※この作品はR-18です。

異能幸運レアドロップでイキ抜く♡ピネスと校長の不気味なダンジョン冒険記Re:   作:山下敬雄

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15♡風紀委員部であそびましょう

 校長室、厳かに静まる部屋内に水音が聞こえた。壁を伝いながらその音の発生源を調べ上げると、そこには見えない隠し通路があった。意を決して進んでいったその通路の先に、何故──風呂場があるのか。

 

 忍び込んだ探偵帽の女は、すりガラスの向こうに聞き耳を立てた。

 

『ふふふピネスくぅん♡そらそらのそろそろぉ……ふぅーちゃんとるねーど♡♡』

 

『ぁがぁっっ♡♡♡』

 

『ぴゅっぴゅーーーー♡♡♡ふっふびくびくぅ~~♡♡♡またすぐぅー、おっぱいにおちんちんきゅんきゅん甘えてぇ、かわいいなぁピネスくぅん♡?』

 

 風呂場で2人、何をやっているのか。脱衣所には、無造作に脱ぎ捨てられた男女の衣服がみだらに重なり合っている。

 

〝ガタッ〟

 

 足の小指が当たり、立てかけられていた杖が倒れてしまう。下手を打った探偵帽の女は、ピンク髪を乱しながら慌ててその場を退散した。

 

 

▼

▽

 

 

 なんの野暮用なのか、それとも不良なのか、入ってはいけない屋上から彼が帰ってきた────。

 

 さらに帽を深く被り、彼女の大義あるストーキング行為はつづく。

 

 この男は何をしたいのか、暇を持て余しているのか、あちこちふらふらと徘徊していて気味が悪い。そう思いながらも探偵帽は、その個性的なツギハギブレザーの背に、物陰に上手く隠れながらついていく。

 

「亭主、Fikaいかがです?」

 

「あぁー? じゃあ、もらうか。ちょうどほっとしたい……そんな気分だったわ。はは、頼めるか」

 

「フッ、至極ラーゴム。ならば緑茶かコーヒーなどカフェインの豊富な」

 

「えっ、コーヒーあんの?? 茶人ってぇ……コーヒーでんの?? だしてくれんの??」

 

「フッ、Fikaの型は無形無限、ラーゴム」

 

 華やかな着物を着た金髪の外国人と落ち合っている。狭い入り口をくぐり、頭をさげながら彼が茶室の中へと誘われていく。

 

 

▼

▽

 

 

「ちょっと、ハーぬけスルー?」

 

「あ? 木浪か」

 

「は?」

 

「ちょと待て、なんでブレザーを引っ張る」

 

「────引っ張りたいから」

 

「なっ、なんじゃそりゃ?」

 

 今度はオレンジ髪のギャル。ミニスカートに、腕まくり、ボタンもちゃんと留めていない、だるだるのルーズソックスまでまるで全身見出しなし減点人間。肌の露出度が高い、風紀の乱れをいくらでも指摘できそうな彼女に袖を引っ張られている。

 

 また彼は連れられて、別の部屋へと入っていく。

 

 

▼

▽

 

 

「うっ浦木くん! これやっ、しょっ、おっ、おっ、おにぎり!!」

 

「おおおッ、いつもさんきゅーな! 今度は何味──ってまた緒方さんいないなぁ……? ──ん?」

 

 緒方はいつもの風呂敷包みをピネスに急ぎ手渡し、猛スピードで2Fの廊下を去っていった。

 

 彼の行動を隠れ見ていた探偵帽の女は、ツギハギブレザーの不思議色の背を見つめ、考え耽る。

 

(廊下は走っちゃ!? ってそうじゃなく……この人…手当たりしだいに……)

 

 もはや疑いようがない。探偵帽の女は、短時間で複数の女子と関係を持つこの男の背を睨んだ。

 

(あっこっちに来っっ!? なっなんでぇこっち睨んでぇ!? そっそういえば、校長とか、おっ、おっぱいのおおきい人ばかりを……!?)

 

 そのツギハギの背が突然振り返り、黒い瞳と目が合った。探偵帽の女は廊下を歩き向かって来た男にたじろぎながらも、彼が会って来た女子たちの特徴を思い出した。

 

(次は、わっわたし狙われ!? なんでぇ!? わたしもおっおっ……はぉわわ、ええええいや私は風紀委員部の部長! ぜったいにさせない! そんなエッチなこと! 風紀を乱すヤカラっっここでくいとめてみせる!)

 

「どうしたぁ? あぁー、なんか顔色わるいぞ?」

 

 背に纏わり突き刺さる妙な視線には既に気づいていた。顔色の悪い女生徒に、ピネスは心配そうに歩み寄り声をかけた。

 

「か、顔色!? ふ、フツウなの!! んーあなた!ちょっと! え、え」

 

「え、え? なんだ?」

 

「エッチ!!!」

 

 突然、勇ましく指をさされた。探偵帽がピンク髪の頭から吹き飛ぶほどに、勢いをもって指をさす。男に対して決して軽々しく言ってはならない衝撃の一言を、大声で添えて。

 

「んーと、ええぇ……えっ、えっちぃ?? ……なぜ」

 

「とっとにかくっあなたを部室まで連行しますっ!!!」

 

「だからなぜ……(部室、なんのぶ?)」

 

 ピネスはとりあえず今吹き飛んだ帽子を、ピンク髪の女子に拾ってあげた。しかし、帽子を拾ったその手をそのまま強く掴まれてしまう。罠だったようだ。

 

