※この作品はR-18です。

旅行先のえっちなお姉さんとえっちさせてもらう話   作:ハヤ0313

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傷心旅行したら素敵なお姉さんに出会ってレズセックスのいろはを教えてもらった

 

 

 

「死が二人を分かつまで、ずっと一緒にいようね」

 

 そう言った彼女はもう居ない。

 

 

 

 

 

 

 

 彼氏出来ちゃった、じゃねーよ!

 好きだったのに! 大好きだったのに!

 私の純情を返せうわあああああああん!

 

 えー、という訳で今旅行中です。

 いや傷心旅行というわけではなく……いや結果的に傷心旅行になってるのか……?

 

 元々、春休みを利用して元カノと……そう、元、うぅ……一緒に温泉地に旅行しに来よう、と計画を立てていた。

 で、その直前になっての告白。

 頭が真っ白になったのは言うまでも無い事だけど、その後に現実が襲いかかってきた。

 

 つまり、予約していた旅館。キャンセル料どうすんの問題。

 

 直前であったからこそ、キャンセル料はフルで取られてしまう。

 コツコツと一緒に……うぅ、一緒に……バイトしてようやく貯めた旅行資金。それをキャンセル料なんてものに払うのはどうしても嫌だった。

 

 だから一人で旅行する事にした。

 因みに元カノからはちゃんと一人分のキャンセル料については納得してくれた。その辺はしっかりしてる子だったから……うぅ、しっかりした子だったの……トラブルも無く……彼氏……うぅ……綺麗さっぱり別れる事が……うぅ……出来た。出来たのだ。泣いてなんかいない。

 

 

 

 目的地までは鈍行。私達、いや、私の住む街から距離はあるけれど、すごい遠いってわけでもない温泉地を目指す。

 ガタンゴトン、と列車は進むけれど、窓の外を眺めてみてもどことなく色褪せて見えて、旅行している最中なのにワクワクとした感覚が湧いて来ない。

 スマホを確認してみてもあの子から連絡があるわけでもなく、今までの履歴がただ記録されているだけ。

 

 どこを見てもなんとなくつまらなくて、ふと車内を見渡す。

 家族連れ、お爺ちゃんお婆ちゃん、カップル……爆ぜろ……スーツ姿の人、大学生グループ。

 

 

 

 その中に、その人はいた。

 

 

 

 茶色に染めたショートボブの女性は少し低めの身長で、黒のワンピースを赤いサッシュベルトで締めていて、その上にアイボリーのコートを羽織っている。

 だけど女でも目を引いてしまう豊満な胸部をお持ちで、コートと胸とベルト、この三点間にその胸を強調するような魅惑的な空間が作られている。

 そんな彼女はブックカバーをつけた文庫本を読んでいて、その内容を楽しんでいるのか、優しげな目元を持つ綺麗な顔が静かに綻んでいた。

 

 その人を目にした瞬間、世界が色付いた。

 

 別に元カノが綺麗じゃない可愛くないとかそういうのは決して無い。

 無いけれど、たぶん年上だとは思うけれど、その可憐な姿に目を奪われてしまった。

 

 どのくらい凝視してしまったのだろう。

 見られているのに気付いたのか、彼女がふと目線をこちらの方へ上げた。

 

 一瞬の交差。

 

 直後、失礼な事をしてしまっている自分に気付き、ぱっと目線を外す。

 ……しまった。見惚れていた。

 だって仕方ないじゃないか。あんなにも綺麗で可愛らしい人が本を読みながら微笑んでいるだなんて、創作の世界の中でしか見た事が無い。

 

 ……でも、おかげで気分が晴れた。

 元カノがなんだ。そんなもの知るか。こうなったら旅行を全力で楽しむぞー!おー!

 

 

 

――――――

 

 

 

 目的地に辿り着き、そこそこ重いキャリーバッグを駅のコインロッカーに入れる。

 ……あ、さっきのお姉さんもここに入れるんだ。っと危ない危ない。また見惚れるとこだった。

 

 さて、気を取り直して。

 この旅行を計画した段階で、行ってみたい場所は幾つかピックアップしている。

 という訳で、まずは駅近くの神社から。

 ……女子高生のくせに神社かよ、なんて声は知らない。私はあの古めかしい雰囲気が好きなのだ。御朱印とかも集めてるし。

 この温泉地にも由緒正しい神社仏閣は幾つかある。だからそこを巡っていこう!

 

 なんて、意気揚々と神社を巡り始めたんだけど。

 

 

 

 行く先々であのお姉さんと遭遇する……!

 

 

 

 最初の神社ですれ違った時は目線がちょっと合う程度だった。

 次のお寺で出会ってしまった時はけっこう目線が絡み合った。

 ちょっと休憩、と入ったカフェでは思わず会釈してしまった。

 工芸屋さんに同時に入ろうとした時なんて互いに苦笑してしまった。

 その次の神社で会った時なんてついに、こんにちわ、なんて挨拶してしまった。……予想を裏切らない、優しそうな、綺麗な声だった。

 

 

 

 なんなん……⁉︎

 

 いや見るだけで幸せな気分になるお姉さんと何度も出会えるのは嬉しいけど! 嬉しいけれど!

 はっ! これが……運命……いやいや漫画じゃあるまいし。

 

 まぁ流石にもう出会う事は無いだろうと、少し残念に思いながら予約していた旅館へと向かった。

 

 

 

 

 

「親の……同意書……?」

 

 だが、そこで問題が発生した。

 

「え、えぇ……未成年の方だけの宿泊の際は、その、親権者の方の同意書をお願いしておりまして……」

 

 そんなの、知らなかった。

 

「なのでその……たいへん心苦しいのですが……親御さんの同意書が無い方は、その……」

 

 どうしよう困った。

 なんてアッサリ言える雰囲気じゃないのは分かるけど超困った。

 知らなかったけれど、旅館やホテルには未成年だけでは泊まれないらしい。

 因みに料金はもう払ってはいるものの、このままではキャンセル扱いになってしまうとの事で、うん、無駄にしないつもりで来たこの旅行が無駄になりそうな気配がヒシヒシとする。

 困った。

 どうしようもないけど困った。

 何でこんな冷静なのか分かんないけど困った。

 

 

 

「どうしたの?」

 

 突然、後ろから綺麗な声が聞こえた。

 

「なにか困り事?」

 

 振り向くと、今日何度も出会ったお姉さんが、首を傾げて……くそぅ可愛いなぁ……こちらを見つめていた。

 

「え、あ、その……いえ、なんでもありません」

 

 だから、なんとなく気恥ずかしくなってしまって、ついそんな事を口走った。

 

「……なら、良いのだけれど」

 

 そんな自分が情けなくて、振り切るようにして旅館を……出ていくのは悔しかったからロビーの椅子に座った。

 

 む、むぅぅ親の同意書かぁ……。

 えぇぇぇ今から家に帰って貰ってくるぅ……? いやそんな無粋な事したくないし……でも泊まれないし……帰るぅ……? いやマジでぇ……?うぅぅ。

 

「予約していないのですが、今日泊まれますか?」

「あいにく満室でして……」

「うっ……ですよね」

 

 ……なんかお姉さん断られてる。私と一緒だ。

 お揃いだー、なんて不謹慎にも嬉しくなっていると、お姉さんが、キョロキョロと辺りを見渡して、私と目が合って、くすりと微笑んで、こっちの方へ⁉︎ 歩いてきた⁉︎

 

「こんにちは。今日何回も会ったね」

「はっ、ははははははいっ!」

 

 話しちゃった!お姉さんと話しちゃった!

 

「席、良い?」

「もっ、もちろんです!」

「ふふ、ありがと」

 

 そう言って、お姉さんは私の前の席に座った。

 その瞬間、ふわり、と良い香りがして、匂いまで可愛らしいとか最強かよと密かに思ってしまった。

 

「断られちゃった」

「え?」

「予約してない私がいけないんだけど、満室なんだって」

 

 しょんぼり、と残念そうな顔をするお姉さん。ええい、しょんぼり顔も可愛いなぁっ!

 

「貴女も断られたの?」

「えっ、と……」

 

 綺麗な瞳で見つめられて、なんとなく嘘や誤魔化しを言うのも憚れ……気付いたらさっきの出来事を話してしまっていた。

 

「そっか、お(・)友(・)達(・)と……」

「そ、そうなんです。ドタキャンされちゃって……それに、同意書の事も全然知らなくて……」

 

 ちょっとだけ誤魔化したけど。

 そうしたらお姉さんは顎に手をあてて……ええい何しても絵になるなぁっ!……少し考え込む様子を見せる。

 

「あはは……なのでもう、どうしよっかなって」

 

 もう笑うしかない。

 ……けれど、こんな素敵なお姉さんと出会えたなら、この旅行も悪くなかったのかもしれない。最後にちょっとだけ話す事も出来たし。

 

「ねぇ……あ、えっと、私は牧(まき)。須川(すがわ)牧(まき)って言うんだけど貴女は?」

「あ、柑奈(かんな)です。相模(さがみ)、柑奈(かんな)」

「うん、柑奈ちゃん。一つ相談があるんだけど」

「はい?」

 

 なんだろう。

 お姉さん、牧さんからお願いなんてされたら大概の事は飲む自信がある。

 さぁ、何でも言ってください牧さん!

 

「良かったら、私と一緒に泊まらない?」

 

 …………なんて?

 

 

 

――――――

 

 

 

 初めは面食らった。そして動揺した。けれど、

 

「私は大人だから、一緒なら柑奈ちゃんも泊まれるし……あ、もちろんお金は一人分払うよ⁉︎ それに私もこの宿に泊まれるし……」

 

 確かにウィンウィンの関係。

 

「あ、嫌だったらそう言ってね⁉︎」

 

 なんて、ワタワタしながら言う牧さん。かわいい。

 

 旅の恥はかき捨て、なんて言うけれど、一人で旅行なんてしてるんだから、どうせならうんと経験した事の無い事をしてみよう。

 そう思ったから、牧さんの提案に対して自然と頷いていた。

 

「本当⁉︎ ありがとうっ!」

 

 それに、こんな素敵なお姉さんと一緒だなんて、ワクワクする。

 因みに料金はもう払っていたので追加のお金は要らない。そう言ったんだけど、

 

「いけません。コレは悪い大人のお姉さんからの賄賂です。共犯者の柑奈ちゃんは受け取る義務があります」

 

 なんて可愛く言われてしまったら、なんとも、心苦しいけど受け取る他無かった。

 

 

 

 そんなこんな、旅館の人からも驚かれたけれど牧さんと一緒に泊まる事になって、温泉に浸かって……めっちゃ眼福だった……お肌綺麗……おっぱいも綺麗……あといちいち可愛い……夕飯を食べて、二人とも満腹感に包まれながらゆっくりと食堂を後にした。

 

「美味しかったねー」

「はい、あんな豪勢なの初めてでした」

 

 こんなちゃんとした宿に泊まった事なんて無かったから、あんなに料理が出て来るだなんて思わなかった。予約する時の写真は所詮、画像はイメージです!だと思ってたのにまさか本当だったとは……。

 なんて事を言うと牧さんはくすくすと笑った。あぁもう可愛いなぁっ!

 

「私だけお酒飲んじゃってごめんね?」

「あはは、美味しそうに飲まれるのでちょっと羨ましかったです」

 

 大人になったらいつか一緒に飲もうね、と牧さんが言ってくれて心が温かくなる。こんな素敵なお姉さんとまた会えるだなんて、そう考えただけで嬉しくなる。

 

「もう一回お風呂入る?」

「い、いえお腹いっぱいで今はちょっと……」

「だよねー。明日の朝一緒に入ろ?」

「はい! 是非っ!」

 

 牧さんと一緒にお風呂! また一緒にお風呂!

 思わずテンションが上がってしまう。あの眼福素敵ボディをまた見る事が出来るなんて、私の前世はどんな善行を積んだんだ。

 

「ふふ、温泉、好きなの?」

「えっ? あー、そう、そうなんです!」

 

 何の気無しに振られた話題に、邪な感情を抱いているのをバレたくなくて、ついどもってしまった。

 そんな牧さんはお酒で上機嫌なのか袖口を口元に持っていき、クスクスと笑う。

 

 そう。

 そうなんですよ。

 今、浴衣なんですよ。

 

 もうね、ヤバい。浴衣の牧さんヤバい。

 まず色っぽい。矢絣(やがすり)……っていうんだったかな、薄青色を基調とした模様の浴衣を着ているんだけど、その薄い生地が牧さんの魅惑的な体を緩く包んでいて、チラリと見える鎖骨やうなじが美しい。

 でもちょっとサイズが合っていない。私より少し低い身長の牧さんの袖丈は余っていて、いわゆる萌え袖の状態になってるのがすこぶる可愛い。

 そう、少しブカブカなのです。帯でキュッと締めていても胸元とかもチラリと見えてしまうのです。食事中とかもチラチラ見えてしまって、その度にチラチラ見てしまいましたご馳走様です。というかブカブカなのを着ている牧さん可愛い。

 年上に抱く感情ではないのかもしれないけれど、このお姉さん本当に可愛いが過ぎる……!

