村の因習で幼馴染と百合えっちしたらどハマりしてしまった 作:ハヤ0313
あるところに、辺鄙な村がありました。
最寄りのスーパーまで車で三十分以上。娯楽施設などある筈もなく、飲食店すらありません。
学校はありますが生徒数は二名ですし、単なる山奥なので風光明媚な場所があるというわけでもありません。
まぁ、私が住んでいる場所なんだけれども。
いやホントどうにかして欲しいこの限界集落。
私と
「
「んぁ?」
そんな風に現実を嘆いていると亜美から声をかけられた。
「ここわからーん」
「私も分からん」
「じゃあ良いか」
昨日授業で習ったとこだけど、よく分からなかったから放置してたヤツだった。後で亜美に聞けばいいやと思ったらこのザマよ。
「良くありません……」
そしたら案の定、先生から呆れられた。
「昨日の復習をしましょうか。では――」
うーむ、理解出来る気がしない。
別にこんなの勉強しなくたって人生に何の影響も、あったわ。超あったわ。ちゃんと勉強して下界の高校を受験して晴れて合格して、こんなツマラン山奥のドンヨリ人生とオサラバするっていう目標があったわ。
仕方ない。なんか亜美も同じ考えに至ったのかシャッキリしてるし、私も真面目に頑張るか。
――――――
「そういえばさー、今度お祭りあるじゃん?」
そんな感じで真面目に頑張って放課後に至ったわけだけど、亜美が急に何か言い出した。
「あぁ、ナントカ祭り」
「ナントカ祭りて、ウケる」
だって皆して祭り、としか言わないんだもん。知らんがな。
「で? それがどしたん?」
「え、聞いてない?」
「え、何が?」
「ん?」
「ん?」
何の話だ。マジで知らんがな。キョトンってしてるけどこっちもキョトンだわ。
あぁでも、話の流れ的に祭りのことでなんかあるのかな。
「え、言っていいのかな」
「どゆこと」
マジでどういうことだし。話を振っといて言えないなんてことがあるものか。
「祭りでなんかあんの?」
「んー……言わんどく」
「なんでじゃ」
「そのうち知るだろうし」
いや本気でどういうことだし。何その思わせぶりなの。そういうのはドラマとかで十分なんだけど。
ってことを抗議したものの、亜美は話を誤魔化すばかり。
「なんだよー話せよー」
「あひゃっ⁉︎ ちょ! んひゃひゃひゃひゃ⁉︎」
だから身体に聞いてみた。腋に手を伸ばしてこちょこちょこちょ。
「うりうりー白状しろー」
「あっははははははらめぇええええええ!」
「らめぇて」
「分かった! わっかったからああああ!」
「よし」
という訳で拷問にかけたところ、アッサリと口を割った。
曰く、
「今度の祭りの主役は私達」
とのこと。
なんのこっちゃ、とは思ったもののとりあえず話を聞いてみる。
「こう、大名行列するじゃん?」
祭りの概要はこうだ。
村中の人が集まって半分に分かれて、それぞれが大名行列しながら神社に向かい、到着したらかしこみかしこみして、公民館に集まってドンちゃん騒ぎのご馳走祭り。
「その大名行列の先頭、ウチら」
「マジか」
年毎に先頭の人違うなーとかボンヤリ思ってたんだけど、それが自分達に降りかかってくるなんて全然思ってもいなかった。
だから、
「え、なんで?」
って素で聞いてしまった。
「知らんよ。なんか元服がどうのって言ってた」
「元服て、江戸時代か」
鎌倉時代だっけ?
