「さあ、先生。上の服は脱いじゃいましょうか。……それとも、私に脱がせてほしいですか?」
手を引かれ、押し倒されるようにソファに座らされた私への問いかけ。一瞬言葉に窮して、無言で首肯する。
どっちの意味にも取れる私の反応に、しかしノアはその瞳をかすかに細めてシャツのボタンに手を伸ばす。
「ふふっ、先生は甘えん坊さんですね」
内心を見透かされて人知れず心臓を跳ねさせる私をよそにぷち、ぷち、とボタンが外されていく。時折肌に指が触れる。ただそれだけなのに自然と気持ちが高まっていくのは……この後を期待しているからだろうか。
やがてすべてのボタンが外れたシャツを脱がされて、その下の肌着も脱がされる。そうなってしまえば大して鍛えていない上半身をノアの前に晒すことになってしまう。先程の名残でまだかすかに起立している胸の先端に気づいて、少し顔が熱を帯びた。
「先生のここも、期待しているんですね。さわさわ……くりくり……」
「んっ……」
直接その柔らかな指で触れられると、服越しとは違う快感が走る。指紋の凹凸すら感じられるのではないかと錯覚してしまうほど敏感になっているようだ。
膝をまたぐように腰を下ろしくてくる。対面座位のような構図に硬さを失っていない肉棒はぴくりと反応してしまう。
それに、馬乗りになられていることですぐ目の前に二つのたわわに実った双球がある。薄水色のビキニトップに包まれたそれから目を離すことができない。
「どうですか、先生? さっきまでお腹に夢中で全然見てくれませんでしたけど、この水着、かわいいと思いませんか?」
拗ねたように問いかけてくるが、気の利いた返しがまったく思いつかない。それはノアもわかっているというか、これはわざとだろう。そうでなければ、水着の感想を聞きながら乳首を撫でてきたりしないはずだ。
普段なら真っ先にかわいいとか綺麗という感想が出てくるはずの水着。けれど今はその先に見える肌色にしか意識が向いていない。これは仕方のないことだ。性欲を高められた男が、目の前にある女の胸を無視することなど不可能なのだから。
その布地の先を見たい、触りたい、むしゃぶりつきたい。そんなことしか考えられない。
「先生」
だから――
「いいんですよ。先生のしたいことをしても」
そんなことを言われて、止まれるわけがなかった。
「っ――ノア!」
「あっ、先生の手、おっきぃ、ですね……っ」
鷲掴みにするように胸に触れれば、指がむにゅりと沈み込む。その柔らかさに思わず息が漏れた。
胸の柔らかさは二の腕の柔らかさと同じ、なんて話をどこかで聞いたことがあるけれど、実物を堪能している今、少々疑わしく思えてしまう。だってこんなに柔らかいものが腕になんてついていたら、一生触り続けて両手が塞がってしまうではないか。
「んんっ、はげし……っ、もう、夢中になりすぎ、ですよ?」
「っ……!」
「それならこっちもお返しです……くりくりくり、すーりすり……っ」
夢中で乳房の柔らかさに没頭しようとして、他ならぬノアにそれを遮られた。両方の乳首を弄られて、目の前の二つのボールから少しだけ意識が反れる。
しかし、その妨害は逆にアシストとも言えた。だって考えてみてほしい。恋人の胸を触るのにただただ衝動に任せるだけなんてもったいないではないか。今ノアがそうしているように、もっと的確に攻めなければ。その方が相手も気持ちよくなってWinWinなのだから。
「あぁ……っ、手つき、やらしくなって……ん、ぁ……っ」
胸の輪郭と柔らかさを確かめるように手を滑らせる。エステで見るマッサージにように優しく。ビキニからはみ出ている横肉の柔らかさを確かめ、下から掬い上げるようにしてその重さを堪能し、水着の肌触りとそれでも隠しきれない柔肉に目を細める。お腹も十分柔らかかったけれど、やはりおっぱいの柔らかさは格別だ。
水着はしっかりと役目を果たしているが、乳房の柔らかさでは少し指に力を入れるだけであっさりと隙間ができてしまう。そこに手を滑り込ませれば、隠された魅惑の肉まで堪能することができた。布地に覆われていたことで少し蒸れたのだろうか。露出している部分よりもしっとりしていて、肌に吸い付いてくる。
「あ……んんっ! ……先生も、ぁっ、そこを触っちゃうんですね……くに、くに……くりゅ、くりゅ……っ」
そして、柔らかさしかない山に突如として現れる硬点。その正体など考えるまでもない。そっと摘んでみれば、ノアの声が少し上擦った。対抗するように乳首への責めが激しくなり、腰が何度も跳ねてしまう。けれど、それはノアも同じ。最初はまだ柔らかさのあった先端はどんどん硬く尖っていき、摘む度に彼女の肩はぴくっと震えていた。