 

「お部屋とうちゃーくっ」

 

 そう言って牧さんはバーンと部屋の扉を開けた。あの、ホント可愛くない?

 

「流石はそこそこお高い旅館。もうお布団敷いてあるね」

「おー、そういうシステムなんですね」

「とーぅ!」

 

 そしてボスン、と牧さんはお布団にダイブした。あの、ホント以下略。

 

「あはー、気持ちいー」

 

 見るからにふかふかで気持ちよさそう。実際に寝っ転がっている牧さんなら尚更だろう。

 ……なんだけど、浴衣がその、若干着崩れて、生脚とか見えちゃってるんですけど。思わずガン見してしまう。

 

「ふふっ」

 

 遠くから眺めているだけでも満足していたのに、間近でこんな無防備な姿を見てしまったら、その、邪な感情が抑えきれない。

 けど抑える! こんな良い人相手にそんな事思っちゃダメ!

 

「ねぇ柑奈ちゃん」

「はい?」

 

 コロンコロン転がっていた牧さんが上目遣いで……あぁもう堪らん!……こちらを見上げてくる。

 

「友達、って言ってたけど、彼氏?」

「うぇっ⁉︎」

「だってこんなとこ、ただのお友達と来る場所じゃないでしょ?」

 

 ……確かに。友達と来るんならそこらへんの安いビジネスホテルに泊まるかもしれない。それで浮いたお金で豪遊する、とかが普通なのかな。

 

「ね、ね、どうなの? お姉さんに聞かせて?」

「牧さん酔ってますね⁉︎」

「酔ってるもーん」

 

 もーんて、もーんって! あぁもう! 今日何回そんな感情抱けばいいの!

 

「柑奈ちゃーん? どうなのかなー?」

「え、っと……」

 

 そんな牧さんから聞かれたのなら、正直に答えたい。

 ……とは思うものの、私が一緒に来ようとしていたのは彼氏なんかじゃない、彼(・)女(・)だ。

 レズとかビアンとか言われるこの性癖が一般的じゃないってのは分かっているつもり。

 だから、ただでさえ言い難いのに、牧さんと一緒の部屋なこの状況で、こんな事カミングアウト出来る筈がない。

 

「あーなるほど」

 

 思わず目線を逸らしてしまう。

 堂々としていたいのに、やっぱり後ろめたくて、だからといって牧さんに嘘をつきたくもなくて、ただ沈黙してしまう。

 

「彼女かぁ」

「!?!?!?」

 

 思わず目線を戻してしまった。

 

「お、当たり?」

「え、あ、その、え、と」

「当たりかぁ」

 

 大当たりですけど!

 

「分かる。女の子同士、人には言えない秘密の関係、だけどそれでも止められない好きという感情。お姉さん分かっちゃうなー」

「な、な、な……!」

 

 分かる。そう言ってくれて一瞬嬉しくなってしまうけれど、常識的に考えて何言ってんだこのお姉さん⁉︎

 

「私もそうだから」

「うえっ⁉︎」

 

 そして爆弾が落とされた。

 

「私ね? 女の子が好きなんだー」

 

 そして、優しい、大人びた表情で私をじっと見つめてくる牧さん。

 

「圧倒的少数派。だけど自分の心には嘘はつけない。だから私は女の子が好き。柑奈ちゃんは? ……もし違ったらごめんね?」

 

 そう。最初は何かの勘違いだと思った。けど、あの子の事を考えるだけで胸が締め付けられて、ずっと一緒に居たいって思って、あぁ、これが、私はそ(・)う(・)なんだ、って気付くまでにそう時間は掛からなかった。……まぁ、そう気付く前から可愛い女の子をつい目で追っちゃう事けっこうあったし。

 

「……そう、です。彼女、元カノと一緒に来るつもりでした」

 

 だから、牧さんになら全部話して良いって思った。

 

 

 

 

 

 

 

「そっかぁ……」

 

 牧さんの隣に座りながら、たいして長くもない話を終える。

 

「言っていい?」

「……どうぞ」

「その子ひどくない⁉︎」

 

 急に牧さんが吠えた。ど、どうしたんですか急に。

 

「旅行の直前になって別れる、っていうのを百兆歩譲って!」

「めっちゃ譲りましたね」

「だってそれもひどいもん!」

 

 まぁ、冷静に考えればそれもひどい話か。なんか色々衝撃的過ぎて、金銭面でも問題無く終わった事だし、そこはもうどうでも良かったというか。

 

「彼氏作ったって何⁉︎」

 

 そこなんですよー。未だにもにょってるのがそこなんですよー。牧さんと出会って癒されてるから平常心保ってますがそこなんですよー。

 

「他に好きな子が出来た、とかなら百万歩譲って良いとして!」

「そこそこ譲りましたね」

「だって! うぐっ、それはっ、仕方ないもん……」

 

 前の彼女がそうだったの……とつぶやく牧さん。おぉぅ御愁傷様です。でも仕方ないって割り切れるの、なんか大人だなぁ。

 

「こんな可愛い柑奈ちゃん放って! 男なんかと! 付き合うとか!」

「かわっ⁉︎」

「しかもちゃんと別れてから、とかじゃなくて柑奈ちゃんと付き合ってる最中に男と付き合い始めたんでしょ⁉︎」

「そっ、そーなんですよ正直今でも信じらんないですよー」

 

 地元に帰ればまたあの子が変わらない笑顔で迎えてくれるんじゃないか。そんな妄想をしてしまうくらいには信じられない。まぁ、そんな未来有り得ないんですけどね。

 

「結論!」

「はい」

「そんな女と別れて正解!」

 

 そんな女て。

 でもまぁ、うん。そうだったのかもしれない。

 

「あーもー悔しいなー」

「え、何がです?」

 

 ゴロン、とまた布団に横になった牧さんがジタバタしている。可愛いけどどうしたんですか。

 

「私が先に柑奈ちゃんと出会ってればそんな思いさせなかったのにー」

「……え?」

 

 それは、つまり。

 

「そんな女に柑奈ちゃんを汚されちゃっただなんてー!」

「よ、汚されてませんよっ⁉︎」

 

 いや確かになんか精神的に汚されちゃったけど!

 

「え、じゃあ、えっちしてないの?」

「ち、直球で聞いてきますね……してないですよ」

「……もしかしてキスも?」

「それは……しましたけど」

「やっぱり汚されてたー!」

 

 い、言うほど汚されてるかなぁ。

 

「よし! 柑奈ちゃんキスしよう!」

「牧さんけっこう酔ってますね」

「酔ってないもーん」

 

 さっき酔ってるもんとか言ってませんでしたかね。と、心臓が一瞬跳ね上がったのを隠しつつツッコんだ。

 

「……まぁ、うん。真面目な話、さ」

「はい」

「いや不真面目な話かな」

「どっちですか」

「やらしい話かな」

「えぇぇ」

 

 ……その、空気を読む。という事は人並みに出来るつもりではある。

 だから、その、この流れって、その、つまり。

 

「そんな女の事忘れさせてあげるから、えっちしよっ!」

「……あの」

「なにかな?」

 

 心臓がバクバクする。

 こんなに綺麗で可愛くて素敵なお姉さんから誘われた。それだけでドキドキが止まらない。

 

「雰囲気とか、そういうの無いんですか……」

 

 けどそれを隠して、震える唇で一応ツッコんだ。

 

「んー……それもそうだね。てぃっ!」

「わっ⁉︎」

 

 急に、寝転がっている牧さんが、私を、引き倒した。

 そうすると自然と胸が重なり合って、顔が至近距離で近付いて、今にもキスできそうな程の距離で、牧さんは、大人びた表情で、

 

「お姉さんと、イケナイ事、しよ?」

 

 囁くように、甘い声で誘ってきて、顔が一瞬で熱くなったのを実感しながら、私は頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

「…………」

 

 が、しかし。

 

「どうしたの?」

「そ、その、なんといいますか」

 

 牧さんに覆い被さったまま、テンパっていた。

 だ、だってだってだって! 心の準備がっ!

 

「……キス、しよっか」

「はっ、はい!」

 

 今まであの子と何回かした行為。

 だからそんな、出来ないなんて事は無い。

 けど目の前にいるのは今日会ったばかりの、可愛くて、綺麗で、素敵な人で、超至近距離で、あっなんか良い匂いする、って私も同じ匂いなのか、ってうううううあの子ともこんな事した事無いのに。

 

「むー」

 

 なんて猛烈に思考がてんやわんやになってると、牧さんが膨れた。

 

「元カノの事考えてた」

「うぐっ」

 

 し、思考が読まれた……!

 

「もう、仕方ないけどさー、今はさー、私だけー、見ててほしいなー、なんてー」

 

 そして拗ねられた。くっ、可愛い。

 

「ま、牧さん」

「なぁに?」

 

 だから、なんか、こう、気が抜けた。

 いや、気が引き締まった。

 

「キス、していいですか」

「うん……いいよ…………ん」

 

 その唇に触れる許可を得ると、牧さんは瞳を閉じて、その唇を、私に、差し出した。

 

「……っ」

 

 そして、触れ合った。

 ふに、と柔らかいものが唇に触れる。

 その瞬間、牧さんの睫毛がぴく、と揺れて、でもそのまま力が抜けていって、私を受け入れてくれたんだって、こんな素敵な人が私なんかを受け入れてくれて、心が幸福で満たされる。

 

「……っは……ん……っ」

 

 息が、続かない。

 ずっと触れていたいと思う程に柔らかなものから離れると、もう一度触れたいという欲求が湧き出てきて、思わずもう一度、もう一度だけと思いながら牧さんの唇と触れ合った。

 

「……っ。は、ぁ……はっ……」

 

 満足出来ない。何度でも触れたい。

 もう一度。もう一度だけ。

 

「んー……柑奈ちゃん」

「ひゃわっ!ははははいっ!」

 

 再度接近しようとすると牧さんがパチっと目を開き、視線が絡まった瞬間私は動けなくなった。

 

「あんまり、実はその、キスした事無い?」

「うぐっ」

 

 そして図星を突かれた。

 

「その……実は……」

 

 そう。あの子とも何回か、というか一、二回しかした事が無い。

 ……あれだろうか。経験が無さ過ぎてヘタクソなんだろうか。う、うぅ。かなり恥ずかしい。

 

「そんな顔しないのー」

「で、ですけどぉ……」

 

 土壇場でこの有様、穴を掘って埋まりたい。というか牧さんからそれ(ヘタクソ)を間接的に指摘されたのが死にたいほど恥ずかしい。誰か埋めて。

 

「こうやって……ちゅっ」

「っ⁉︎」

 

 恥ずかしさに埋もれていると、唇が、なんか、された。

 

「唇を少しとがらせて……ちゅっ……って」

 

 何をされたか分からないままに、牧さんが自分の唇を指差しながら、もう一度キスをされた。

 よく分からない。分からないけれど、さっきの触れ合うだけのキスより、全然すごい。

 

「してみて……?」

「は、はいっ!んー……ぁ痛っ⁉︎」

 

 そして、いざ実践しようとしたら、勢い余って牧さんに頭突きしてしまった……!

 あああああムードが、ムードが無くなる!

