……はい、すいません。いつものことながら亀で申し訳ありません。
12月中旬。
非常識の固まりの幻想郷にももちろん冬はやってくる。外には雪が降り積もり空気は凍てつくように寒くなっていた。
そしてこの時期にやってくるのがクリスマス。人里は近頃やってくるクリスマスに気分を高揚させながら、もみの木に飾りを付けたり民家を着飾ったりしていた。
俺もこのクリスマスを利用して売り上げを向上する方法はないかと考えたところ一つの方法を考え付いた。
その方法とはクリスマスケーキである。クリスマスの流行に乗っかって外の世界のケーキの味を知っている俺がクリスマスケーキを作ればたちまち人気となり良い儲けになるのではないか。
人里の数少ない楽しい行事を金儲けに利用するなど悪役になった気分だがそこは仕方あるまい。商売業なんて所詮そんなものだ。
それにこれは俺の店の事をもっと周りに知ってもらうためでもある。うまく行けば宣伝効果にも繋がるだろう。
そのためにも先ずクリスマスケーキを作るための材料を購入することにした。ケーキも一応作ることはできるがお客さんに出す前に練習しなければならない。
ケーキ一種類だけではお客さんも物足りないと思うので結構な量の材料を購入した。
そして帰りの途中のこと。
「ん……あれってたぶん」
人々がよく行き交う里のお店が密集した商店街を歩いていると知り合いの姿が映った。
雪降る景色に一際輝く凛々しいと思わせるような銀髪。見た目は小柄な女の子でありながら腰には二本の刀を携えている。
彼女の名前は魂魄妖夢。白玉楼という冥界の主の世話係の半人半霊の少女だ。
「やっぱりあなたでしたか。まさか会えるとは思っていませんでした」
向こうもこちらに気づいたのか声をかけてきた。
「妖夢こそ人里に降りてきてどうしたの。ああ、買い物か」
こんな寒い季節になぜ人里に降りてきたのかは両手の買い物袋を見てすぐに分かった。妖夢の仕事は主の世話だけではなく白玉楼の家事等も担っているためこうして人里に降りて買い物にきたのだろう。
そして白玉楼の主、西行寺幽々子はかなりの大ぐらいなので、俺と同じく妖夢の買い物袋にはたくさんの食料が詰まっていた。
「はい。あなたもそうなんですね」
「クリスマスが近いからね。この食料はその催しのための準備みたいなものかな」
「そういえばクリスマスってもうすぐだったんですね。私のところは地上の変化を知ることはあまりないのですっかり忘れていました。
……そうね、クリスマス。何かお祝い事をしたら幽々子様も喜んでくださるかしら」
「いいんじゃないか。幽々子は食べれるものあったら何でもいいって感じだからな。と、そうだ。妖夢はこのあと暇ある?」
「ええ。買い物も終わったので特に予定もありませんが……」
ならよし。というわけで二人とも買い物帰りということなので、そのまま彼女をお店に向かった。
⬛
店に着くと俺はとりあえず店内の席に妖夢を手招きする。今日はケーキ作りのために休みをとったので店内には俺と妖夢以外誰もいない。パンも焼いてないのでケースの中は空っぽ。開店の日と違い店の中は若干殺風景だ。
俺は妖夢に紅茶を差し入れると、お礼を言いながら続けざまに質問をしてきた。
「ところで何の用事で私を誘ったのでしょうか?」
「妖夢には今から俺の作るケーキの味の評価をしてもらいたくてね。妖夢ならお菓子も作るの得意だろうしそれで誘ったんだ」
売り物として出す以上、ただケーキを作るのではなく売り物にしてもいい味かどうかを確かめる必要があるからな。
自分で自分のケーキを評価するのも何か変な感じだし、そういう理由で妖夢誘ったわけだ。
「はあ。でも私は洋菓子にはそこまで詳しくありませんよ。お菓子といっても作るのは幽々子様の好みに合わせているので和菓子ばかりですし、本当にその役目が私に務まるのでしょうか?」
「あれ、そうなんだ。でも大丈夫だよ。ケーキの感想を言ってくれるだけでいいから」
俺はそういって厨房に向かい早速ケーキを作り始める。
