――仕事に手がつかない。
デスクに座りながら、積まれた書類を拾い上げる――が、そこに書かれた内容が全く頭に入って来ず、ただただ呆けて紙を眺めるだけの生物になってしまう。
一応弁明しておくけど、普段はこんなに仕事ができないわけではない。自分のことを有能だなどとは口が裂けても評価することはないが、ここまで何もできないわけではないのだ。
しかし、今日は、今日だけは天職たるシャーレの業務に一切手がつけられそうにはなかった。
「どうかしたのかい?」
「な、なんでもないよ」
ちらりと対面に視線を向けると、今日の当番である彼女と目が合った。薄っすらと赤を孕む金の瞳に、逃げるように視線を書類へと戻す。当然ながら内容は頭に入ってこない。
シャーレのオフィスルーム。今そこにいるのは私とセイアだけ。一昨日の出来事のせいで、私は完全に平常心というものを取り落としてしまっていた。
それはセイアも同じなようで、先程からちらちらと視線を感じる。普段の落ち着いた彼女からは想像もできないせわしなさだ。
既に業務を始めて一時間。だというのにこの微妙な空気の中、まるで仕事は進んでいなかった。いつも通りなのは、規則正して時間を刻む秒針が回る音だけ。
「…………はあ。当番としての仕事は普通にこなすつもりだったんだけどね」
その空気が変わったのは、ため息混じりのそんな言葉からだった。
席を立った彼女に顔を上げると、セイアはデスクをぐるりと回ってこちら側へやってくる。
「セイア――ん!?」
そしてそのまま、私の首に腕を回して唇を塞いできた。
「ん、ちゅむ、はむ……」
にゅるりと入り込んできた軟体が私の舌を掬い上げてくる。一昨日とは逆の展開に一瞬身体が強張り、なすがままにされてしまう。ぴちゃぴちゃといやらしい水音が慣れ親しんだ職場に響く。
「じゅる、ぁ、れろ……ふふ、私のキスはうまくできているかい? 先生のここは反応してくれているみたいだが……いや、さっきの様子を見るに、キスする前から大きくなっていたのかな?」
「うぁ……セイア、さすがにここだと……」
いつの間にか伸びてきていた袖余りの手に肥大した股間を撫ぜられる。実際セイアの考察はどちらも当たっている。この後のことを考えて業務が始まる前からパンツの中は甘く張っていたし、キスの快感でさらにその硬さを強めたのは事実だからだ。
だが、いくら先生の副担任が準備万端だからといって、ここは不味い。
確かに今日の当番はセイア一人だが、当番でなくても遊びに来る生徒はいる。シャワーを借りに来るRabbit小隊の子たちを始め、少なくとも一日一回は来訪があるものだ。
あと、生徒自身はシャーレに来ていなくても、この状況を知られてしまう危険性もある。具体的には盗聴とか盗撮。
しかし、そんな私の懸念にセイアは首を横に振って返す。
「大丈夫、問題ないよ」
「根拠は……勘?」
「ああ。それだけでは不十分かい?」
「いや、セイアの勘は信頼してるからね」
勘。本来であれば根拠とは言えないものだけど、セイアに関しては十分に信用できる要素だ。
一拍、考える。
このままではただただ無駄に時間を浪費するだけなのは紛れもない事実。お互い、時間経過が解決してくれることはないだろう。
そして、邪魔――来訪するのが生徒ばかりなことを考えれば、この表現は適切ではないのだが――が来ないのであれば……先にお互いの欲求を解消した方が有意義じゃないだろうか。
「おぉ……保健の授業で習いはしたが、本当に骨もないのに硬くなるんだね。海綿体と言ったかな? 実に不思議な仕組みだ……」
というか、ここまで来て我慢は無理! 百合園セイアさん、私の「信頼している」って言葉を同意と捉えて大胆にも股間のテントを撫でてきてるんだもん。最早据え膳どころの話ではない。
「ん……っ」