 

「ふふ、焦らないの」

「はぃ……」

 

 でも、そんな私を安心させるように背中がポンポンと叩かれた。

 そして、再度レクチャーが始まる。

 

「ゆっくり近付いて……そう。そこから唇をちょっとだけ突き出して……ふふ、ちゅっ」

 

 指示通り、今度は勢い余らないようにして、まるで鳥が啄むようにして、牧さんの唇に、触れた。

 うまくいった。そんな感想を抱くよりも先に、すごい、なんて頭の悪い事を考えてしまった。

 

「そう、上手だよ。これを、何回も、こうやって……」

「っ! ……っ⁉︎ ……っ!」

「……するの。やってみて?」

「は、はい……!」

 

 教えてもらう。そんなの恥ずかしいのに、お姉さんに、牧さんに教えてもらえるというのが、とてもくすぐったくて、なんか、その、すごい興奮する。

 

「んっ……ちゅっ……ちゅっ……」

「ん……そう、そんな感じ……緩急とか、強弱もつけて……」

 

 興奮で頭がどうにかなりそうな中、牧さんの唇を啄む。

 

「はっ……ん……ちゅ、ちゅぅ……んちゅっ……」

「んぅっ……うん、上手……もっと、ね?」

 

 何度も、何度もキスを繰り返す。

 牧さんに教えてもらったようにしながら、頭とかがぶつからないようにちょっとだけ強くしたり、早くしてみたり、遅くしてみたり。

 優しい目でこっちを見てくる牧さんをしっかりと見つめながら柔らかな唇を啄むと、無言で、合ってるよ、気持ちいいよ、そんな感情が伝わってきて、頭がどうにかなってしまいそう。

 

「ん、はっ……じゃあ、次、ね?」

「は、ぃ……」

 

 次。今のコレをもっとしてたいのに、終わりだと言われてしまった。

 そんなしょんぼりした感情が顔に出てしまったんだろう。牧さんはくすくすと笑う。

 

「次はもっと気持ちいいから」

「も、もっと……?」

 

 今のでも、あんなに気持ちよかったのに、それ以上だなんて、あ、もしかして、その。

 

「最初はこうやって……ん……」

 

 そして、最初にやったような、唇が触れ合うだけのキスが、された。

 だから、私は舌を、

 

「こらっ」

「ひゃわっ⁉︎」

 

 出そうとして怒られた。

 

「ふふ。冗談、焦らないの。……うん、焦っちゃだめ」

「はぃ……」

 

 焦った、のだろうか。よく分からない。けど、牧さんが言うんだからそうなんだろう。

 でもこう、その、ディープなのって、そういうもんなのでは……?

 

「いきなり舌を入れたら、びっくりしちゃうでしょ?」

「……そう、ですね?」

 

 そういうもんなんだろうか……いや確かにそうなのかもしれない。

 

「最初はね? 舌でちょんちょん、って相手の唇に触れるの。貴女が欲しいですーって」

 

 最初は挨拶をする、と。あぁなるほど、確かにそれは重要かもしれない。

 

「そして、舌先で相手の唇をなぞったり……舐めたり……また啄んだり……こういう事をしたいです、って伝えるの」

 

 次の段階。急に行かず、焦らず、ゆっくり、ゆっくりと。

 

「そうしたら相手が、受け入れますー、って合図を出すから、ゆっくり、今度こそ、柑奈ちゃんがしたい事、するの」

 

 合図、というのを具体的には教えてくれなかった。けれど、きっと私でも分かる程に分かりやすいんだろう。……もしかしたら背中をポンポンしてくれるのかもしれない。

 

「ね? してみて……?」

「はい……っ」

 

 そうして、また牧さんは目を瞑った。

 心臓が高鳴る。バクバクうるさい。

 これから、牧さんと、深い、キスを、するんだ。そう思って興奮が抑えられない。

 けど、焦っちゃダメ。

 難しいけれど、焦らない。

 

「んっ……」

 

 だから、ゆっくりと、唇を重ねた。

 

「ん……ふ……」

 

 まずは、舌先で、ちょんちょん、って牧さんの唇に触れる。

 舌先という極小の範囲なのに、柔らかい感触が返ってきて、思わずそのまま舌を突き入れたくなる。

 けどダメ。

 抑えきれないけれど、焦らない。

 

「んっ……ん……」

 

 ちょん、と僅かに牧さんの柔らかいものへ挨拶した後、唇と唇の間に舌を割り込ませて、そのまま表面を舐めるようにして動かす。

 

「ふ……ん……」

 

 凄い。ただ唇を舐めているだけなのに、凄い興奮する。

 唇は塞がれているから呼吸が難しいけれど、息を吸う度に牧さんの匂いが飛び込んできて、頭がおかしくなる。

 あぁそうだ。これだけじゃいけない。

 

「ん、ちゅ……ちゅ、ぅ……ん……」

 

 さっきのキス。これをしながら、やる、けど、難しい、けど、気持ちいい。

 啄んで、舌でノックして、唇をなぞって、やる事が多い。頭が混乱する。けど、気持ちよくて、止まらない。

 

「はぁ、ぁ……んちゅぅ……ん、ん……」

 

 繰り返す。気持ちよくて仕方ない事を繰り返す。

 終わりが無い。キスって、こんなに気持ちいいものなの?

 

「……っ⁉︎」

 

 陶酔して、頭がクラクラしていると、牧さんの唇が、少しだけ、口を開けた。

 これ、これって、その、つまり、その、そういう、こと?

 

「ん……っ」

 

 でも、焦っちゃいけない。もう自制心が限界だけれど、焦っちゃいけない。

 ゆっくり、というよりは恐る恐る、舌先を、牧さんの中へ、差し込んだ。

 

「っ⁉︎」

 

 最初に感じたのは柔らかさ。

 唇と唇という上下に分かれていたところを割り開いていく時に、舌先がそれに挟まれて、その感触で幸福感を感じる。

 

 次に感じたのは温かさ。

 唇という表面にあるものとは違う、奥の方に熱源を感じるような、口の中という普通は入れない場所に舌を差し入れるという非現実感。

 

 そして、舌先が、何かに触れた。

 

「ん……っ⁉︎」

 

 その何かが、ぬるぬるとした感触の何かが、ちろり、と私の舌先を、何かして、

 

 その瞬間、頭が、弾けた。

 

「ふっ……ん、ふっ……」

 

 けど、けどっ!

 ……ダメなんだと。焦ってはいけないと。全身全霊で自分に言い聞かせる。

 だから、必死に、これから、何をすればいいか……分からなくて、牧さんから、何て言われたのか……忘れてしまって、体が、硬直してしまった。

 ……どうしよう。どうしようどうしようどうしよう。

 

 そんな私を見かねたのか牧さんは目を薄らと開けると、仕方ないなぁ、なんて声が聞こえてくるような表情で微笑んだ。

 

「ん……」

「んんんっ⁉」

 

 次の瞬間、舌が、牧さんの舌先が私の舌先に触れた。

 唇にした時のようにちょんちょんと挨拶するようにノックして、これからスるね、とでも言うように先端が舐められる。

 それだけなのに、舌から幸福感と快感が昇ってくる。さっきまでのキスなんか目じゃないくらいに気持ちいい。

 ちろちろと舌先で遊んでいるだけなのに、頭が溶けるほどに気持ちいい。

 

「ちゅ……ふふっ、ん、ちゅ、んぅ」

「ぷぁっ……! まき、さ、んぅっ⁉」

 

 酸素が足りなくて思わず息継ぎをするけれど、ダメ、と言わんばかりに牧さんは私の首に腕を回し、強制的に唇の距離がゼロになった。

 

「んっ、ふ……はぁ、ん……ちゅぅ」

「んんむぅっ⁉ ……ふぁ……んんっ⁉」

 

 驚いてばかりはいられなかった。

 開けて?とでも言うように唇がノックされ、反射的にその入口を開けると、牧さんが入って来て、さっきまでの比じゃないくらいに舌同士が触れ合った。

 ぬるぬる、とろとろ、なんて表現したらいいのか分からない。けど、すごい。すごい気持ちいい。

 

「ちゅじゅぅ……ん、はぁ、んっ……ちゅ……」

「んんんっ! はっ、ぁぅ、んっ、んんっ……っ」

 

 舌先が牧さんのに舐め回されて肌が粟立つような感覚に陥り、思わず身体に力が入る。

 けれど、そんな私をあやすようにして髪が撫でられて、快感で緊張した身体が安心感で蕩けていく。

 

 そして、口の中が、牧さんに犯され始めた。

 形が確かめられるようにして満遍なく舌先が舐め回されて、舌先同士をくっつけるようにして押されて、かと思えば歯列をなぞられ、唇を啄まれ、私の口内の空気を塗り替えるように息継ぎして、角度が変わってもっと深くキスされて、私の舌が牧さんのものに包まれて、挙句の果てに舌が吸われて、舌同士で絡みあって。

 初めてだらけの私に、深いキスってこういう事をするんだよ、と教え込むようにしてゆっくりとなぶられる。

 

「ふ、ぁ……ふふ、どう?」

「はっ……はっ……! すごい、です」

 

 唇を離すと、つぅ、と舌同士に朧げな橋がかかるのが見えて、それにすらゾクゾクしてしまう。頭の悪い感想しか返せない。

 

「もっと……する?」

「はっ、はい……!」

 

 優しい瞳に見つめられながら誘われて、一もニもなく頷いてしまった。

 少しがっつき過ぎだろうか。そんな事を思うけど牧さんはくすくす笑って、目を閉じ、キス待ちの顔になり、そんなものどうでもよくなってしまう。

 

「んっ……ちゅ、は、ぁ……ちゅ、じゅる……」

「んぅ……ちゅぷ、ふぁ……はぁ、んぅ……っ」

 

 唇はずっと触れ合ったまま、舌同士でセックスする。

 互いの中間点でにゅるにゅると交わる。絡み合い、舐め合い、唾液を混ぜ合わせ、吐息さえも交換し合い、舌がどろどろに溶けて一つになっていくような感覚に陥る。

 その間もずっと牧さんは私の頭を撫でてくれていて、下手なキスを受け入れてくれて、ひたすらに甘やかされて、嬉しいという気持ちが溢れていく。

 

「じゅるっちゅぅぅ……っぷぁ、はぁ、ん……」

「んっ、んぅぅぅっ……っは、っは、ん……っ」

 

 気持ちいい。

 触れているのは唇だけなのに、気持ちいいのが止まらない。ずっとこうしていたい。僅かに紅潮している牧さんが可愛くて、綺麗で、えっちで、ずっとこうしていたい。

 

「ふぅっ……ふふ、柑奈ちゃん」

「ふぁっ……は、ふ……はい……?」

 

 なのに牧さんが、ここまでだよ、とでも言うように私を呼ぶ。

 もっと繋がっていたいけれど、優しい声で牧さんから囁かれるのがこの上なく嬉しくて、素直に唇を求める行為を止める。

 

「そろそろお姉さんの服、脱がせて?」

「っ! ……は、い……っ!」

 

 その誘い文句があまりにもえっち過ぎてくらっときてしまった。

 そんな私を見て、やっぱり牧さんはくすくすと笑う。

 

「でも柑奈ちゃんに出来るかなー?」

「でっ、出来ますよ! 浴衣なんて帯を解けば……んむぅぅっ⁉︎」

 

 簡単に脱がせられる、そう言いたかったのに、その言葉が唇によって封じられた。

 

「ちゅっ、ちゅっ……んむ、じゅる、ちゅぅ……」

「んっ、んっ……! はんんっ……!んぅっ……!」

 

 牧さんが、私の唇に吸い付いてくる。首に手が回されたままに、牧さんの方からキスが何度も襲いかかってくる。

 こんな状態で、脱がせるなんて、出来る筈がない……!