一応いくつかの種類のケーキを作ることはできるが、ひとまず試食ということでケーキのメジャーの代表格であるショートケーキを作ることにした。
ケーキの生地にクリームと各種果物を挟み込み、外側にもクリームを塗って見映えよく仕上げていく。
上にイチゴ数個とホワイトチョコを添えることでショートケーキは完成した。俺はそれを皿の乗せてフォークとともに妖夢のいるテーブルの元へと運ぶ。
外の世界のどこのケーキ屋でも見かけそうな目の前に置かれたショートケーキに妖夢は目を輝かせていた。いつもは白玉楼の主の側近らしく冷静な様子を崩さないでいるが、今の妖夢は見た目相応らしく少女のあどけなさがあった。
「おお、これがケーキ! 紅魔館の吸血鬼が食しているのを何度か見たことはあるのですが間近でみるととても美味しそうです。……あの試食とはいえ、このようなものを食べていいんですか?」
「いいよ。早速食べて感想を言ってほしいな」
「そ、それではいただきます……むぐむぐ。……んん、口溶けの素晴らしいクリームと甘酸っぱいイチゴがたまりません。和菓子とは違う甘さがすごくいいです」
予想以上の高評価だった。
人に食べ物を売っている身としては並みの腕はあるつもりだったが、ここまで喜んでくれると頑張った甲斐があったものだ。
まるでほっぺたが落ちるほど美味だとでも言いたげに妖夢は頬に手を寄せながらどんどんケーキを食べていく。よほど気に入ってくれたのかケーキはすぐに平らげると、妖夢は幸せの時間から目を覚ましたように口元についたクリームをナプキンで拭いた。そのあまり見ない慌てふためく妖夢の行動に思わずにやけてしまう。妖夢の少女らしいところも見られて俺も満足だ。
「お、お恥ずかしいところをお見せしました……」
「全然気にしないでいいって。妖夢の可愛らしいところが見れて嬉しいよ」
この際だからからかってみようと思う。可愛いって思ったのは本当だが。
「可愛いって……あ、あまりそういうことは言わないでください。どう反応すればいいか分からないじゃありませんか」
そっぽを向いて顔を俯かせる妖夢。それで顔を隠したつもりだろうが端から見れば頬が少し紅く染まっているのが分かる。
さてと……冗談もこのくらいにして妖夢から高評価をもらったことなんだし、さっきのケーキは店に出すとして他にもケーキを作ってみよう。
「あのっ!! 一つ私からも頼みたいことがあるんですが」
顔をいきなり上げて声を出す妖夢。最初に声が上擦っていたのは先程の冗談が効いていたからかもしれない。
どうした? と返事をすると妖夢は声の緊張を取り払うように深呼吸して冷静を取り戻してから口を開いた。
「先程のケーキ、ぜひクリスマスの日に幽々子様にも食べさせてあげたいのですが、どうかこの私にケーキの作り方を教えて頂けないでしょうか?」
「別にいいよ。だけどそれなら俺が作ってそれを妖夢が幽々子にやればいいんじゃないか」
「い、いえ。確かにあなたの作るケーキは大変美味しかったです。私がどれだけ練習してもあの味を再現することはできないでしょう」
「いやいや、そこまで自分を卑下しなくても……」
「ですが私は、私の作ったケーキを幽々子に食べて喜んでもらいたいのですが」
……そうか。なるほど。だから自分で作りたいというわけか。
なら俺も妖夢の主人に対するその気持ちを手伝うことにしよう。それに試食をしてくれたお礼もあることだしな。
「おっけー分かった。なら明日からはどうかな? クリスマスまでもう少し日があるし今日は遅いからさ」
「分かりました。それでは明日からよろしくお願いします」
そういって妖夢は律儀に頭を下げる。
別にお酒を飲み交わす仲でもあるのだからそこまでしなくてもいいのに。でもそれをするなというのは妖夢の性格的にも無理がある気がする。
それはともかくとして、こうして次の日から妖夢はお店のお客さんの足取りが減る頃に毎日くるようになった。
俺は妖夢にケーキの作り方を指導したり時には試しに作ってみたりさせた。クリスマスまで日が少し日があるといってもクリスマスまで何日もないので危機感を覚え始めた妖夢は失敗をすれば、少しだけでもケーキが良い仕上がりになるまで練習した。
