※この作品はR-18です。

最強ヒロインが敗北する話(短編集)   作:雅媛

2 / 3
その後の悪の組織での業務

【業務:占領地慰安】

 

 

組織の勝利によって支配構造が覆った街。

かつてレイが守ろうとしたその大通りを、異様な行列が進んでいた。

 

「ほら、もっと早く歩きなさいよ、この『駄犬』」

 

「あ、あぐぅっ!? い、痛いっ、引っ張らないで……っ!!」

 

先頭を歩くのは、まだ背丈の小さな少女。しかしその背中には禍々しい黒い羽が生え、瞳は残虐な光を宿している。

それは、ほんの数週間前、改造されたレイの子宮から無理やり産み落とされたばかりの、彼女の遺伝子を受け継ぐ怪人――実の娘だった。

 

少女が手にした鎖の先は、首輪ではなく、レイの肥大化したクリトリスに直接ピアスで貫通・固定されていた。

一歩歩くたびに、鎖が敏感すぎる突起を強烈に引っ張り、強制的な快感と痛みが脳髄を走り抜ける。

 

「はぁ、はぁ……ごめんなさい、ごめんなさい……っ!」

 

後ろに続くレイの姿は、もはや人としての原型を留めていなかった。

全身が白濁した精液とローションでドロドロに汚れ、足元には自分が垂れ流す愛液と母乳で水溜まりができている。

 

その状態で、彼女は【全裸ガニ股Wピース】という、屈辱の極みのような姿勢を強制されていた。

肘と膝を直角に曲げ、股間をこれ以上ないほど広げ、顔の横でピースサインを作り、爪先立ちでヨチヨチと歩く。

少しでもポーズが崩れれば、娘が容赦なくクリトリスの鎖を強く引き絞るのだ。

 

「あぁああっ♡ お股、見られてるっ、ああっ、みんな見てるぅうっ♡」

 

媚毒のせいで脳は快楽に汚染されているが、『絶頂禁止』の首輪設定により、どれだけイキたくても絶頂の瞬間に強制的にブレーキがかかる。

その反動で、彼女の股間からは絶えず潮が噴き出し、乳首からは母乳が噴水のように飛び散り、街路を汚し続けていた。

 

「見てよみんな! これが『ヒロイン』の末路だって! 無様でしょ? クスクス!」

 

娘の残酷な紹介に、通り沿いの市民たちが足を止め、冷ややかな視線と嘲笑を浴びせる。かつて彼女が助けた人々も、今や組織に追従し、彼女をただの「見世物」として楽しんでいた。

 

「おい、スレイヴ! 負けて悔しくないのか?」

「ほら、いつもの挨拶はどうした!」

 

野次が飛ぶと、レイは涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら、ガニ股のまま立ち止まり、裏返った声で叫ばされた。

 

「あ、あうぅ……! わ、わたしは……身の程知らずの、無能な肉便器ですっ……!

せ、正義なんて気取って……偉大なる組織に逆らって、ごめんなさいっ……!

負けて……負けて、気持ちいいですぅううっ!!」

 

「声が小さい! 謝罪の姿勢!」

 

娘が鎖をグイッと引くと、レイはその場に崩れ落ちるように膝をつき、地面に額を擦り付けた。

 

『全裸土下座』

 

大きく突き出したお尻の穴は完全に開いたままで、そこからは先ほどの周囲の人間に中出しされた精液がだらしなく垂れている。

最も無防備で、最も情けない謝罪のポーズ。

 

「あ、あぁ……申し訳、ございません……! 弱いだけのメス豚が、生意気な口をきいて……うぅっ、許してください、許してください……っ!」

 

地面に頭を擦り付けながら泣き叫ぶレイ。その背中に刻まれた蛍光ピンクの【人権なし・使用自由】の文字が、ネオンサインのように輝く。

 

それを見た市民の一人が、ニヤニヤしながらズボンのベルトを緩めて近づいてきた。

 