 

「んー、ちゅっ……はむ、んちゅ、ちゅむ……」

「はぁ、んぅっ……! んっ、んっ、んぅ……っ」

 

 でも牧さんは止めてくれない。キスしたまま脱がすんだよ?と無言でこちらに伝えてくる。

 だから、だから脱がさなくちゃいけないのに、頭がぼうっとしてそれどころじゃない。

 

「ちゅっ……ふふ、難しい?」

「んんっ……は、い……」

 

 頭がどうにかなりそうな中、くすくす笑われながら解放される。

 

「柑奈ちゃん可愛いなぁ……」

「う、ぐ」

「褒めてるんだよ?」

 

 ほ、褒められている気がしない。完全に手玉に取られて、というか完全にお姉さんにリードされてて、恥ずかしいやら嬉しいやら、顔がもっと熱くなるのを感じる。

 

「じゃあ、改めて……脱がせて?」

 

 そう言って、一度軽く唇を啄まれた後、私を抱き締めていてくれた手を、ぽすん、布団の上へと下ろした。

 

「……っ」

 

 目の前には無防備な女性。好きにして良いんだよ?だから、裸にして?そう言われているようで、興奮し過ぎて頭がくらくらする。

 熱に浮かされたまま、震える手で、牧さんが来ている浴衣の帯を、掴む。

 そして、しゅる、という音と共に、帯が解け、それを完全に抜き去った。

 

「ぅ……」

 

 あとは浴衣。

 少しぶかぶかな浴衣。その合わせ目に、手をかけ、ゆっくり、ゆっくりと左右にくつろげた。

 

 鎖骨から見えた。なんて嘘。最初から目線はそこに釘付けだった。

 私よりも背が低いのに、私よりも遥かに大きい胸。黒い、レースのいっぱいついた、正に大人の下着に包まれた魅惑の球体。

 綺麗なお腹も視界の端に見えた。

 だけどそれ以上に大切な場所を隠すための下着も目に入ってきて、目線が黒に吸い寄せられる。

 

「……ふふっ、どうする?」

「どっ、どうする、とはっ⁉︎」

 

 鼻息が荒くなるのを必死に隠していると、何やら聞かれた。

 どうすればいいのか、何をしていいのか、分からない。

 

「浴衣から脱がす? 下着、捲りたい?」

「ぁ……ぅ……」

 

 そんなの、どっちも選べない。

 浴衣を脱がせて、下着以外なにも身に纏っていない牧さんはきっと綺麗だろう。

 下着をずり上げて、浴衣を着ているのに見えてはいけない光景が見えてしまうだなんて、えっちに過ぎる。

 選べない。どっちも魅力的過ぎて、私には選べない。

 

「もうっ、考え過ぎっ」

「あぅっ⁉︎」

 

 なんて、思考がとんでもない事になっていると、デコピンされた。ちょっと痛い。

 

「じゃあ、浴衣から、脱がせて?」

「は、はいっ……!」

 

 お姉さんのリードが、情けなくて、恥ずかしくて、なんとなく嬉しくなってしまうけれど、牧さんが私の下で少し身動ぎし始め、慌てながら動きを合わせる。

 最初に、牧さんの肩が顕になった。お風呂場でも見たとおりの撫肩で華奢な肩。

 少し背中を浮かせてくれて、浴衣をそのまま下へとずらしていき、可愛い肘が見えた頃、腕を抜き去ってもらった。

 そして今度は腰を浮かせてもらい、纏っていたものを完全に脱がせる。

 

 綺麗だった。

 心臓がドクドク言いながらテンパっている私と違い、優しく微笑んでいる牧さん。

 下着一枚という魅惑的な格好なのに、いやらしいという感想が出る前に綺麗だと思ってしまう。

 肌色の白と下着の黒。それが良いコントラストとなっていて、これから触れても本当に良いのか、と萎縮するほどに美しい。

 

「どうしたの? そんなに見つめて……えっち」

「あ、いえ、綺麗だなって」

「ふふっ、ありがと」

 

 でも、黒がまだ、白を覆っている。

 これを、下着を、脱がせてしまったら、牧さんは、裸になってしまう。

 牧さんの裸。

 一度見た姿ではある。だけど状況が違い過ぎる。こんなえっちな空気の中でそんなものを見てしまったらどうにかなってしまう。いや違う、どうにかなってでも、牧さんの裸が見たい。何一つ隠していない牧さんの姿を、見たい。

 

「ここから、どうするのかなぁ?」

 

 また思考が先走っていると、牧さんが挑発的とも取れる言葉を投げかけてきた。

 

「っ! 脱がせ、ます」

「何をー?」

「牧さんの、その、下着、を……」

 

 あたふたしている私がおかしいのか、くすくすと笑う牧さん。下着一枚の格好でも、その笑みはやっぱり可愛い。

 ……だけど、そう、牧さんは下着一枚。その一枚を、これから、脱がせる。

 

「ふふっ。じゃあ、私を抱き抱えるようにして……」

「は、はいっ。じゃ、えと、失礼します……」

 

 牧さんの言葉に従って、その身体に手を伸ばし、たけど、柔ら、かい……。

 

「ちゅっ」

「んっ⁉︎」

 

 牧さんの柔らかさにくらくらしながら下着を留めている場所を探ろうとした瞬間、不意打ちを受けた。

 

「そんなに緊張しなくていいから、ね?」

 

 さっきから固くなってるよ?そう言って微笑む牧さん。

 

「ほら……」

 

 緊張しないなんて無理。そう思っていると牧さんは背中を僅かに浮かせて、そこに手が届きやすいようにしてくれた。

 

「女の子だから、外せるでしょ?」

 

 そして意地悪気な顔をした。

 それはまるで煽っているようで、応援してくれているようで。どっちにしろ私がやるべき事は一つだけ。

 

「ぁ……」

 

 その瞬間、押さえの無くなった胸が、ふるん、と揺れた。

 

「もっと……脱がせて……?」

 

 もっと。

 それは、この下着の中を、全て、曝け出してくれるという事で。

 それは、私に全部見せてくれるという事で。

 それは、私に全部許してくれるという事で。

 

「脱がします……!」

「よろしく、ね?」

 

 その向こうがどうなっているかなんて、お風呂場で見た。

 けれど、今この状態で見える景色は絶対に違う。見たい。見たくて仕方ない。今すぐその邪魔な布切れを剥ぎ取りたい。

 ……だけど、牧さんに乱暴なんて絶対したくなくて、ゆっくり、ゆっくりと、その胸を守る最後の砦に手をかけた。

 

「……そんなに見られると、恥ずかしいなぁ」

 

 現れたのは、見た事もない絶景。

 二つの大きな丸み。

 それは寝転がっていてなお形を崩さず、少し上向きの釣鐘のような形のままに、つん、と天を向いている。

 抱いた感想は綺麗、そのただ一言。

 でも淡紅色の突起を見た瞬間、その感想は反転する。

 大きくも小さくもない、コイン大の乳輪。そしてその中心にある乳首。

 本来は授乳器官である筈なのに、そこを目にした途端、この世で一番えっちな光景なんじゃないかと思った。

 

「触って……?」

「い、いいんですか」

 

 頭が何度くらつけばいいんだろう。

 目の前の美しくいやらしい光景に目を奪われていると、その魅惑の源に触っても良いのだと、誘われてしまった。

 

「もちろん。はい、どうぞ……?」

「っ⁉︎」

 

 そして、その言葉と同時に、私の手が、牧さんの胸に誘われ、むにゅん、とした感触が、あった。

 

「今度こそ、好きにしていいからね……?」

 

 今度こそ。それは結局あまり自分から出来なかったキスの時の事だろうか。

 でもそんな心配は要らないです牧さん。

 

「ふっ……ぁ……」

 

 こんな魅惑的なおっぱい。揉む以外の選択肢なんて無い。

 ……でも、優しく。気持ちよくなってほしいから。牧さんに、気持ちいいって感じてほしいから。

 だから、まずはその重みを確かめるようにして、下から軽く揉み上げた。

 

「は……ぁ、ん……」

 

 しっとりとして、もちもちとした感触が手に吸い付いてくるかのよう。少し汗ばんでいるように感じるのは、さっきのキスで興奮してくれたからなんだろうか。そう考えると思わず手に力が入りそうになってしまう。

 暴走しそうになる欲望をひた隠しにしながら、牧さんのおっぱいを揉む。

 

「ふ、ぁ……ん……」

 

 自分にもついているけれど、それとは比較にならない大きさ。

 手が、指が埋まる。むにゅむにゅとした感触の中に、指が溺れる。

 ここまで違い過ぎると、どこまで力を入れていいのか分からない。

 だから、牧さんの表情を、つぶさに観察する。

 

「んぅ……んっ……は……」

 

 胸を揉むのに合わせ、吐息が少し漏れている。

 ……今くらいの力だと、弱めのように感じる。

 

「はぁぅっ……ぅ、んん……」

 

 少し力を篭めると、指先から幸せな感触が返ってきて、もっと揉みたくなる。

 ……けど、ちょっとだけ苦しそう、強過ぎるのかもしれない。

 さっきのだと弱くて、今のだと強い。

 じゃあ、試しに、極々弱くして、みる?

 

「はっ、ぁぁぁ……っ!」

 

 五指を立てて、つぅ、と胸の表面を這わせた瞬間、ぴくん、と牧さんが反応した。

 当たった。牧さんを気持ちよく出来る触り方が、見つかった。

 そっか、これで良いんだ。

 だったら、分かる。

 

「んぅ……はぁぅ……っ」

 

 私と同じ触り方。

 優しく、当たるか当たらないかくらいのフェザータッチ。私の場合、それをやると肌が粟立つような感覚になる。

 牧さんの眉根がきゅってなってて、私と似たような感じ方をしているって分かる。

 

「ぁっ……ぁぁ、ん……っ」

 

 指先で、輪郭を確かめるように牧さんのおっぱいを撫でる。

 下から、脇を掠めるようにして横へ、鎖骨との間を通るようにして上を、谷間を割るようにして中央へ、そしてまた下から。ゆっくり、ゆっくりとそれを繰り返す。

 

「んん……ふぁ、ぁ、んぅ……っ」

 

 牧さんが僅かに身をくねらせて、擽ったさに似た何かを感じているのが分かる。

 ただの吐息じゃないものがこぼれていて、これで合っているんだと確信する。

 だから、胸の縁をなぞっていただけの指の、その周回半径を徐々に狭めていった。

 

「んぅ、はっぁぁぁ……っ」

 

 今まで触っていなかった部分を撫でられた影響か、僅かに胸を反らせる牧さん。まるで私に胸を差し出しているような格好で、思わず指先に力が入ってしまいそうになる。

 だけど、ゆっくり、ゆっくり狭めていく。

 

「はっ、ぁ、ぁ、ぁ……んぅっ!」

 

 そして、その頂点に、達した。

 ふにふにだった胸とは完全に異なる触感。なんとも表現できない、確かな反発力を感じる絶妙な硬さ。そこに指先がかかると、牧さんは明確な嬌声をあげた。

 

「はぁぅ……んっ、上手、だよ……ぁ……っ!」

 

 嬉しくなる。牧さんを気持ちよく出来ているこの現状に嬉しくなる。

 だから、もっと気持ちよくなってほしくて、乳輪を撫でるかのように、乳首の側面をつぅー、と優しく撫でる。

 

「ぁぁぁぁ……はぁ、ぁ、ぅん……っ!」

 

 牧さんの両肩に力が入るのが見えた。

 僅かに硬くなり始めているそこは指を押し返してきて、その感触が気持ちいい。

 だからその感触をもう少し確かめたくて、乳首の上端に、指を置いた。

 

「ぁん……っ!」

 

 くにっ、とした感触。

 そこに指を添えたまま、ちょっとだけ捏ねるようにしてクリクリと動かす。

 

「ぁ、ぁぁ……気持ち、いいよ……んん……っ!」

 

 牧さんが感じているって事を教えてくれる。

 だから、手の平全体でおっぱいを包み込むようにしながら、乳首に触れる事にした。

 

「そう、ぁっ……おっぱいも、揉みながら……はぁ、ん……っ!」

 

 手のひらから幸せな感触が伝わってきているのに、指先からはえっちな感触が伝わってくる。

 むにゅり、むにゅり、と大きくて柔らかいおっぱいを揉みほぐしながら、力が入り過ぎないように、頑張って、乳首をいじると、牧さんが指を口元に添えながら小さく喘ぐ。

 

「んっ……んっ……あぁ、は、ぁ……っ!」

 

 そんな可愛い牧さんをもっと感じさせたくて、乳首の根本から押し倒すようにして捏ね回す。

 僅かに反らされていた胸が、今度は逆に引くような姿勢となり、快感から反射的に逃げようとしている。

 

「はっぁぁ、ぁ……!」

 

 だから、戻ってきてもらうために、また表面をつぅーっと指先でなぞる。そうすると、力は入ったままに胸が反らされて、もっとしてほしい、と言外に伝えてくる。

 

「んっ、ぁっ、んぅぅ……ふぁっ、ぁぁぁぁ……っ!」

 

 乳首を捏ね回し、胸を撫で摩り、時には揉み込み、牧さんが気持ちよくなれるように尽くす。

 だんだんと乳首が硬くなってきて、本当に興奮してくれている、と安堵する。だから、牧さんが気持ちいいと言ってくれた動きを繰り返す。

 

「ぁっ、んぅ……ふふっ」

「なっ、なんですか……⁉」

 

 なのに、擽ったいというわけではなさそうなのに、笑われてしまった。

 

「柑奈ちゃん、すごい真剣な顔してるから」

「なっ⁉ ぇ、そんな、してます……?」

「してるしてる」

 

 指を口元に添えたまま、くすくす笑う牧さん。

 

