※この作品はR-18です。

空成り代わりオリ主   作:アスモデウス

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ステフをゲットする

 

 

 

 目を覚ました俺達は取り敢えず道端に立って人が通り掛かるのを待った。

 そうして異世界の洗礼とばかりに現れた山賊達を返り討ちにして情報やら有り金やらを巻き上げた。

 そしてその情報を頼りに近場の宿屋へと向かって歩みを進めた。

 

 首都エルキアの郊外にある宿屋兼酒場に辿り着いた俺はゲームを行っていた。

 相手は知らんおっさんで掛け金は俺達の全てとおっさんの有り金。

 ゲームはポーカーで絶賛イカサマ中である。

 それを知らないおっさんは呑気に酒場の中の試合について解説してくれる。

 

「前国王の遺言でな。次期国王は最強のギャンブラーに戴冠させよ、とのことだ。国盗りギャンブルで負けが込んでエルキア、それも首都を残すだけとなった。なりふり構わなくもなるさぁなぁ」

「国盗りギャンブルねえ…」

 

 国境線さえもゲームで決まる世界なのだから当然領土の奪い合いはゲームで行われる。

 その結果他種族に負けて首都以外は巻き上げられた、という訳だ。

 そして前国王は愚王として名を残した。

 

 しかしその生涯を知る俺からすれば偉人と呼ぶべき男だった。

 ゲームは弱かったが他種族の情報を手に入れてそれを記し続けた。

 獣人種(ワービースト)のゲームさえ暴いて見せたのは驚嘆に値する。

 だからこそ俺は気軽に愚王なんて口にはできない。

 

 おっさんは俺が考え事をしている間にも話し続ける。

 

「あの赤毛の方、ステファニー・ドーラ─前国王の血族だ。遺言の通り、王族の血筋じゃない奴が王になったら何もかも失うから自分が次の国王にって狙いさな」

 

 ステファニー、略称ステフは負けが込んで表情に焦りが出ている。

 あれでは長くは保たないだろう。

 それに相手は森精種(エルフ)の力を使ってイカサマしてる奴だ。

 正面からやり合って勝てる訳ない。

 

「次期国王に立候補する奴は人類種(イマニティ)なら誰でもよく、名乗り上げてどんな方法でも良い、ゲームで勝負して負ければ資格剥奪、最後まで勝ち残った奴が国王って寸法だ」

 

 説明を終えたおっさんは自分の手札を開示して勝ち誇ったような顔をする。

 

「悪いな、兄ちゃん。フルハウスだ」

「あぁ。こっちこそ悪かったな」

 

 俺はそう言って自分の手札を見せる。

 開示された役におっさんが目を剥いた。

 

「ロイヤルストレートフラッシュだぁ!?イカサマだろ!!」

「へぇ…その証明は?」

「ぐっ…」

 

 俺が敢えてイカサマしたことを認めてその証明を求めるとおっさんは言葉に詰まった。

 そして苦々しい顔をして俺に財布を手渡した。

 

 バレなきゃイカサマし放題。

 それがこの世界のルールだ。

 

「はい、ごっそさん」

「ありがと…おじさん」

 

 白と二人でそう言って席を立つ。

 そして離れたところで白が口を開いた。

 

「にぃ…ズルい」

「失敬な。俺はこの世界のルールに則って正々堂々イカサマしただけだ」

「流石…にぃ…ルールの穴、突くの上手い」

「それが上手くねえと可愛い妹には勝てないんでね」

 

 言いながら白の頭を撫でれば嬉しそうに笑みを浮かべた。

 そうして俺達は宿屋兼酒場へと入っていった。

 

 

◇

 

 

 宿屋のマスターから四泊と三食を取り付けた俺は白と合流した。

 白は酒場の中央で勝負する二人を見ているようだ。

 そして猛然とステフの相手であるクラミーのイカサマを暴こうと試みている。

 そして酒場全体を見渡して結論を出したのか俺の顔を見た。

 

「にぃ、アレに勝てる?」

「俺一人なら無理だな。でも白がいる」

「ん。愚問だった…」

 

 話し終えた俺達は三階に上がる為に歩み出し、ステフにすれ違いざまにイカサマされてることを伝える。

 

 言うだけ言ってさっさと三階に上がった俺は部屋に入ってベッドに倒れ込んだ。

 

「ふぅ。流石にあの距離は疲れるな」

「お疲れ様…」

 

 白は俺の腹に乗っかってそう口にした。

 転移した場所からこの宿屋まで白を背負って歩いたのは流石に骨が折れた。

 転生特典という奴か、俺には身体性能を最大限引き出せる能力があるが、それでも疲労はする。

 疲れた体に押し寄せる睡魔に身を任せて俺と白は抱き合って眠りについた。

 

 

◇

 

 

 コンコン、というノックで目を覚ます。

 眠る白を置いてドアを開けるとその先にはボロ負けして萎れたステフがいた。

 

「はいはい、どちらさん?」

「ステファニー・ドーラという者ですわ。昼間の件でお話をお伺いしたく…」

 

 

 一応問い掛ければ丁寧な返答がされた。

 俺は一先ず部屋に入らせて椅子に座らせた。

 俺がベッドに腰掛けるとステフが話を切り出した。

 

「…どういう、ことですの?」

「イカサマの件か?」

「そうですわ!イカサマをバラせば勝てましたのに!これで黒星、何もかも終わりですわ!」

「つま、り…負けて悔しいから、八つ当たりに…来た?」

 

