浩也の瞳の奥で、ドス黒い影が揺らめいた。辻神だ。池袋の交差点に巣食う怨念が、浩也の憎悪に惹かつき、彼の中に棲みついたのだ。以来、彼は夜な夜な街へと繰り出し、「商品」を品定めしては、その価値を暴く作業に没頭していた。
コンコン。
ドアをノックする音が響いた。
浩也はドアを開けた。そこにいたのは、写真よりずっと安っぽい女だった。露出の高い服に、安物の香水の匂い。あやめはスマートフォンをいじりながら、ふてぶてしく部屋に入ってきた。
「部屋、狭くない? まあいいや。先に料金ちょうだい。手取りで3万ね」
あやめは手を差し出した。
その仕草が、浩也の中の何かを弾けさせた。
「ああ、金ならあるさ」
浩也は懐から札束を取り出し、あやめの目の前でパラパラとめくって見せた。あやめの目が欲望で輝く。
「へえ、いいじゃん。じゃあ、服脱いで。……ベッドで待ってて」
あやめがバッグを置き、ショートパンツのボタンに手をかけた瞬間――
浩也の手が動いた。
彼はあやめの髪を掴み上げると、力任せにベッドへと押し倒した。
「ッ!? 何すんの!? 痛いって!」
あやめが悲鳴を上げるが、浩也の力は人間離れしていた。辻神の力が彼の筋肉を漲らせている。
「うるせえよ、ビッチが」
浩也はあやめの上に馬乗りになり、その細い首を片手で締め上げた。あやめの顔が赤く変色し、恐怖で見開かれる。
「お前らはよぉ……体を売って、楽に金を稼いでるつもりだろうがな。だがよお、お前らが売ってるのはただの肉だぜ? 腐った肉だ」
浩也はあやめの服を乱暴に引き裂いた。薄い布が悲鳴を上げ、白い肌が露わになる。あやめは必死に抵抗しようと手足をバタつかせるが、浩也の怪力の前では無力だった。
「やめて! お願い! お金返すから!」
「金? そんなもんじゃねえよ。お前らに値段なんてねえんだよ。ただの公衆便所だ」
浩也はズボンを下ろし、抵抗するあやめの足を無理やりこじ開けた。彼の目には情欲などなかった。あるのは、純粋な侮蔑と破壊衝動だけだ。
「いいかげんにして! 助け――ぐっ!」
叫び声を遮るように、浩也はあやめの腹を拳で殴りつけた。空気が肺から追い出され、あやめの体が海老反りになる。その隙に、浩也は己の凶器をあやめの秘部にねじ込んだ。
「ぎゃああああああッ!!」
乾いた肉が裂けるような音が響く。抵抗する間も与えず、浩也は腰を打ちつけた。それは性交ではなく、処刑だった。彼はあやめを見下ろし、屈辱の言葉を吐き続ける。
「どうだ? これがお前の値段だ。3万分の快楽だ。噛み締めろよ、売女」
あやめは涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしながら、無言で首を振り続けた。助けを求める声は、恐怖で声にならなかった。
浩也の背中には、見えない影が張り付いていた。辻神だ。影は浩也の耳元で囁く。
『もっとだ。もっと辱めろ。その女の魂を引き裂け』
「ああ……わかってる」
浩也は恍惚とした表情でナイフを取り出した。あやめの目が限界まで見開かれる。
「いや……やだ……やめて……」
「祟……」
浩也はナイフの切っ先をあやめの腹部に当てた。そして、肉を切り裂く感触を楽しむかのように、ゆっくりと文字を刻み始めた。
「あ……あぐ……」
あやめの口から言葉にならない呻きが漏れる。激痛と恐怖で意識が飛びかけたその時、浩也は最後の一突きを加えようとナイフを振り上げた!
「……やめて」
その時だった。
ドアの外から、静かだが力強い足音が近づいてきた。
「辻家浩也君ですね」
凛とした柳沢の声が響いた。
浩也は血に濡れた顔を歪めた。
「……パンピーじゃねえな」ナイフを構える浩也
第三章 神狩りの夜
「開け!」
柳沢が叫びと共に右手を掲げた。その指先には古びた護符が挟まれていた。
「九字切り!」
臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前――
柳沢の指が空中に九つの軌跡を描く。その瞬間、頑丈そうに見えたドアノブが橙の光を放ち、金属が悲鳴を上げて融解した。鍵が外れ、ドアが衝撃で内側へと弾け飛んだ!
