※この作品はR-18です。

ボールペンを1万円で売る方法   作:悪魔ベリアル

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■08■

「あー、もしもしぃ?」

「うん、オレオレ♪」

「あ?今ヒマじゃねぇよ…っ!!」

「何ぃ?遊びに行こうっ?ばぁかっ♪」

「それよりも、助けてくれよぉーっ。」

「うん…。うん。今よぉボールペンを売りたくてぇ…。」

「何か高く売る方法ない…?」

「あっ!?だから、遊びにはいけないって…っ!!」

 

どうやら、山口は外に助けを求めることにしたようだ。

確かに自分独りで困難を解決するより、複数人で知恵を出し合った方が良い事もある。

だが、山口はうまく電話先の相手へ現状を説明出来ない様子だ。

面接をそっちのけにして、スマホで会話を続ける山口に、業を煮やした柚葉がスマホを取り上げた。

 

「あっ!?何すんだっテメェ…っ!?」

「アナタの方が何をしているの…っ!?」

「今は面接試験中なのよ、なのにスマホで通話するなんて、非常識ではなくってっ?」

「それに、面接の課題を他人に教えを乞うのも、NG行為じゃなくって?」

「試験以前にマナー違反ですわよっ!!」

「うっ…!?ぐうぅ…っ」

 

確かに今が仕事の打ち合わせならば、

スマホで助けを呼んだり、

問題解決の為に協力を乞うのは、間違いではない。

だが、今は面接試験であり、試験の答えを外に聞くのは違反といえる。

しかも、面接試験の最中にスマホを使うなんて、完全なマナー違反だ。

さすがにチャラ男山口も、そんな良識は持ち合わせていたようで、

顔を真っ赤にしながら、俯いたままで柚葉の叱責を聞いている。

 

「ちぃ…っ、うるせぇなぁ…っ!!」

そう告げると、山口は彼女から背を向ける。

「何ですか?うるさいとは…っ!?」

背を向けた彼を、再び引き留めようと柚葉は手を伸ばす。

その手を弾き飛ばしながら、山口は再びスマホを耳に当てた。

 

「おぅ★ オレオレぇ♪」

「やっぱ、今から遊ばねぇ…?」

「んー…?」

「もう、用事は済んだからさぁ♪」

 

一瞬だけ、山口はこちらに視線を送り、一直線に出口へと進んで行く。

その一瞥で、私は山口の意図を理解した。

彼はドアを大きな音を立てながら閉め、自ら試験を辞退した。

会議室に残された我々三人は、呆然と山口が出て行く姿を見送っていた。

いや、柚葉の後ろに控えている執事を含めれば、全員で4人か…。

 

「…お、」

「おーほっほほほっ♪」

「これで、残りは貴女お一人になってよっ!!」

 

山口の怒りを買ったことに戸惑いながらも、

柚葉は勝利が目前なのを確信した。

そして、高らかに笑いながら、取り出した扇子を拡げ、軽く自分の顔を仰ぐ。

 

うーん…。

何か思っていた面接試験とは違う気がする…。

 

元々は何気ない質問のひとつだったのが、

ボールペンを売り切れば、即・採用みたいになっている。

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