互いに同じ場所を責めて快感を与え合う。まるで循環するように巡り続ける悦楽は、波紋が広がるようにその強度を高めていく。
「っ……さわさわ、くりくり……ぁっ、ふっ……くり、くり……っ」
無限に大きくなっていく気持ちよさに支配された頭が新しい刺激を求めている。霞がかってふわふわとした意識の中で、それだけははっきりと自覚できた。
「くにくに……ぁっ、ひぁっ……かり、かり……んあっ! もう、先生のえっち……」
ブラトップをずり上げる。ぶるん、とある種凶悪な擬音が聞こえてきそうな揺れ方をしながら二つの球体がまろび出てきて、思わずごくりと生唾を飲み込む。
男ではどうあがいても再現できない柔らかな膨らみ。その先にある突起は自分のものより二回りは大きい。自分のそれがタネだとすれば、目の前にあるものは果実のようだ。それがあまりに美味しそうで、飲み込んだばかりの唾液が口の中にあふれ出してくる。
「あんっ! そんなに吸っても、んんっ、おっぱいは出ませんよ……?」
だから、桃色のそれに口を開くのは当然とも言えた。
乳輪ごと乳首を口に含む。そのままちゅうちゅうと吸ってみれば、確かに母乳は出そうにない。けれど、どことなく甘い味がする気がしてれろり肉の実を舌で転がしてみる。やっぱり甘い味がする気がする。
「そんな赤ちゃんみたいに……んっ……いえ、赤ちゃんはそんなえっちな吸い方はしませんね……は、ぁ……っ」
もう片方の乳房を手で楽しみながら唇と舌で乳頭を楽しむ。まるで空腹の状態で小さな飴玉を見つけたような気分だ。いつまでも飽きの来ないそれに夢中でしゃぶりついてしまう。
「それに……」
「んんっ!?」
「赤ちゃんは、乳首で気持ちよくなったりしませんもんね?」
再び小さな突起への責めが始まる。呼吸を乱されてしまい、酸欠でも起こしたかのように頭がクラクラしてくる。
酸素が足りないというなら胸から口を離せばいい。頭ではそう理解しているのに、身体はそんなことをする気が微塵もない。逆にそこに空気を求めるようにより強く乳首を吸ってしまう。唾液にまみれた膨らみを吸うたび、じゅるじゅるといやらしい水音が部屋中に響き、耳すら犯してきた。
「ん……っ、先生のここ、さっきよりも元気じゃないですか?」
腰が跳ねた拍子に完全に勃起し直したであろう亀頭が柔らかいものに当たった。体勢からしてノアのお腹だろう。柔らかい腹肉の感触は局部で受けても格別だ。無意識に腰が動いて、何度も押し付けてしまう。柔肉に覆われた口の中で、甘い声が反響する。
「もうっ……そこはおちんちんを押し付ける場所じゃないですよ? カリカリカリカリっ、くりくりっ……先生にかかれば、私の身体はどこでもいやらしいものになってしまいますね……」
爪先で何度も乳首をひっかきながらそんなことを言ってくるが、そんなことを言えば私だって今日まで自分の胸が性感帯になるだなんて考えたこともなかったのだ。ノアだって大概だと思う。思う、が……今はそんな抗議より目の前の快感を優先したい。
空いていた手を股間に伸ばし、扱き始める。ただ上下に動かすのではなく前後左右に揺らすように移動させて、お腹の柔らかさに亀頭を沈み込ませると、肉棒全体から快感電流が駆け巡っていく。
「はぁ、んっ、ぁっ……おちんちん、かたい……ふ、ぁぁ……っ、かり、かり、すり、すり……ッ」
口と手、乳首とお腹。全身から与えられる刺激は既に一度射精して敏感になっている身体にはあまりに劇物だ。あっという間に下腹部にどろどろとした射精感が溜まってきて、解放する準備を始めてしまう。興奮した頭でそれを止めようなどと考えられるはずもなく、むしろ早く射精したくて男根を扱く動きがどんどん早くなっていく。
それはノアもわかっているのだろう。頭の上から興奮の混じった笑い声が聞こえてきた。
「ぁ、ひゃっ……ふふっ、もう射精、したいんですね? んっ……いい、ですよ。乳首、もっといじめてあげますから、二回目のお射精、しちゃいましょう? カリカリカリッ、クリクリクリッ」
「っ――ッ!」
乳首責めが激しくなる。優しくひっかき、痛みを感じる一歩手前の加減で摘み、時に焦らすように動きを緩める。その度に視界にスパークが弾け、快感が肉棒へと集まっていくのを感じた。
いくつものいやらしい音とノアの声が鼓膜を震わせ、快楽電流に満たされた脳を犯す。半分本能だけで与えられる快感を貪り食い続ける。
「カーリカーリ、んっ、あぁッ、気持ちいぃ、ですね? 乳首も、おちんちんも……くにくに、あっ、アァッ……ッ」
もっと、まだまだ。もっと気持ちよくなりたい。もっと楽しみたい。
そう思っても、こんな状態が長く保つはずもない。
「ッ――!!」
「あッ! 噛んじゃ――ンン~~~~ッ!!」
――どぷっ、ぶぴゅぴゅっ、どく、どくっっ!!