「うおっ!?」
浩也が驚愕の声を上げるよりも早く、影が飛び込んできた。
「遅ぇよ!」
不破スクナだ。
ツインテールが鞭のようにしなり、彼女の身体が砲弾のように部屋を駆け抜ける。人間離れした跳躍力でベッドの上の浩也に迫る。浩也は反射的にナイフを振るったが、スクナはそれを紙切れのように見切った。
「そんなチンケなもんで私を斬れると思ってんのか!」
スクナの拳が浩也の顔面を捉えた。ドゴォッ!という鈍い音が部屋中に響き渡り、浩也の身体はベッドから転がり落ちた。だが辻神の力に憑かれた彼は、すぐに起き上がろうとする。
「調子に乗んな!」
スクナは容赦なかった。彼女の格闘術に華やかさは一切ない。肋骨を蹴り砕き、腕をねじり上げる。浩也の口から鮮血が噴き出した。
「ぐ…がはっ…」
「まだまだぁ!」
スクナは浩也の髪を掴み上げると、壁に叩きつけた。ドライウォールが粉砕し、浩也の意識が飛びかける。だがその背後に蠢く黒い影――辻神が、浩也の身体を無理やり動かし続けていた。
「オォォォォ!」
浩也が獣のような咆哮を上げてスクナに掴みかかる。だがその動きはあまりに単調だった。
「美和!」
スクナの声に呼応して、南條美和が動いた。
「ええ!」
美和が両手を広げると、彼女の背後の空間が歪んだ。六本の不可視の腕――姦姦蛇螺(かんかんだら)の力が展開される。
「捉えた!」
六本の腕が浩也の四肢と胴体を同時に掴み取った。浩也の動きが空中で完全に停止する。
「離せぇ! 離せよぉ!」
浩也は暴れ狂うが、美和の拘束力は絶対的だった。六本の腕は鋼鉄の鎖のように浩也を締め上げる。
「スクナ!」
「おうよ!」
スクナが跳んだ。空中で体を捻り、回し蹴りを浩也の腹部に叩き込む。メキョッ!という嫌な音がして浩也の目から光が消えた。
「…はい、おしまい」
スクナが着地すると同時に、美和の六本の腕が浩也を放り出した。ズシリと重たい音を立てて床に転がる浩也。もはやピクリとも動かない。
「紗奈さん!」
美奈子の声に応じて、八氏役紗奈が静かに部屋に入ってきた。彼女は床に転がる浩也を見下ろし、小さく首を傾げた。
「まあ…酷いお顔ですこと」
紗奈はそう言うと、浩也の体を軽々と持ち上げた。彼女の細い腕には見えないが、八尺様としての怪力が宿っている。まるで荷物を持つかのように浩也を肩に担ぎ上げる。
「柳沢先生、準備は整っておりますわ」
「ああ……」
柳沢は血まみれのベッドで震える田口あやめを見た。彼女はショックで言葉が出ないようだった。
「美奈子」
「はい」
美奈子があやめに駆け寄り、懐から護符を取り出した。
「大丈夫です。もう安全ですから」
優しい声でそう言いながらあやめの額に護符を当てる。護符が淡い光を放ち、あやめの恐怖を少しずつ和らげていく。
「警察と救急車を呼びます。」
柳沢は頷き紗奈が運び出す浩也の背中を見つめた。その背中にはまだ黒い影がへばりついている。
「さあ……始めようか」
柳沢は夜の池袋の空を見上げた。雨雲が低く垂れ込め今にも降り出しそうだ。だがその雲の切れ間から赤黒い月が覗いていた。辻神の目だ。
「次は我々の番だ」
柳沢たちは浩也を連れて池袋のラブホテルの一室に向かった。美奈子が手配した部屋だ。部屋にはすでに祭壇が設置されていた。四隅には護符が置かれ中央には浩也を縛り付けるためのロープが用意されている。
「準備はいいか?」
柳沢は三人の娘たちを見回した。
「いつでも」スクナが拳を鳴らした。
「ええ」美和が六本の腕を展開したまま頷く。
「もちろんですわ」紗奈が浩也を祭壇の上に放り投げた。
「美奈子、結界を頼む」
「はい」
美奈子が護符を空中に投げ結界を張る。部屋全体が薄い光の膜に包まれた。
「では始めよう」
柳沢が浩也に近づきその額に手を当てた。
「目覚めろ……辻神」
浩也の体がビクリと跳ねた。そしてその目が見開かれる。瞳の色が黒から赤へと変色していく。