「気持ちいい、みたいだね。一昨日はいいようにやられてしまったから意趣返しのつもりだったけれど、こうも敏感に反応されると嬉しくなるよ」
複数の布越しでもわかる小さな手に膨らみの頂点を優しく撫でられるだけで腰がビクリと跳ね、男性器が硬さを増す。同時に口端から漏れた声に気を良くしたのか、セイアは目を細めて撫ぜる手に力を込めてくる。
動き自体は拙いものだ。けれど、セイアに触れられているというだけでチカチカと視界の端が淡く瞬く。
「セイア……その、直接……触ってほしい……」
「ああ、わかった」
私の願望に頷くと、ぺたりとリノリウムの床に腰を落とす。長い尾とフリルのあしらわれたスカートがふわりと広がる姿は実に優雅の一言。
まあ、私の目はそんなところには向いていないのだが。自分の脚の間、つまりは股間の目の前に彼女の顔がある状態でそんなところを見れるはずもない。
ジジ、とズボンのチャックが下ろされる。そんな振動すら、今の私には快感の元でしかなく、震える身体に対してかろうじて声を抑えられる程度だ。
「ぁ……ふふ、勃起しすぎて、パンツから少し見えてしまっているよ?」
チャックがすべて下ろされて現れた下着。その前開きの隙間から覗く肌色にセイアの喉が面白そうにくつくつと鳴る。なんだろう。これからそのすべてを見せるつもりなのに、何故か無性に恥ずかしい。これがチラリズムってやつだろうか。なんか違う気がする。
内心で気恥ずかしさを紛らわせている私をよそに、セイアは袖余りの両手で男根を引っ張り出そうと奮闘していた。ベルトを外したほうが良さそうだけど、別に痛いわけでもなし、どちらかと言えば気持ちいい。
「よっ、と……引っかかってうまく出せないな」
慣れない作業――むしろ慣れていたら問題だが――に多少苦戦しつつ、少しずつ露出面積が増えていく。
そして一番の引っ掛かりの末、ボロンとそのすべてが顔を覗かせ――
「…………え」
セイアの、時が止まった。社会の窓から露出したそそり立つ男根を見上げるように凝視したまま固まってしまった。
これどういう状況ですか? 私はどう反応すればいいの?
先程までからかうように優位に立っていた彼女の変化に戸惑ってしまい、局部を凝視している様子を逆に凝視してしまう。
「……先生」
「な、なに?」
「これは……ちょっと大きすぎないかい?」
「え、そんなことないと思うけど……」
サイズに驚いてただけでした。まあ、普段飄々としていても彼女が異性の性器を見るのはこれが初めて。そんな反応になるのも無理はないか。
しかし、そんな私の反応は余計にセイアを戦慄かせてしまう。
「こ、これが大きくないのかい? 世の男性は皆これくらいのサイズがあると……?」
「いや、それはわからない」
そもそも他人の勃起を見る機会なぞ未来永劫ありえないことだ。私にそんな趣味はない。なので勃起時の平均は知らないわけだが、少なくとも温泉や銭湯で目にした感じでは通常時は平均くらいのサイズだったはずだ。だから勃起サイズだって平均くらいだと思う。多分。
「……そうか。せっかく勉強してきたのに、これじゃあフェラチオは難しそうだね」
「あー……」
私の説明に多少納得はしたのか、ようやく逸物から目を離してぼやくセイア。その表情は意気消沈といった感じ。よほどシミュレーションが無駄になったことが残念な様子だ。
そもそも、セイアの小さな口では通常サイズの愚息がせいぜいではないだろうか。咥えた次の瞬間には顎と喉を無暗に傷つけるひどいプレイに発展しそう。私にイラマチオの趣味はないのでそうなっては困る。
「せっかく頭の悪くなりそうな雑誌をこっそり買ってまで勉強したのに」
「口が悪いぞー……」
フェラチオの知識をお嬢様がどこから入手したのか疑問だったけど、ティーンズ向け雑誌を参考にしたらしい。女性向け雑誌は割と過激な内容が書かれていると聞いたことはあるけど、本当なんだね。