「まぁいいや。どうせ歩くだけっしょ?」
それだけならまぁ、別にいいや感。
なんだけど、
「え」
亜美は信じられないものを見る目でこっちを見てきた。
「主役って言ったじゃん」
「え、うん」
「……歩くだけだと思ってんの?」
「え、違うの」
「違うて」
「マジか」
違うらしい。
「先頭の人……女神役のこと、え、知らない?」
「え、知らん……女神て何……」
「嘘やん」
祭りとか、ご馳走食べれる日、くらいにしか認識してなかったから、そんないきなり女神とか言われても困る。
「えー……まぁ、じゃあ……簡単に説明するから聞けし」
「お、おう」
なんか盛大に溜息吐かれてしまった。
で、そこから始まったのは祭りの起源についてのお話。
昔々、この村を守る土地神様的なのがいたんだとさ。
それは男神と女神の夫婦だったらしい。
なんでも、いろんな土地を放浪していた彼らが出会ったのがこの地で、なんやかんやで山を切り開いた結果、この集落が出来上がったのだとかなんとか。
で、お祭りっていうのはそれの再現的なのをするらしい。
男神役と女神役の人が村中を回って、最終的にお社のとこで出会い、一晩明かすことで村の発展を願ったり鎮護してもらったり的な感じ。それがあの大名行列の正体だったらしい。
さて、そこで疑問を抱くのが
今年の主役は私と亜美ってことだったんだけど、どっちが男神役やるんじゃい問題。でも男装するの面白そうだから男神役が良いな。
……って思ってたら、どうやら色々違うらしい。
なんのこっちゃ、とは思うけれどちゃんとした理由があった。
神社には男神と女神を模った像があるらしい。
らしいんだけど、男神さんの像が一部欠けちゃったんだってさ。
なんでも、おちんちんが取れちゃったらしい。
ずいぶん昔の話らしいんだけど、当時は天地がひっくり返ったような騒ぎだったらしい。そりゃそうだ。いわゆる御神体ってやつがそうなったら誰でも焦るわ。
で、そんな状況で誰かが言ったらしい。
これは元から女神と女神であった。
んなバカな、と思うけれど、なんか知らんけど、そのヘンテコ理論が通ったらしい。
起源はどうした。男と女がこの地で出会ってアイラブユーしたんじゃねーのかよ。
って思ったらなんか女と女がアイラブユーした話に塗り替えられたらしい。そんなバカな。
だけどまぁ、それがいつの間にか定着してしまったらしい。
だから今のお祭りは女性と女性が主役なのだとか。
「はぁ」
「はぁて。なんで知らんの」
「いや興味無い……」
「まぁ分かるけど」
亜美の家の方が古い筈だから、祭りの細かいとこまで知ってたのかな。
まぁ起源はどうでもいいや。
「え、じゃあ神社のとこで一晩明かすの?」
「うむ」
「え、ご馳走は⁉︎」
そうなのである。神社に篭もるってことは公民館に行けないってことで、大宴会に参加出来ないってことなのである。
「どんだけ腹ペコキャラなんだし……ウチらの分はお社に運ばれるから安心し?」
じゃあまぁ……いいか……。
って、ちょいまち。
「待って、お社ってあのボロっちいお社? そこで一晩過ごすの?」
「古めかしいとか言ってあげて?」
「汚そうで嫌なんだけど……」
と思ったものの、亜美の話によると、その日に向けてお社は綺麗にされるらしいし、そもそも日頃から綺麗に保たれてるらしい。
じゃあ、まぁ、いいか。
――――――
ってことでお祭り当日。
正装だってんで学校の日でもないのにセーラー服を着て、どこから出してきたのか分からない楽器がドンドコシャンシャン鳴らされながら村を練り歩く。
いつもはこの大名行列の後ろっ側を亜美と一緒にポケーしながら着いてってたけど、今日は一人で先頭。なんか晒し者になった気分で落ち着かない。はよ終われ。
そんな、若干赤面しながら村民を率いていたわけなんだけど、ようやくゴールが見えてきた。
それと同時、向こうから亜美の行列が来るのが見える。
思わず手を振るとあっちもフリフリ返してくれた。そんな亜美もちょっと赤面しているあたり、この状況はやっぱりちょっと恥ずかしかったらしい。
「ようやく終わった……」
「ホントよ……」
合流して思わずタッチする。行列の先頭とかもうやりたくないわ。
その後、神主さんがかしこみかしこみして、皆は解散。公民館でドンチャン騒ぐために移動し始めた。
で、お社には私と亜美とご馳走だけが残された。
うむ。今年のご馳走もおいしゅうございます。ここに住んでるとピザとかめっちゃレアなんすよ。
「しっかしここで朝までとか。スマホ持ってくればよかった」
亜美とおしゃべりするか、用意されてる布団で寝るかしかない。
……ってなことを言ったら、亜美は意味深な笑みを浮かべた。
「朝まで過ごすんだけどさぁ……菜那、お祭りの起源この間言ったじゃん? 男神がどうのって」
「あーうん聞いた聞いた」
ちんちん取れちゃった男の神様でしょ? かわいそ。
「そ。元は男と女だったわけよ」
「まぁそうね?」
「男と女が一緒の部屋で朝まで過ごしてさ……」
そう言って、亜美は至近距離まで近付いてきて、
「何も起こらない筈ないじゃん……?」
そう、私の耳元で囁いた。
いつも見ている亜美の顔が僅かに赤らんでいる。
まつ毛が長くて、綺麗な瞳。
幼馴染という特別な関係を抜きにしても美少女だと思う。
そんな彼女が、私を誘っている。
「……えっちか」
「うむ」
まぁそんな雰囲気知らんけど。
「……えっちなのか」
「うむ」
真剣な表情で、うむ、って言うのやめて。ウケる。
「まーそんな感じでさ、男神役と女神役がえっちしてたんだってさ」
なんちゅー祭りだ。あぁいやでも夜這いとかの文化があった国だし、そういう祭りも有り得るのか。
「で、それが女神役と女神役になったわけじゃん?」
「あーね。そこでそのえっち文化無くなったわけだ」
「いや?」
「あ?」
だから至極当然な回答をしたのだけれど、亜美はそれを否定した。
そしてまた至近距離まで近付いてきて、
「女同士でえっちするんだよ」
そう、私の耳元で囁いた。
いつも見ている亜美の顔が蠱惑的な笑みを浮かべている。
綺麗な瞳が潤んでいて、表情も高揚している。
幼馴染、という特別な関係。
そんな彼女が、私を誘っている。
「……えっちか」
「うむ」
まぁそんなの知らんけど。
「……えっちなのか」
「うむ」
真剣な表情で、うむ、って言うのやめて。ウケる。
「まーでもさ、そんな時代もあったらしいよ?」
「はーマジか」
「という訳でえっちしようぜ」
「なんでじゃ」
自然な流れでなんてこと言うの。
「え、だってさ、私達お年頃じゃん」
「お年頃て」
アレか? 性的なことに興味津々的なサムシングのことか?