「オォォォォォ!」
浩也が咆哮を上げた。だがその体は動けない。美和の六本の腕が彼を祭壇の上に押さえつけている。
「私が見えるか?」
柳沢が浩也の顔を覗き込んだ。
「……見エル……」
浩也の口から二重の声が漏れた。一人は浩也のもう一人は辻神の声だ。
「お前は何者だ?」
柳沢が問う。
「我ハ……辻神……此ノ地ニ宿ル神……」
「なぜ人を殺す?」
「供物ダ……我ニハ供物ガ必要ナノダ……若キ命……ソシテ穢レタル肉体……ソレラガ我ヲ満タス……」
「ならば今からその欲望を満たしてやろう」
柳沢が静かに言った。
「美奈子。美和……スクナ……紗奈……頼む」
娘たちが頷き浩也に近づいた。そして彼女たちの戦いが始まった。それは怪異を鎮めるための神聖な儀式であり同時に忌まわしい獣の欲望を吐き出させるための排泄行為でもあった。
⭐️辻神を蹂躙する。
第一章 美奈子視点
祭壇の上で縛り上げられた男を見下ろす私の心には、慈悲の欠片もなかった。
辻家浩也。あるいは、彼に憑依した辻神。どちらであっても変わらない。この男が無垢な少女たちの命を奪い、その肉体を汚し、「祟」と刻んだ事実は消えない。私の背筋を這い上がるような嫌悪感が、胃の腑からこみ上げてくる。
「……汚らわしい」
思わず口から漏れた言葉は、冷たく研ぎ澄まされていた。
男は祭壇のロープに抗い、赤黒い目で私を睨みつけている。その視線には、明らかな情欲と殺意が混ざり合っていた。かつてないほどの侮蔑が、私の中で沸騰する。
「貴方のような存在が、神気取りで少女たちを食い物にしていたのですか?」
私は一歩踏み出した。スカートの裾が揺れる。
「弱い者を辱め、傷つけることでしか己の存在を証明できない。惨めで、醜悪で、底辺の亡者ですね」
男の口から泡を飛ばして吼える。「黙レ! 女ノクセニ! 我ニ触レル資格ナド……!」
「資格?」
私は鼻で笑った。寺の娘として育ち、仏道を歩んできた私が、これほど誰かを軽蔑したことはない。
「貴方に資格などありません。あるのは、捨てられるべきゴミとしての業だけです」
私は柳沢先生を見た。部屋の隅で静かに佇む先生の姿。その眼鏡の奥にある憂いを帯びた瞳を見た瞬間、私の心に決意が灯った。
――先生のためなら。この世に悲しみを広げる怪異を鎮めるためなら。
私は震える指先で、自らのブラウスのボタンにかけた。
「……っ」
指が震える。顔が熱い。人に見られるなど想像したこともなかった自分の肌を晒すことへの恐れと恥じらいが、体の中を駆け巡る。頬が焼きつくように熱い。でも、私は止まらない。
「見なさい」
上着を脱ぎ捨て、スカートの留め具を外す。下着姿になった私を見て、男の目が欲望に歪んだ。
「ククク……素直ニナッタナ。ソノ肌ヲ貪ラセロ……!」
「違います」
私は冷ややかに言い放ちながら、ブラジャーのホックを外した。豊かな胸が弾けるように露わになる。パンツも足首まで下ろし、私は一糸まとわぬ姿になった。
全身が羞恥で赤く染まっているのがわかる。でも、私の目は笑っていなかった。
「これは貴方に快楽を与えるためのものではありません。貴方の中に巣食う毒を絞り出すための処置です」
私は祭壇に上がり、男の上に跨った。汚らわしい肌に触れることへの拒絶反応が全身を走るが、それを理性でねじ伏せる。
男の逞しいが歪んだ体。その中心で猛る凶器。それに手を触れることさえ憚られるが、私は左手でそれを掴み上げた。すべては、柳沢先生のため、先生の命じることであれば、私は自分の命を捨てることさえいとわないだろう。
「っ……!」
熱く脈打つ感触。生理的な嫌悪で吐き気がする。けれど私は顔を上げたまま、男の目を真っ直ぐに見据えた。
「これが貴方の欲望ですか? たったこれだけのことで、人の命を奪っていたのですか?」
