※この作品はR-18です。

ボールペンを1万円で売る方法   作:悪魔ベリアル

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■01■

今日は朝からいい天気だ、実に気分が良い。

何故なら、私が初めて面接官として、面接試験を仕切る日。

人事部に勤めている、私のデビュー戦と言える。

 

事前準備に始まり、

書類選考。

筆記試験。

そして、ついに最終面接の開催まで到達した。

人事部として、わが社に新しい血を入れる…。

これほど、人事部冥利に尽きる事があるだろうか…?

今まさに、面接会場として設えた会議室で、最終面接を行っている。

 

灰色のフロアマットが敷き詰められた床。

白い壁とビル街を見渡せる大きな窓。

チリ一つなく、オフィス独特な雰囲気と香り。

そして、試験独特の緊張感が、この会議室には立ち込めている。

 

いつもならば、囲う様に配置しているテーブルを全て隅へ移動して、

余計な椅子もまとめ、私と4人の席だけを会議室の中央へ配置している。

机は私が履歴書や資料を拡げる為のひとつだけ、

それを挟んで、少し離れた位置に横一列で応募者達がパイプ椅子に座り、私を凝視している。

 

しかも、今回は部長に無理を言って、私の独断で選考を進め、

さらには、同僚たちの協力も辞退して、私独りでこの最終面接まで開催させた。

今までにない人選をして、違った角度から見た選考を実施しなくては、

正に革命的な選考を実施して、人事部に"この私あり"と声高く宣言するのだ。

その為には、採用対象に画一的な人間は必要ない。

 

数多くの応募者から、面接まで到達したのは、4名だった。

その4名は、会議室の中央で一列に座って居る。

面接も問題なく進み、終盤へと差し掛かっていた。

 

これまでの質疑応答で、私は採用予定者4名について、おおよその人物感を掴んでいた。

 

「では、アナタ方は当社に就職して、どんな貢献が自分に出来るとお考えですか…?」

 

私は凛とした佇まいと声で4人へ質問を問いかける。

 

「では、志賀さんから、ご意見をお願いします。」

 

「はい…っ!!」

「私は常に勉強し、新しい知識を取り入れることを好みます。」

「業務においても最新の情報を活かし、効率的かつ的確な業務遂行ができると思います。」

 

最初に回答したこの男性。

彼は、黒縁眼鏡の中央をクイッと、指で持ち上げて直す。

その奥に見える眼差しは、墨で一筆書きした様な細目で、

髪型は七三にピッチリに分け、以下にも神経質そうな細面の顔。

そんな彼は、私の問いに対して、満足がいく回答をしたという自負に溢れていた。

 

彼の名前は"志賀 修"(しが おさむ)。

見た通り、真面目一辺倒で堅物な男だ、

感情より理論と秩序を重んじ、リーダーとしての適性が高そうに見える。

だが、逆に予定に無いトラブルや緊急時には、弱さを露呈するタイプと見た。

 

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