ついに我慢できずに達してしまい、ノアの腹に擦り付けるように精を吐き出す。白濁が飛び出すごとに視界がぶれ、気を抜くと意識が飛んでしまいそうだ。
「ぷはっ! はあ、はあ……」
「ぁ……ふぅ……気持ちよかったですか?」
ようやく彼女の胸から口を離し、荒い息のまま肺に酸素を送り込む。ノアの言葉になんとか頷きながら下に目を向けると、腹に張り付いた精液が糸を引いて滴り落ち、ノアのビキニパンツすら超えて私のズボンも汚してしまっていた。
少しずつ冷えてきた頭で「洗濯しないとな」なんて考えながらノアの腰を引き寄せ、胸に頭を乗せる。流石に二度の射精で性欲はほとんどなくなっているからか、ハリのある柔らかい膨らみには素直な心地よさだけを感じることができた。正直、このまま枕にして眠ってしまいたいくらいだ。おっぱい枕、普通に需要ありそうだな。いや、ここでそんなものを売り出したら販売店と製造会社が速攻生徒たちの襲撃に遭いそうだ。
思考から性欲が抜けたせいか、余計なことまで考えてしまう。そもそも先生がアダルティなジョークグッズを生徒から連想するな? それは……そうなんだけど……。
あ、そういえば――
「ノア、ひょっとしてさっきノアもイッ――」
「そんなことありません」
食い気味に否定された。顔を上げると、頬の上気した彼女がいつもの――主に私やミレニアム生がやらかした時の――笑顔を向けてきていた。
「いやけど」
「私はイッていません」
絶対嘘だ。そもそも本当なら別にその顔する必要ないもん。
射精の瞬間、思わず咥えていた乳首を噛んでしまった。その時に彼女の腰がビクビクと跳ねるくらい震えていたのを思い出しての質問だったのだが、どうやら認める気がないらしい。
その反応がちょっと不満に思えた。別に恋人なんだし、そこで嘘つかなくてもいいではないか。気持ちよくなってくれたのなら、なんだかんだ私も嬉しいし……。
「んぇっ!? の、ノア……?」
しかし、ノアからするとよほど絶頂の事実を認めたくないらしい。煮えきらぬ顔をしている私にため息を付くと再び手を私の胸に添えてきた。
「聞き分けがない彼氏さんには、お仕置きが必要ですね?」
「ん……いや、流石に三回目は……うぉっ!?」
三回連続の射精など未経験。睾丸は筋肉痛でも起こしているかのように淡い張りを感じるし流石に無理、と考えていると、ノアが肉棒にもう片方の腕を伸ばしてきた。
硬さを失い、サイズダウンした男根が手に包まれる。精液まみれのそれからにちゅりといやらしい音が漏れた。
自分で触れた直後ということもあり、女性らしい指の細さと柔らかさを余計に感じることができる。精液に汚れた手のひらのくぼみが亀頭を捉え、五本の指がカリ首の近くをくすぐってくる。乳首もそうだが、先程までに比べると優しい動き。けれどそれゆえに、射精直後で敏感になった身体にはちょうどよく、はっきりと刺激を受け止めることができた。
「いや、これは……」
「ふふっ、行けそうですね。三回目」
半分ほど硬さを取り戻した自分の分身にこれ以上言い訳など考えつくこともできなかった私に残された道は、そのままノアの“お仕置き”に従うことしかなかった。
夜は、まだまだ長そうだ。