「もっと気楽にやっていいんだよ? ほら……」

「わっ、ぷ……⁉」

 

 そう言うと牧さんは私の頭を引き寄せ、顔面がとてつもなく柔らかいものに包まれた。

 

「力抜いて……? 深呼吸ー」

 

 そのまま頭が撫でられる。気恥ずかしさを覚えるけれど、もっとして欲しいとも思ってしまって、だから牧さんの指示に無条件で従う。

 瞬間、私と同じ匂いを纏っている筈なのに、脳がくらくらするような牧さんの匂いが飛び込んできた。

 

「よしよし……落ち着いて……?」

 

 この場所にずっと居たい。

 左右の頬がとても柔らかいものと接していて、頭は撫でられて、牧さんの香りに包まれて、牧さんの心音が聞こえてきて、脳が幸福感で満たされていく。

 

「柑奈ちゃんは……今何をしたいのかなぁ?」

 

 そんな、脳が半ば溶けかけている時に問いを投げかけられた。

 何だろう。牧さんを感じさせたい。牧さんに気持ちいいって言われたい。牧さんに上手だよって褒めてほしい。

 何だろう。とりあえずおっぱい。おっぱいが欲しい。牧さんのおっぱいが欲しい。

 だから、

 

「……牧さんのおっぱい吸いたいです」

 

 引かれるかもしれない、なんて考える前に、欲望が口から出てしまっていた。

 

「ふふ。うん……いいよ。いっぱい吸って……?」

 

 だけど、優しい牧さんはくすくす笑うだけで、そんな私を許してくれた。

 

「じゃあ……その、いただきます」

「召し上がれ……ぁんっ」

 

 だから、離れたくないという願望を必死に振り切って、新たな願望を叶える。

 頭をあの幸せな隙間から名残惜しくも離し、その頂にある、最初に比べて少し大きくなっているそこを、口に含んだ。

 

「んっ……んっ……んっ……」

 

 ちゅぅ、ちゅぅ、と牧さんのおっぱいを吸う。

 幸せな揉み心地の胸に手を添えながら、牧さんとさっきまで重ねていた唇で淡紅色の突起を食み、何も出てくるわけないのに、何か出してください、とばかりに、でも優しく吸い付く。

 

「ぁ……ん……ふ、ん……」

 

 僅かに、唇に当たるものの感触が、硬く、なった。

 その事実に理解が追いついた瞬間、頭がかぁーっと熱くなる。

 

「はぁっ、ぅんんっ!」

 

 だから、強く吸い付いてしまった。それと同時に、今までで一番大きな声。

 目線をあげると、思わず出ちゃった、というような少し恥ずかしげな表情をしていて、もう、止められなかった。

 

「んっ、んぁっ! こらぁっ、もっと、んっ、優しく、あんっ!」

 

 乳首が敏感なんだろうか。ちゅっ、ちゅっ、と吸い付くたびに牧さんから甘い声が漏れてくる。

 叱られてしまって、ごめんなさいと言いたくなる。だけどおっぱいを吸う事がやめられない。

 それどころか、乳首の味を確かめてみたいと、思ってしまった。

 

「んんぅっ! 舐めちゃ、ぁんっ!」

 

 舌全体を使って、味見というには大胆なほどに起立しているものを舐め上げると、汗の風味が、牧さんの味が飛び込んできた。

 だから、もうダメ。

 

「んぅぅっ! 柑奈ちゃん……!」

「ぁぅっ⁉︎」

 

 熱暴走しかけていたら、額をぺちん、と叩かれてしまった。

 い、いけない。調子に乗り過ぎた……!

 

「もうっ、柑奈ちゃん。強過ぎ」

「ぅ、すみません……」

「したい事を全部させてあげたいけど……もっと優しく、ね?」

「はぃ……」

 

 やはり、その、やり過ぎだったらしい。

 ……どの辺りから強過ぎたんだろう。

 

「舌、出して?」

「え、あ、はい」

 

 なんて、さっきまでの所業を振り返っていると、そんな指示があり、牧さんが私の頬に手を当ててきた。

 

「こうやって……んー……」

「っ!」

 

 またキスしてくれるんだろうか、と期待してしまっていると、私の差し出した舌と、牧さんの舌が、くっついた。

 

「んっ。……さっきまでの柑奈ちゃんが、こう」

「……?」

 

 かと思っていたら、接触は少しの間だけで、すぐ離されてしまった。

 

「そして、こう……んぅー……」

 

 喪失感に襲われている暇もなく、再度舌同士のキスが行われた。

 けど、さっきと全然違う。

 柔らかかった牧さんの舌がもっと柔らかくなっていて、弾力、というよりも包み込まれるような不思議な感触。

 

「……んっ。ね? してみて……?」

「はっ、はい! ん、んぅー……」

 

 出来るだけ舌を脱力させて、柔らかいものを更に包み込むようにして、牧さんのものと接触させる。

 そうすると、さっきまでと比べ物にならないくらい、気持ちよくて、気持ちいいんだろうなというのを感じて、確かにこれなら、と思う。

 

「ん……」

「っ⁉︎」

 

 それだけでも気持ちよかったのに、牧さんは私の舌をくるくると舐め回してきた。

 

「っ……ぁ……ん……んぅ……」

 

 それに加えて、舌先だけをちろちろと舐め上げてきたりして、舌から快感が止まらない。

 

「んっ、んぅぅぅっ⁉︎」

 

 ちゅぅぅ、と舌が牧さんの口に吸い込まれて、脳ごと吸い出されてしまうような感覚に陥ったところで、ちゅぷっ、と離されて、最後に軽くキスをされた。

 

「……こんな感じ。出来る?」

「やって、みます」

「ふふ。……うん、気持ちよく、してほしいな?」

 

 そうして、また解放される。

 眼下には優しい表情をした牧さん。だけど、その可愛い顔と少し濡れた乳首が同時に見えて、また頭に血が登り始めてしまう。

 けど、抑える。牧さんを、ちゃんと気持ちよくしてあげたいから。

 

「で、では……」

「うん、来て……?」

 

 だから、舌から力を抜いて、だらんと脱力させて。

 そのままの状態で、少し柔らかくなっていた乳首を、舐め上げた。

 

「ふぁっぁぁぁぁ……っ!」

 

 途端、牧さんからとても気持ちよさそうな声が漏れた。

 良かった。コレで合ってるんだ。

 

「んぅぅぅ……っ! はっ、ぁぁぅ……っ!」

 

 だから、何度も何度も舐め上げた。

 その度に恍惚を感じている声が聞こえてきて、乳首がまた硬く尖ってきて、とても嬉しくなってしまう。

 

「んん……っ! もっと、して……?」

 

 もっと。その言葉で叫び出したくなるような歓喜を覚える。

 だからもっと気持ちよくさせるために、さっき教えられたように、乳首の先端だけをチロチロと舐め弾いた。

 

「ぁぁあ……っ! うんっ、いいよ……んんっ……!」

 

 ぴんぴんぴん、と硬度を取り戻した乳首を何度も弾く。

 柔らかいものの形を崩さないような弱い力。そんな力加減なのに、弾くたびに目の前にあるものがもっと硬くなっていって、もっともっと嬉しくなってしまう。

 

「んぅぅぅぅっ! ……はぁっ、ぁぁぅぅっ……!」

 

 だから、思い切って口の中に含んで、ちゅぅぅ、と吸った。

 さっきよりも優しく。キスする時のように軽く。ちゅぽん、と離した後は痛みを和らげるようにまた舌全体で舐め上げて。

 

「ふぁっ⁉︎ ぁぁぁ……っ! んっんっんっ……!」

 

 今度は反対側。

 今まで放置されてからの刺激に少し驚いたようだったけれど、同じように柔らかくした舌全体でゆぅーっくり、舌の凹凸さえ分かる程にゆっくり舐め上げて、舌先で何度も弾くと気持ちよさそうな吐息が聞こえてきた。

 

「ぁぁっぅう……! ぅんんんっ! ぁぁっ……!」

 

 舐めて、吸って、弾いて。教えてもらった事を返していく。

 下から両方のおっぱいを支えたまま、少しだけ揉みほぐしながら、美味しい蕾を舌で存分に味わう。

 

「んぅ……! 口の中で、んっ! 転がしてみて……?」

 

 新しい事が教えられる。

 だから素直に、乳輪ごと口に含んで、そのまま乳首を舐めしゃぶった。

 

「あああぁぁぁっ……!」

 

 くるり、と乳首を一周しただけで、牧さんが気持ちよさそうに喘いで、私の背中をきゅっ、と抱き締めてきた。

 感じている。牧さんが私の愛撫で感じてくれている。

 

「んぅぅっ……! あっ、んっ、んっ、ふぁ……っ!」

 

 だからもう、がむしゃらだった。

 強過ぎない程度に乳輪ごとおっぱいを吸い、口の中で最大限に硬くなった乳首を舐め転がし、ちゅっちゅっちゅっと何度も吸い付き、舐め上げ、舌先で弾いて、たまには指先で弄ってみたりして、そして反対側も。

 

「気持ちっ、いいよ……あぁっ……!」

 

 少しだけ慣れてきて、空いている乳首を指先できゅむきゅむと摘んだりしていると、牧さんがそう言ってくれて、嬉しいという感情ばかりどんどん膨れ上がる。

 

「んぁっ、ぁぁぁっ……! んんっ、んんぅ……っ!」

 

 もっと、もっと気持ちよくしてあげたい。

 乳首でどんどん気持ちよくなってほしい。

 

「柑奈ちゃん……あぁぅっ……!」

 

 おっぱいを揉みつつ、交互に乳首を吸い続ける。こんなのずっとしていられると思っていたけれど、呼びかけに応じて視線を上に上げる。

 

「んぅっ……お姉さん、切なくなってきちゃった……」

 

 そこには、はっきりと欲情し始めている牧さんの姿。

 

「だから……こっちも、いじって……?」

 

 胸を揉み続けていた手が、下の方へ、牧さんの大切な場所へと誘われた。

 

「ぁ……っ」

 

 くちゅ、という微かな音と共に、最後に残された布地の上に指先が着地する。

 目線が、そこから外せない。肌とシーツの白から浮いている黒に、目が吸い寄せられる。

 

「……どうする? 脱がす?」

 

 牧さんの言葉に、ごくり、と唾を飲む。

 見たい。牧さんのそこが、見たい。

 

 気付けば既に頷いていた。

 胸から離れ、テロテロになったギンギンの乳首を見て鼓動が跳ね上がり、そのままの興奮で、牧さんの下半身側へと移動する。

 

「ふふっ……じゃあ、脱がせて……?」

「はい……っ」

 

 そして、最後の下着に、手をかけ、ゆっくりと下ろした。

 

 茂みの端が見えた瞬間、手が止まりそうになったけれど、そのまま続けて下ろしていくと、まず綺麗に整えられた恥毛が現れた。

 次に肉鞘に納められた、少し大きめの陰核が目を引き、そして、おまんこ。上からだんだん顕になっていき、可愛らしいびらびらが見える。

 だけど、膣口の部分に下着が張り付いていて、そこが見えない。

 ……張り付いて見えないという事実に興奮する。だから更に手を下ろして、接着力の限界が訪れると、ふわっ、と下着が離れ、少し愛液に濡れたおまんこがようやく姿を見せた。

 

 そのまま片足ずつ抜き去り、目の前には何一つ纏っていない、綺麗で、可愛くて、えっちな牧さんの姿があった。

 

「……柑奈ちゃんってさ、オナニー、してる?」

「うぇっ⁉︎」

 

 なんて見惚れていたら、予想だにしない問いが投げられて思わずびくっとしてしまった。

 

「そ、そりゃしますけど……」

「じゃあここの扱いは……教えなくても大丈夫かなー?」

 

 そう言って牧さんはくすくすと笑う。

 

「いっぱい、気持ちよくしてね……?」

 

 そして、私の見ている先で、牧さんが、片脚ずつ立てられて、大きく開かれて、そこが、おまんこが、私の前に突きつけられた。

 

「ぁん……」

 

 だから、吸い寄せられるようにして、指先が牧さんのおまんこに着地していた。

 ふに、とおっぱいとはまた違う柔らかさに、自分ので触り慣れている筈の触り心地に心臓が高鳴る。

 だから、心の中で渦巻く喜びをなんとか隠して、ゆっくりと撫で回し始めた。

 

「ふぁ……んぅ……んっ……ぁ……っ」

 

