異能幸運レアドロップでイキ抜く♡ピネスと校長の不気味なダンジョン冒険記Re: 作:山下敬雄
「で、どうだったかな? わざと見え透いた挑発に乗ってあげたがぁ? 何か満足のいくおおきな成果は得られたかな池原、ふっふ」
「あれわざとかなぁ……。ま、そこそこあったんじゃないのー」
再び校長室へとご機嫌を窺いにいった用務員の池原は、すっかり牙を抜かれたように大人しく、そう素直に校長の言うことを肯定した。無駄な反論をする気はないようだ。
「ほぉ……ほぉほぉほぉっ!! じゃあウチのピネスくんの方は実力的にっっナンの問題はないということだな! キミの目から見て、モッ!!!」
「はいはいそれはもう、その言葉の通りじゃなーい。まぁ問題ないことが武闘家くずれのあたしにとっては大問題なんですがねぇ。あ、これお返しします、よっ」
池原は『はいはい』と小刻みに頷きながら、懐にしまっていた茶色の封筒を机の上へとそっと置き、お返しした。
「ん? なんだこれは?」
それを手に取った校長は芝居がかった反応をみせるが、これには池原も苦笑い。
「いやいやさすがに無理がありますよぉーっソレ……言っときますけど? そんなのイチ用務員に渡したところでなんの効力もないですから、ねっ!」
「あー、はーはー。はて? 思い出したどうやら彼に渡す書類のほうを間違っていたようだ、こっちだこっちこっちだったーー!! ──【ふぅーちゃんモテヤバ恋愛極意Ⅳ】!! はっはっはーーうっかりぃ、うっかりふぅーちゃんうっかりぃ」
テンションを1人で声高らかに高めた校長は、便利な咳払いで緩急をつけ、また仕切り直した。
「でだ、かわいい生徒たちの方の武器の扱いやらなにやらは継続して頼めるということかな? 今度は表で」
「もちろんあたしは戦闘術デザインアドバイザー。ゆっくり丁寧にわかりやすく噛み砕いて時代に即したアドバイスしまーす、よっ!」
「ふっふ、それは助かる。ん──どこへゆく?」
「ちょっとダンジョン~。校長様、なんかてきとうにあけといてー」
そう告げ、池原は校長室をそそくさとあとにした。
「ふっ、池原叉鬼27歳。訳あって武闘家くずれの彼女のことは、うちの用務員あらためスーパー用務員とでもしておくか。我らブク高はこれから彼女の表立った助力とアドバイスと武力によりさらに一歩……いや段飛ばしッ、上のステージにいくことだろう。純粋武力では劣るが私も校長と魔法教師、この二足の草鞋を存分に活かして、生徒たち池原そしてピネスくんにも負けぬようにがんばらねばなーーっ!!!」
気合いを入れるかわりに、意味を成さない辞表は破かれた。
辞める気などさらさらない……こんなに向いていて面白い事を。
祝福の紙吹雪は白く舞う──
塞ぐ眼帯から開放した灰色の瞳がぎらりと光り覗く。
またひとつ、大きなピースが揃い噛み合わさった。不黒文の思い描くダンジョン攻略への野望と道筋は、先へ先へと鮮明に光り広がり続けるのであった。
▼▼
▽▽
今度のダンジョンは快晴のブルー、山道のような一風変わった景色を歩む。そこで出くわしたアルマジロの群れは、天から射す陽気にぽかぽかと照らされながら今可愛らしく──丸々。
スピードを上げ迫り転がる危険な音。坂を丸まり下る凶器に対し、男は構えた。その一直線に向かって来た殺気のタイミングを見計らい──
地を転がる岩は、雷撃の剣のクリティカルで粉々に処された。刃に抉られた岩は内側から砕かれ数多の石粒と化す。剣士の彼を襲ったモンスターは見事に倒された。
しかしなおも手に汗を握る状況は変わらない。ひとつのミスが命取り、構える翠の剣はこちらの気も知らずにじゃれるように向かってきた3つの岩玉に集中を高めた。
⬜︎タコイカスマート学習帳アプリ
《ちゃいろのダンジョン16階》
岩マジロ×8:
岩属性のアルマジロ型モンスター。
丸まった形態から転がり見つけた対象に突進行動をしかけてくることが多い。硬くて厄介なモンスターである。
仲間でごろごろ共に転がりレースをしたり、やんちゃな性格である。
⬜︎
「いきなりなんでダンジョン!? なんで犬が丸まって岩になってんの!? そもそもなんでこうなってんだぁ! 俺のFikaの一服とおにぎりいったいどこ行ったぁ? 何から何までがわかんねぇ! それにさっきぃ! 会いま! ッしたよねぇ! 戦いの時間って一週間後じゃないんですかぁ! なんかなかなか会えないツワモノ感出してましたよねっ!」