妖夢の努力が功を奏してほんの数日でショートケーキが完成すると、彼女は大食いの主人を喜ばせるには一種類だけでは足りないと言ってそれに納得した俺は他のケーキの作り方も指導することにした。
チョコケーキ、チーズケーキ、抹茶ケーキ……と妖夢は色んなケーキを作ることができるようになった妖夢だがそれと同時におっちょこちょいな失敗も繰り返した。
「えと、とりあえずこのクリームを……てきゃあああっ!」
「ど、どうした妖夢!?」
振り向くと妖夢が盛大に床に尻餅をついたのが見えて、その隙に妖夢の手から離れたクリームの入ったボールが空中を舞うとそのまま彼女の頭にすっぽりとはまった。もちろんクリームは飛び散って全身に振りかかった。
妖夢はそれよりも他に重要なことがあったのか、俺の足元に抱きついてきた。
「な、何かさっき黒い物体がカサカサ動いてしてました! あれは幽霊ですか! このお店には幽霊が出るんですか!」
妖夢の詳言から察するに黒い物体とはしぶとい生命力をしたアイツのことだろう。とりあえずそれはあとで探して潰すとして、半人半霊の妖夢が幽霊と勘違いしてそれに脅えるとは如何なものだろうか。
足に抱きついてきた妖夢を見ると足を震えさせて立ち上がれないでいた。しかも服や顔面に白いクリームがついているのだから妙に色っぽいなってしまっている。上目使いで助けを求めてくるものだからその姿に性的欲求が少し呼び覚まされるがそこは抑えて、汚れてしまった妖夢にシャワーを浴びるようにいった。
……と、こんな感じのハプニングや失敗があったがクリスマスの前日には本人も満足できるくらいにケーキを作れるようになっていた。
⬛
そしてクリスマス当日、その夜。
クリスマスケーキは予想以上の売れ行きと反響が良かったので急遽ケーキの数を増やすなど、クリスマスの日も働きまくった。
そのせいか俺は外に出かける気力すら感じなかった俺は、クリスマスの日に一人で炬燵でぬくぬくと暖まっていた。もちろんクリスマスなので自分用のケーキも用意してある。あとケーキだけじゃ足りないので唐揚げも作った。一人暮らしの俺にはちょうどいいご馳走だろう。
「メリークリスマス……俺」
……。
……………。
……………………何だろう。御馳走は用意してあるのにどうしてこんなにも寂しいんだろう。いや……気にしないでおくとしよう、もっと悲しくなる。
そういえば妖夢はうまくケーキを作って幽々子に御馳走をするといったが幽々子を喜ばすことはできたのかな? できただろうな。俺も一度、妖夢の作ったケーキを食べてみたけど美味しかったし、妖夢の頑張りにも幽々子は満足しているだろう。
うんうん、それならそれで俺も頑張った甲斐があったというもの……。
「……いませーん」
「ん?」
玄関から呼ぶ声が聞こえてきた。こんな時間に誰だろう、もう時刻は2200時を過ぎようとしているのに。
悩んでも仕方ないので玄関まで歩く。開けてみるとそこには妖夢がいた。彼女の背後の景色には雪が舞っており、さすがに体が元から冷たい半人半霊の妖夢でもマフラーとジャケットを身につけている。
「こんばんわ。夜遅くにやってきて申し訳ありません。お邪魔しても大丈夫でしょうか?」
「あ、ああ妖夢か。うんいいよ、入りな」
「はい、お邪魔します」
俺は彼女の訪問に戸惑ってしまうが、風邪を引かせないように家に招き入れる。
この寒いなか家に来てくれた妖夢を炬燵に入ることを促してから、会話がスタートした。
妖夢がこの時間に俺のところへ来た理由は今回の件についての報告だった。結論から言うと、幽々子は喜んでケーキを食べてくれたとのこと。幽々子の食べっぷりは凄まじいことは知っているが、いつにもました勢いでケーキを平らげたという。しかもおかわりまで要求されて備蓄しておいた食料をほとんど使い果たしてケーキを大量に作ったとのことだ。