「じゃあ、反省の色を見せてもらおうか。ちょうど小便がしたかったんだ」

 

「え……? あ、あの……ここは、外で……」

 

「『使用自由』だろ? 便器が口答えするな」

 

男は遠慮なくレイの顔面にモノを押し付ける。

レイに拒否権はない。彼女は震える手で男の腰を抱き、涙目で口を大きく開けた。

 

「は、はい……ありがとうございます……っ。

この卑しい口を、どうぞお使いください……んぐっ、おごぉおおっ!!」

 

公衆の面前での奉仕。

喉奥まで犯され、嗚咽を漏らしながらも、彼女は条件反射で男に媚びるように舌を絡め、お尻を振ってしまう。

その様子を、リードを持った実の娘が冷たい目で見下ろしていた。

 

「ほんと、お母さまって救いようがない変態ね。

……さあ、次は駅前広場よ。まだ100回は土下座してもらうんだから、精液まみれになりながらしっかり歩きなさい」

 

「はいっ……! はいっ、ご主人様ぁ……っ!」

 

かつての最強ヒロインは、自分の娘に顎で使われ、市民の性欲処理係として消費されながら、終わりのない謝罪行脚を続ける。

 

 

 

【業務:戦闘員増産・即時補充サイクル】

 

 

 

謝罪行脚の途中、娘である怪人の少女が唐突に足を止めた。彼女は瓦礫の山となった元・防衛拠点を冷ややかな目で見回し、リードをグイと引いてレイに命令を下す。

 

「ねえママ。この辺り、ママが暴れたせいで『兵隊さん』が全然足りないみたい。壊したおもちゃは、自分で直さなきゃダメでしょ? 責任取って、今すぐ補充しなさい」

 

それは、レイにとって最も過酷で、生物としての尊厳を根底から否定される「生体兵器工場」としての業務の始まりだった。

彼女の視線の先には、仮面をつけた下級戦闘員たちが、まるで無料の給食所に並ぶかのように、ずらりと長蛇の列を作り始めていた。かつてレイがワンパンチで蹴散らしていた雑魚たちが、今は彼女を種付けするための「捕食者」として、欲望に飢えた股間を膨らませて並んでいるのだ。

 

「あ、あぅ……そ、そんな……全員、ですか……?」

「当たり前でしょ。日が暮れるまでにあと一小隊は必要よ。ほら、早く」

 

娘が無慈悲にクリトリスの鎖を引き絞る。鋭い快痛に背中を反らせながら、レイは震える膝で、列の先頭に立つ戦闘員の足元へと這い寄った。

 

「う、うぅ……生意気な口をきいて、貴方様のお仲間を減らしてしまい……本当に申し訳ありませんでしたぁっ……!」

 

レイは涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら、かつて自分がゴミのように掃除した戦闘員に対し、心の底からの謝罪の言葉を叫ぶ。プライドなど、とうの昔にへし折られていた。

 

「罰として……どうぞ、この卑しい子宮をお使いくださいっ! 私の体で、強い兵隊さんを増やしてくださいっ!」

 

言葉と共に、レイはその場に四つん這いになり、額を地面に擦り付ける全裸土下座の体勢を取る。高く突き出された臀部は、娘の手によって左右に限界まで広げられ、蛍光ピンクに発光する肛門と膣口が、戦闘員を招き入れるようにヒクついた。

 

「ヒャッハー! 元最強ヒロインのマンコいただきぃッ!」

 

ズチュンッ!! ドピュルルルルッ!!