雑誌の毛色が相当合わなかったのだろう。眉間にシワを作ったセイアは小さく唸る。
「…………はああぁ」
「セイア? ……っ!」
しかし、やがて大きく息を吐くとそっと肉棒の幹に両手を添えてきた。不意打ちの刺激に、少し落ち着きを取り戻しつつあった肉棒はまたびくりと跳ねて硬度を復活させる。
そして緊張を顔に貼り付けながら、そっと先端に顔を近づけていく。
「努力が完全に無駄になってしまうのは癪だからね。咥えるのは無理でも、フェラチオという行為すべてができないわけじゃない……ちゅ……」
亀頭にセイアの唇が触れた。敏感な部分で受けるとその柔らかさが余計に感じられて、気を抜くとそれだけで腰砕けになりそうだ。
「ちゅ、ちゅ……ど、どうだい? 気持ちいいかい?」
「うん。セイアの唇、柔らかくて……すごくいいよ」
「そ、そうか。ま、まあ、私がキスするたびにビクビクと跳ねているから、気持ち良くなっていることはわかっていたけど、はっきり言葉にされるとやはり嬉しいものだね。ちゅ……」
どこかほっとした雰囲気になったセイアは、再び男性器へのキスを繰り返す。唇が触れるだけというもどかしさはあるけれど、それが逆に焦らされているような気分にさせてきて、ゾクリと背筋が震える。
「それにしても、熱いね。唇がやけどしそうだよ。先生の……そういえば、先生は男性器のこと、なんて呼ばれたいんだい?」
「へ?」
しばらくそうして亀頭へのチークキスを繰り返していたセイアがふとそんなことを聞いてくるので、思わず変な声が出てしまった。
表情が相当間の抜けたものになっていたのだろう。ふっと表情を崩した彼女は、改めて肉棒へ口づけをしてくる。
「男性器」
口づけをする。
「ペニス」
口づけをする。
「魔羅」
口づけをする。
「おちんちん」
口づけをしようとして、止まる。いたずらっ子の目で見上げてくる。
「おちんちん、と呼ぶと嬉しいみたいだね。言葉だけでぴくっと跳ねたよ」
「…………気のせいだと思う」
「そうかい? ふふっ、そういうことにしておこう――ん、ちゅ、んちゅっ」
思わず顔を逸らした私にくすりと笑ったセイアは短く返すと口づけを再開する。鈴口付近だけだったキスの雨が亀頭全体にまでその範囲を広げてくる。
「ここは……亀頭冠と言ったかな? いや、先生は俗っぽい言い回しのほうが好みみたいだし、カリ首と呼んだほうが良さそうだね。出っ張っていて、不思議な形だ」
カリの膨らみで何度もリップ音を弾ませられると、鈴口付近とは違った甘い刺激が走ってくる。
射精感はまだない。けれど、恋人から与えられる断続的な甘い快楽は雨漏りを受けるバケツのように、確かに身体に溜まっていた。
「ん? 先生、おちんちんの先からなにか出てきたみたいだ。射精……じゃないね。確か、カウパー……だったかい?」
当然ながら、快感の結果は身体に現れるもので、鈴口から透明な液体が玉になってぷくりと浮き出てくる。それに気づいたセイアはキス責めを中断して興味深そうに観察してくる。視線が刺激になったのか、追加で液体が溢れ、玉が一回り大きさを増した。
至近距離ですんすんと小さな鼻が引くつき、熱を孕んだ呼気が肉棒にまとわりつく。それすらも快感となって我慢汁が漏れ出す。このままでは重力に抵抗している水玉もすぐにリンゴのように床に落ちてしまうだろう。
そんな決壊寸前の状況を知ってか知らずか、こきゅりと喉を鳴らしたセイアは――
「それじゃあ……舐めて、みようか」
「え、セイア、んぁっ!?」
「ぺろ、れろ、んろ……」
今にも垂れそうな雫ごと、鈴口を舐めあげてきた。ピンクの舌先に広がった我慢汁が亀頭との間にいやらしい橋をかける。
「味は……あんまりしないね。少し生臭い感じはするけど。……れろ、ぬろぉ、ぴちゅ、ちゅる……嫌ではない、かも……」