恐るべし、幽々子。妖夢も幽々子に喜んでもらえたとはいえ食料全てを食い尽くされるのは痛手だろう。それに関しては呆れ果てた妖夢だったが、目的は果たしたので個人的には満足したとのことだった。
「ん……でもそのあとに妖夢はここへ来たってこと? 幽々子は放っておいて大丈夫なのか?」
職務上大丈夫とかではなく、あいつのことだからケーキがまだ食い足りなくて妖夢を探してるんじゃないか。
「そこはご安心を。本人はたらふく食べたあとにすぐに私室に戻ってそのまま寝てしまいました」
「そうか。なら良かった」
そこまで満足してくれるなら俺も妖夢に指導した甲斐がある。まあ本人も物覚えは良かったし手先も器用なので教えることはあまりなかったが……。
しかし幽々子も妖夢もこうしてクリスマスを充実しているというのに、俺ときたら一人で御馳走作って一人でクリスマスケーキを締めくくろうとしていたというのに……何かこの差が悲しくなる。
「あの、失礼を承知でお尋ねしますが……もしやあなたは一人でクリスマスを過ごすおつもりだったのでしょうか?」
「………………」
「うわわっ! 申し訳ありません! 謝りますからそのような悲しそうなオーラを出さないでください」
何も口にしていないのに俺の心境を悟った妖夢。今の俺はどうやら目に見えて分かるくらいに悲しみに包まれているらしい。
そりゃあね、幻想郷には知り合いが多いのに一人でクリスマスを過ごそうとしたらそうなるか。
「それでですね! 実はこれからが本題で私があなたのところをお尋ねした理由なんですが!」
妖夢が空気の流れを変えようと話題を持ってくる。
顔をあげるとなぜか目の前には妖夢の顔があった。
どうやら悲しみに暮れている間に間近まできていたらしい。本人が何を思って接近してきたのかは分からないが、本人は顔真っ赤にして息を荒くしていた。
緊張して震える息が俺の頬を撫でてきてどうしたらいいかわからなくて、とりあえず彼女の両肩に手を置いて距離を作る。
「ちょっ、ちょっと妖夢」
焦っている俺に構わず妖夢はこちらの押す手に負けじと少々強引に顔を近づけてきた。
「その理由なんですが、今回の指導のお礼も兼ねてあなたにクリスマスプレゼントを渡したくて……」
あ、あークリスマスプレゼントか。クリスマスプレゼントね。でもクリスマスプレゼントとこの状況を作ることに何の意味があるんだろう。それにクリスマスプレゼントといっても妖夢は手ぶらだし、ますますわけわからなくなってきたぞ!
てか、さっきから顔どころか唇が近くなってきてるような……。
「でも私、男性の方にプレゼントを贈るのは初めてでして、どのような物を贈っていいのか……よくわからなくて、だからその……」
ちゅっ、と。
至近距離だった互いの唇が重なり、妖夢の柔らかい唇の感触に心臓が跳び跳ねそうになる。妖夢の方からキスされたというのは理解したが、突然のことだったためキスされてしばらくしても体が動かなかった。
「私がクリスマスプレゼントではダメ、でしょうか……?」
唇を離してからようやく妖夢が行為に至ったかを説明してきた。しかしプレゼントをどうすればいいのか分からないからといって、このような事をするというのは、かなり飛躍的すぎる。
でもこんな美少女にキスされて嬉しいという思いもある。むしろそちらの思いの方が勝ってるかもしれない。
「あの、妖夢?」
「あ、その、やっぱり私のような未成熟な女がプレゼントではお気に召せなかったでしょうか。た、確かに幽々子様と比べると私の胸は小さいし、それをネタにされて幽々子様に笑われることもありますが」
ああ、ダメだこれ。俺もどうしていいのかわからないし、妖夢も半分暴走ぎみだ。なんか会話が勝手に進んでるし、もう止めることができるものは誰もいない。
「それでも私は……その、えと……あなたを想う気持ちなら幽々子にも負けませんし、あなたに好きにされるというのなら私も本望です。……もし、あなたにその気があるのなら、遠慮なさらないでください」
声は強張っているがその言葉の意味はすぐに理解できた。そして俺はさすがに女の子にここまで言わせておいて何もしない愚鈍ではない。