私は自らの秘部を開き、男の先端をあてがった。濡れていない私にとってそれは苦痛でしかない。だが構わず、腰を落とした。
「あぐっ……!」
裂けるような痛みが走る。私の肉が無理やりこじ開けられる感覚。涙が滲むほど痛い。けれど私は声を上げなかった。
「っ……はぁ……くっ……」
男が歓喜の声を上げようとしたその瞬間、私は更に奥まで饮み込んだ。そして見下ろす。
そこにいたのは、快楽に溺れる女ではない。僧侶が悪霊を調伏する時のような、静かで激しい軽蔑の眼差しだった。
「どうです? 私の体は?」
私は腰を揺らし始めた。愛撫など一切ない。ただ機械的に男の肉を擦り上げるだけ。
「私の体は貴方のような穢れを持っていません。貴方がどれほど欲望をぶつけても、私の心は決して貴方に向きません」
男の顔が苦悶に歪む。辻神としての支配力と、人間としての快楽の板挟み。私の冷徹な視線と事務的な動きに、彼は混乱しているのだ。
「気持ちいいですか? 少女たちを泣かせて得た快感は? 所詮貴方はこれくらいのことしかできない無能な獣なんです」
私はあえて傷口に塩を塗るような言葉を浴びせながら、腰の速度を上げた。
「はぁ……っ……! 汚い……本当に汚い……っ!」
私の口から漏れるのは嫌悪の吐息だ。体は繋がっているのに心はこれほど遠い。この矛盾した行為が、私自身をも切り裂いていくようだった。
それでも私は止まらない。
「出しなさい。貴方の中の汚れたものを全部」
男の息が荒くなる。その瞳から赤黒い光が薄れ始めていた。私の軽蔑が彼のプライドを粉々に砕き、辻神の力を削いでいる。
「許シテ……クレ……!」
男が泣き叫んだ。それは辻神の声ではなく浩也自身の声だった。
「許しません」
私は言い放ち、最後の一押しをするために深く沈み込んだ。
「貴方がしたように、最後まで責任を取りなさい。その汚い液と共に消えなさい!」
ビクン! と男の体が大きく跳ねた。
ドロリとした熱い液体が私の中に注ぎ込まれる感覚。生理的な嫌悪で鳥肌が立つ。吐きそうになるのを必死で堪えながら、私は射精する男を心から軽蔑する眼差しで見下ろし続けた。
心底いやそうな顔で。
「……これで終わりです」
男の体から力が抜け、黒い影が煙のように立ち昇り始めた時、私はようやく彼の上から降りた。
股間から白濁した液が垂れる感覚に涙が出そうになったけれど、私はすぐに服を身に着けた。
柳沢先生の方は見なかった。見られなかった。
ただ、これでよかったのだと自分に言い聞かせながら。
第二章 美和視点
「次は私の番ね」
私は一歩前に出た。祭壇の上でぐったりとしている男――辻家浩也を見下ろす。さっき美奈子が絞り出したばかりだというのに、男の股間は再び赤黒い欲望を漲らせていた。本当に救いようのない生き物だわ。
「ふーん……」
私は鼻を鳴らし、カチャカチャとベルトのバックルを外した。
読者モデルをやっているとね、自分の身体を客観的に見ることに慣れるの。カメラマンの視線も、雑誌を読む人の視線も、全部「商品」としての私を見ている。でも今は違う。この男に見せつけるのは商品としての私じゃない。圧倒的な「上位種」としての私よ。
「見てなさい」
シャツを脱ぎ捨て、タイトスカートを足首まで滑り落とす。下着姿になった私を見て、男の目が再びギラギラと輝きを取り戻した。
「素晴ラシイ肉体ダ……ソレガ欲シイ……!」
「ハッ、なに言ってんの」
私はブラジャーを外し、最後の布切れも足で蹴り飛ばした。露わになった私の身体は、陸上部で鍛え上げた引き締まった腹筋とくびれ、そして無駄に長い脚で構成されている。男の喉がゴクリと鳴る音が聞こえた。
「私の身体が見たい? 触れたい?」
私は祭壇に近づき、男の顔のすぐ近くに立った。甘い香水の匂いが男を刺激する。
「触レサセテクレ……!」
「あらそう」
私はニッコリ笑った。
「でも残念ねえ。あなたは私に触れる資格なんてないのよ」