「いやいや、アレからうーーん、考えてみたんだけど。山で若い生意気男と2人っきり、古臭い修行シーンの一つや二つあっても、あたし的にも悪くないとおもってねっ! グギッ痛っ……!? ……ほらほらっこんな丸っちょろいのに手こずってるようじゃ、せっかくこしらえた修行ステージに指輪の奴隷システムで君を呼んだ価値がないじゃーん。あ、言っとくけど絶対避けずに連続クリティカルでその転がる岩ころをぶっ壊すことね。じゃないとあたし、ペシャンコだから」
「プレッシャーの掛け方が笑えねぇ!! これが修行ってまじかよ!! うおおおおおおッて奴隷!?? ……──うおおおおおおッ」
おにぎりを頬張りすこし遅めの夕食をいただいていたブク高の茶室から、彼の意を無視した強制転送──。
こんばんはもなしに始まった新たなダンジョンの新たなモンスターとの戦い。そして床で大の字に寝転ぶスーパー用務員の池原叉鬼に課せられた突然の修行クエスト。
転がり襲う謎の生態を持つそのアルマジロの群れを、連続クリティカルでぶっ壊せと彼女は開幕早々の無茶を言う。
状況を飲み込めないピネスは悪態をつきながらも、脳のスイッチをダンジョン仕様へと切り替える。愚痴っていてもモンスターは待ってくれない。だが愚痴らずにもいられないようだ。
「あーがんばれーふんばれークリティカルシンデレラボーイ、校長様も地獄のどこかでみてるぞー」
「校長っ!? じごくっ!? んなことよりクリティカル!! ──あの、余計なこと……まじやめてほしいんですけどっ!」
池原は己の腰をトントンと叩きいたわりながら、途中強制参戦した彼が食べかけていたおにぎりのつづきを頬張った。若いツギハギブレザーのがんばる背を、目を凝らし粗を探すように見届ける。
転がる岩を砕くムラのあるクリティカル音を耳にし、池原はずけずけ次々と野次と応援を送る。さながら彼の師範でもあるかのように、基礎的なアドバイスも叱りながら彼に教えた。
池原叉鬼と浦木幸、仲がいいのか悪いのかも初めましてで未知数の2人。新たに開かれた《ちゃいろのダンジョン》での2人の修行は、なんとなく唐突に始まってしまった。
「みっつめ、たべていい?」
「ダメに決まってんだろ!! よしッ、これでみっつ!!!」
転がる岩は鋭い雷に穿たれ砕かれた。
赤と緑、片方ずつ色違いなのがオシャレ、浦木幸はそんな新調したスーパースニーカーを履き。習ったばかりの新しいステップ法を靴底に馴染ませながら、最後はいつもよりいい感触でその剣を振り切った。
「さぁラスイチ────……おっけー! やるじゃんCCBお疲れー、言われたこと3秒後にできないのはぜんぜん馬鹿だけどねー」
「無茶苦茶言うなこの人……まぁそれでなんか途中からやりやすくなったから何もいえねぇけど……(CCBってなに……?)」
遭遇した岩マジロたちは全てクリティカルで滅された。周りにはもう殺気を放つ敵モンスターはいない。剣を冷却機能付きの鞘ホルダーに仕舞ったピネスは、ようやく落ち着き一息ついた。
ピネスが用務員の池原に抱いたのは、マイナスを凌駕するほんの少しの尊敬の念と、今すぐにでもなんでこうなったかを説明してほしい多大なる疑念であった。
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▽▽
ここはダンジョン、ちゃいろのダンジョン、ピネスの予定にまったくなかった本日二度目のダンジョンへの入場。そんなハードスケジュール。
池原は早くも観念したのか、砕けた黒い指輪の残骸を手のひらに乗せて語りだした。ピネスも所持しているそのアイテムに備わる、池原自身も今日体験した恐ろしい便利機能について説明をした。
数多のDPを消費しその黒い指輪を失うかわりに、自陣であるブク高からの救援を一度だけ頼めるという保険システム。しかし、救援を要請した方はダンジョン内で一時的に魔力を失うや、なんらかのきついペナルティをランダムで負うことが本日二度の指輪の試験運用で判明している。
説明されたピネスは一応はその説明で納得したが、数刻前に手合わせた池原の実力ならば自分を呼ぶ必要はないのではと疑った。これをただの思いつきの修行であったとするならば、指輪もDPもひどくもったいない。試用実験は大事だが、最初から誘ってくれれば理不尽には感じないものだ。
そんな若い男の苦笑いを浮かべる顔を見た池原は、どういう風の吹き回しか、さらに追加でその口を開いた。
そしてもったいぶらずに明かしていく。自分の持っている厄介な〝腰痛グセ〟とそうなった経緯や昔ばなしを、長々と────。
「────つまりライバルや天才たちを避けて、まだまだ伸びる可能性のある、そんな自分向きと信じて疑わなかった未知のドアを開いていったらいいところでそうっ、──トラップに引っかかった。そしてあたしは八方塞がりそこで行き止まりになったわけ、さっ!」