舌の上で味わうように我慢汁を転がしたセイアは、亀頭舐めを再開する。舌先で恐る恐るだった先程とは違い、今度は我慢汁と唾液をまぶすようにぺっとりとくっつける舐め方だ。
「ふふ、どんどんカウパーが溢れ出してくるね。舐められるのはそんなに気持ちいいかい?」
「うん……セイアの舌、気持ちいい……」
味蕾のかすかな凹凸が敏感な肌を擦るたびに先端から追加の潤滑油がにじみ出てくる。それがさらにセイアによって舐め広げられ、滑りが良くなることで快感は更に増す。どこまでも登っていく快感の階段に少し怖くなってしまうくらいだ。
「ふ、く……あぁっ」
「ふむ。亀頭は敏感だと聞いていたが、その中でも反応に違いがあるね? どこを舐められるのが一番気持ちいいかな?」
「そ、それは……」
尋ねられ、言い淀む。自分の性感帯を事細かに説明するのは流石に恥ずかしい。そもそも、自分でも舐められたときの気持ちいい場所なんて把握していないのだ。
そんな私の反応に、上気した頬を引き上げて微笑んでくる。
「教えてくれないのなら、直接確かめてみよう」
そしてまた、舌と肉棒がキスをする。
鈴口をくすぐるように、カリ首を弾くように。
「裏側は複雑な形をしているね。繋ぎ目みたいだ……れろ、れりゅちゅぱ……っ、舌に当たる感覚が多くて、結構好みだね……」
裏筋の皺を舌先がなぞり、そのまま亀頭を超えて幹まで舌が伸びていく。そのどれもが快楽を提供してきて、口から抑えられない喘ぎが漏れてしまう。
「ふふふっ。一々そんなにかわいい反応されると、どこが一番気持ちいいのかわからないじゃないか。おちんちん全部が弱点なんじゃないかい?」
「うぅ……言わないで……」
自分でも驚くほどか細い声になってしまい、余計に顔が熱くなってきた。今の自分はどんな顔をしているのだろうか。少なくとも、大人の威厳は欠片も存在しないだろう。
こちらの様子を伺うように上目遣いで見つめられる。それだけならちょっと甘酸っぱいシチュエーションで済むのに、火照った頬と至近距離に映る男根のせいであまりにエロティカルな光景と化していた。目に毒すぎる。見るけど。
「おお。ここ、血管が浮き出ているよ。なかなかにグロテスクだね……れろ、ぬろぉ――んっ、ちゅぷ……けど、ここも気持ちいいみたいだ……あぁ、ん……っ」
ピンクの軟体が下へ下へと降りていく。丁寧に舐められているおかげで、幹の左半分は隙間なく濡れテカっていた。右半分は右半分で、質の良いものであろう布地とその奥にある手の柔らかさに淡く擦られて、舌とは別の気持ちよさが襲ってきている。
痺れるような、靄がかかるような、自分でも判別できない感覚に思考がまとまらなくなっていく。だらしなく半開きになった口からは意味のない声のなり損ないが漏れるだけ。
「ん、く……むちゅ、はむ、ちゅりゅ……ぁっ、んんっ、せんせぃ、せんせぇ……っ」
そんな今にも四散しそうな思考の中、攻めているはずのセイアの表情が蕩けていることに気づいた。声にもいつのまにか一昨日のような喘ぎ声が混じっている。
そして気づけばどこからか聞こえてくる、くちゅくちゅという水音。
「ぁ……」
視線を少しずらすと、いつの間にか肉棒から離れていたセイアの右手がスカートの中に伸びていた。右手がまさぐる度、セイアの口から可愛らしい、けれど確かないやらしさを孕んだ声が漏れる。
「せんせ……? ぅわっ!?」
フェラをしながら自分を慰めるという姿に、反射的に肉棒が跳ねた。唾液と我慢汁まみれの竿がセイアの顔に当たり、目元をべったりと汚す。
けれど、そんなことがあっても彼女の表情は蕩けきったままで。
「はあ、はぁ……はぷっ」
「うぁっ!」