今度は俺の方から唇を彼女に近づける。それを察して妖夢は目をつむって受け入れる。
ちゅっ、ちゅむっ……
冬の気温でヒンヤリとした妖夢の唇。だけどその体温が程よくて妖夢の柔らかい唇と相まって気持ちがよい。
誘ってきたとはいえキスに慣れていないのか肩を震わせる妖夢を優しく抱き締めて体を撫でる。何度も唇を重ねることで冷たかった妖夢の体温が次第に暖かく、熱くなっていく。
「妖夢、本当に俺で良かったの?」
「あなたがいいんです。それとも私とのキスは気持ちよくないでしょうか?」
「そんなことないよ。少し緊張してるけど、すごく気持ちがいい」
「そうですか。私もですよ、もっとお願いしてもいいですか……んむ、れろっ」
言葉で言うより早くキスで妖夢に気持ちを伝える。
最初は互いに遠慮しあった口付けは互いに唇を押しつけあうものに変わっていく。まだ軽いキスだが、緊張がキスの熱と快楽により解されていくのが実感できる。
ちゅぱっ、ちゅぱっと互いを求める口付けが粘膜の音を奏でる。舌先でつついてみると彼女の唇が唾液で濡れているのが分かった。それを頃合いだと判断して俺はゆっくりと舌を口内に侵入していく。
「ん、んむっ!? れろっ、ちゅるっ……んんっ」
妖夢が一瞬体をビクリとさせるがそれを抵抗することなく受け入れて、しがみつくように俺の肩に手を回してくる。彼女の舌を優しく愛撫しながら、また高まってしまった緊張を解すように撫で心地の良い頭を撫でてやる。
ぴちゃっ、ちゅるっ、ちゅるちゅるっ
妖夢のザラザラとした舌の感触に病み付きになりながら俺は口内を蹂躙して深いキスを味わう。快感に脳内を支配にされて息をすることよりも彼女を求めることも優先してしまう。それは妖夢も同じようで肩を掴んでくる力が弱くなってくると同時に舌を積極的に絡めてくるようになる。
「んくっ、んんっ、んふぅっ……ぷはっ!」
ようやく肺の酸素が空っぽなのに気づくと唇を離す。唇にはまだ痺れるような快感が残っており、互いの舌先が唾液の糸で繋がれていた。
しかし理性を失いそうになっている俺は到底でこれだけで終わることはできなかった。
「あ……服、脱がすのですね」
「いいかな、大丈夫?」
「もちろん構いませんよ。先程も仰いましたが遠慮なさらないでください。ちょっと恥ずかしいですけど……求めてきてくれるということは私としても嬉しいですから」
そう言う妖夢の目を若干蕩けつつも頬が少しだけ紅く染まっていた。妖夢も思考が微睡んでいるのだろう、言葉の節々からは羞恥を感じるが最初の時ほどではなさそうだ。
妖夢の服を脱がすと胸をブラジャーではなくサラシを巻いており、秘部は飾り気のない下着で覆われていた。それでも彼女の体は男の欲情を誘うほどに綺麗で、日頃の鍛練のおかげなのか腕は細く引き締まりぷにぷにとした触り心地の良さそうな肉付きをしていた。鼻を近づけてみるとその体からは甘い匂いが漂っていた。その扇情的な肉体に俺のモノがさらに熱を帯びていく。
「ご、ごめんなさいこういう場面でサラシとか……。一応探したのですが男性の喜ぶような下着がありませんでした」
「ん……それって」
来る前からこの状況に備えようとしていたことになる。
「へえ……妖夢って実はえっちなんだなぁ」
「え、えっち……私はそんなことは別に」
「でもこうなる事を望んでんだよね。それをえっちといわずになんて言うんだ?」
「う、うぅっ……い、いじわるです」
さて……妖夢をからかうのもこれぐらいにして続きをしよう。というのも妖夢の欲情を誘う裸体に脳をやられて頭の中は嫌らしいことでいっぱいだったから。腕に抱かれて顔を朱に染めるその表情に目を離せなくなる。
サラシを解くと妖夢が体を震わせるように反応を示す。お世辞には大きいとは言えないが決して平坦ではない小ぶりの胸を手のひらで丹念に揉むと、また体をピクリと震わせた。
「んっ……ひゃあっ、そんなに強く揉まれると、嫌らしい声でちゃいますよ、んんっ」
当たり前だ、そのためにも妖夢の体を弄っているのだから。