「ぅーー……順調に強くなって進んでいたのにトラップ……ダンジョンみたいなもんすか?」
「はははそうだね。山で仙人と厳しい修行してやっとこさ技と陰気と陽気の真髄、波に乗ったおにゅーなチカラを得たはいいものの……得た瞬間に……ぼんっ! あたしのカラダはぼむえんど! 掴みつつあったコツと強さと引き換えに、変なスイッチが体の内側にできちゃったってわけ。つまり半分成功、半分大失敗。仙人に渡された気の種は大きく育ち、確かにあたしなんかにも芽吹いた。芽吹きやしたけどその頃には……あたしのナカは割とボロボロってわけ、よっ!」
「ぼっ……ぼむえんど……?」
スーパー用務員池原叉鬼、その人並外れた強さは本物だが、それは自分のカラダに爆弾のスイッチを作ることと引き換えにした強さであった。池原は嘘か本当か、そんな昔のことを語りながらも入念にストレッチをつづけている。
ピネスは神妙な顔をしながら奇想天外な彼女のお話を傾聴するも、気付く。ある重大なことに気づいた、その昔話のつづきは今ここダンジョンならばと────
「あっ! でもダンジョンってアレですよね、願い願われが異能になるって。それでなおせば治ってんじゃ?」
「はぁ?」
「え?」
「馬鹿なのかな?」
「ばか……? んー?」
「もしそんな願いが叶うチャンスがあるなら、今より一瞬でも強くなる方をイチバンに願う! 既に願ってるに決まってんじゃぁん? このボムをしょいながらっ。そんなの当然でしょ? まさか自分から弱くなる方を選ぶなんて、やっぱダメだね~君ってははははは」
「ま、まじ……」
銀の刺股を勇ましく向けて池原は笑いながら平然とそう言う。
ピネスはこんな生物は見たことがない。校長とも違う、別の強い意志を持つ人。感心というよりは関心、自分とは全く違う強さを持つ生物への一歩外からの関心であった。
「マジもクソもアルマジロ~~、なんだ? 大人しく壊れた武闘家くずれは、引退してリハビリに専念しとけっていいたいのかい! よっ! よっ! よっ!」
「ちょ、なんでこちょばす!?」
「爆弾がないかこの道の先輩が診てあげてんだ、よっ! よっ! よっ! おっ?」
「てなんでソコおーー!!!」
「ありゃ? なーんか硬くない??」
「かっ、カタクナイ……」
「ほんとかなぁ? なんかあやしい弾力だ、よっ? よっ?」
背後にまわりピネスの脇腹をこちょばしていた池原は、下方をまさぐり見つけたソレを指先でつんつんと突きあそんだ。
「ぜっ……ゼンゼ……ンっ……」
男の言葉とは裏腹に……。
「もうかーなりパンパンなんだけどー、ぱんっ、ぱんっ」
戯れていた池原は調子を変え、平手で軽くはたいた。ピネスのモノは池原の手のひらが打つその度に、びくりと跳ねて反応しているように見える。
「ねーねー〝これ〟あたしに君なりに説明してみなさい、なっ」
「コッ、コッ……」
「こっこーニワトリかなぁ? じゃないよねー君はあたしのことエロい目で見てたのさー」
若い男の棒はその手に触れる度に、確かに大袈裟に反応している。もはや言い逃れするフェイズは過ぎている。弾力は硬く、ズボンの中で窮屈に反り返り天を向いている。
「困ったな困ったな、いんや困ったのはあたしなんだよ。せっかくできてきた君との師弟っぽいうっすい絆も、こんな風──にッ、勘違いされてたとなりゃぁ冷めるよね。こんなの破門だよー、イッパツでー、よっ!」
「ぁがっ♡……」
「息が荒くなってきてるけどどしたのー、これ笑い事じゃないよーほんと。あぁーあ、どすんのこれ? ねぇっ」
耳元ちかくで池原の息遣いと声が聞こえる。叱っているのは冗談の延長なのか、もはやピネスには分からない。だが背中から回す池原の手に責められている、そして動けない。何度もはたいて触って刺激される。鎮めようとも鎮める術もわからず──池原に囁かれ叱られながら意識して興奮が増していく。
チャックを下ろす音がする。やがて窮屈そうにしていた下の方は脱がされていき、制服のズボンは擦れる音をゆっくりたてて……ずり落ちていく。
露わになったのは、びくびくとひとりでに頷く肉の棒。立派に生意気にも勃起していた。
「興味大ありじゃん。うわぁーはやくはやくー♡って、生意気にあたしを急かしてんのー? ねぇ?」
興奮と元気さのバロメーターを隠さない若い肉棒は、早く触ってほしいとせがむようにみっともなく震えている。
「おーし、よしよしー、よっ、よっ、──硬ったーー」