私は背後の空間に手を伸ばした。そこにあるのは私の力――姦姦蛇螺(かんかんだら)。
「拘束!」
六本の不可視の腕が一斉に動き、男の両手首と両足首を祭壇に磔にした。更に残りの二本が男の首と胸を押さえつける。
「グッ……動ケナイ……!」
「当たり前でしょ。私が許可したのは『見る』ことだけ」
私は男の股間の前に立った。そしてその長い脚をゆっくりと持ち上げた。
「ねえ、見て」
つま先で男の怒張をツンと突く。ビクンと男が反応する。
「小さいわねえ」
私は冷酷に言い放った。
「女の子を痛めつけて優越感に浸っていた割には、随分と情けないモノを持ってるじゃない」
「黙レ! ソンナコト……!」
「事実よ。これじゃあ少女たちを犯すのも大変だったんじゃない? 無理やりねじ込んで、痛がらせてやっと……って感じ? まるでザコね」
私はつま先から足の裏へと変え、男の急所を踏みつけた。体重を少しずつかける。
「ぐあっ……!」
「痛い? 少女たちも痛かったわよ。もっと痛かったはず」
私は足の指で根本をグリグリと苛めながら、甲高い声で囁いた。
「ざーこ。ざーこねえ」
男の顔が屈辱と快楽で歪む。辻神としてのプライドなんてものはもう跡形もない。ただの雌に支配される雄としての惨めさだけが残っている。
「ほら、どうしたの? 反抗したら? 私を犯せるものならやってみなさいよ」
私は更に体重をかけた。男の肉が私の足の下で形を変えていく。
「あぁ……くっ……!」
「気持ちいい? 綺麗な脚に踏まれて興奮しちゃう? 本当にどうしようもないザコちんぽね」
私は足の裏で全体を包み込むように扱いた。摩擦熱で熱くなっているのがわかる。男は抵抗しようと腰を浮かせるが、六本の腕がそれを許さない。完全な無力だ。
「さあ、出しなさいよ」
私は冷ややかな目で男を見下ろした。
「その汚い欲望、全部吐き出しなさい。私の脚に向かってね」
男が喘ぎ声を上げる。その声はもう神のものではない。ただの快楽に負けた敗北者の声だ。
「ざーこざーこ。早くしないと踏み潰しちゃうわよ?」
脅しではなく事実として告げると、男の体が大きく仰け反った。
「イ……イクッ……!」
ビュッ! ビュビュッ!
白濁した液が私の足に向かって噴き出した。温かい粘液が足首や甲にかかる感触。私は一瞬も目を逸らさず、射精する男を見下ろし続けた。
「はい、終わり」
男が脱力し、股間が萎んでいく。私は汚れた足で男の腹を軽く蹴った。
「汚らわしい」
服を着る間も、私は男の方を見なかった。足についた汚れをティッシュで拭き取りながら、心の中で舌打ちをする。
ざこなんだから。最初からわかってたけどね。
第三章 スクナ視点
祭壇に磔にされた男の股間は、まだピクリと蠢いていた。
美和が足蹴にして萎ませたばかりなのに、黒い影――辻神が無理やりにでも欲望を再生させているのだろう。本当に、どうしようもない生き物だ。
「はぁ……しつこいねぇ」
私はツインテールをポンポンと叩きながら、男の前に立った。
不破家の娘として、そして宿儺の憑代として、私はこれまで数え切れないほどの怪異と戦ってきた。山の妖怪も、川の魔物も、人を呪う陰湿な怨霊も、全部ぶん殴って黙らせてきた。
でも、こいつは違う。
こいつは人間だ。人間の皮を被った、中身だけ腐りきった怪物。ただの妖怪より、よっぽどタチが悪い。
「あーあ、見てるだけでムカつく」
私はタンクトップを頭から引き抜いた。汗で湿った布が床に落ちる。続いてショートパンツのボタンを外し、下着ごと足から抜き去った。宿儺の力で鍛え上げられた身体は、筋肉の一本一本までが戦うためにある。無駄な脂肪のない腹、引き締まった太もも、硬く盛り上がった上腕二頭筋。
男の目が、今度こそ明らかな恐怖で見開かれた。
「ビビってんの?」
私はニカっと笑った。美奈子や美和みたいな「美しさ」なんて、私にはない。でも、私には私の武器がある。圧倒的な身体能力と、それに伴う暴力。宿儺が私に与えてくれた、最強の拳。