 

「あ゛あ゛あ゛ぎぃいいっ!!? 熱いっ、濃いのが、奥に来るぅううッ!!」

 

戦闘員の汚らしい欲望と共に、大量の遺伝子情報が子宮内へ解き放たれる。ドクターの施した改造により、彼女の体は『超・即時受胎モード』に固定されていた。

中出しされた瞬間、腹部のタトゥーが激しく点滅し、アラート音のようなうめき声がレイの口から漏れる。

 

「う、ぐ……うあああっ!? お腹、膨らむっ、また大きく……なっちゃうぅうう!!」

 

注入された精液をエネルギー源として、胎児が数秒単位で爆発的な成長を始める。

ペタンコだった下腹部が、まるで風船に高圧ガスを注入したかのような勢いでボンッ! と膨れ上がり、ものの十数秒でパンパンの臨月状態へと変化した。

腹の皮が限界まで引き伸ばされ、ミチミチという音と共に【PREGNANT】の文字がピンク色に悲鳴を上げる。胎動が波打ち、内側から激しく蹴り上げられるたびに、レイは白目を剥いてあえいだ。

 

「はぁ、はぁ、うぅ……! う、産まれるっ、もう出ちゃうぅっ!!」

 

ポンッ!! ズルルッ……!!

 

「んぎぃいいいいっ!!」

 

羊水のしぶきと共に、レイの股間からぬるりと滑り落ちたのは、人間の赤子ではない。粘膜に包まれた『幼体戦闘員』だ。

それは地面に落ちるとすぐに自力で被膜を破り、「キシャアアッ!」と産声を上げ、生まれたばかりの手で悪の組織への敬礼を行った。

 

「あぁ……また、産んじゃった……私のせいで、敵が……増えちゃった……」

 

虚ろな目で呟くレイ。産み落とした直後の腹は急速に萎むが、休息は許されない。

子宮口はだらしなく開きっぱなしのまま、次の獲物を求めて貪欲に蠢いている。

 

「はい、次! ママ、サボらないで! まだ列は続いてるのよ!」

 

娘がリードを引くと、レイはガクガクと痙攣する膝を叱咤し、汗と精液と羊水でドロドロになった体をひきずって、次の戦闘員の足元へ向かう。

 

「は、はい……! つ、次は貴方様ですね……。さっきは産んでごめんなさい……またすぐに、妊娠させてください……っ!」

 

【謝罪 ➡ 土下座 ➡ 中出し ➡ 爆速妊娠 ➡ 出産】

 

この地獄のルーチンワークが終わることはない。

かつて平和のために戦い、敵の数を減らそうとしていた彼女の腹は、今や膨らんで萎んでを数分おきに繰り返し、彼女が倒した数以上の悪の戦闘員を、その身一つで世界中にばら撒く『悪の永久機関』としてフル稼働させられ続けるのだった。

 

 

 

 

【業務:降伏勧告補助】

 

世界各地での戦況が膠着する中、組織は新たな作戦行動を開始した。名目は降伏勧告補助業務。それは、フレームバインダーに拘束されたスレイヴを最前線の上空に吊るし、抵抗を続ける国家に対して、敗北した人間がどのような末路を辿るかを実演してみせるという、あまりにも悪趣味な見せしめだった。

 

ある強硬な抵抗姿勢を示す国家の首都上空。巨大なドローンから吊り下げられたレイの姿が、都市中のスクリーンや個人の端末に強制配信される。

 

『スレイヴ、腰を振れ。そして、自らの穴の価値を解説しろ』

 

脳内に直接響く電子命令には逆らえない。レイは涙を流しながら、空中で両脚を大きく広げ、見えないペニスをねだるように卑猥に腰をくねらせ始めた。かつて凛とした表情で平和を説いた唇からは、事前にプログラムされた屈辱的な敗北宣言が紡ぎ出される。

 

「皆さん……っ、無駄な抵抗はやめてください……。正義なんて、何の意味もありませんでした。女はこうして、強いオスに犯され、孕まされ、家畜として生きるのが一番の幸せなんです……っ。見てください、私のこの無様な姿を……」

 

彼女の言葉に合わせるように、フレームバインダーの各所から無数の触手アームが伸び、カメラの目の前で彼女への陵辱を開始した。

口腔、膣、肛門。三つの穴が同時に太いバイブとローターによってこじ開けられ、侵入される。

 