そんな男子のお望み通りに、池原は右手でそれに触れ包むようにシゴき始めた。脈打つ硬い肉棒は若さと期待の象徴、池原は淡々と慣れたような手つきで我慢汁ごと気にせずすり込んでいく。
徐々に徐々にぬちゃぬちゃと与えられる刺激快楽は高まっていく。ピネスは池原に背後から手コキされて追い詰められてゆく。彼が逆らう言葉を出そうとするものならば、池原は手を止めずにその手による刺激だけで黙らせていく。勃起して欲情しているその隠せない証拠を、手でシゴきながら言い訳できないよう露わにしていく。もはや完全にちんぽごと主導権を握られてしまっている。
「しこしこーしこしこー、ほらっ、ほらっ、こんなに勝手に気持ちよくなっちゃったら、もう頭馬鹿になるしかないじゃん、しこしこーしこしこー、はい馬鹿になるー、はい気持ちいい、はいばればれー」
手を止めずに、卑猥な水音が増し立ち続ける。耳元で雄を煽る池原の手コキにもはや限界──
前のめりになっても逃がさない。ぴったり密着しながら耳元でしこしこと唱え続ける。片時も容赦なくただただ追い詰められたピネスはついに──
「はいはいはい、えらいえらいがんばれー、あと少しー、はぁ……だからさぁ……〝とっととクソ勃起しながら
最後は耳奥に直に吹き込む。池原は耳の溝にまでその唇をつけながらお馬鹿になった弟子の脳にも聞こえて分かるように囁き命令した。
そんな彼女の冷たく叱る声が、耳奥の脳まで響いた。撫でられシゴかれつづける一人の女の手のひらの上で、勢いよく勃起したペニスから白濁の汁を噴射する。
イッたのを確認してもプロの彼女は手を抜かない。変わらない池原の手コキの速度に促されるがままに、精液が搾り出されていく。地に向かいびゅくびゅく……最後まで、情けない射精の証をしっかりとのこしていく。
「うわぁあそこまで飛んでるっ! ふっ。なにこれ若すぎんだけ、どっ」
そしてやっと止まった射精と手コキ。
「ほらこれ、あたしのナカにへこへこぶちまけるつもりだった君のエロい汁、ぜぇんぶあたしの手に出しちゃったよ。そうおもうとこれ、笑えるよね? ねっ? こんなの膣内でクリティカル♡されたらヤバくなぁい? なに考えてんの? はははっ」
見せつけた池原の白く汚れた右手は、ピネスの粘っこいザーメンが手のひらを逆さにしてもなかなか垂れてこない、とても淫靡な仕上がりに。
もはやピネスは分からない。吐き出しきった気持ちよさで、何を言われて叱られて笑われてもなすがまま。何故唐突に呼ばれたダンジョンで彼女とこのようなことになったのかも今やもう分からない。
ただただ気持ちよかった……。思考を放棄してしまうほどに。
池原はまだその濃厚な雄汁を遊ぶように手のひらの上でこねながら、いつまでも勝ち誇るように笑っている。
ちゃいろのダンジョン50F山頂の大広間にて、大口を開く岩クジラの要塞の中から射出されるように、岩マジロのモンスター部隊が意気揚々と丸まり出撃した。
「どっちが壊せるか競争だ、よっ!」
「そんな競争したことないっすけど!」
内側から緑に湧き上がるクリティカル、青く轟くクリティカル。池原とピネスの操る刺股と剣は次々と競い合うように、今突進してきた岩マジロの部隊にクリティカルのイチゲキを当然のように決めていく。
しかし敵もやられてばかりではない。知恵をしぼった岩マジロは丸々形態をぶつかる直前手前でとき、フェイントをかけた。
意表をつくモンスターの行動に人間たちがフリーズする。2人の虚をついた2匹の岩マジロはしてやったり、腕を広げ、体を大きく広げ、その場に静止したまま短い尻尾をふりふりとご機嫌である。
「だからなんなの、さー!」
「だからってなんなんだァァ!!」
2人はへんてこな行動をみせた間抜け顔の岩マジロを、容赦なく同時に倒した。
しかし先程の岩マジロの珍行動に気を取られてしまっていたのか、2人は突然降りかかってきた岩石流に呑まれた。
山頂のステージを寝そべり支配する巨大な岩クジラが、その尾を俊敏に地に打ちつけ、生じた数多の岩石の飛沫が広範囲に飛んでいった。
「よっ、よっ、よっ」
降りかかる岩石の雨それに天から滴る岩ツララ。岩クジラが寝そべりながらに放った広範囲魔法を、逆に宙の足場として利用し、その危険なアトラクションを飛び移りながら池原叉鬼は掻い潜っていく。
そして岩と石の階段を器用に上り、クジラのもつ硬い岩肌の背に素早く取り付くことに成功した。
「おわっと!? ──ふぅー……」
池原が伸ばした銀の刺股が、クジラの背の曲面から滑り落ちそうになっていた少年をひょいと掬い上げた。
「若いのにぃ?」