小ぶりとはいっても揉んでみれば確かに伝わってくる女性特有の揉み心地の良い感触。俺は無我夢中になって揉み続ける。
むにっ……とした感触に中毒になっていくら揉んでも飽きたらない。むしろ体が火照って欲求不満が増すばかりだ。
と、そこでテーブルに置かれていたケーキに視界に入る。
「妖夢、ちょっとそのまま寝転がってくれないかな。ほらこれ敷いて」
近くにあった座布団は引っ張ってそこに妖夢の頭を寝かせて仰向けにさせる。
「え、えっとこれは一体……て、え、ええ!」
俺はケーキの一部を雑に手で千切り取って妖夢の体の上に乗せる。驚かれても構わずにお腹や肩、首筋に胸と至るところにクリームやイチゴを飾り付けると俺の想像通りの状態に完成した。
……我ながらやったことに対して変態と思ったが、反省も後悔もしていない。妖夢本人は先程の様子と打って変わって慌てていた。
「こ、これはどう言うことでしょうか? せっかくのケーキをこんな風にするなんてもったいないですよ」
「それはね、こうするためだよ」
ケーキで彩られた妖夢の肌の上に唇を落として、クリームと一緒に口に吸い込むと舌で舐め回す。クリームの甘い味とは同時にまた違った風味が伝わってくる。
無論、妖夢は直に体を舐められる感覚に耐えきれるわけもなく、体を捻らせたり嬌声をあげたりした。
「そんなとこ舐められると、んんっ、くすぐったいですよ。普通にケーキを食べればいいのにどうしてこんなこと、ひゃあ、あん!」
ふむ……妖夢は女体盛りというのを知らないらしい。そもそもここは幻想郷だし生真面目な妖夢が知らなくても不思議ではないけど。
でも無知な妖夢には口答で言うよりも行動で教えた方がはやいと思う。
「こうした方が妖夢も気持ちいいでしょ?」
「た、確かにくすぐったいと同時に気持ちよかったりしますが、だからっていくらなんでもこれは私にはレベルが高過ぎる気がします……」
それもそうか。でもやめない。
困った表情をする妖夢が可愛らしくてその嗜虐心が燻られるままに、今度は肩、その次に首筋とケーキの断片と妖夢の体の味を口に含みながら彼女の反応を楽しむ。
最後に残ったのは胸の方。女性が感じやすい胸を勢いよく吸った。
「ひゃあっ、む、胸をそんなに強く吸われたら、んくぅっ!」
そしてそのまま妖夢の下着に手を入れて秘部へと指を這わせると、ねっとりとした愛液の感触が伝わってきた。
俺は胸を弄ることをやめないまま、秘部の方にも指を侵入させる。暖かく柔らかい肉壁が指を包んでくる。
「あっ、今そこを弄られたら、んんっ、指っ、気持ちいいですぅっ……」
膣内をかき乱すと妖夢が蕩けるような声をあげる。
指を前後左右に動かすだけでヌチャヌチャと卑猥な音を奏でながら、次第に膣の中で熱が込み上げていくのが分かる。
指の動きに連動して喘いで体をピクピクと痙攣させる妖夢を見ているだけで、俺も体の中の血が沸騰しそうなぐらい興奮してしまう。
俺は胸から口を離して膣内から指を取り出す。胸は涎で淫靡な色を増しており秘部は愛液で濡れて光っていた。
もう我慢できない。早く一物を彼女の膣内へ挿入したいという強い性欲に駆られて、俺は下の衣服を脱いですっかり膨張してしまった分身を露にする。
俺の一物を見て妖夢が一瞬肩をビクリと震わせる。
「あ、ごめん」
びっくりした妖夢を見て少し申し訳ない気持ちになってしまう。
「あ、違います。殿方のおちんちんってそんなに大きくなるんだなあって、ちょっとびっくりしただけです」
「……そうか。じゃあ続けていいんだね?」
「どうぞ、私をお好きにしてください。これが私にできる精一杯のクリスマスプレゼントですから」
受け入れる準備ができたのか股を広げて挿入を待つその姿に大きく心臓が高鳴りをあげる。
俺はゆっくりと腰を落として妖夢の両足を腕に抱いて挿入を開始する。
「あっ、んん……」
ぬちゃりと嫌らしい音を立てて膣壁を擦りながら男根を徐々に押し進めていくと、妖夢が喘ぎ声を漏らす。妖夢の膣内は想像以上に狭く膣壁が肉棒を締め付けてきて、それと同時に暖かい温度が伝わってくる。あまりもの快感に腰を引きそうになるが、なんとか根元まで挿入するとこつんと膣奥に当たる感じがした。