 くにゅ、くにゅ、くにゅ。

 全体を可愛がるように、可愛い牧さんがもっと可愛くなるように、僅かにおまんこの形が変わる程度の力を指先にかける。

 その度に会陰がひくん、ひくん、として、もう感じる準備は出来てるよ?と合図を送ってくる。

 

「んっ……」

 

 だから、つぷ、と僅かに愛液の滲んでいた膣口に、指を軽く沈ませた。

 つもりだったのだけれど。

 

「んぅぅぅぅ……っ」

 

 指が、飲み込まれた。

 指先を軽く湿らせるつもりだったのに、ぬぷぅ、と奥まで入っていってしまった。

 途端、挿れた指がきゅぅぅ、と締め付けられる。

 愛液の根源である膣内はとろとろになっていて、柔らかいもので全部の方向から指先が抱き締められる。

 

「は、ぁぁ……ぁっ……」

 

 だから、思わず、軽く抜き差ししてしまった。

 ちゅぷ、ちゅぷ、と軽い、けどすごくいやらしい音が鳴る。

 挿れる時は吸い込まれるように、抜く時は追い求めるように媚肉が指を離さない。牧さんがまるで私を欲してくれているようで、こんなの何度だって繰り返してしまう。

 

「ぁっ、んんん……んぅっ……」

 

 出し挿れする度に、指が愛液でコーティングされて、どこまでが牧さんの中に挿入っていたのかが一目で分かる。

 だから、もっと、もっと濡らしたくて、あ、違う。

 

「んっ……」

 

 ちゅぽ、と指を引き抜く。

 そうだ、違う。牧さんを気持ちよくさせたいんだ。牧さんは何でも許してくれるけれど、そんな牧さんにちゃんとしてあげたいから、違う。

 

「ふふ……おまんこは、もういいの……?」

 

 あぁもう、見透かされてる。

 

「こんなえっちなオナニーしてるんだぁ、って思ったのに」

「ちっ、違います……」

 

 おまんこオナニーは、その、していない。

 だから、

 

「あんっ……! ふふ、えっち」

 

 とろとろに濡れた指先で、牧さんのクリトリスを触った。

 

「そこから……どうしてるの……?」

 

 優しくて、挑発的で、でもどこか期待している眼差しで、私を見つめる牧さん。

 そんなお姉さんを待たせないように、これ以上リードされないように、まずはいつものやり方をする事にした。

 

「んっ……んっ……ぁ……っ」

 

 ゆるゆると、極々弱い力でクリトリスを撫で回す。これから始めます、そう伝えるようにゆっくりと形すら変わらないような力加減で、指先でなぞるようなやり方。

 

「ぁぁぁっ……んぅ……ん……っ!」

 

 挨拶が終わったら、ちょっとずつ力を込める。

 すり、すり、という動きから、くにゅ、くにゅ、という動きへ。

 私は最初この位が良いのだけど……牧さんはもっと強くしても大丈夫そう。

 

「ふぁあ……あぁ……あっ……!」

 

 もう少しだけ力を込め、クリトリスを少しだけ押し倒すようにしてそこを撫で回すと、牧さんの声がうっとりしたような声質に変化した。

 だから、まずはこのまま。

 

「んっ、んぅぅ……あっ、ぁんん……っ!」

 

 指先の愛液を染み込ませるように、クリトリスをくにくにする。

 途中で乾いてきたら、今度は勢い余らないように指を膣口へ持っていき、心なしかさっきよりも濃い愛液を掬い取り、またクリトリスへ塗りたくる。

 

「ぅんっ……上手っ、だよ……あっ……!」

 

 牧さんがまた褒めてくれた。

 嬉しさでまた暴走しそうになるけれど、牧さんにはどこまでも気持ちよくなってほしくて、優しく、優しくクリトリスを捏ねる。

 

「あっ、んん……! はぁ、あ……んぅっ……!」

 

 でも少しずつ、少しずつ力を篭めていく。

 淫豆を撫でるような動きから、淫柱を倒すようなやり方へ。周りに沿った動きから、頂点を通るような動きへ。

 

「ぁああっ……! んっ! ふぁ、ぁんん……!」

 

 だから、円を描いていたような動きが、横方向に、ぴちぴちとクリトリスを弾くような動きへと変わっていった。

 だんだん牧さんの嬌声が大きくなって、おまんこがひくひくし始めている。

 気付けば愛液が膣口から溢れ、小さな川がお尻の方へと続いていた。

 感じている。牧さんが、気持ちよくなってくれている。

 

「んっ、んっ、んっ、ぁっ、あっ、あっ……!」

 

 もう少しだけ、動きを強く、早くする。

 クリトリスの真上を通過する度に牧さんから短い喘ぎが漏れて、会陰にきゅぅ、と力が篭もる。

 淫柱を押し倒していた感触はくにくにしていた筈なのに、いつの間にかコリコリした感触へと変わってきていて、軽い力では押し返されてしまう。

 

「んぁぁぁぁああっ!」

 

 だから、もっと力を込めて左右にクリトリスを押し倒した。

 

「あぁぁっ! 柑奈ちゃ、はげ、しっ! んぅぅっ!」

 

 激し過ぎるからもっと優しく。

 そう言われたのかと思ったけれど、牧さんの両手はきゅっと布団を握り締めていて、それが制止の声ではないと知る。

 だから、激しいけれどもっと、そう解釈したから、牧さんの好きな強さを探る事にした。

 

「んんんんっ! ぁぁあっ! あっんぅぅぅっ!」

 

 ちょっとだけ強める。気持ちよさそう。

 

「ひぅぅっ! んんんんんんんっ!」

 

 もうちょっと強める。少し違う。

 

「ふぁあっ……! ぁぁ、ぅんんん……!」

 

 弱める、遅める。身体が弛緩していく。

 

「あああぁぁっ! んっんっんっんんんっ!」

 

 戻す。見つけた。

 この動き。この強さ。この速さ。これが一番気持ちよさそう。

 牧さんのお腹がひくひくって収縮して、おまんこごと腰がぴくんぴくんって反応する。

 上半身もそれにつられてくなくなと揺れ動いていて、おっぱいも乳首もふるふると震えている。

 

「ぁぁあっ! 柑奈ちゃっ、気持ちいい、よっ!」

 

 合っていた。これで合っていた。だからこの動きを続ける。

 牧さんの一番気持ちいいやり方で、一番気持ちよくなれるように、ずっと、弱めず強めず、ずっと続ける。

 

「んっんっんっんぅぅっ! ああっ、あぁぁっ!」

 

 気持ちよさそう。

 何度も愛液を塗り込んだから、もう補充する必要なんて無い。そのままずっと、くにくにくにくにと牧さんのクリトリスを可愛がる。

 そうすると、おまんこ周りのぴくぴくが速くなってきた。クリトリス周りに力が入り始めて、おまんこの穴なんてきゅぅぅ、と締まりっぱなし。

 

「イくっ、イっちゃうよ柑奈ちゃん……!」

 

 それはもう限界だという証だった。

 布団のシーツに皺が寄り、牧さんの眉根がきゅっと寄る。

 少しだけ腰が浮いていき、もっとして、このままして、とでも言うように私におまんこが突き出される。

 だから、もっと触りやすくなったそこを、変わらぬ速さで、変わらぬ強さで弄り続ける。

 

「ぁああああっ! ぅんっ! うんっ! いいよっ、そのまま、あぁっ!」

 

 コリコリのクリトリスを指先一本で左右に弾く。

 とぷとぷと愛液がこぼれていく。

 腰がもっと浮いてくる。

 嬌声が大きくなる。

 膣口が締まる。

 

 絶頂が来た。

 

「ああっ! んっんっんっんぁっ! あああっ! 柑奈ちゃっ、んんんんんんっくぅぅぅっ! ぅあっ! あああっ! んんんんんいっ……くぅ……‼︎」

 

 最後に、更に腰を掲げるようにして、牧さんはイった。

 ひくひくひくひくっとおまんこが震え、膣口がくぱぁ、くぱぁ、と開く。

 足先がピン、となるほどに脚に力が入っていて、握りしめているシーツの皺が大きくなる。

 あんなに優しかった牧さんから余裕が剥ぎ取られ、気持ちいいという感情に浸っている蕩けた顔。

 だからもっとそれが長引くよう、イった後いつもしているようにして、くに、くに、と優しくクリトリスを撫で回す。

 そのやり方は牧さんにも合っていたようで、おまんこのひくひくが止まらない。とぷ、とぷ、と愛液が溢れていき、おまんこから愛液の粒が垂れ下がる。

 浮いたお尻がぷるぷるとしている。丸見えになってしまったお尻の穴も僅かにくぱくぱしていて、イった時はこっちもそうなるのか、と頭の隅で妙な事を考えた。

 

 やがて、垂れ下がっていた愛液が、ふつり、と布団に落ちた時、ぽすん、と牧さんの腰も落ちてきた。

 

「は……ふ……」

 

 豊かな胸を上下させながら、呼吸を整える牧さん。

 絶頂の余韻がまだあるのか、時折ぶるっと身を震わせた。

 

「柑奈ちゃん……気持ちよかったよ……」

 

 嬉しい。私の手で牧さんに気持ちよくなってもらえたのが、これ以上ないくらいに嬉しい。

 

「こっち来て……?」

「はい」

 

 誘われてまた牧さんに顔を近づけると、きゅっと抱き締められた。

 

「ありがとう……ん、ちゅ……」

 

 そのまま軽いキス。

 ありがとう、なんてこっちが言いたいくらいなのに、どこまで優しいのか。

 胸が締め付けられて、どこまでも嬉しくなる。

 

 違う。

 

 もう好きなんだ。

 牧さんの事が好きなんだ。

 

「ちゅむ……は、ぁ……んっ、ちゅぅ……」

「んんっ……ふぁ……ぁ、んっ、んぅ……」

 

 好きな人と、こんなにキス出来て嬉しい。

 もっと、もっとしていたい。

 牧さんが大好き過ぎて、頭がおかしくなる。

 

「ちゅっ……ふふ。えいっ」

「うぁっ⁉︎」

 

 なんて、頭が茹だっていると、世界が回転した。

 違う、牧さんと上下が入れ替わった。

 

「牧さん……?」

 

 眼前には、妖しい笑顔を浮かべたちっちゃいお姉さん。

 

「今度はぁ、柑奈ちゃんが気持ちよくなろっか」

「ぁ……」

 

 その言葉を聞いた瞬間、胸が高鳴った。

 

「ふふ、嬉しそう。えっちだなぁ柑奈ちゃんは」

「ゃ、その……」

 

 牧さんが好きで、牧さんから触れられるのが嬉しくて、嬉しくて泣きそうだ、なんて言えない。

 

「じゃあ……いっぱいしてあげるね……?」

 

 だから、こくん、と頷いた。

 

 

 

 

 

 

「ん、ちゅ……ちゅむ、じゅる、ちゅぅ……っ」

「ん、ふぁ……んんぅ、んっ! んむぅ……っ!」

 

 さっきとは逆。牧さんに覆い被さられながら、唇を奪われる。

 唇をノックされた瞬間、すぐにその入口を開けてしまって、舌と舌が最初から絡み合い始める。

 

「ちゅっ、ふふっ、かわいい……んっ……」

「んぅっ、はっ……は……牧さ、んぅ……」

 

 牧さんから可愛いって言われるのが嬉しい。牧さんからキスしてくれるのが嬉しい。

 私の口の中が、舌が犯されて、脳が溶け落ちていきそうなほど気持ちいい。

 同時に頭を撫でられて、肩が、腰が、脚が優しく愛撫されて、性感帯でもない筈なのに、全身が気持ちよくなっていく。

 

「じゅるぅっ、ちゅっちゅっちゅぅぅ……っ」

「んんんぅっ! んっちゅっ、んんぅ……っ!」

 

 合わせられない。牧さんのキスが激しくて、受ける一方になる。

 唇に絶えず柔らかいものが触れて、熱をもったぬるぬるが私の中を蹂躙してくれていて、頭がボーっとする。

 

「んんっ! ぁ……んっ、ちゅっ、んむぅっ……!」

 

 いつの間に脱がされたのか、素肌がつぅー、っと撫でられてゾクゾクしたものが身体を駆け巡る。

 牧さんに比べると平坦な胸が下着越しにやわやわと揉まれ、淡い乳悦が生まれていく。

 

「はっ、ぁ、んぅっ! ちゅ、んっ、んっ……!」

 