「ハァハァ……体育3なんでっ!」
そんな巨大クジラの背に乗り上げた2人の異物に対して、小魚が曲面を沿って猛スピードで泳ぎ迫って来た。
その小魚の頭部には金色の小判型の装甲がある、その自慢のアタマで敵をぶちかますつもりだ。
2人はそんなクジラと共生するコバンザメ部隊の猛追を、各々の武器で小判頭を砕き捌きながら、別々の方向へと別れた。
「空けるか【
追手を崩し集中した池原は、岩肌の柔い部分に目星をつけ、そこに魔力を込めた刺股を思いっきり突き刺した。
すると計六箇所から、亀裂の入ったクジラの背は魔力迸る緑の潮を勢いよく吹きあげた。池原の突き刺した刺股が、脆弱を突き、巨大なクジラの内部からダメージを与えたようだ。
「さて、そろそろひよっこもいけるかな。おーいっ、あとはたのんだよー!」
池原は大声でそう告げた。彼女の下ごしらえとお膳立ては完了。あとは────
ピネスは地の底から湧き上がり漏出する巨大な魔力の流れに、良い期待感を募らせた。
ならば、向かってくる雑魚にこれ以上かまう意味はない。ピネスは翠のショートソードをその場の地へと突き立て、一気に貫いた。
「【ピネスっ……サンダーぁぁ!】──のォォ……【サクイチゲキ!!】」
雑魚は焼き焦げ、緑の雷柱は天へと昇り、テンションは昂る。
クリティカルからクリティカル。必殺のイチゲキを放つには十分な利用可能な質の良い魔力が、そこにはあった。
柱は次々と迸り湧き上がり、赤と緑のスーパースニーカーは崩れゆく地を蹴り飛び退く。
攻撃を加えながら魔力を存分にチャージした雷剣が、かつて黒騎士が見せたような綺麗な三日月の軌跡を描いていく。
描かれた三日月は宙を飛び、大口を開き吠えたクジラの腹のナカへと呑まれた。
生きる巨大な岩が尾をじたばたと打ち、崩壊していく──。
落雷が通ったようなヒビ割れは広がり、岩クジラは浦木幸が鋭く放った質を高めた雷撃のクリティカルで、ド派手に潮を吹きながら泥の涙を流しその終わりを迎えた。
濁った泥の涙を流すクジラは、もう抵抗する気がないようだ。攻撃の意志を見せずすっかりと大人しくなった。ダンジョンのモンスターは倒すべきものそう考えるのが当たり前であった2人だが、まるで負けを認め涙を流す目の前の半壊した体の岩クジラに追い討ちを加えることはなかった。
せっかくなので池原の提案で、2人は倒した巨大クジラの体内を探索することにした。
同じく敵意のなくなったアルマジロがクジラの食道をごろごろと転がり通っていく。
絵本の世界のような奇妙な体内迷宮を2人は歩いていく。
「こいつらも襲ってはこない? なんでだろ?」
「泣き止んだら怒りがおさまったみたいな、ねっ」
「あぁー……でもそれってこの今歩いてるクジラのことですよね」
「うんだから、結論的にたぶん魔力に服従したんじゃないおまけの住民も」
「魔力にふくじゅう?」
「好き勝手クリティカルをぶちこんでイジメたから、その時の魔力がこのこの体内にまだ充満してるってわけ。モンスターだって魔力を持ってるでしょ、だからそれを利用して効率のいいクリティカル現象が起こるわけだ。クジラちゃんの持つ魔力の質と流れがその攻撃の影響で変わっちゃったってわけ、おそらくね」
「へぇー、なるほど?」
「本当に分かってんのかぁ~? うりうりぃー」
「ちょ!? ぅぶっ──!?」
2人のクリティカル攻撃により岩クジラの体内にある魔力の質と流れが、変容した。それにより邪悪な何かを追い出すように排泄し、岩クジラ、体内に住まうモンスターまで2人に服従するようになった。池原はそう仮説を唱えた。
分かった素振りを見せた弟子(仮)の男の顔を笑い睨みながら、池原は彼にヘッドロックをかけた。
▼
▽
探索をつづけた2人は《岩の食道3》から《岩のブロウホール6》へと辿り着いた。
噴気孔にも繋がるこの部屋は、とても汚れて荒れていた。だがその汚れ固まった層の下に、奇妙な何者かの生活感を池原には見て取ることができた。
そしておそらく、ここは──
「鍛冶場かな」
「かじば? 馬鹿力?」
「はは、馬鹿は君だけであたしゃ十分かな。おそらく先住民がいたって感じかな。ここで武器やらなにやら篭って作ってたのかも。手入れのなさと錆具合からしちゃ、もうだいぶ古いかんじ。ま、考古学者じゃありませんが、ははは」
池原は堆積していた土砂をどかし掃除しながら、そこに鉄床らしきものを見つけた。しかしその鉄床は随分と大きい。おおよそ普通の人の扱うサイズには見えなかった。同時に周りの汚れ荒れた生活感も、天井も、全て、思えば一回り二回りも大きく見えていた違和感に改めて池原は気づいた。