「さっきから美奈子も美和も優しくやってたけどさ。私、優しくやる気ないから」
私は祭壇に上がり、男の腹に足を乗せた。グリッ、と体重をかけると、さっき美和が砕いた肋骨が悲鳴を上げる。男が苦悶の声を漏らす。
「痛い? そりゃあ痛いよねえ。少女たちも痛かったんだよ。もっと、もっと痛かったはずだよ」
私は屈み込み、男の顔を覗き込んだ。赤黒い目が、獣のように私を睨みつけている。でも、その奥にあるのは恐怖だ。圧倒的な力の差を前にした、野生動物の恐怖。
「ねえ、おじさん。私、思うんだけどさ」
私は男の顔をパシンと平手で叩いた。乾いた音が部屋に響く。
「おじさんみたいな奴ってさ、弱い奴を殴って『俺は強い』って勘違いするんだよね。でもそれは強さじゃないんだよ。ただの八つ当たり」
私は男の股間を掴んだ。美和に責められた後で赤く腫れ上がっている。無理やり力を込めると、男が「ギャッ」と悲鳴を上げた。
「私の拳、見たい?」
私は握りこぶしを作り、男の目の前に突き出した。宿儺の力で硬度を増した拳は、岩だって砕ける。
「これでお前の顔を殴ったら、どうなると思う? 鼻骨陥没、頬骨骨折、あ、顎もいけるかな。歯が全部折れて、一生スープしか飲めなくなるかもね」
男が震え出す。辻神の力で無理やり昂ぶらされているのに、身体は恐怖でガクガクだ。
「でもさ、今日は特別。殺しはしない。その代わり――」
私は男の股間に自分の体を重ねた。そして、乱暴に自分の秘部を男のモノに押し当てる。濡れていない。でも構わない。私に優しさなんて必要ない。
「私のバイブがわりに使ってやるよ」
私は男のモノを強引に自分の中にねじ込んだ。
「ぐあああああっ!?」
男が悲鳴を上げる。濡れていない私の肉壁が、男のモノを締め上げ、皮を剥くような摩擦を与える。男にとってそれは快楽ではなく、ただの拷問だ。
「痛い? 痛いよねえ。でもさ、少女たちも痛かったんだよ。おじさんに無理やりねじ込まれて、裂けて、血が出て、痛くて痛くてしょうがなかったんだよ」
私は腰を激しく振った。上下左右、ありとあらゆる角度で男のモノを蹂躙する。それは性交ではない。殴打だ。私の膣が拳の代わりになって、男のモノを打ち据えている。
「ほら、どう? 私の腰使いは?美和より激しいでしょ?」
私は笑いながら腰を振り続けた。男のモノが私の中で悲鳴を上げている。潰れそうだ。でも、宿儺の力で強化された私の身体は壊れない。壊れるのは男の方だ。
「さあ、もっと腰振りなよ。しっかり腰振らないと殴るからね」
私は男の頬をもう一度叩いた。容赦ない力で。男の口から血が滲む。
「動け! 早く!」
男が恐怖に駆られ、震える腰で私に合わせようとする。だが、縛られた体では満足に動けない。私は舌打ちし、男の腹を拳で殴った。ドゴッ! という音がして、男の口から空気が漏れる。
「役立たず! もっと頑張りなさいよ!」
私はさらに激しく腰を動かした。男のモノが私の中で擦り切れそうだ。だが辻神の力がそれを無理やり保たせている。
「ねえ、おじさん。少女たちの顔、思い出せる? 泣いてたよね。『やめて』って言ってたよね。おじさん、それを無視してさ。楽しかった? 興奮した?」
私の声が低くなる。怒りがこみ上げてくる。
「許さないからね。絶対に許さない」
私は男の胸倉を掴み、顔を近づけた。汗と血と涙でぐちゃぐちゃになった男の顔。
「私が直々に、お前の腐った根性を叩き直してやる」
私は腰の動きを極限まで速めた。人間の限界を超えた速度で。男のモノが限界を迎え、悲鳴のような音を立てる。
「イ……イク……! ヤメ……テ…!」
「出せ! 全部出せ! その汚い欲望、全部吐き出せ!」
私は叫びながら、男のモノを締め上げた。宿儺の力が私の膣壁を鋼鉄のように硬化させる。
「ああああああああっ!!」