 ピネスは一言女子の小さな手でがっちりと袖と手首を掴まれたまま、どことも知らないどこかへと連行されてしまった。

 

 

 

▼

▽

 

 

 

連れられた▽風紀委員部部室▽にて

 

 

⬜︎タコイカ学習帳

風紀委員部とは風紀委員の何故か存在しない……不黒高校に、仕方なく、小角灯(こずみともる)生徒により設けられた学校の風紀を正し守ることを目的にした新設の部である。反対する校長先生を彼女の勢いと熱意が押し切ったようだ。

 

部員:

小角灯(部長)

登別海(のぼりべつかい)

⬜︎

 

 

「こっこの人っ、おっぱいばっかりみてるのです!!」

 

「いや、えぇ……みてないってぇ」

 

「んむむ、とにかくとにかくあなたみたいな〝エッチアイ〟をしている人を、これ以上放置するのは危険なの!」

 

「な、なんだエッチアイって……」

 

 小角灯は、前のめりの圧をかけながら、椅子に座らせた男子生徒を問い詰める。

 

 そして机を両手で叩き、探偵帽子をまた跳ねさせた。古き良き刑事ドラマばりの厳しい尋問スタイルだ。正義に燃える黒い目をメラメラと灯らせて、彼女は結論に移る。

 

「と・に・か・く!」

 

「とにもかくにも俺ってそんなみてねぇぜ」

 

「と・に・か・く!!」

 

「まさかの二回? すごいゴリ押し力だ……ならこっちも、とにもかくにも」

 

「と・に・か・く!!!」

 

「つ、つよい……」

 

 三度打ちの禁じ手、両手をとにかくばんばんと激しく机に叩き鳴らし威圧するピンク髪の少女。ピネスの反論をパワー技と勢いだけでねじ伏せていく。一度火がついたら止まらないそういうタイプの人間をピネスが止めることは、校長然り不可能だ。

 

 とにかくピネスと灯の話は平行線──よりも、ややピンク側に優勢。しかし尋問にあった男子生徒、浦木幸もただでは諦めない。

 

 一向に根を上げない男子生徒を、部長がまだまだ既に赤い手のひらを叩きつけ問い詰めていく。

 

 そんな騒がしくなってきた部室で、ひとりクールに本を読みながら、背の高くすらりとした女子が居合わせて話を聞いていた。

 

 部員の登別海は、本を片手に、平静な声で口をひらいた。

 

「冤罪はよくないんじゃない、小角部長」

 

「登別さん!? どっちの味方を!」

 

 少し離れた席からぼそり。透明感のある声が、ミントグリーン色の長髪の持ち主から発せられた。淡い緑に、背の高い、なにやらミステリアスな雰囲気のある女子生徒である。

 

「これといってどっちの味方でもないけど、なにか見てるっていう確たる証拠でもあれば」

 

「しょっ証拠なら、もういくつも! うっぐっあっ──(あんなの言えるわけぇ)……と・に・か・く!」

 

「まだ出涸らしのそれ使うのか……いやいや、それこそ冤罪っ。俺って、ぜんぜんそんなつもりは」

 

「ほら見たぁー!!」

 

「いやいや待て待てみてないみてない」

 

「ほらほらほらっっ!!! エッチアイなんですよー!」

 

「だからそれなにー!?」

 

 バンバンと両手をまた叩きつける。証拠のエッチアイ、彼の疑わしい目線を見つけ、調子づきはじめた小角灯部長はお得意の威嚇行動をやめない。

 

 バンバン、ばんばんする度に、その制服の上からも揺れるには十分な衝撃なのだ。その揺れを追い、自分では気づかない浦木幸のもうひとつの異能【エッチアイ】とやらを発動してしまっているのかもしれない。

 

「んー、たしかに幾度かちらちら胸元を見てるようにも……」

 

「ほらぁ!!!!」

 

「んぎっ、数で責められるのはきついぞ……それでも俺はっ──ミテナイミテナイ……」

 

「ミテまぁすっっ!!!」

 

「みてるかも?」

 

 

 いくらはぐらかしても、彼は疑いをかけられつづける。

 

 『もはや見せつけているのでは?』ピネスはそう思いもするも、相変わらず机さんを叩きイジメつづけるピンク髪の女子に尋問威嚇され続けている。

 

 顎に手を当て、首を少し傾げたもう1人の女子部員からも、横からのアングルで注目の視線が刺さる。

 

 彼の今日の行動記録、そのアリバイをたどるとまったくの濡れ衣……ともいえない。

 

 しかし、たとえ胸をわざと揺らし詰め寄られても、一介の男子生徒はそんなに見ていないものは見ていないと、はっきりと声に出し言わなければならない時もある。

 

 見知らぬピンク髪の女子部長に、穴があくほど見られている。その疑わしい彼の目の行方は正面の小明灯、真横から佇む登別海に注視されている。

 

 二対一、迂闊に入ってしまったここは彼女らのテリトリー。ふと、彼がドア方の出口を見た途端に、小走りで動き出した小さなピンク髪の探偵がそのドアの鍵をかけた。

 

 もはや、そう簡単には逃げられない、逃がす気はないようだ。

 

 それでもそんなに見ていない……疑いを晴らす術は────彼は黒髪をかきながら考えた。

 

 2-D帰宅部、ダンジョン帰りの浦木幸。二人の女子に挟まれた、風紀委員部の部室での取り調べはつづく。

 

 

 

 

 

 

 

「結論としてはイエローカード。そこまで悪意をはらんだ悪質プレイってわけでも、じゃない?」

 