小さな口を精一杯広げて、先端を咥えこんできた。入らないのではないかという当初の予想を裏切って亀頭の半分ほどを口に含み、密閉空間の中で舌が暴れる。それだけでも十分に気持ちいいというのに、セイアはあろうことか、口に含む体積を増やそうと頭を前に推し進めてきた。
「ぅぁ、セイア、無理はしないで……んっ……」
「じゅ、じゅぶ……大丈夫、だ……ぇろ、ちゅる……亀頭だけなら、なんとか……んぶっ」
時折くぐもった声を漏らしながら、少しずつ亀頭が飲み込まれていく。十分に濡れているおかげか、きついくらい狭い小さな口の輪がむしろ最高の快楽生産の場となっていて、腰がガクガクと震えてしまう。
そしてついに、きゅぽんと亀頭のすべてが彼女の口に収まる。熱くて柔らかい口腔はそこに居座るだけでも達してしまいそうだというのに、絶え間なく柔舌に転がされるおまけつきだ。彼女の喉を傷つけないように、必死に力を込めて腰が勝手に動くのを抑えるのが精一杯だった。
「じゅぷ、れろ、ぁえ――んんっ、はぷ、ちゅりゅりゅ……っ!」
「せ、セイア待って! こんなの、すぐ出ちゃうから――!」
けれど、彼女にはそんな私の苦労は関係ないようで、そのまま頭を前後に動かし始めた。カリ首が入口を何度も行ったり来たりして刺激され、エラ下に溜まった液体がぐちゅぐちゅと大きな音を立てる。それまでとは比較にならない快楽の奔流に、我慢できずに腰が椅子から浮き上がる。
「ん、ぐ……いいよ、せんせい。わたし、も、イきそうだから……いっしょに……じゅぶ、ぢゅるるぅッ」
「ぁっ、ぁあっ、セイア、せいあ――ッ!」
堪えることなど、できるはずもなかった。
――びゅ、びゅるる、びゅりゅりゅりゅッ。
「ん、んぶっ! ~~~~ッッ!!」
セイアの口の中に勢いよく白濁を吐き出す。同時に絶頂したのか、セイアの身体がビクビクと跳ねている。
手が、口が小刻みに竿を撫ぜてきて、射精が止まらない。頭の後ろがチカチカと激しく明滅して、今にも意識が飛んでしまいそうだ。
普段の倍の時間を要してようやく射精が止まると、つるんと男根が口から抜け落ちる。だいぶダウングレードした逸物は硬度もほとんどなくなっていて、だらりとだらしなく垂れ下がった。
「……あっ。ちょっと待って、ティッシュを――」
ぴっちりと口を閉じたセイアの頬がハムスターもかくやと言った具合に膨らんでいることに気づき、机に置いているティッシュを取ろうとする。しかし、その動きは他ならぬセイアに制されてしまった。
どうしたのだろうかと首をかしげると、セイアは二、三度苦しそうな声を漏らして――
「んぐ、ん――――はあ。カウパー以上にネバネバしていて、液体なのに随分と飲みづらいね……」
出された精液を飲み込んでしまった。
「無理に飲まなくてもよかったのに」
「そうかい? 男の人は精飲行為を好むと聞いたのだけど」
それはまあ、現在目の前でやられて結構嬉しかったのは事実なのだが。
「無理をしてまで飲んでもらうのはちょっと違うというか……」
「いや? 飲みづらくはあったけど、別に飲むことに抵抗はなかったよ? 先生が気持ちよくなってくれた証だしね……先生?」
危ない。一瞬このまま押し倒してしまおうかと思ってしまった。なんてことを言うんだこの子は。
意識せずに私を誘惑してくる少女に再び股間に血が集まりそうになるのを堪えながら、唾液に濡れた逸物をパンツの中に収める。まだ荒い息を少しだけ整えて机に視線を向けると、さっきまでは内容を理解できなかった書類の中身がわかるようになっていた。
「あ、これ今日の夕方までの書類だ」
「ふふっ、では早く片付けてしまわなければね」
セイアも息を整えて自分の席へと戻っていく。
ちょっとしたトラブルはあったが、まだかすかに熱が残る室内でいつも通りの日常が始まっていく。
「つづきは、仕事が終わってからにしようか」
「…………」
今日一日日常が続くのかというのは、また別のお話。