アルコールの向こう側の真実
深夜、とあるライブハウスの打ち上げ会場。しかし、既にほとんどの客は帰り、残っているのはSICK HACKのベーシスト、廣井きくりと、彼女に付き合わされている後藤ひとりだけだった。
きくりは、テーブルに突っ伏して眠るかと思いきや、突然顔を上げ、酔眼でぼっちちゃんを見つめた。その瞳の奥には、酔いの膜を突き破るような鋭い光が宿っている。
「ぼっちちゃん……お前さ、本当にヤベェよな」
きくりの声は、アルコールで掠れてはいるものの、音楽的な真実を含んでいた。
「ひゃい!? や、ヤバいですか? トイレに幻視を出しっぱなしにしてすみません……!」ぼっちちゃんは反射的に謝罪し、体が揺らぎ始める。
「違う、違うんだよ」きくりは机を叩いた。「お前のその陰キャの皮の下には、超ヤベェ才能が潜んでるんだよ!ライブで爆発した時のお前の狂気、あれはロックだよ。最高のカタルシスだ!」
きくりは勢いよく立ち上がり、ぼっちちゃんの小さな手を掴んだ。
「でもな、お前はいつも、その狂気を自己嫌悪で押さえ込もうとする。逃げ場として音楽を使ってちゃダメだ。爆発させなきゃ意味がねえ!」
きくりは、ぼっちちゃんの内なるロックの魂を、自分と同じ破滅的な衝動によって解放したいと強く願っていた。彼女の愛は、救済ではなく解放だった。
「私を見てみろ。借金も酒も、全部音楽に昇華させて、クソみたいな現実を笑い飛ばしてる!お前もそうしろよ!」
きくりは、ぼっちちゃんを自宅(リョウの家の近くのボロアパート)に強引に連れ込んだ。部屋にはベースと酒瓶が散乱している。
「今日は、お前の内なる陰鬱な狂気を、全部私にぶつけろ。音楽の情熱と愛の狂気は同義なんだ。お前のそのすごいギターの源泉を、私に見せてくれよ!」
きくりは、酔った勢いを借りて、ぼっちちゃんの前に屈服するかのように跪いた。その行動は、駄目な大人のそれではなく、音楽の師としての、才能への敬意と解放への強い意志が込められていた。
「き、きくりさん……私、そんな、破滅的な愛なんて……!」
「いいんだよ!ぶち壊せ! 誰にも、お前の魂を縛らせるな!私のベースがお前の孤独を受け止めてやる!」
きくりの破滅的な情熱は、ぼっちちゃんの内気な抵抗を完全に打ち砕いた。彼女は、虹夏や喜多ちゃん、リョウとの愛で得た自己肯定感を、今度は本能的な狂気へと変換させるべく、きくりの愛を全身で受け止めた。
きくりの部屋は狭く、酒臭い。窓から差し込む月明かりだけが頼りだった。ふたりは畳の上で向き合うように座っていた。ぼっちちゃんの指先は震えている。一方、きくりの指は迷いなく動き出した。
「ほら……もっと力抜いて……」
きくりの指先がぼっちちゃんの首筋に触れた。ぞわりと背筋に走る感触。
「ひゃ……!?」ぼっちちゃんが小さく悲鳴をあげる。
「可愛いねぇ……こんなに反応するなんて」きくりが耳元で囁く。吐息が耳朶を撫でる。
きくりの指先は鎖骨を伝い、胸元へ滑り落ちていく。ブラの上からそっと触れられるだけで、ぼっちちゃんの身体は跳ね上がった。
「や、やだっ……きくりさん……!」
「うるさいなぁ……黙って感じとけよ」きくりの声は低く、熱っぽかった。
きくりの手が後ろに回り込み、ブラホックが外される。ぼっちちゃんは思わず身を竦ませた。
「いやぁっ……!」
「ほら……こっちも見てるぜ……」きくりは自分のシャツを脱ぎ捨てた。彼女の胸は大きく、形良く張り出していた。「同じようにしてみな」
ぼっちちゃんは震える指できくりの肌に触れた。すべすべとした肌の感触に驚きつつ、恐る恐るきくりの胸元をまさぐっていく。
「くっ……上手いじゃねぇか……」
きくりは満足げに微笑むと、再びぼっちちゃんの胸元へと指を伸ばした。直接的な刺激に、ぼっちちゃんの息が荒くなる。
「あっ……! きくりさん……だめっ……!」
「だめじゃねぇだろ?」きくりは舌舐めずりしながら言った。「もっと素直になれよ……お前の中にある狂気を……」
きくりの唇がぼっちちゃんの唇に近づく。ぼっちちゃんは反射的に顔を逸らそうとしたが、きくりの腕がそれを阻んだ。
「逃げんなよ……」
強引に唇を奪われる。初めて味わう酒の味が口の中に広がる。ぼっちちゃんは混乱したまま、ただされるがままになっていた。
きくりの舌が侵入してくる。唾液が混ざり合い、お互いの味が絡み合っていく。ぼっちちゃんの頭の中は真っ白になった。
「ぷはっ……!」
唇が離れる。二人の間で銀色の糸が引く。
「どうだ? 酒混じりのキスの味は?」きくりが笑う。
ぼっちちゃんは何も答えられない。ただ目を潤ませてきくりを見つめ返すばかりだった。
「ふぅん……じゃあ次は……こっちかな?」
きくりの手が下腹部へと伸びていく。ショーツ越しに秘所を擦られ、ぼっちちゃんは腰を浮かせた。
「ひゃあんっ!」
甲高い悲鳴と共に、ぼっちちゃんの股間から温かい液体が溢れ出す。じゅわりという湿った音が部屋に響いた。