 胸元のポッケから出てきたサッカーの審判が使うようなイエローカード。登別海(のぼりべつかい)は、かるく手で持ち示し、またそれをポッケの内側へと仕舞った。

 

「ええーっ登別さん!? でもでもー、このひとエッチアイなんですよー! 悪っ、アクッ、そっそれにぃ!」

 

 相変わらず何かを喋る度に、机をばんばん叩くのが癖になっている小角灯。ピネスはイエローカードをもらってしまったがレッドカードではない。クールな佇まいの女子、登別海は味方とはいえないが、公正な目で見てくれていたようだ。ピネスは幾分か疑いが晴れほっとした。

 

 依然指定された椅子に掛ける男子生徒に対する、ピンクのお方からの厳しい目と、ナワバリに入ってから始まったその威嚇行為は変わらないが────

 

「なら、ここの3人で今から小一時間、一緒に遊んでみるのはどう?」

 

「遊ぶ?」

 

「アソぶ!? エッチアイと!?」

 

 突飛もないことだ。まさか遊んでみるという言葉が、終始落ち着いていたミントグリーン髪の女子から出てくるとは、ピネスも灯も思わず。

 

 登別海は、そろって驚く二人に頷いた。

 

「その遊びの間にも女子生徒の胸元ばかりを見ているようなら、何気ないふれあいから発生する、学校生活の中に潜む風紀の乱れの一つとして、彼のもつその【エッチアイ】厳重注意できるんじゃない? 問い詰めるばかりのシチュエーションより、より自然体な判断基準としていいとおもうのだけど? まぁいえば遊び兼、実験ね?」

 

「「な・る・ほ・ど……」」

 

 部長と絶賛嫌疑をかけられている男子は、隣同士一瞬見つめ合う。部長の灯は、そのエッチアイにさり気なくみられた胸元を両手でガードする仕草を取った。

 

 散々机を叩き攻撃して今更そのガード姿勢は遅いのではないか、ピネスは恥じらうというよりは睨む彼女の戦う姿勢にそう思いつつも。

 

「決まりね。先ずはそうね。簡単な言葉遊び……これからはじめましょうか」

 

 

 

 

⬜︎タコイカ学習帳(校舎西館2F風紀委員部部室にて)

 

登別海:しりとり

 

ピネス:りんご

 

登別海:ごますり

 

ピネス:りす

 

登別海:すり

 

ピネス:りか

 

登別海:かり

 

ピネス:りんぐ

 

登別海:グリズリー

 

ピネス:りせい!

 

登別海:いかり

 

ピネス:り……り……ぅーー……ちょと待てなんで初っ端から〝り〟ばかり……あっ、リカバリー!(きたぜ!)

 

登別海:リハビリ

 

ピネス:んだと!? ……旅行

 

登別海:瓜

 

ピネス:理想!

 

登別海:嘘

 

ピネス:ソーリー!

 

登別海:旅行帰り

 

ピネス:り……り……理不尽! ゼェハァ……ま、待ってくれぇいくらなんでもそれって脳が壊れるクソゲー……俺はもうり、り、〝り〟を言いたくない……。

 

登別海:そうね。なら今度はしりとりに〝り〟を言ってはいけないルールを追加するのはどうかしら。

 

ピネス:ルールを追加……な、なるほど? それって……あぁーなんとなく感覚で分かるな。そういうの、おもしろそうだな?

 

登別海:決定ね。そうねこれはなかなかさっきより、おもしろくなるとおもうわ。じゃあ、また私から、〝ルール〟

 

ピネス:る、る、るるる、ルーツ

 

登別海:ツール

 

ピネス:またるかぁ、る、ルアー

 

登別海:アール

 

ピネス:る、るる、ちかる……じゃなくて瑠璃色!

 

トモル:ちょっとちょっとちょっと!!!

 

ピネス:あ?

 

登別海:あ、そう。瑠璃色は綺麗なことばね予想外。よく出たけど、るりいろの〝り〟はさっきの追加ルールで使えないわ

 

ピネス:あ、そっかぁ……うわ、おもしれぇなこれ! なんかこう、じわじわくるっていうか?

 

登別海:うん。おもしろいと思うわ。そうねここから、じわじわ難しくなってくるわ。今度は〝る〟も

 

トモル:ちがうちがうちがう! なんで普通にしりとりしてるの! 登別さん! エッチアイ!

 

ピネス:あ、あぁー……いや普通じゃないぞ? これ結構おもしろくなりそうな予感が!

 

登別海:そうね、ここは一気に〝ら〟行を言ってはいけないルールを追加

 

トモル:じゃなくて目的いいいいいい!!!

 

ピネス:きくらげ

 

登別海:げっこう

 

ピネス:あぁ!!

 

登別海:そう、きくらげは使えないわ

 

トモル:きくらげじゃないのおおおお!!!

 

ピネス:おもしれぇ……んだこれ。なんか遊びながら脳が活性化? っていうのか? 勉強になるぜ

 

登別海:私もちょうどいい運動、うん

 

 

 

10分後……

▽次の遊び▼

《グリンピース》

 

 

「「グリンピース」」

 

ピネス:ドン!

 

「「グリンピースぅ……!」」

 

ピネス:パリンパリンチョリン

 

ピネス:チョリンチョリンパリン

 

ピネス:チョリンチョリングリン

 

ピネス:あ、ドン!

 

トモル:ばどっ!?

 

トモル:なああぁぁまた負けたー! くやしいい! なんでですか! エッチアイまさか……卑怯な手を!!