「先住民……まじすか。あ、それってゴブリンだったり。あいつらまじで人の捨てた武器拾って襲ってきたり油断ならないっすよ! ってソエジマが」
「にゃはは、それもあながちありえるねぇー。アルマジロが住んでるぐらいだ(ソエジマだれそれ?)」
人じゃなければゴブリンだってありえる。確かにそうだと、池原はピネスの突飛な発言に笑いながら頷いた。
「あのぉー、ところでこれさ。校長にこのデカクジラのこと報告したらどうなっちゃいますか?」
「そりゃあ……ろくなことにならないんじゃない?」
「「ふっ……はははははは」」
ピネスはもう後処理や上への報告のことを考えていた。池原は彼の質問に答え、きっとろくなことにならないと言う。
それもあながち間違いはないと、2人は顔を見合わせて笑い合った。
気になる大きな鍛冶場の掃除と物色は後回しにすることに、探索をつづけた2人は《岩の脳砂ルーム9》へとやってきた。
辿り着いたそこはどうやら寝室のようだった。半休状態の頭部に近い部屋であったため、先ほど訪れた鍛冶場より比較的まだ綺麗な状態に保たれていた。
とりあえず休めそうな場所を見つけた。思ったよりも広かった岩クジラの体内迷宮の探索に疲れた2人はここで一時休憩することにした。
というのもここまで探索を続けていたのは、石像のチェックポイントを見つけることも兼ねていたからだ。50Fボス部屋の山頂にはいつもある浄化のできていない石像が見当たらなかったのだ。きっとこの岩クジラの体内にあるのだろうと、ピネスも池原も考え付いていた。
「ふぅー、しかし思ったより迷っちゃったねぇ。──あちゃぁ、びっしょり、タオルとか持ってくりゃよかったか?」
「っすねぇ……」
池原はおもむろに水色作業着の上を脱ぎ出した。『ジィーーーー……』チャックを下ろす無遠慮な音が聞こえる。黒いノースリーブのアンダーウェア姿が、水色の果実の皮が剥かれたように露わになる。
戦闘と探索をつづけた作業着の内はとても蒸れていたのか、汗でびっしょりと湿っていた。
ぱたぱたと手で扇ぎ微風を送り込む。露出した肌から、二の腕から、腋から汗が滴り流れていく。白い湯気が立つほどに熱気の篭っていた彼女の体を、暑そうにクールダウンしていく。
すると背を見せていた彼女は振り返った。汗ばんだうなじに光る汗粒を拭いながら、戦闘用に邪魔にならないようにしていたポニーテールを纏め直して、揺らし、振り向く。
その若い雄の釘付けの視線に気づいた池原は、扇いでいた手を止めて、ニヤリと目を細めて笑った。
そして手の甲を下にした人差し指がくいくいと動き、挑発的な赤い眼が誘っている。
ピネスは乾いた喉に溜まった固唾を飲み込みながら、その汗染み光る引き締まった黒いノースリーブごしの女体の誘う方へ、指先一つで操られたようにふらふらと歩き近づいていった。
「なにふらふらぁ~って近づいて? ひょっとしてまた破門にされたいのかな、君」
「っ……」
「ねぇこれ、──どこに興奮する要素があったか、当てたげよっか♡?」
真正面からまさぐる。池原の手が彼の制服のズボンを添い、やさしく撫で回していく。すでにパンパンに膨張したその窮屈さを隠せない劣情を催した理由を、彼女はこれから教えてくれるという。
抱きつこうと迫る弟子を見上げ、前のめりに近づいた乾いた彼の唇に、池原はさっき誘っていた人差し指を置いた。
「馬鹿、待て♡」
「……!」
興奮する若い獣を誑かし制御するように、彼女はその窮屈にも急かす彼のズボンのチャックを、下げた────。
キスも胸に触れるのもまだ早いと彼女は言う。とても意地悪に思えたが、とにかく彼は作業着を脱いだ彼女のその体に触れずにはいられなかった。
差し出すように伸ばされた指から始めて、二の腕を沿っていく。ピネスは舌を這わせて池原の体を隅まで味わうように舐めていく。そしてキスを禁じられていたピネスは、その池原の汗ばんだうなじに唇を押し当てた。
荒くこそばゆい熱息が池原のうなじに当たる。吸い付くように啄むように何度も甘える必死のキスの真似ごとに、池原は微笑いながらもその行為を受け入れる。
至近に寄りかかり彼が興奮して舐めたりキスしたりをしている間にも、池原は下方にあるピネスの興奮し切ったモノを手で掴みいじめつづけた。
余計に鼻息を荒くし、汗ばんだその池原の女体にピネスは夢中になる。舐めとり吸い付く池原の汗のニオイや味と、下方のペニスへの継続する甘い刺激でもっともっとと興奮しきってしまう。
黒いノースリーブ姿の池原の左半身をもう舐めるところがないほどに味わい尽くすと──