「おいおい……まだ何もしてないのに濡らしちまってるじゃねぇか」きくりは嬉しそうに呟いた。「お前ってやつは……本当に最高だぜ」
「み、見ないでくださいぃ……!」
「見せてくれよ……お前の全てを」
きくりはショーツをゆっくりと引き下ろした。ぼっちちゃんの秘所が露わになる。そこは既に充血し、艶やかに輝いていた。
「綺麗だよ……ぼっちちゃん……」
きくりの指が割れ目に沿って動く。じゅわじゅわと粘液が滲み出し、さらに滑りを良くしていく。
「あっ……! あっ……!」
ぼっちちゃんの嬌声が断続的に上がる。きくりの指使いは巧みで、容赦がなかった。
「もっと気持ち良くなっていいんだよ……全部忘れて……」きくりは囁いた。「お前の中にある狂気に身を任せてみな……」
「き、狂気……?」
「そうだ……俺たちの音楽みたいに……抑圧されたものを解き放つんだ……」
きくりの指が膣内へと潜り込んでいく。ぼっちちゃんは身体を仰け反らせた。
「あぁっ! きくりさぁんっ!」
「良い声だなぁ……もっと聞かせてくれよ……」
きくりは中指と人差し指を曲げ、敏感な部分を刺激する。同時に親指でクリトリスを擦り上げる。
「やぁっ! それダメぇっ!」
ぼっちちゃんの脚が閉じかけたが、きくりは強引に割り開いた。より深いところへと指が沈み込む。
「ひゃあぁぁぁっ!」
絶頂に達した瞬間、ぼっちちゃんの体内から大量の液体が噴き出した。潮吹きの勢いで、畳が濡れていく。
「ははっ……派手に吹いたなぁ……」きくりは満足げに呟いた。「次は俺も……」
今度はきくりがショーツを脱ぎ捨てる。既に彼女の秘所も愛液で濡れていた。ぼっちちゃんの手がきくりに導かれて、お互いの花弁にそれぞれの手が添わせられる。
「ほら……入れてみな……」
ぼっちちゃんはおそるおそる指を差し入れた。ぬるりとした感触に包まれる。
「あぁっ……上手いじゃねぇか……」きくりが身を捩らせる。
「きくりさんのここ……すごく熱いです……」
「お前のも熱いぞ……溶けて混ざり合っちまいそうだ……」
お互いの指が激しく動き出す。くちゅくちゅという水音が部屋中に響き渡る。
「あっ! あっ!」
「はぁっ……! ぼっちちゃん……!」
二人の嬌声が重なり合い、部屋の空気が熱を帯びていく。汗と愛液が混ざり合い、甘美な香りを放つ。
「も、もうダメです……!」ぼっちちゃんが限界を訴えた。
「いいぞ……一緒にイこう……」
「ひゃあぁぁっ!」
「うあぁっ……!」
二人同時に絶頂を迎える。ぼっちちゃんの身体が痙攣し、大量の潮が噴き出した。きくりもまた、長い射精のような絶頂を迎える。
「はぁ……はぁ……」
「すごかった……ぼっちちゃん……」
息を切らしながら抱き合う二人。月明かりが二人の裸体を照らし出す。
「狂気とカタルシス……これが俺たちの音楽だ……」
きくりはぼっちちゃんの髪を優しく撫でた。その表情には、普段の酔っ払いとは全く異なる、穏やかな愛しさが滲んでいた。
「これからも……ずっと一緒に音楽やろうな……」
「はい……きくりさん……」
ぼっちちゃんは小さな声で答えた。彼女の瞳には、新たな決意の光が灯っていた。それは単なる肉体的な結びつきを超え、魂の深いところで繋がった証だった。
夜風が窓から入り込む。酔いと愛に満ちた二人の熱い息づかいが、静寂の中で続いていた。
新しい強さの獲得
部屋には、アルコールと、情熱が燃え尽きた後の乾いた空気が漂っていた。きくりは、泥酔から一転、天才ミュージシャンとしての透徹した表情に戻っていた。
「ふふ、お前、やっぱり最高にクレイジーだな。その陰鬱な魂から、あんなに強烈なエネルギーが出るんだから、笑えるぜ」
きくりは、ぼっちちゃんの髪を撫でながら、満足そうに微笑んだ。
「お前はもう、陰キャなんかじゃない。私たちが認めた表現者だ。その愛の狂気を、全部ギターにぶつけろよ。それが、クソみたいな現実への最高の復讐だ」
ぼっちちゃんは、解放された本能と、きくりの大人の包容力に満たされ、全身の血が熱くなっているのを感じた。今までの愛は救済だったが、きくりとの愛は覚醒だった。
「きくりさん……私、本当の私を知った気がします。強くなるって、逃げないことじゃなくて、全部ぶっ壊すことだったんですね……」
彼女は、自己嫌悪ではなく、自己解放という新しい強さを獲得した。きくりの破滅的な愛は、ぼっちちゃんの内側に、舞台の上で輝くための、揺るぎない確信を与えたのだった。
次章予告
第5章:後藤ひとり × 伊地知星歌
狂気と解放を経て、アーティストとして完全に覚醒したぼっちちゃん。彼女の愛の旅の主人公パートの最終試練は、伊地知姉妹の長女にして、ライブハウスの店長、伊地知星歌。
星歌が背負う「大人の責任」と「夢の守り人」としての壁は、ぼっちちゃんの成長と独立を試す。
次回、責任と情熱が交錯する、主人公パートのクライマックス!