 

エッチアイ:卑怯な仕掛けは特にしてねぇが、そりゃ……反射神経とその他もろもろの要素と、あと運じゃね? これって? ただの?

 

トモル:ぐぬぬぬぬ!

 

登別海:なるほどグリンピースのルールはだいたい分かったわ。グーがグリン、チョキがチョリン、パーがパリン。先ずグリンピースの掛け声で好きな手を出す、その時点でアイコの手ならば『ドン!』と先に言った方の勝ち。アイコ以外ならば勝った方が親になり、声を出しながら勝った手から継続して2手、例えばチョキの手で勝ったのならばチョリンチョリンとリズム良くつづける。そしてまた好きなグーチョキパーのいずれかを3手目でリズムよく出す。(子も同じように2手目まで負けた手を出し、3手目で好きな手を切り替えるように出す)つまり1セット1手目2手目はリズムだけで意味はなく、3手目でお互いアイコの手が出たときに『ドン!』と先に言った方の勝ちなのね。

 

ピネス:ぅーー…………そうみたいだな! そういや俺も昔何度か遊んだことあるだけだから。ま、そのアドバンテージもあったかな?

 

トモル:やっぱりズルじゃないですかー!!

 

ピネス:いやいやズルじゃなくこれはええとなんだ? あ、経験? の差はは

 

トモル:くぬぬくぬぬくぬぬぅ! エッチ!!

 

ピネス:なんでだよっ!(なにがだよ)

 

登別海:うん。アイコで決着は珍しい遊びね。勝ち運だけじゃない平等みたいでおもしろいわね。んー、でももっと反射神経と運と駆け引きの平等性を高めるために、すこしこの現存ルールのグリンピースにスパイスを加えてもいい?

 

ピネス:げ、げんぞ? グリンピースにスパイス? あぁー、──別にいいけど? 俺の(グリンピース)じゃないし

 

 

《追加ルール》

①アイコの手が出た場合に基本は先に『ドン!』などのトリガーワードを言った方の勝ち。

②ただしトリガーワードは、出題されたお題にそったものを考え言わなければならない。(お題にそわないワードを先に言った時点で負け)

③お題は毎回書き溜めたものの中からフリップ用紙で、第三者である審判が伝える。

④伝達するタイミングは3、2、1のカウントでフリップに先ずお題が出る。すぐさまお題を確認したプレイヤーの2人は、特殊じゃんけんの動作へと移行する。さいしょと仕切り直しの掛け声は、定番のグリンピースではなく〝カレー〟で固定。お題にそった言葉を考えながらアイコのタイミングで、じゃんけん中に考えたそのトリガーワードを発する準備をする。

⑤ここが重要※相手に先にトリガーワードを言われた場合でも、後手ですぐさま相手のトリガーワードよりも長い言葉を言うことに成功すれば、その勝負は引き分けとする。長さが同じ場合は先手の勝ち。

⑥なお8文字以上のトリガーワードを作れた場合は、先に8文字以上のトリガーワードを言えた方の勝ち。★速攻で攻めるもよし、熟考で逆転するもよし。

⑦ただし! アイコの手の時に、あまりにも後手に回った者のトリガーワードを発するタイミングが遅い場合(だいたい先手が言い終えてから2秒以内に言い始めない場合)は、長いトリガーワードで返せたとしても無効になり先手の勝利となる。

 

★先手を取れた場合でもできるだけ長い言葉を、思考時間を伸ばすためにわざと後手に回るのもあり。後手に回った場合、先手より長い言葉を捻り出し引き分けに持ち込むことを心掛ける。両者8文字以上のトリガーワードの作成を目指すのが勝敗のポイントね。じゃんけんが長引けば長引くほど考えるじかんは増えるといえるわ。頭でこれ!と一度決めたワードも、もう一度、じゃんけん中により良いモノに練り直すようにした方がいいと思うわ。

 

 

追加ルールは以上。グリンピースあらため登別海考案特殊じゃんけんあそび〝カレー〟

 

 

17分後……

 

 

お題【パン】

「「カレーぇ」」

 

ピネス:グリングリンパリン

 

ピネス:フライパン!

登別海:パンタグラフ

 

 

お題【チョコ】

「「カレーぇぇ」」

 

ピネス:パリンパリンチョリン

 

ピネス:おチョコ!

登別海:猪口才

 

 

お題【あたたかいもの】

「「カレーッ!」」

 

ピネス:チョリンチョリンチョリン

 

ピネス:そりゃおかゆ!

登別海:スーパーノヴァ

 

 

お題【雨の日に…】

「「カレー……」」

 

ピネス:レインコート!

登別海:てるてる坊主

 

 

お題【かみなり】

「「かれーーーー!」」

 

ピネス:ゴブリン……じゃなくてサンダー!

登別海:析雷神(さくいかづちのかみ)

 

 

ピネス:さきいか……のかみ? んだそれ……あぁーなんか負けちゃったけど、ルール覚えたら楽しいかもしれねぇこのグリンピースあらため、カレー

 

登別海:そうね。析雷神、雷の神様、陰に宿った八雷神のひとつね。うん。即興の追加ルールにしては思ったよりたのしめたわ、(神様を引っ張り出すのは熱くなっちゃったかも? 悪いことをしたかしら)カレー

 

ピネス:へぇー、なるほど雷の神様か……そうか、神様つれてこられちゃ負けてもしょうがないか。カレー……深いぜ

 

審判:カレー……むぬぬ、グリンピースはどこに

 

登別海:私はたべない

 

ピネス:俺もかなぁ、あぁーなんかむかし給食のカレーに入ってたよな。

 

審判:同じくアレは絶対いらないです……! じゃなくてっ!