「はい──次、こっちね♡」
池原は右腕を挙げて、彼を誘惑した。
誘い込まれたピネスは、そのぐっしょりと濡れた彼女の右脇を脇腹から舌を添わせ舐めていく。クラクラするほど濃厚な雌のニオイが鼻を打つ。手入れのされたツルツルの極上の肌質、引き締まった彼女の体の輪郭に舌を押し当て滑らせる。
ずっとむしゃぶりついてしまう、クセになる彼女のニオイと味に。池原の体を許された範囲で好きなように舐めながら、下をかわいがられる。彼女の手がパンツから露出した彼の肉棒をいじめつづけ、興奮の吐息が速まり、濃くなる。
「にゃはは、そこまでされちゃうのくすぐったいんだけど、──えいっ!」
ピネスがすっかり池原の右半身に夢中になっていると、不意に視界が塞がった。
突如、舐めていた腕が閉じ腋の間に顔ごと挟まれてしまった。
ニオイに包まれている。呼吸をする度にピネスの鼻腔を池原の濃いニオイが満たす。呼吸が苦しい、それでもその雌の腋にある肉をしゃぶり舐めることをやめられない。
乳と勘違いしたように腋に舌を伸ばし、その柔らかな白肌に舌を押し当て、水音をたてながら吸い付く。そうしている間にも、池原が与える下方に添えた手の動きが速まる。
塞がれ見えない狭く苦しい視界の中、筒状にした片手でしごく手淫に、甘く甘く射精感が高まっていく。
スパートをかけ速まる池原の手コキに、ピネスはついに限界を迎えた──しかし射精はできず。まるで堰き止められたように、尿道を上り詰めたザーメンを気持ちよく放出できずにいた。
「ふぅーあぶないあぶない。なにやってんの、こんなので射精したら馬鹿になっちゃうじゃん、にゃははは♡」
彼の肉棒には、緑に光る紐が結ばれていた。根本から縛るようにし、勝手な射精を堰き止められていた。
手淫の動作を手放し止め、緑に光る魔力の細い糸をカウパーで濡れた小指に絡めながら、池原は不敵に笑う。
そしてそのまま、この部屋に備え付けてあって一台のベッドの方へと、彼女は小指とちんぽを特殊な魔力糸で繋げたままそれをリードのように扱い、引っ張っていく。
こんなところで、射精するなんて早すぎてもったいない。まだ全然彼女自身も楽しめてはいない。そう言いたいのか。
ぐっしょりと汗水に濡れた顔で興奮する。そんなどうしようもない表情をした若い雄のことを、もっと気持ちいいことのできる場所へと誘った。
ベッドの上に仰向けにさせられたピネスは、池原によるお預け状態がつづいていた。
「へぇー、魔力流すときもちいいんだ、おもしろ♡」
あやとりをするような手つきで肉棒に糸を絡めていく。その糸に池原が魔力を通す度妖しく光り、手も触れていないのに、えもいわれぬ快感をピネスの肉棒を締め付けじわじわと与え続ける。
そんな魔力を宿す糸で雁字搦めにされた肉棒に、池原はさらに息を吹きかけた。唇を近づけて一番敏感な亀頭を撫でるような生ぬるい風が吹く。
ピネスの肉棒はびくびくと震えながら、鈴口から涙をだらだらと滴らせている。
大きく聳り立つほど完全に勃起し、はち切れんばかりにびくつく。
「ふぅー。これ、もう待ちきれないんだぁ? ふぅー♡」
びくびくと何度も頷く。ちんぽも彼も必死に首を振りながら懇願している。少しの吐息が当たるだけでもう暴発しそうなほどに、我慢の限界であった。
「いいよ、ならかかってきな。上手くできたらといたげる、それ」
散々の意地悪も飽きたのか池原はそう言うと、そそくさと下の作業着も脱ぎ出し、自らベッドに仰向けに倒れた。そして、ぐしょぐしょになった黒いパンツをゆっくりと見せつけるように下ろし、健康的なその鍛え抜かれた脚のポールをくぐらせていく。
邪魔なパンツを足指で摘みどこかへと脱ぎ捨てた。内股に隠すよう閉じていた両膝が離れていく……やがて脚を外に広げ、そのままぴたりと止まり彼女は待ち構える。
まるで勝負を持ちかけるようなノリで、今脚を広げ見せつけた自分の秘穴。池原は恥じらいもなく指でクリトリスを円を描くように弄りながら、誘っている。
既に準備はできていた、どちらも。
おもむろに腰を上げ起きたピネスは我慢できない。眼前に据えられたその女体その濡れた穴に吸い寄せられるように、ピネスの体は動いていく。
一刻も早くこの窮屈な糸紐を解いて、すぐにでも射精したい。そんな思考と欲望だけがピネスの頭の中を支配していた。
穴に近づく肉棒の先から……近づく若い雄の棒にはしたなくひくつく穴から……ポタポタと汁が垂れ、ベッドシーツに染みを作っていく。
そしてついに亀頭と肉襞がキスをし、かきわけて、深く、もっと深くへと────