「んぐっ、おごぉっ!? ひぐっ、あ、あぁっ!! 見て、見ないでぇ……っ! 元ヒーローが、空の上で、イかされてるの、見ないでぇええッ!!」

 

レイの悲痛な叫びとは裏腹に、超感度化された身体は機械的なピストン運動に即座に反応してしまう。

首都の広場にある巨大モニターには、レイが白目を剥いてあへ顔を晒し、口の端から涎を垂らして喜悦の声を上げる様が大写しにされた。

さらに、140cmを超える巨大な乳房が機械の手で無慈悲に搾り上げられると、先端から白濁した母乳が高圧で噴射され、雨のように街へと降り注ぐ。

 

「あひぃいいっ! オッパイ、止まらないっ! ザーメン搾り機にされたオッパイが、気持ちいいぃいいッ!」

 

その姿は、どんな拷問映像よりも国民の戦意を挫く猛毒だった。だが、真の絶望はここからだ。

カメラが彼女の平らな下腹部をアップで捉えると、組織はこれ見よがしに排卵誘発剤と濃縮精液を同時注入した。

 

ドピュルルルルッ!!

 

「あ゛あ゛あ゛ぎぃッ!!? 熱いっ、入って来るぅッ!!」

 

数億人の視線が注がれる中、レイのお腹は風船のようにボコボコと脈打ちながら急激に膨張していく。腹部の【PREGNANT】の刻印がピンク色に激しく点滅し、彼女が単なる人間から「産む機械」へと成り下がったことを世界中に知らしめた。

 

「やだ、やだっ! 映さないでっ! お腹、大きくなっちゃう、また妊娠しちゃうぅうッ! 」

 

数秒前までぺたんこだった腹が、またたく間に臨月サイズへと張り詰める。パンパンに膨らんだ腹の中で、胎児たちが暴れまわる様子が、皮膚の表面に波打って浮き出た。

 

「う、ぐ……っ! で、出るっ! 敵の赤ちゃん、産まれちゃうぅうッ!!」

 

ポンッ!! ズルルッ……!

 

レイの絶叫と共に、空中で股間から羊水が爆発した。

広げられた足の間から産み落とされたのは、粘液にまみれた『高級奴隷戦闘員(ハイ・スレイヴ・トルーパー)』の幼体たちだ。一匹、また一匹と、レイは機関銃のように次々と子供を産み落としていく。

 

「ひぃっ、あぁっ! また出た、また産んだぁっ! ごめんなさい、みんな逃げてっ! 私が産んだ子が、みんなを殺しに行っちゃうぅうッ!!」

 

産み落とされた子供たちは、パラシュートなしで地上に着地すると、即座に成体へと急成長し、市民たちへの襲撃を開始した。

レイが持っていた「人類最強」の遺伝子を色濃く受け継ぎ、そこに組織の凶悪な強化改造を施された彼女たちは、母親譲りの剛力と超スピードで戦場を駆け巡る。彼女たちは、かつてレイの仲間だったレジスタンスの戦車を素手で引き裂き、防衛ラインを紙くずのように突破していくのだ。

 

上空では、産み終えて萎んだレイの腹に、休む間もなく次の精液が注入される。

 

「あぐっ、ひぃっ!? ま、まだ産むの!? 許して、お腹壊れちゃうっ! あひぃいいいッ!!」

 

レイは生きた爆撃機だった。彼女がイき狂い、涙を流して腰を振るたびに、地上には新たな怪人が降り注ぎ、街が破壊されていく。

自分が産んだ子供たちが、かつて自分が守ろうとした人々を次々と惨殺し、あるいは捕獲して陵辱していく光景を、特等席で見せつけられ続けるレイ。

 

「やめて……あの子たちは、私の……私の子供なのに……っ! 私のマンコが、世界を終わらせてるぅううッ!!」

 