 

 

 

 

20分後……

▽次の遊び▼

《手押し相撲》

 

①床に引いた2本の白線テープの前に各々立つ

②軽く相手に見えるように構えた手のひらで、相手を押し、足が浮くなど相手の体勢をおおきく崩した方の勝ち

③押していい部位は相手の手のひらのみ。それ以外の部位を押したら反則負け

 

 

ピネス:てか弱くね(8連勝とは、そんなに勝てるものなのかこれ)

 

トモル:んむむー! そんなことないです! え、エッチアイが気になってぇ! あっ! なら今度は尻相撲で勝負です!

 

ピネス:尻ぃ……?? ま、いいが……

 

急遽……!

《尻相撲》

1分後……

 

ピネス:わりぃ、さいきんグラウンドで尻の朝練してっから

 

トモル:どひゃぁあ!? ……なっ、なんでぇ! いたたた……(尻の朝練……な、な、エッチ!?)

 

登別海:次は私と。部長のカタキをとるわ。

 

 

ばちっばちっ……!!!

すぃっすぃっ……

 

ばちっ

 

すいっ

 

熱くなったピネスは、登別海のフェイントにひっかかり体勢を前におおきく崩した。

 

崩した体勢は踵が浮いてしまった爪先立ちでは止まらず……

 

彼の慌て顔は、相手をしていた目の前の女子、登別海の胸元のやわらかなクッションへと────

 

登別海:自分と相手の腕の長さに対する最適なポジショニングは最初に引いた白線で既に調整。積極とフェイクのバランスが大事。立ち方はやや内股のハの字。正面からは打ち合わず、やや下から上へと突き上げるように手のひらを当てて受ける力を分散。それにタイミングがばっちり合えば……こうして男子生徒相手にも、ごぶで勝てるみたい。──だいじょうぶ?

 

ピネス:だっどいひょぶ……

 

トモル:どさくさにいいい!!! 登別さん、あっ危ない離れてえ、え、エッチアイされてる!!! おっぱい!!!

 

登別海:eyeどころじゃないとおもうけど……? あ、──尻相撲はどうする? 浦木くん?

 

ピネス:へ、へ、へんりょひほふ……(登別さんとの尻相撲はさすがに想像できや……でっ……)

 

⬜︎

 

 

 

 約、小一時間──。

 

 風紀委員部の部室にて、学生たち三人は体やジェスチャー言葉だけでプレイできるレトロな遊びを真剣に共に興じた。

 

 そして全ての遊びを終えた、結果────

 

 再び元の椅子に座らされた男子生徒は、じりじりと灯る黒目と、せせらぐ淡い藤色の瞳に、見つめられながら……

 

 

〝2-D浦木幸、逮捕〟

 

 

「なんでだよっ!」

 

「トウゼンですっ!!!」

 

「当然ね」

 

 そそくさと裏へと回った探偵帽のピンク髪に、ピネスは後ろ手に手錠をかけられた。

 

 赤いタコイカ学習帳を手に読みながら、登別海はぼそりと一言、ピネスが淡く期待していた部員の彼女からの助け舟は出ず。

 

 風紀を邪な目で乱すヤカラは、逮捕。異能エッチアイを持つ男子生徒は、最後まで正義の火を絶やさなかった小角灯部長の手によって、これにて念願のお縄についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

⬜︎タコイカ学習帳

『あのエッチな人は女の尻を追いかけてばかり』

 

登別海:という言い方をたまにテレビドラマとかで耳にするけど、生物進化論の観点からお尻は雌が雄の視線を誘導し交尾に持ち込むために発達した部位といえるわ。

 

登別海:かしこくなった人間は二足で立って仲間と向き合いたびたびコミュニケーションをするようになる。そうすると必然的に背部にある〝お尻〟を見る機会が減ってしまう。そうね、そのかわりに発達したお尻の代替品が〝おっぱい〟と言えるわ。

 

《校舎西館2F風紀委員部部室》

 

⬜︎

 

 

 逮捕され手錠をかけられたピネスは、何故か進化論を聞かされている。ミントグリーンの長髪長身の女子は、その凛と垂れ下がる髪のように真っ直ぐに突っ立ち、宙に勝手に浮いていった赤い学習帳をつかまえてまた手に取った。

 

「このように、うん、彼が女子のおっぱいを見てしまうのは仕方ないこと。でもその頻度を減らすことは、訓練次第でできると思うわ。まずはここにいる女子のおっぱいに慣れるところから始めるべきだと思うの。──そうね? 幸いここには十分あそび……いや実験に」

 

「えっえっええー!? 登別さん正気なのー!? ですかー!? そんなプールの水に慣れろみたいなノリでおっ、おっ、おっ!? おっぱ……ぃ」

 

 ピンクのくせっ毛がびよんと逆立ち、被っていた探偵帽子を上へと跳ねさせた。小角灯は、登別海が今淡々と述べるおっぱいやらお尻やら如何わしい話を耳にし、ひどく驚いた。──驚きと困惑を混ぜ合わせた破茶滅茶な顔を浮かべている。

 

「非常事態の只中、現在私たちは隔離された異世界にいると仮定できるわ。とはいえ、そんな未知の閉鎖環境に置かれたブク高にも、なけなしにもあると思われる風紀を、著しく乱す恐れのある異能【エッチアイ】。それを抑制する方法はあれど、今から完全に無にすることは難しいと思うの。見てしまうものは見てしまう、彼はこれからもこれからの学校生活で、そうじゃない?」

