※この作品はR-18です。

ボールペンを1万円で売る方法   作:悪魔ベリアル

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■02■

普通ならば、彼が"採用したい一番人気"となる人物だと思う。

だが、私が採用試験で選出したい人物像は、そんな"普通な人物"は必要ない。

私が人事部で手柄をあげるには、より一歩進んだ人材が必要だ。

そう考えると、志賀君は"普通過ぎる"し、インパクトがない。

だが、採用の"安全パイ"として、内々定を出しても良いとは思ってはいる。

 

「なるほど、わかりました。」

「では、次に山口さんは、どうお考えですか…?」

 

志賀君の隣に座って居る男へ、私は視線を向ける。

不遜に脚を組んでいた男は、質問を振られ、慌てて脚を組み直した。

金髪で、短髪なワイルドアップバングの髪型。

顔はハンサムとは言えず、獅子鼻と頬骨が目立つゴツゴツとした印象の顔立ち。

濃い眼差しと太い眉、そんな顔立ちから受ける印象は、ガサツな気質と推測する。

肌は日焼けした小麦色。

その肌色に似合う白いスーツが眩しい。

耳には、複数のピアスをギラギラさせている。

明らかに、会社の面接に不釣り合いな、チャラいスタイルの男。

 

「え~…、興味ない事に手を出すのはチョットぉ…。」

「あ。でも自分のやりたいことには本気で取り組むスッ。」

「…てっ、言うかぁ…」

「ここで何が出来るか、入ってみないとわかんないショ…!?」

 

彼はダチョウの様に頭を軽く振りつつ、視線を室内に泳がせながら応えた。

"山口 陽翔"(やまぐちはると)は、

今までの私ならば、もう履歴書の証明写真が目に入っただけで落とす。

だが、普通ならば、採用部門的に見向きもされない、

こんな男に可能性があるのかもしれない…。

 

しかし、何だ"陽翔"って…?

 

この漢字をどう読むと"はると"になるんだ?

キラキラネームか?

 

…いや、いかんっ。

 

私が会社に認められるには、まったく新しい可能性を見出す必要がある。

彼は、そんな"ダイヤの原石"かもしれん…。

 

しかし、ぶっちゃけると…。

 

今のふざけた回答への返答として、

彼の顔面へ履歴書を叩きつけたい気分になった。

そんな腹黒い感情を押し殺し、私は笑顔で応える。

 

「は、はぁ、そうですか…。」

「では、隣の下御領さんは、いかがお考えですか…?」

 

無礼で礼儀知らずな焦げ茶色のチャラ男…。

いや、山口陽翔を隣で訝し気に睨みつけていた女性は、

私に声をかけられて、姿勢を正した。

 

「ワタクシの才能を見込んで頂ければ…。」

「組織全体の力になる事、間違いありませんわ♪」

「私の優秀さで、会社の人々も必ず感銘を受ける事でしょう。」

 

自信たっぷりに応えたこの女性。

薄茶色の長髪にクルリッとした、ロールのパーマがかかっている。

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