恐怖に支配された国々が、雪崩を打つように白旗を掲げた。

レイが涙ながらに腰を振り、母乳と愛液を噴き出して謝罪し、新たな怪人を産み落とすたびに、一つの国が消滅し、組織の領土となった。

 

しかし、中には最後まで誇りを捨てず、徹底抗戦を選んだ国もあった。

だが、その結末はさらに悲惨で、人智を超えた冒涜的なものだった。組織は抵抗勢力に対し、最新の超技術兵器『性別改変ナノミスト』を散布したのだ。

 

「な、なんだこの霧は!? 体が……熱い……!?」

「うわあぁあ! オレの体がっ!?」

 

前線で戦っていた屈強な男性兵士たちが、次々と悲鳴を上げて倒れ込む。

物理的な去勢手術などという生易しいものではない。ナノマシンによる遺伝子レベルの強制書き換え。

剛毛に覆われていた肌は瞬時に白くなめらかになり、筋肉の鎧は柔らかな脂肪へと変質し、股間の男根は体内に吸収され、代わりに濡れた女性器が形成されていく。

 

数分のうちに、戦場にいた数万の「男たち」は、全員が強制的に「女」へと作り変えられてしまったのだ。それもただの女ではない。レイと同じように快楽に弱く、男性に奉仕することに喜びを感じるよう調整された、雌の奴隷として。

 

「あ、あぁ……なんてこと……」

 

数日後、レイがその国の上空を通過した時、眼下に広がっていたのは、かつての男たちが一人の例外もなく全裸の美女に変えられ、組織の戦闘員たちに組み敷かれている地獄絵図だった。

元将軍も、元熱血兵士も、今は全員がレイと同じように嬌声を上げ、与えられる快楽に涙を流して感謝し、自ら股を開いて種付けをねだっている。

 

レイは、何十万もの女たちが、一斉にイき狂う様を見下ろし、完全に心が折れた。

 

「抵抗は……無意味です……。気持ちいいです……ごめんなさい……。男でいるより、メスになるほうが幸せです……っ」

 

世界はそうして、レイの絶頂と、彼女の胎内から投下される子供たちの蹂躙、そして人類総メス化の波によって、急速に悪の組織の色へと塗り替えられていった。

 

 

 

 

【業務:世界征服記念碑】

 

世界は完全に悪の組織の掌中に落ちた。

全ての国家が解体され、新たな統治システムが稼働し始めたその日、新帝都の最奥に建設された『敗北展示博物館』にて、最後の儀式――レイの「永遠化」が執り行われようとしていた。

 

「さあ、レイ。ここが君の終着点だ」

 

ドクターの声が響く大理石のホール。その中央には、スポットライトを浴びる一つの台座が用意されていた。

そして、その真正面――レイの視線が強制的に向く位置には、ガラスケースに入った『かつてのヒロイン・レイ』のマネキンが飾られていた。

彼女が愛用していた青と黒のバトルスーツ、壊れた武器、そして希望に満ちていた頃の彼女の写真。それらが「過去の遺物」として綺麗にディスプレイされている。

 

「あ……わたしの、服……」

 

「そうだ。かつての君はあそこにいる。そして、現在の君は……こちらだ」

 

ドクターが指差した先にあるのは、汚物を見るような言葉ばかりが刻まれた、低い石の台座だった。

 

「嫌……嫌だ、そんなところに乗せないで……!」

 

抵抗も虚しく、スレイヴ・レイは台座の上に引きずり上げられる。

機械アームが彼女の四肢を掴み、あの忌まわしいポーズを強制的に取らせた。

 

【全裸ガニ股Wピース】

 

肘と膝を垂直に曲げ、股間を極限まで左右に開き、爪先立ちでバランスを取る。両手は顔の横でピースサイン。

最も無様で、最も彼女の尊厳を貶めた、あの敗北パレードの時の姿勢だ。

 