 その間もキスが止まない。

 唇が合わされたままに、どんどん脱がされていく。その手慣れた様子にちょっとだけ心がチクッとするけれど、今私を強く求めてくれているのが嬉しくて、そんなものどうでもよくなる。

 

「はっ……はっ……ぁ……や、んぅ……っ」

 

 浴衣を脱がされ、ブラを脱がされ、パンツだけが残された状態で、唇へのキスは止まった。

 けれど頬にキスを落とされたかと思えば、首にキスを落とされ、肩に、鎖骨に、どんどん下の方へと牧さんが移動していく。

 

「ひぅっ!」

 

 そして、私の、興奮して硬くなっていた、乳首が、咥えられた。

 

「ぁっ、んんっ! んっ、ふ……ぁ……ぅんんっ!」

 

 ちゅぅっと吸われ、一瞬の刺激にジンジンする乳首を放置され、乳輪をなぞるようにして舐められる。

 そんなの切なくて耐えれない、と思った瞬間に舌先でピンッと弾かれ、欲しいものをくれる牧さんへの好きがますます大きくなっていく。

 

「あっやっんっんっんんんぅぅっ!」

 

 そのままピンピンピン、と何度も舌先で弾かれて、乳首から胸の奥にかけてどんどん熱くなっていく。

 かと思えば、もう片方の乳首が牧さんの指に捕らえられ、コリコリと優しく捩られる。舌とは異なる、たまらない快感に思わず胸を反らせてしまって、もっと欲しがっているような、そんな恥ずかしい姿勢を取ってしまう。

 

「牧さっ、あっ、んんぅぅっ! んんんんっ!」

 

 何の意味もなく彼女の名前を呼びたくても、ちゅむ、ちゅむ、と乳首を吸われて口を噤むしかなくなる。

 そのまま口の中でコロコロとカッチカチの乳首を転がされて、泣きたくなるような切なさが小さな胸に満ち溢れていく。

 

「はぁぅぅっ! んんんぅっ! あぁぁっ!」

 

 指で苛められていた方もパクッと咥えられ、同じ愛撫が施されると、今までと違う種類の快感から逃げようと身体を縮こませるけど、だぁめ、とでも言うように強く吸いつかれ、強制的に胸を反らされてしまう。

 そんな私を牧さんは上目遣いで見つめてきて、もう何度目か分からないほどにトクン、と胸が高鳴る。

 

「ひぅっ! そんなっ、舐めちゃ、んんんぅぅっ!」

 

 私の心情なんてもう全部見透かされているのか、私を見つめたまま、まるで見せつけるようにして乳首をちろちろちろっと舐め弾いて、見えている光景と感じている快楽がリンクし、快感が倍増して襲いかかってくる。

 

「ぁ……ぁっ……んんんぁぁああっ!」

 

 だからまた見せつけるように、大きく口を開けて、食べちゃうね、とゆっくり、ゆっくり乳首に近付いてきて、ぱくん、と咥えられた瞬間、今までで一番激しく乳首がなぶられた。

 

「ぁあああ乳首だめですっ! そんなっ、あぁあっ!」

 

 ここだけでこんなにも感じるなんて、おかしくなってしまう。胸が溶けてしまう。乳首が取れて無くなってしまう。

 だけどそんな事有り得る筈もなく、真っ赤に充血した乳首からずっと気持ちいいのが溢れてきて、思わず牧さんの頭をぎゅうっと抱きしめてしまった。

 

「あぅっ! はっ、ぁぁぁ……ぁ……あんっ!」

 

 その瞬間、おいたしちゃダメ、とでも言うようにカリッと乳首が甘噛みされて、痛みの一歩直前の快感が走った。

 けれど、ごめんね?痛いとこ舐めてあげるね?と優しく丁寧にそこを癒されて、甘過ぎる快感に打ち震える。

 と思いきやまたちゅぅぅっと吸われて、ちゅぽんっと解放され、この上なくジンジンする感覚だけが残った。

 

「可愛いよ柑奈ちゃん……んっ……」

「牧さん……牧さんっ……ちゅ、んん……っ」

 

 また可愛いって言われた、嬉しくて涙が出そう。

 そしてまたキスが始まる。

 

「ちゅっ、は……じゅちゅぅ、じゅるっ」

「んんっ、あぁぅっんんんっ! んんっ!」

 

 だけど最初のキスと違う。

 激しく口内を犯されながら、同時に乳首が捏ね回される。

 くりくりくり、と左右に捻るようにして、きゅぅぅ、と上から押さえつけるようにして、牧さんの細くて綺麗な指先が私を常に苛めてくる。

 

「ちゅっちゅっじゅるっ、んちゅぅ……」

「んむぅっんっんんんっ! んぅぅぅっ!」

 

 喘ぎ声が牧さんの口の中で反射して返ってくる。自分は今こんなにいやらしい声をあげているんだと自覚させられて、恥ずかしさで死にそうになるけれど、それ以上の幸福感で上書きされて、牧さんへの好きが止まらなくなる。

 乳首だけじゃなく胸も揉まれて、全身を撫でられて、けれど撫でている手が、どんどん、下へ、下へと、下りていく。

 

「ちゅぅぅっぷぁ。柑奈ちゃん……んっ」

「んんぅぅっ! まき、さ……牧さんっ!」

 

 好き。この人が、可愛くて、綺麗で、えっちなお姉さんが好き。

 だから、さっきされたように牧さんの首に腕を回して、もっと欲しいですと伝えると、至近距離で見つめ合っていた目が細められ、仕方ないなぁ、という幻聴が聞こえてきた。

 

「ちゅっ、ちゅっ、ここが欲しいの……?」

「んっ、んっ! は、い……欲しいです……」

 

 すぅー、とお腹を撫でられ、陰毛をくすぐられ、内腿を撫で回される。

 

「んー……だけどこのままじゃ脱がせられないなー」

 

 それは、ぎゅっと牧さんを抱き締めているから。一秒たりとも離れたくないから。

 

「可愛いなぁ、もう」

 

 困ったように笑う牧さん。困らせたくないのに、いや困らせたくて、抱き締める腕から力を抜く事が出来ない。

 

「下着、濡れちゃうよ?」

「はぃ……」

 

 濡らしてほしい。

 

「いーっぱい、えっちなお汁ついちゃうよ?」

「はい……」

 

 いっぱい、いっぱいしてほしい。

 

「この下着を見るたびに、私とのえっち、思い出しちゃうくらいぐちょぐちょに汚れちゃうよ?」

「は、い……」

 

 ぐちょぐちょになるほど、えっちしてほしい。

 

「こんなに可愛い下着なのに、えっちな下着になっちゃうよ?」

「はい……!」

 

 だから、だから……!

 

「えっちな柑奈ちゃん……ちゅっ」

「んっ……あぅぅぅっ!」

 

 優しく口付けされた瞬間、あそこから電撃が走るような快感が昇ってきた。

 

「クリちゃんカッチカチだね」

「はぁぅぅっ! んんっ! んんんんっ!」

 

 下着越しに、カリカリカリっと爪先で掻かれているのか、硬質なものからクリトリスが苛められて、牧さんを抱きしめている腕に力が入ってしまう。

 

「あーあ、もう染み出来ちゃってるね」

「んっ! ふぁぁぁ……あんっ! ぁぁっ!」

 

 くちゅ、という音と共におまんこの中心に指が移され、そのまま上下におまんこの筋がなぞられる。とっくに濡れていた下着が、もっと染みを広げられる。

 

「えっちな子めー」

「はぁっ、あっ! ごめっ、ごめんなさ、あぁっ!」

 

 優しく叱られて、嬌声混じりに謝ってしまう。

 でも叱られるのが嬉しくて、もっと甘やかしてほしくて、くいっくいっと腰を上下させてしまう。

 

「もーっと気持ちよくなろうね?」

「んぁっ! ぁっぁあああっ! んっ! んぁぁあっ!」

 

 くにくにくにっとクリトリスが優しく強めに捏ね回されて、思わず大きな声をあげてしまった。

 そんな事されてしまったら下着がダメになる。いやダメにしてほしい、もっとして欲しい。

 

「クリちゃん押し付けてきてるよ?そんなに気持ちいい?」

「は、ぃっ! きもちっ、ああぁぅうっ!」

 

 目の前で囁かれて、甘い声と甘い快感が混ざって、もっと気持ちよくなる。

 円を描くようにしてクリトリスが捏ね回されて、下着の染みがどんどん広がっていくのが分かって恥ずかしくなるけれど、どうしようもない。どうしようもなく気持ちいい。

 

「直接触っちゃったら、どうなっちゃうんだろうね」

「ああぁあっ! さわって、くださっ! んんぅぅっ!」

 

 そんなの、絶対気持ちいいに決まっている。

 牧さんの指が、オナニーなんかよりもずっと気持ちよくって、直接されるって考えただけで、それだけでお腹の奥が疼いてしまう。

 

「どうしよっかなー、ふふっ」

「んんんんっ! まきさっ! まきさんっ! あぁぁっ!」

 

 頭の中が直接してほしいって思いでいっぱいになる。

 だけど現実は下着越しにクリトリスが苛められていて、気持ちいいのに切なくて胸が張り裂けそう。

 

「あぁもう可愛いなぁ……!」

「はぁぅっ! ……ぁ……」

 

 泣きそうなほど求めていると、クリトリスへの刺激が止んだ。

 そして、牧さんの手が、お腹の位置まで上がってきて、パンツの端をちょっとめくって、陰毛に触れて、触れて、触れて、それ以上来てくれない……!

 

「どーしよっかなぁー? んんっ⁉︎」

「ちゅぅぅっ! んっ、ちゅ、じゅるぅっ!」

 

 だから、切なくて切なくて切なくて、おねだりするように牧さんにキスをした。

 

「んっ、ちゅぅっ、ぷぁ! ……ふふっ」

「ちゅぅっ! んっ、はっ! 牧さぁん……」

 

 頭が、身体が煮えたぎっている。

 牧さんが意地悪で、切なさが止まらなくて、興奮が止まらなくて、潤んだ瞳で見つめる事しか出来ない。

 

「ごめんね? 柑奈ちゃんが可愛くてつい」

「んっ……」

 

 啄むように唇にキスが落とされる。

 これは、合図。

 だって、牧さんの手が、下着の中を、更に進み始めている。

 

「でもいいの? クリちゃんいっぱい苛めちゃうよ?」

「牧さんにいっぱい、いじめてほしいんです……!」

 

 だから、本心を伝えた。

 

「~~~~もうっ!」

「はっあああああああああっ!」

 

 そして、クリトリスから電撃のような快感が生まれた。

 

「もう! もうっ! 覚悟してよねっ!」

「んんんぁああっ! あああっ!ああぅぅっ!」

 

 やられているのは、さっきと同じ円を描くような愛撫。なのに、伝わってくる快感が全然違う。

 

「柑奈ちゃんのバカっ !可愛いっ! 可愛いよっ!」

「あああんんっ! んんぅっ! はぁぅううっ!」

 

 下着なんていう布一枚が無いだけで、こんなにも気持ちいい。

 それだけでも気持ちいいのに、さっきまでとは比較にならないくらい激しくクリトリスを捏ね回されて、頭がパチパチする。

 

「おまんこ汁いっぱいつけてあげるから!」

「ひぁあああっ! んぁぁあああっ! ああっ!」

 

 それだけじゃなく、更にぬるぬるが加わって、いつも自分でやる時と同じ状況の筈なのに、比べ物にならないくらい気持ちよくなる。

 

「お返しっ! してあげるねっ!」

「んんんんぁああああああっ⁉︎」

 

 その瞬間、脳がバグったかと思った。

 

「クリちゃんコリッコリだよっ!」

「ひぅぅぅっ! んんんぁあっ! あああああっ!」

 

 それは牧さんにしてあげた事。捏ね回す動きじゃなく、横にぷるぷると弾くやり方。

 クリトリスがぷるんっと右に倒され、ビンッと戻って、ぷるんっと左に倒され、ビンッと戻って、それが高速で、牧さんにした時よりもずっと速いスピードで繰り返される。

 

「柑奈ちゃん! 柑奈ちゃん!」

「ああぁぁああっ! まきさっあああんんんっ!」

 

 私を見つめながら、私の名前を呼びながら、私のクリトリスを苛めてくれている。

 幸せ。気持ちいい。気持ちよくて幸せ。

 牧さんをぎゅっと引き寄せ、腰を牧さんに押し付けて、脚がピン、と伸びる。

 

「可愛いよっ! んちゅぅ! じゅるるっ! じゅぷっ!」

「んんぁあああんんぅっ! むぅううっ! んんんっ!」

 

 もうイく。そんな瞬間に唇を奪われて、心がときめいて、ダメ、もうダメ、こんな事されたら、幸せで、気持ちよくて、クリトリス気持ちいい、舌気持ちいい、心臓が張り裂ける、クリトリス気持ちいい、腰がビリビリする、気持ちいい、気持ちいい、気持ちいいもうだめイくっ!