それだけで既に妖夢は色気のある息をはぁはぁと漏らしながら目を蕩けさせていた。
収縮を繰り返す膣道に扱かれて、俺は肉棒を何度も出し入れし始める。
「あっ、や、ん、ふとっ、太いのが奥にっ、当たって、んんやぁっ」
脳にまで響くような甘ったるい声をあげる妖夢。肉棒を膣壁に擦り付け膣奥を突いてるうちに、お互いの体に両手を伸ばして抱き合い肌が重なるまで密着する。
肉棒からは官能的な熱が、全身からは妖夢の体温が俺を包んでくれる。
パンッパンッと、腰を打ち合う音がリズミカルになるうちに彼女の方からも腰を振り始めてきて、それだけでは飽きたらず両手で互いの体を撫でたり触れたりしながら、一瞬も離れることなく肌を擦り付け合う。
「あ、くぅっ、あっ……ど、どうですか、私のクリスマスプレゼントは? あんっ、気持ちいい、ですか? んんっ!」
「す、すごく気持ちいいよ……くっ」
「あんっ、そうですか、私もっ、なんか……すごくっ、すごくいいですぅっ」
膣内がさらにギュッと肉棒を締め付けてくると、俺もそれに負けじとさらに速いスペースで彼女の膣奥を何度も突く。そんなことをしてるうちに膣壁の熱が高くなってきて、それを知ると俺の方も熱が込み上げてくるのが分かった。
「あん、体がどんどん熱くなって、わたし、わたしもうっ!」
「妖夢、俺もそろそろ限界……っ」
「んうっ、はいっ、私の中で、んんっ、イって、イってくださいっ、はあんっ、んあ!」
どびゅっ、どびゅどびゅっ、びゅるるっ、びゅくびゅくっ、びゅるる
「んああああ、ああっ、あ、あんっ!」
妖夢が絶頂の声をあげて、体中に電撃のような熱が迸ると同時に膣内に大量の精液が吐き出される。精液は止まることを知らず一度に大量に出した後も何度も精液を膣内に流し込む。膣壁は最後の一滴まで精液を搾り取るように肉棒を締め続けて、俺は最後の快感まで堪能しながら、締め続けが緩くなり肉棒を抜き取ると、秘部からはとぷとぷと精液が溢れ出ていた。
一人の少女が俺の家に来てくれたことにより、この年のクリスマスはとても幸せな時間を過ごすことができた。
⬛
クリスマスが終わってしばらくたったある日のこと。
珍しく妖夢と幽々子の方から俺の店にやって来た。どうやら幽々子が妖夢の作るケーキを気に入ったらしく、今度は俺の作るケーキを食べさせろとのことで、相手が大食いだと知った俺は今日は店を休むことにして幽々子に大量のケーキを作ることになった。
「申し訳ありません。お仕事中だったのに騒々しくしてしまって」
「気にしないでいいよ。お金もちゃんと払ってくれるんだし」
それで今は俺と妖夢で厨房でケーキを作っている最中。幽々子には店のテーブル席で待ってもらうことにした。
……ちらりと妖夢を見やるとケーキを作っている過程でそうなったのか頬にクリームが付いていた。
妖夢のぷにぷにの頬にまとわりついたクリーム。それだけで我慢できなくなって俺は指でそのクリームをとって口に放り込んだ。
うん、甘い。普通のクリームよりも甘ったるく感じる……。
「てっ、いきなり何してるんですか! 幽々子様も近くにいるのにもし見られたらどうするんですか!」
当然のように顔真っ赤にして恥ずかしがる妖夢。
「ごめんごめん。なんか妖夢のこと思うと我慢できなくなってさ……」
「もうまだ昼間なのにこんなことしてはいけませんよ……だから」
『だから』というのとほぼ同時に妖夢はこちらに顔を寄せて、ちゅっと……頬にキスをしてくる。一瞬だけほんのりとした暖かさと柔らかい感触が伝わった。
「ん……今はこれだけで我慢してください。時間がありましたらその時は私でよければお相手して差し上げますから」
そう言って照れ臭かったのか一旦厨房を後にする妖夢。
本人もその事を楽しみにしているのかはにかんでるようにも見えた。
その言葉を聞いて俺は楽しみにしながら、打倒幽々子のためにケーキ作りを再開した。