「完璧だ。では、仕上げといこう。『凝固』の時間だ」

 

天井のノズルから、ドロリとした透明な特殊液体が大量に降り注いだ。

 

「ひゃっ!? つ、冷た……いや、熱い!? 何これぇっ!?」

 

「これは『高濃度媚薬樹脂(アフロディジアック・レジン)』だ。空気に触れるとダイヤモンド並みの硬度で硬化するが、内包する成分は半永久的に生体組織へ浸透し続ける」

 

液体は飴細工のようにレイの全身を覆い尽くしていく。

と同時に、皮膚から猛烈な勢いで吸収された成分が、彼女の全身の細胞一つ一つに火をつけた。

 

「あ、あぎぃいいいっ!!? なにこれ、凄い、凄すぎるぅううッ!! 体中が、クリトリスになったみたいにっ、熱いぃいいっ!!」

 

「動くな。そのまま固まれ」

 

ドクターがリモコンを操作すると、樹脂が急速に硬化を始めた。

レイの指先、広げた膝、突き出したお尻、そして恐怖と快楽で見開かれた瞼。全てが透明な棺桶の中に閉じ込められていく。

 

「い、イくっ、イきっぱなしになっちゃうっ! 許して、頭がおかしくなるぅううッ!!」

 

「おっと、それは許可しない」

 

ドクターは冷酷に告げた。

 

「君の脳には『精神崩壊防止リミッター』を埋め込んである。君は絶対に狂えない。思考を停止することも、気絶することも許されない。

永遠に『正気』のまま、全身の細胞が沸騰するような絶頂地獄を味わい続け、目の前の『輝かしかった自分』を見つめながら後悔し続けるんだ」

 

「そ、そんな……いやぁあああ――ッ!!」

 

ガチンッ。

 

レイの悲鳴は、喉の奥で凍りついた。

樹脂の完全硬化が完了したのだ。

 

そこには、世界一無様なポーズで、全裸のまま琥珀のような透明な塊に閉じ込められた、美しい彫像が完成していた。

全身のタトゥーが蛍光ピンクに輝き、見開かれた瞳は涙を溜めたまま固定され、半開きの口からは音のない絶叫が上がり続けている。

 

彼女は生きている。

硬化した樹脂の中で、ピクリとも動けないまま、呼吸も排泄も不要なサイボーグじみた生理機能によって生命を維持されている。

その内側では、全細胞がレイプされ続けているかのような激甚な快楽が嵐のように吹き荒れているが、彼女はそれを逃がすことも、叫んで発散することもできない。

そして、狂って楽になることすら許されず、クリアな意識のまま、目の前の「ヒーローだった頃の自分(マネキン)」を永遠に見つめさせられているのだ。

 

台座のプレートには、こう刻まれている。

 

【世界征服記念碑:愚者の末路】

収蔵品: 元・最強ヒロイン(管理番号000)

状態: 生存(永久保存処理済み)

概要:

自身の無能さと肉体の淫らさにより、世界を我々に献上した最大の功労者。

彼女は今もこの殻の中で、永遠に終わらない絶頂に震えながら、自身の愚かさを悔いています。

 

※見学者の皆様へ

この像は生きています。どうぞ、彼女の目の前で平和な悪の世界を謳歌してください。彼女にとってそれが一番の「罰」となります。

 

博物館がオープンすると、洗脳された市民や、かつて彼女が守ろうとした子供たちが訪れた。

彼らは記念碑の前で記念撮影をし、「うわ、変なポーズ」「昔のヒーローって馬鹿みたいだね」と口々に嘲笑いながら通り過ぎていく。

 

(あぁ……あぁ……! 熱い、気持ちいい、悔しい、死にたい……!)

 

透明な樹脂の奥で、レイの瞳だけが微かに揺れる。

彼女は今日も、明日も、そして永遠に、世界への謝罪と自身の敗北を噛み締めながら、動かない肉壺として終わらない時間を過ごすのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。