 

「ぅーー……そう……なのか? いやだから俺ってミテ」

 

「くぬぬぅ、ぬぬぅ……よくわからないですが……ぬぅーっっ仕方ないです! ブク高の風紀を乱すエッチなエッチアイは、ここで風紀委員部部長のわたしがひと肌脱いで食い止めてみせます!!!」

 

「ひと肌!? な、なんでぇ……こうなってる? いや脱がなくても、あのだからさ、俺ミテ」

 

「決まりね。じゃあ、さっきの遊びと同じようにまずは小一時間。うん、はじめてみましょうか」

 

 何故かメラメラと灯る黒い瞳、淡々と物事を推し進める淡い藤色の瞳。

 

 既におっぱいを直視、盗み見しすぎて逮捕されたピネスの意志は欠片程も尊重されず。彼を見つめる2人の女子生徒による〝小一時間の訓練〟は始まってしまった。

 

 

《訓練メニュー①おっぱいしりとり》

 

 部室内に置かれた椅子を3つ近くに寄せて、左右の席に挟まれる形となったピネス。

 

 左に座るのはピネスより小柄なピンク髪の女子、右には170は優にある背の高いミントグリーン髪の女子。

 

 左からむぎゅっと、右からもむぎゅっと──どちらも大きい、十分に。なんとも常人基準よりおっぱいの大きな女子が揃っていた風紀委員部。

 

 そのどちらが大きいかなどと、考えている余裕など罪人のピネスにはない。風紀委員部の女子2人は、何故かその豊かな制服ごしの膨らみを自ら押し付けるように彼に寄りかかり密着している。そして、その挟みっこの状態から────

 

「アルペジオ」

 

「おっおっ……おっぱ」

 

「いっ、いやらしいですよエッチアイ!」

 

「いわお」

 

「おっ、おっ……おっぱ……おぉ……」

 

 彼を挟みながら、彼をまじえて、普通のルールの〝しりとり〟をしている。しかしもはや、しりとりどころではない。

 

 左右から男体を圧迫する丸みをおびたシンボルに、ピネスは硬直混乱。同時に近く香るとてもいい女子の匂いに、何故そんなに2人していい匂いがするのかピネスは分からない。

 

 部員の登別海の淡々と発する澄んだ声も近い、淡藤色の瞳にそなわるまつ毛も長い。

 

 部長の小角灯、その可愛い声が叱咤しながらも、小さな背丈の身を寄せて押し付けられるこのボリューム、このギャップがピネスはなんなのかわからない。

 

 異なる種類の女子、いきものにサンドイッチされながら、しりとりをするなど、彼が正気でいられる訳もなく──。

 

「浦木くん」

 

「おぁぉ……!?」

 

 そよ風のように静かな声が右耳に浴びせられ、ピネスはびくりと驚いた。ちらり、彼の表情を覗き込むように、首を傾け見つめる登別海がいる。まつ毛の数を数えれるほど、ものすごく近くに──。

 

「さっきからしりとりができてないわ? 何か──あ」

 

 登別の視線は彼のするおかしなお顔から、黒の制服、ズボンの下へと向いた。すると不思議そうに思った小角も、登別のその視線のありかに釣られてしまい──。

 

「え……なっ、な、な! 登別さァんこっこれっ! エッチアイじゃなくてえっちあいのえっちばぁー!?? えっ、えええええええ」

 

 驚愕、直立────脱帽モノ……。

 

 もっこりと、出っ張り主張したその窮屈そうな彼の様を見つめて、部長の探偵帽は、ぽすりと地に落ちた。

 

 

▼

▽

 

 

 

「チョコレート。ち・よ・こ・れ・え・と」

 

「ぅぐっ──!♡」

 

 右から伸びた細くて長い女子の指が、丁寧になぞの呪文を唱えながら数えて、彼のペニスを6回上下往復する。

 

 椅子にかけるミステリアスな美人に密着されながら手淫をされてしまう。陰茎に手を添えてやさしく擦られる、それだけでピネスの硬直直立したモノは悦び震え──悶えた。

 

 

《訓練メニューSTEP②おっぱいしりとりⅡ》

 

 

 彼が序盤の訓練メニューの最中に興奮してしまい早くも勃起してしまった──。急遽予定を変更して、登別海の閃いたアドリブで、今度は調子の悪いピネスを抜いて女子二人だけでする〝しりとり〟が始まっていた。

 

 しかし、ただのしりとりではない。文字数だけ彼のモノを己の手をつかい刺激するルールを追加した少しエッチなしりとりである。負けるとささやかな罰ゲームも用意されているので、わざと負ける敗退行為はあまり推奨されていない。

 

 そしてバトンを渡すようにリレーされる。登別がつぶやいたチョコレートの次、トからはじまる、追加ルールを鵜呑みにした小角灯部長の番が回ってきた。

 

「とっ、とっ、トーテムポール! あっあぁ!! ながいのっッ!?しまっ!?」

 

 おそるおそる伸ばした小さな手が、それに触れた。そして意を決したかのように、添えていた震える手でそれを握り込んだ。

 

「くぬぬぅ……! こ、このっこのこのぉっっ! と・お・て・む・ぽ・お・るっ! ──!?(かっかたぁ……それにぬっぬめっ!?)」

 

「ちょ、ぁぐ──♡♡!?」

 