男が絶叫した。そして、ドロリとした液体が私の中に吐き出された。それは以前よりも濃く、黒く濁っていた。辻神の穢れが混じっているのだ。
「ふん……」
私は男の上から降りた。股間から白濁した液が垂れる。汚らわしい。でも、これで終わりではない。
「まだ足りないね」
私は男のモノを見下ろした。まだ完全には萎んでいない。辻神の執念が深すぎる。
「紗奈、次はあんたの番だよ」
私は振り返り、八氏役紗奈に向かって顎をしゃくった。黒髪ロングの彼女は、静かに微笑んで一歩前へ出た。
「ええ、承知いたしましたわ」
その瞳には、人の姿をした化物としての、底知れぬ光が宿っていた。
第四章 紗奈視点
「さあ……お仕置きの時間ですわ」
私は一歩前に出た。祭壇の上でぐったりとしている男、辻家浩也。美奈子様の冷徹な軽蔑、美和様の傲慢な足蹴、スクナ様の暴力的な腰使い。三度も精気を搾り取られたというのに、男の股間にはまだ黒い欲望が宿っている。本当にしぶといですわね。けれど……それもこれまでですわ。
私は静かに目を閉じた。人間の姿を保つための擬態を解くときが来ました。
「八氏役紗奈……消えますわ。ここからは……八尺様ですの」
全身の骨がミシミシと音を立てる。皮膚が伸び、筋肉が膨張し、視界がぐんと高くなる。人間の服など紙切れのように弾け飛び、私の身体はあっという間に本来の姿へと変貌していった。
身長は二メートル四十センチ。白く豊満な肉体が部屋の空気を圧迫する。柳沢先生や美奈子様たちが見上げるほどの巨体。けれど、その輪郭は決して醜くはない。むしろ……神々しいほどに女性的な曲線を描いているのですわ。
巨大化した乳房は、熟れきった果実のように重たく垂れ下がりながらも、その張りを失っていません。豊かな腰回りは母なる大地のように広く包容力がありました。太ももは丸太のように太く白く滑らかで、膝から足首にかけたラインは圧倒的な重量感を醸し出している。人間離れした肉体だがその一つ一つのパーツは妙に艶めかしいのですわ。
「まあ……なんとお美しいこと」柳沢先生が感嘆の声を漏らされました。
「紗奈……」美奈子様も呆然と見上げている。
「すっげえ……」スクナ様も思わず声が出たようですわ。
ええ見てください。これが私の本当の姿。都市伝説として語り継がれる八尺様の肉体ですわ。
私は祭壇の上で震える男を見下ろした。巨大化した今、私の視線は遥か彼方から男を見下ろすことになります。男の目は限界まで見開かれ恐怖に歪んでいた。先ほどまでの辻神としての傲慢さは跡形もない。ただの小さな小さな虫けら。
「小さな虫けら」
私は巨大な手を伸ばし男の身体を軽々と掴み上げた。まるで雛鳥を握るようなものですわ。男が「ギャッ」と情けない声を上げる。
「さあ……最後のお仕置きですわよ」
私は男の股間に目をやった。黒く濁った欲望がまだ残っている。スクナ様に蹂躙され美和様に踏みつけられ美奈子様に軽蔑されたそれがまだ私に牙を剥こうとしている。本当に愚かで愚かでたまらない。
「私の体……見たいですの?」
私は胸を突き出した。巨大な乳房が男の顔のすぐ近くまで迫る。甘い香りが漂う。男の喉がゴクリと鳴った音が聞こえましたわ。
「触れてごらんなさい……と言いたいところですけれど残念ながら貴方には触れることすら許されませんわ」
私は男を祭壇に押し戻した。そして私の巨大な体をゆっくりと被せていく。影が男を完全に覆い尽くす。男は私の圧倒的な質量の前に為す術もない。
「ああ……あ…」男が震えながら呻く。
「いいですか……しっかり見てくださいな」
私はゆっくりと腰を下ろした。巨大な秘部が男の怒張を飲み込んでいく。人間のサイズとは比べ物にならないほどの圧力と熱量。
「ひっ……! 潰れ……る…!」
男が悲鳴を上げる。私の身体は重い。二メートル四十センチの質量が男の上に乗るのだから当然ですわ。肋骨がミシミシと音を立てるのが聞こえる。