「ふっ────ぁふぅ……奥まではいったね。よしよしよし♡すんごいここまで入ってるよ?♡ にゃはは」
ゆっくりゆっくり進んでいった震える腰の位置は、根本まで達した。
池原は膣の中を掻き分け止まった肉棒の位置を、自分の下腹部、臍の下辺りを手で『よしよしよし♡』と撫でさすりながらピネスのことをそうして褒めた。
覆い被さる切なそうな顔をしたピネスの顔を見つめながら、近づいてきた唇に池原はまた指を添えた。
キスはまだ許可していない。また意地悪をする彼女にもう──
ピネスは我慢できず、一心不乱に止めていた腰を動かし、いたずらに笑う彼女の膣内を打ち付けるように突いた。
「じゃ、やってみよっか」
「あぁー、ぜんぜん」
「うーん。しょぼいかなぁ」
池原は余裕気に笑い煽る。震えっぱなしの男の腰を彼の尻を掴み両手で自ら引き込みながら。止まって休むことをさせない。
魔力の糸を意地悪にも解いてくれない。ピネスはただその女の補助し誘うままに、はち切れそうな程に硬くなった肉棒を濡れた膣壁にこすりつけ突いていく。
「ふっふっ……ちょっとはできるじゃん」
「んっんっ、へぇー。他の子とはそんな風にしちゃうんだ。でもやさしいというよりあたしは退屈かな、にゃはは」
「え、あれぇ、怒った? にゃははがんばれがんばれー、あたしはまだまだ余裕だよ。ゼンゼン攻撃効いてないよ」
池原はまだ彼の悶える表情を下から見つめながら、煽りつづける。そんな風なぬるい腰使いでいくら突かれても足りないと、余裕気な顔で自分の胸を手で弄りながら退屈そうな素振りでアピールしている。
そんな彼女の止まらない挑発と煽りが、彼の闘争心とイケナイ何かに火をつける。ピネスは甘く悶える腰を止めることなく、一心不乱に池原の中を掻き回した。一突き、一突きが、目の前に横たわる女体を大きく揺らし激しい水音を打ち鳴らしていく。
「そーそーがんばれがんばれぇ~、マシにはなってるぞぉふふふ、けどまだ雑だねぇーいかにも子どもの力まか……ンッ♡ ッあっあぅっ♡」
今まで余裕だった池原の表情が、火照り、息を荒げ、雌のものへと変わる。その変貌とギャップが興奮を掻き立てる。
もっと崩したい。目の前の大人の女のことを、黙らせたい。その威厳もプライドも余裕も軽口も口にできないように喘がせたい。
ピネスはきゅんきゅんと締まる反応が良好になった膣の奥の奥まで、腰をぶつけるように突きまくる。
戦闘の達人、そう自称する師範であっても彼女の体は自分よりも小さい。ピネスは鍛えた池原の美しい体が壊れるほどの勢いで、ただただその濡れ馴染む穴の中へと、快感と己の若さに従うままに欲望の限りをぶつけた。
スピードを上げる。腰を遠慮なしに打ち付ける。強くしても大丈夫だと煽ったのは彼女だ。彼女がシーツを掴みながら背を反っても、腰を宙に浮かせて逃げようとしても、ただただその引き締まった肉壺を突く。
そして彼女の左右、そのピンと勃起した乳首と繋がった一本の糸。余裕気にひとりで自慰するように弄っていたそれを、ピネスは噛み持ち上げた。その魔力の糸に痺れる電流を流しながら含んだ口で引っ張り、もっと池原のことを悶えさせる。
乳首を両方上へと強く引っ張られ、鋭く流される魔法の電流と甘い刺激で、池原は首を後ろへ仰け反りながら悶えた。
集中が切れ噛みちぎれるその魔力の糸を合図に、ピネスの肉棒に絡みついていた糸も解けた。
2人の快楽の度合いが最高潮に高まったその瞬間が重なる。
一気に波が押し寄せた。粘っこくて熱い熱いその快楽の波が、深く抉った彼女の膣内へと無遠慮に放出されていく。
海老反りに返る彼女の体に覆い被さり押さえつけながら、逃れようのない快楽の塊がどくどくと注ぎ込まれる。
絶頂しながら強張り硬直する女体。若い雄の勢いのままに穴にも体にも覆う蓋をされ、抱き合う一番奥へと射精されていく。
大波が過ぎ去り、訪れる波が段々と穏やかになる。馬鹿になるほどに染まった真っ白な思考が、正気を徐々に取り戻す。
2人で繋がり引き起こした大きな波。まだ繋がったまま、熱い感覚が下腹部を満たしている。
放出感、満足感、幸福感がじわじわと後を引きながら満ちていく。
荒くなった息を整えながら、彼女は笑い言う。
「ハァハァ……じゃ、今度はキスしながらしよっか」
そう呟いた唇の元へと引き込まれていく。
今度はキスを解禁し試してみる。縛るものも要らない、後ろに束ねていた髪は解かれ、ぐしゃぐしゃになった黒いノースリーブを脱ぎ捨てて────
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