 先ほど登別のした丁寧な指遣いが打って変わって、今度は左から決意と覚悟をもって男性器を7回上下に擦り上げていく。

 

 握り込んだ際に鈴口から漏れた我慢汁が、小角灯が懸命に上下にしごいた小さな右手をぬめり汚していた。『はわわぁぅ…!?』と彼女を狼狽えた声をあげ、彼をしごいた自分の右手を見つめ黙った。

 

 次の番──

 

「んー……ふぅー……どうしよ……あ、ルリミツユビカワセミ」

 

 ささやく──その艶唇がくっつくぐらいの近く耳元で、彼女は考え思い付き、発した。

 

 ちかく、ちかく、制服ごしの柔肌が、絡みつく指先が、あたたかい生の吐息が吹き込まれては、繰り返す。

 

「ル・リ・ミ・ツ・ユ・ビ・カ・ワ・セ・」

 

「ぁがぁイっっ────♡♡♡♡」

 

 

「──ミ?」

 

 射精────。密着する声に、息遣いに、左右から寄りかかる二人の丸みと体温に、肉棒を刺激していく物怖じしない丁寧なひとしごきひとしごきに、ついに我慢できず。

 

 ピネスは射精してしまった。びゅーびゅーと、彼の欲望は一気に噴き上がる。鈴口から噴射した熱い白線は床を、さっきまで尋問を行っていた離れたあの机の上までを汚していく。

 

 いきなり噴き出たその様を、飛び散った白の行方を、隣で椅子を挟む女子たちに見られている。

 

 あまりに気持ちよく至ってしまった。絡まり添えられている彼女の手の動きはそのまま、静かに止まり。

 

「はっはわわぅ……!? え、え、エッチアイのエッチバーからあんにゃに!?」

 

 驚きあまり、お化けでも見たかのようなリアクションでより密着する小角灯。引かれた白濁の線、その勢いの良さを示す床の跡をまじまじと見つづけている。

 

「これは────……もうすこし慣れる必要が、ある? ……ルリミツユビカワセミ────」

 

 びくびくと盛大な射精の余韻に震える肉棒から、登別は手を離した。染まった右手のザーメンをそっと摘み、粘る様を観察しながら、右の手のひらに摘んだ白を落とす、落ちていく。

 

 彼の放出する熱い温もりがまだ残っているのが、手のひらに肌に分かる。

 

 やがて、登別海は隣でもたれる彼の表情をゆっくりと覗き込んだ。とろんと目尻が下がり情けなくなった彼の表情を、よくその目に見ながら、次の遊びを脳内で淡々と思案していく。

 

 男女学生三人、息遣いが重なる狭い部室にて。

 

 行われていた訓練メニューSTEP②は、風紀委員部の女子2人の協力する密着状態での手淫で、部員登別海の番で浦木幸があえなく一度射精したことで、終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ばさっ、ぱさっ……』──身に纏う堅苦しい黒衣がするりと落ちていく音が聞こえる。

 

「────ということ。やっぱりまだ慣れるには時間が必要みたいだから、異能エッチアイと彼のエッチバー抑制のための次の訓練、はじめましょう」

 

「くぬぬぅ……ひと肌脱ぐと言ったいじょう仕方ありませんっ!!! エッチなエッチアイのエッチバーは、なんとしても風紀委員部部長としてここで抑制します!!!」

 

 女子たちは不黒高校のブレザーの装備を外した。重厚な黒から晴れやかな白へと──一着、窮屈さを取り払った白いシャツの姿をした2人がいる。

 

 依然、射精後の脱力感でふぬけた魂を入れ戻す作業の最中であるピネスは、今眼前で一体何が始まろうとしているのかがわからない。

 

 だが一歩、その四つ白く山なりに張り出した女子たちの圧にあとずさると──彼の後ろに何故か布団がひとつ敷かれているのに、足元の違和感を振り返り気付いた。

 

「え、エッチアイっっ、これ以上むやみやたらにぃぃブク高の校舎内を徘徊はさせないの! エッチなのは、この風紀委員部部長小角灯の前に観念するの!!!」

 

「な、なん──……だっっ!?」

 

 

 

▼

▽

 

 

 

 これといって観念するでも訓練するでもなく、巡ってきたお眠のじかん。

 

 『母親の愛がすこし足りなかったのかも? ──うん、私たちも予定より遊びにハマっていたみたい。今日はもう遅くなったから、訓練というよりは、女子二人で彼を添い寝して終わらせてしまいましょう』

 

 

STEP③────添い寝

 

 

 圧に屈して倒れてしまったピネスは、今、女子二人に一枚のごく平凡な布団の上に身を置き、左右から密着の添い寝されている。

 

「緊張すると興奮する。なら逆の弛緩効果でこうしてリラックスさえすれば、うん、しばらくこうしていれば慣れてくると思う」

 

「ふぬぬぅ……なるほどです! エッチアイ、緊張じゃなくてリラックスですよ! おっ、わたしたちのおっ、おっぱいにリラックスしながら慣れるのですっ!」

 

「り、りら、りりり、おっり、り……お……」

 

 添い寝すること、されることによってリラックス効果を図る。またも二人にサンドイッチされる形となっているピネスに、左に小角灯、右に登別海。もはやそれが定位置でもあるかのように、左のピンク髪の女子は身を寄せながらピネスにちゃんとリラックスするよう真剣そうな顔で忠告する。右のミントグリーンさんも近く、その身を寄せている。

 