 白の言葉にステフは何も言い返せなくなった。

 実際勝てないのは自分の所為であって俺らの所為ではないからな。

 

「妹よ。あんまり正直に物を言い過ぎると痛いしっぺ返しが来るぞ?」

「気を付ける…」

 

 白はそう言って再び眠りについた。

 俺はここからは駆け引きのお時間だと気合を入れる。

 

「まあでもあんな分かり易いイカサマも見抜けないで勝てると思うなんて、流石はあの前国王の孫娘ってところだな」

「何ですって…」

「人類を負け込ませた国王の血族なら当然か」

 

 俺の言葉にステフは目に見えて怒りを見せた。

 そして勢いよく俺の前に迫って要求する。

 

「……撤回しなさい!私は兎も角、お爺様まで愚弄するのは許せませんわ!」

「ならゲームをしよう」

 

 俺はニッコリ笑ってそう告げた。

 ステフは警戒する様子を見せた。

 

「賭けるのは俺達の全て。アンタが勝てば前言撤回でも何でもしよう。勿論死ねと言うならそれもアリだ」

「なっ!?」

「代わりに要求するのはアンタの全てだ。ゲームはじゃんけんだ。但し俺はパーしか出さない。俺がパー以外を出したら俺の負け。だがパー以外を出してアンタに勝ったら引き分けだ。勿論パー以外を出してあいこになったら俺の負け」

 

 ステフは賭け金とゲーム内容に警戒を最大限にする。

 そして俺が本気であると悟ると息を呑んだ。

 

「……引き分けた場合はどうするんですの?」

「俺はイカサマのヒントだけ教える。その代わり些細な願いを聞いてくれ。ぶっちゃけここで四泊したら宿も食い物もないんだわ」

「…つまり宿を提供しろってことですの?」

 

 俺はニッコリ笑って答えた。

 ステフはまんまとその罠に乗り、そして世界の摂理の如く俺に負けた。

 そして一通り俺が勝てた理由を説明した後に本当の目的を明かす。

 

「そもそもこの勝負は俺の一人勝ちなんだわ」

「分かってますわ。引き分け狙いだからでしょう。宿くらい─」

「先ずそこが違う」

「え?」

 

 俺はステフに対して決定的な間違いを指摘する。

 このゲームの本質は引き分けでも負けでもステフが負うリスクが同じであることを懇切丁寧に説明する。

 

「という訳で俺の些細なお願いを聞いてもらおうか」

 

 俺はステフに対して要求を突きつける。

 

「俺の所有物になれ」

「そんな…!!」

「じゃ所有物としての最初の仕事は一先ず、ステフの家に一緒に住ませてくれ」

「分かりましたわ!はっ…!」

 

 ステフは絶望顔から一転してニコニコしながら了承した。

 盟約の強制力って怖えな、なんて思いながらステフに更に要求していく。

 

「後名前長いからステフって呼ぶな」

「分かりましたわ!あぁ…もう私は終わりなんですのね…貞操も全て奪い去られるんですわ」

「捨てはしないし、無理矢理貞操奪うとかもしないから安心しろよ」

 

 そう言えばステフは胡乱な瞳で俺を見た。

 ステフの言外の疑問には白が答えた。

 

「にぃ…陵辱物苦手、純愛好き…」

「何で把握されてんですかね」

「部屋に……置いといて、バレない…とでも?」

「白まさか俺の自慰も見てる?」

 

 俺が恐る恐る問うと白は首肯して答えた。

 妹相手にプライバシーなんてなかったんだ…。

 

 俺が絶望しているとステフが口を開いた。

 

「それでクラミーがしてるイカサマのヒントは何なんですのよ」

「あぁ、それな。クラミーは他国の間者なんだわ」

「間者…!?でも他国の力を使っていたとしたら、あの強さにも納得できますわ!…ってそれじゃあエルキアは終わりじゃないですの!?」

 

 ステフは今後訪れるであろう未来を想像をして更に絶望した。

 そこで俺が口を開いた。

 

「それも含めて安心しろよ。俺達が王になるから」

「へ?」

「それとステフの爺さんを侮辱したのは悪かったな」

「え?え、あの?」

 

 素直に謝られたステフは動揺してオロオロとし出した。

 やるべきことを終えた俺はベッドに座り直す。

 

「そんじゃ国王になる為にもステフの屋敷に案内してくれ。移動は俺に任せろ」

「移動は任せろって…どういうことですの?」

「にぃ…力持ち、だからステフと白、抱えて屋敷まで走る」

 

 俺の意図を汲んだ白が代わりに答える。

 昼間移動したように白とステフを抱えて屋敷まで爆走すれば早々に着くという訳だ。

 俺の身体機能は常人を遥かに凌いでいるからそれくらいは訳ないことだ。

 疲れはするが寝れば解決する。

 

「分かりましたわ。屋敷までの道案内は任せて下さいな」

 

 ステフは若干絶望に沈んでいた顔を明るくしてそう言った。

 色々あり過ぎて混乱してるんだろうな。

 もうどうにでもなれ、というのが透けて見えるようだった。

 

 

 そうして俺達は新たにステフを仲間に加えて屋敷へと向かったのだった。

 

 

 





・オリ主
身体機能を極限まで引き出せる。
所詮は人の力なので大したことはない。
陵辱物が苦手で純愛系のエロ本ばかり読んでいる。

・白
兄の性的嗜好を把握している。

・ステフ
オリ主が善人か悪人か判断しかねている。
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