 

「んんんんんむぅぅぅああっ! ああああまきさんっ! まきさんぅぅああっ! あああぁぁあっ! もっ、いっ、ぅんんんんんぁあああああっぁぁああっ‼︎」

 

 ビクン、ビクン、と身体が暴れた。

 腰を牧さんに叩きつけながら、限界まで脚を伸ばして快感を享受する。

 

「ちゅぅぅぅっ! じゅるっ! じゅるるっちゅぅ!」

「んんんぅぅっ! んむぅっ! んんっんんんんっ!」

 

 イってもずっとクリトリスは捏ねられて、深いキスも止めないでくれて、身体が打ち上がったところから降りてこられない。

 いや、寧ろもっと高みに昇っていく。止まらない。激しく唇を貪られているおかげか、気持ちいい、好き、としか考えられない。

 どれだけ愛液が溢れたのか、下着がお尻の方まで冷たくなっている。嬉しくて漏らしてしまったのかと思うほどに染みが広がっていく。

 

「ちゅぱっ! 柑奈ちゃん……柑奈ちゃん……!」

「んんぁっ! まきさん……すき……すきっ……!」

「っ! ああああああもうっ!」

 

 唇が離された、ヤダ、ヤダもっと、もっとしてたい。

 ……なんて思ったのは束の間。牧さんが私の腕の中からするりと抜けていって、悲しいほどの切なさを感じる暇もなく、どろどろの下着が乱暴に脱がされた。

 

「柑奈ちゃんがいけないんだからね……っ!」

「まき、さん……?」

 

 優しい顔なのに、余裕が一切ない。

 そんな牧さんは丸出しになったおまんこの前に陣取って、その口を、あ、やだ、やだやだやだやだ!

 

「ひぁあああああああああっ⁉︎」

 

 そんなとこっ! 舐めちゃ、だめですっ! 汚いからぁっ!

 

「んんんぁあああっ! あああぅぅっ! んんんっ!」

 

 でもこれっ! すごいっ! クリトリス舐められるのっ! すごい気持ちいいっ! 指よりずっと気持ちいいっ!

 牧さんの舌がクリトリスに絡みついてっ! カッチカチのクリトリス舐め舐めされるのだめっ! 溶けるっ! クリトリス溶けちゃうっ!

 

「はぁあああんんんっ! んんんぃぃっ!」

 

 ああああだめっ! 逃げられないっ! 牧さんから腰捕まえられて逃げられないっ!

 このままだとクリトリス無くなっちゃうからっ! だめなのにっ! クリっ! クリトリス気持ちいいっ!

 

「ひっんんんんぁあっ! あああっ! んんんぁああっ!」

 

 牧さんからそんなとこ舐められてっ! 頭おかしくなるっ! なってる! 変になってる!

 だめだめだめっ! クリトリス無くなったっ! 牧さんから食べられたっ! 食べてっ! もっと食べてっ!

 

「ああああまきさんっ! まきさんんっ! ああああっ!」

 

 牧さんいないの寂しいっ! 右手繋いでくれたっ! 嬉しいっ! 一緒っ! これで一緒!

 牧さん優しい! 好きっ! 好きぃっ! もっと! もっと舐めてっ! もっと気持ちよくなりたいっ!

 

「んんんんぅぅううっ! んはぁあっ! あああぅっ!」

 

 クリだけじゃないっ! 全部無くなるっ!

 そんなクリ弾いちゃだめぇっ! 響くっ! 頭までクリトリスが響くっ! こんなの! こんなのダメぇっ!

 

「ふぁああああっ⁉︎」

 

 おまんこっ⁉︎ おまんこに牧さんの指ずぷぅって挿入ってきた⁉︎

 

「ぁぁぁああああっ! ああっ! んんぁああっ!」

 

 知らないっ! こんなの知らないっ!

 おまんこずぽずぽされてっ! 変な音鳴るのやだっ! おまんこ汁掻き出すのだめぇっ!

 

「んんんんんんんっ! んんぁっ! あああっ!」

 

 でも一緒にクリトリスなめなめしてくれてっ! 気持ちいいっ! おまんこも気持ちいい!

 牧さんの指好きぃっ! もっと! もっとぐちゃぐちゃにしてっ!

 

「あああっんんんぁああっ! はぁああぅぅっ!」

 

 お腹の中ぞわぞわってする!

 そんなの知らないっ! こんな気持ちいいの知らないっ! もうオナニーなんて出来ないっ! ずっと牧さんからえっちしてもらわないと生きていけないっ!

 あああああだめっ! またくるっ! きちゃうっ! イくっ! イくイくイくっ!

 

「あああぁぁっぁぁああぁぁあああっ‼︎」

 

 イった! イかせてもらったっ!

 あああああなんで続けるのっ⁉︎ もうイったよっ! イったのっ! そんな続けたらもっとイっちゃう! イく! またイくっ!

 

「ひぁあああぅぅぅんんんんんっ‼︎」

 

 またイった! 違う! ずっとイってるっ! 気持ちいいの止まんない!

 クリずっと気持ちいい! なめなめずっとしてくれてっ! ずっと気持ちいい!

 おまんこ気持ちいい! じゅぽじゅぽしてくれててっ! こんなの初めてなのにっ! ずっと気持ちいいっ!

 あっあっあっあっあっ⁉︎ だめ! なんか出るっ! だめ! だめええええええええ!

 

「ああああだめだめだっめええええええっ‼︎」

 

 おしっこ出た! 出ちゃった! あああ牧さんごめんなさ、

 

「んんんんぅぅぅぅうううううっ⁉︎」

 

 また出たっ! ちがうっ! 何回も出てるっ!

 潮っ⁉︎ 潮吹いてるっ⁉︎ ぷしっぷしって何回も出てる! 牧さんにかかっちゃってる!

 ごめ、ごめんなさい牧さん!でも止まらな、

 

「はぁああぅぅぅぅぅぅっ‼︎」

 

 あああ! 牧さんから漏らされてるっ! 潮吹かせられてる!

 牧さんと目があった! もっと吹いてって言ってる! はいっ! いっぱい吹きます!

 だからっ! だからもっとおまんこしてくださいっ! もっとおまんこぐちゅぐちゅしてくださいっ!

 

「あああぁぁあっ‼︎ んんんぁああっ‼︎ んぃぃいっ‼︎」

 

 おまんこぐじゅぐじゅ掻き回されてるっ! クリじゅるじゅる吸われてるっ!

 腰っ! 浮いちゃうっ! 浮きっぱなしになっちゃう!

 もう出ないっ! 出ませんからぁっ! そんな激しくぐちゅぐちゅじゅじゅるじゅるしちゃだめぇっ!

 

「まきさんっ! まきさ、あああぁあぁぁっ‼︎」

 

 牧さんを呼びたいのに! 何で呼ぶのか分からないけど呼びたいっ!

 牧さん牧さん牧さんっ! 好きっ! 大好きっ! 気持ちいいっ!

 こんなのバカになるっ! 牧さんとおまんこの事しか考えられなくなるっ!

 

「んんんんんぁああっ‼︎ あああっ‼︎ ああああっ‼︎」

 

 クリトリス気持ちいいっ! おまんこ気持ちいいっ! ずっと気持ちいいっ!

 止まんないっ! イくの止まんない! 何回もイってる! ずっとイってる!

 だめっ! だめだめだめだめまたイくっ! 何かくるっ! きちゃうっ! おっきぃのくるっ! やだやだやだやだ怖いっ! 牧さんっ! 牧さん牧さん牧さん好き! 大好き! 好き好き好き好きっ!

 

「あぁぁぁぁんんんぁあああっ‼︎ やあぁぁあっ‼︎ いくううううっ‼︎ いっくぅうううぅぅっ‼︎ あぁぁぁぁあぁあっ‼︎ あっ‼︎ あぁぁぁぁああああああぁぁああああああっ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あああっ! ふっ、はっ、はっ、はっ……!」

 

 どれだけイってたのか分からない。

 最後、腰を限界まで突き出して、牧さんからお尻を支えられながらずっとクリトリスを舐められてたのはかろうじて分かる。やっとお布団にお尻がついて、そこがすごく冷たいっていうのも分かる。

 

「んっ……!」

 

 顔中私の愛液まみれになった牧さんがこちらを見つめてくる。

 だけど私は呼吸を整える事に必死で、ぼうっとした目線を送る事しか出来ない。

 

「柑奈ちゃん……可愛かったよ」

 

 どこか陶酔した表情で、牧さんは言った。

 この人から可愛いって言われて、思われて、本当に、嬉しい。

 

「気持ち、よかった?」

「はい……きもちよかったです……」

 

 これ以上ないくらいに気持ちよかった。

 気持ちよくて幸せで、頭がどうにかなりそうだった。

 

「えっ、と……柑奈ちゃん……お風呂、いけそう?」

「はっ……んぐ……」

「……無理そうだね」

 

 まだ体を動かせない。快感の余韻で動けない。

 そんな私に牧さんはふわっと優しい笑顔を見せて、ぁ……どこかへ行ってしま、あ、やだ、やだやだ、やだ……。

 

「ごめんね? 身体、拭いてあげる」

「ぁ……」

 

 だけど牧さんはタオルを取ってきただけで、すぐ戻ってきてくれた。

 体に力が入らない。それを受け取って自分でやりたいのに、牧さんから拭かれるがままになる。

 タオル生地が気持ちいい。

 けど、あ、う、そこは自分で……と言う前におまんこを拭かれてしまった、死にたい。

 

「うん、可愛い」

 

 どこを見てそう言ったんでしょうか牧さん。

 

「よっと」

「牧、さん……」

 

 タオルを置いた牧さんは横に寝転がって、私をギュッと抱き締めてきた。

 

「ごめんね? 無理させちゃって」

「……いえ、その。すごく、気持ちよかったです」

 

 無理は、させられた気がする確かに。

 けれど牧さんからあんなにも求められて、すごく、嬉しかった。

 ……けど。

 

「どうしたの?」

「……いえ、なんでも」

「むー。なんでもって顔じゃなーい」

 

 目線を逸らしたのに、顔をむぎゅっと捕まえられて、可愛くて綺麗な顔と真っ正面から向き合う事になってしまった。

 

「言いなさーい」

「な、何でもないですってば!」

「何でもなくなーい!」

 

 だってそんな、牧さんを好きになってしまっただなんて、言えるわけがない。

 きっと牧さんにとってこれは一夜の遊び。年下の私なんか、遊び相手だったに過ぎない。

 

「ちゅーしちゃうぞ!」

「ど、どうぞ」

「むちゅぅぅぅぅぅっ!」

「んんんんんんんんっ⁉︎」

 

 ほんとにしてくるとは思わなかった。

 あぁもう……本当に……牧さんの事が、好き。

 

「ぷぁっ! それでっ! なにっ!」

「えぇぇぇぇまだ聞くんですか」

「聞くもんっ!」

 

 もんて。ええい可愛いなぁ。

 はぁ……いっか。旅の恥はかき捨て。女は度胸。

 

「牧さん」

「うんっ」

「好きになっちゃいました」

「私もっ」

「え?」

「ん?」

 

 ……………………え?

 

「あのですね?」

「うん」

「牧さんの事が、好きになっちゃいました」

「うん。私も柑奈ちゃんの事が好きになりました」

「え?」

「ん?」

 

 …………えーと?

 

「つまり?」

「つまりね……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝。

 

「んーっ! 気持ちいいねー!」

「はい。朝から温泉だなんて、初めてです」

 

 しかも露天風呂。

 疲れの残った体に染み渡るようだ。

 

「景色も良いよねー」

「ですねー」

 

 目の前には一糸纏わぬ姿の牧さん。

 年上で、背が低くて、おっぱいが大きくて、腰がくびれていて、お尻もちょっと大きくて、可愛らしくて、綺麗で、素敵で、えっちなお姉さん。

 

「そうだ、柑奈ちゃん」

「はい?なんでしょう」

「この後、昨日行けなかった神社、一緒に回ろっ」

「はいっ!」

 

 それが、彼女との初デートになった。

 

 

 

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