 タイプの異なる風紀委員部の女子2人に挟まれたピネスは、もはやリラックスのリの字もできているか分からず。左右のやわらかな圧に、両腕両肩、身動きが取れない。

 

 隣に寝るその彼がまだ完全にリラックスできているようには見えない。登別海は彼のことを観察しながら──

 

「おっぱいに慣れないとおっぱい離れできないわ浦木くん。んっ──もっとこっちに来て。もう少し密着した方が、オキトシンが分泌されて弛緩効果が高まるわ」

 

 右の登別海はそう言い、ピネスは近くの彼女が静かに醸し出すそのミステリアスさと不思議な魔力に釣られていく。

 

 両腕をちいさく開き、待ちうける白シャツのふくらみの中に、彼は本能でか、そのおおきな胸に甘えるようにゆっくりと飛び込んでしまった。

 

「あっあぁふぁ……♡」

 

「うん、そう、これぐらい。密着した方がいいのかも、さっきよりオキトシンがよく分泌されていくような気がするわ」

 

「あええええ!?? ちょっちょっなんでそんなに!? そんな甘えたようにっっ登別さんにくっつきすぎですッッエッチアイ!!! えっ、エッチでいやらしいなのは、部長のわたしが食い止めるのです! ていっ!!! しっかりこっちのおっ、おっぱいにも甘えてください!」

 

 背後からも何故か密着。ピネスが登別のおっぱいにふらふらと惹かれて甘えてしまったことで、期せずしておいてけぼりをくらってしまった小角灯部長は、彼の空いていたその背にしっかりと密着した。

 

 再び男女密着のサンドにされてしまう。それはもう添い寝の域を超えている密着度であった。

 

 背に当たる熱い息遣いと、たしかに大きなモノがとても近くで触れているのが分かる。前は視界をうめつくす登別のシャツごしのおっぱい。鼻をくすぐりつづける甘い匂いがする。女子の匂い、呼吸する度に登別海の匂いが鼻腔を乱し満たし濃くなっていく。

 

 前門のミステリアスでクールな登別海、後門のはちゃめちゃ正義娘小角灯──背丈性格は違えど、どちらも大きな風紀委員部コンビの柔らかいものに包まれた。

 

 甘い匂いのするクッションに挟まれ、沈み込み、顔まで深くふかふかと包まれて、とてもあたたかくなっていくカラダに、幸福物質がじわじわと分泌されていく。

 

「ん? ──あ」

 

「もっ!? もしかしてのもしか!? また硬くなったのです!? エッチバー!? 登別さん!? うん……? ってえええリラックスと言ったのに添い寝で一体何をやってるのですかあああエッチアイ!!!」

 

「うん、小角部長大丈夫。この体勢でもこうすれば」

 

 登別海は器用な手つきで探り当てる。手探る下方にあった制服ズボンのチャックを『ジジーーーっ……』と音を立てながら下ろす。そこに仕舞われていた、彼の窮屈そうに主張していたモノを外へと解放してあげた。

 

 そして、ひどく熱帯びたその硬いバーの先端部を、ゆっくりとたどった細い指先で小刻みに刺激しうながしていく。

 

 登別はピネスと密着状態ながらも、またも器用に長い人差し指でカリカリと裏筋を──亀頭裏を──やさしく下から上へ繰り返し這わせて弄っていく。

 

 

「ンンッッ────♡♡♡♡」

 

 

 高級なおっぱいに抱き寄せられしがみつきながら、甘い芳香に沈み込み浸りながら、おちんぽをカリカリと繰り返すお布団の下方で行われたその刺激的なサービスに耐えきれず────射精。ピネスはあえなく射精していた。

 

 ビクビクと震えるカラダは後ろからも前からも豊かな女肉にサンドされて抑えられる。風紀委員部の女子たちにも彼のイッている際の震えが伝わり……。

 

 ちょうど彼女の下腹部あたり、黒いスカートの布地へと白濁はびゅくびゅくと遠慮なく放出されていく。

 

 盛大に射精し登別海の制服スカートを汚してしまった。彼の震えが止まるまで、子供をあやすようにサンドされていた男子生徒は、やっと密着感から解放される。

 

 身を寄せていると微細でおおきなその震えを感じ取ってしまう──背にいた小角部長は赤らめてしまった慌て顔で、仰向けにへたれる彼のことを覗き込む。次に立ち上がった登別部員の白くいやらしく汚れたスカートを見てしまい。

 

「はぅわわわ!? エッチバーまだそんなにエッチなのびゅるびゅるデルのです!?? 登別さんそっそれ、だっ大丈夫なのっ!?」

 

「うん、──これで少しリラックスできたと思うわ。小角部長、男子校生はたぶん精力旺盛、今のうちに彼の添い寝を頼むわ。私もこのまま継続といきたいところだけど、すこしこれをお直ししないと?」

 

「そっそうだったの! ふぬぬぅ、あなた! エッチアイ! 今こそ真の添い寝効果でリラックスす……ってこれエッチアイのエッチバーが!?? って何目をとじてるのでっっ!? ────」

 

 耳元で騒ぐ声も物音も、ドタバタとうごくピンク髪のコミカルな仕草も、天を仰ぐ視界にぼやけて薄まっていく。

 

 たくさん冒険した──たくさん遊んだ──たくさん射精した、あとは寝る。

 

 疲れ身のピネスの本日は、知らない部室の知らない敷布団の上ここでセーブして終了する。

 

 まだ熱のこるやわらかな余韻と匂い、ふわふわとただよう幸福感に、浦木幸は重たい瞼をさげ、そのまま目を閉じていった────。

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