「潰れませんわよ……まだ」
私は残酷に微笑んだ。
「貴方は私の養分ですもの。一滴残らず搾り取ってさしあげますわ」
私は腰を動かし始めた。ゆっくりとしかし確実に男の肉を私の肉壁で締め上げる。それは快楽ではなく圧倒的な支配だった。男は私の肉の重みと圧力にただ耐えることしかできない。
「どうです? 私の体は? 貴方が犯した少女たちとは違いますわよね?」
私は自分の豊満な乳房を両手で持ち上げ男の顔に押し付けた。柔らかく重たい肉が男の顔を覆い呼吸さえ困難にする。
「んぐっ……! 苦し……!」
「苦しい? あの子たちも苦しかったのですわよ。貴方にのしかかられて息もできないほどに」
私は腰の動きを速めた。巨大な尻が祭壇を軋ませる音が部屋中に響き渡る。ドスッドスッという重たいリズム。それは心臓の鼓動のように男の全身を揺さぶる。
「さあ……出しなさい」
私は囁いた。
「その汚れた欲望全部私の中に吐き出しなさい」
男が喘ぐ。もう抵抗する力さえ残っていない。ただ私の動きに身を任せているだけ。
「出せ……! 早く!」
私は更に腰を沈めた。限界まで飲み込むと男のモノが私の中で悲鳴を上げた。
「ああっ……! イク……! イッテシマウ……!」
「いいですわ出しなさい」
私は言い放った。
「一滴残らず搾り取ってさしあげますわ」
男が絶叫した。
ビュッ! ビュビュビュッ!
ドロリとした黒い液体が私の中に噴き出した。それは精液というより膿のような濁った色と臭い。辻神の穢れそのものですわ。
「まだですわよ」
私は腰を止めなかった。射精したばかりの敏感なモノを更に刺激する。
「やめ……て…もう……出ない……!」
「いいえまだ出ますわ」
私は容赦なく締め上げた。私の肉壁は貪欲に男から全てを奪い取ろうとしている。
乳房を揺らしながら、私は夢中で腰を振った。
「あぐっ……! ああっ……!」
男が再び絶頂を迎える。今度はさらに薄く濁った液が吐き出された。
「まだまだ」
私は腰を振り続けた。男が何度絶頂に達したかわからない。回を重ねるごとに液体は薄くなりやがて透明になっていった。
「もう……許し……て…」
男が泣き叫ぶ声はか弱かった。
「許しませんわ」
私は冷酷に言った。
「貴方がしたことを許すわけにはいきませんもの」
私は最後の一絞りを絞り出すかのようにきつく締め上げた。
「ひぃっ……!」
最後の一滴が絞り出された瞬間男の体から黒い影が完全に剥離した。
『オォォ……!』
影が苦悶の声を上げて空中に浮かび上がる。それはもはや人の形をしていなかったただの黒い塊。
「美奈子!」
私が叫ぶと同時に美奈子が動いた。
「封印!」
護符が空中に投げられ黒い影を包み込む。光が弾け飛び部屋中に神聖な空気が満ちた。
『我ハ……封ジラレル……!』
影が断末魔のような声を上げて消滅した。
私はようやく腰を上げた。股間から透明な液が垂れる。それはもう汚れていない。
「終わりましたわ」
私は人間の姿に戻った。疲れはなかったけれど心なしか清々しい気分だった。
柳沢先生が近づいてこられた。
「ご苦労だったな皆」
先生の眼鏡の奥の瞳が優しく光っていた。
「先生……」美奈子様が涙目で先生を見つめる。
「大丈夫ですか?」
「ああ大丈夫だ」
先生は頷きそして祭壇の上で気絶している男を見下ろした。
「彼ももう人間に戻った。警察に引き渡そう」
スクナ様が男の体を担ぎ上げた。
「さあ行くよゴミ」
美和様が身支度を整えながら呟いた。
「ざまあみろって感じね」
私は静かに微笑んだ。
これで終わりですわね。
池袋の夜はまだ明けないけれどもう辻神はいない。
私たちは部屋を出た。
廊下にはすでに警察官が待っていた。
事件は解決したのですわ。
でも私は知っている。
怪異は我らの傍に常にありじっとこちらを見つめていることを。
柳沢先生がそうおっしゃったようにね。