「でさ、タメの男とかいないじゃん」
「おらんねぇ」
亜美が何を言いたいかは予測出来んでもない。下界の学校とかに行かない限り、この限界集落にいる限りは同年代の彼氏とか絶対作れないって話。
つまり、男女の営みが出来ないから女同士でえっちしようぜ、ってことなんだろう。
「お風呂一緒に入ってる仲だし、イケるって」
「なにがイケるんじゃ」
まぁ確かに、今でも泊まりに行った時に一緒入ったりしてるけれども。
「なんだよー、セックスしようぜー」
そう言って亜美はジタバタし始めた。子供か。
「菜那のちっぱいもみもみしたいのにー」
「ぶっころすぞ」
これから大きくなるんだよ、ほっとけ。
「え、ちなみにどこまで本気なの」
亜美がアホなのは今に始まったことじゃないけど、今回のはちょっとノれない。
だから聞いてみたんだけど、
「んあー、半分くらい?」
とまぁ、なんとも反応に困る数値が返ってきた。
「セックス、興味あんじゃん」
「まぁ……」
「という理由が四分の一くらいで」
それが半分じゃなかったんかい。
「菜那のことが好きだから、かな」
「……は?」
突然、亜美は、あっけらかんと、そう、言い放った。
「あ、違う違う。レズ的な好きじゃなくてさ」
「あっはい」
思わずその言葉に硬直していると、亜美は慌てたようにして私の懸念を否定した。
「んーなんだろ。幼馴染として、さ。なんでも知ってるわけじゃん」
「まぁ……」
それこそお風呂一緒に入る仲なわけだし。
「だからかな。菜那なら良いかなって」
そう言って亜美は、へにょり、と笑った。
その笑顔に、ちょっとだけ、絆されそうになる。
「という訳でセックスしようぜ!」
まぁ一瞬で呆れたわけですが。
「アホ言ってないで寝よ」
「寝るカッコ意味深しようぜー」
「やかまし」
なので部屋の端っこから用意されてた布団を引っ張り出す……って嘘でしょなんで一組しかないのこの布団。
「あ、慣例で一緒の布団に寝るんだって」
マジかよ。どこまでお膳立てされているんだこの状況は。
「亜美も気になるでしょーセックスー」
「いやそりゃ気になるけどさぁ……」
「相手がどこぞの馬の骨よりも私の方が良いでしょー?」
「まぁ、そりゃ……」
「だからセックスしよう」
だから、て。
うーむ。うーーーーーむ。
互いの裸とかはもう見慣れている。亜美のおっぱいの方が少し大きいだとか、そのくせあそこの毛は生えていないだとか、そういうのは知っている。
知っているけれど、えっちする、となるとどうだろう。
「お試し、お試しでやってみよ?」
「お試して」
亜美とシているところを想像する。
……いや想像出来ない。よく分からない。
「……なんで私とセックスしたいのさ」
だから、亜美の考えがうまく理解出来ないから、そう聞いてみた。
「え、なんか楽しそうじゃん?」
だけど亜美は、あっけらかんと、そう言い放った。
楽しそうて、なんだそれ。思わず力が抜けてしまう。
「セックスってそういうもんだっけ?」
「そういうもんじゃない? 知らんけど」
「知らんのかよ」
「知らない知らない。だからしてみよ?」
「だから、の使い方合ってんのか」
「合ってる合ってる」
とくん、とくん、と自分の鼓動が大きくなっていくのを感じる。
色々言っているけれど、楽しそう、という言葉がどうもしっくりきすぎて、こっちもそう思ってしまう。
確かに、亜美となら、面白そう。
ケラケラと笑っている亜美。そこに邪な想いは見受けられない。
恋情……は少しあるのかもしれない。だけどそれはお互い様。大切な幼馴染だし。
だから、これからスることに対してすごくウキウキしているようにしか見えない。
……じゃあ……まぁ……
「条件がある」
「お、その気になった?」
「胸には触んな」
「えええええええええええええええ!」
「いや痛いじゃん。お互いに」
「そんなぁ。いやそうだけどぉ」
「はいじゃあそういうことで」
「ぶーぶー」
ん、これで後に引けない。
決めちゃった。亜美とえっちするって決めちゃった。
「むー。おっぱい触れないとなると……」
ドキドキする。これからする行為にどうしようもなくドキドキしてしまう。
「……キスから?」
だから、心臓が一際大きく、跳ね上がった。
無音のお社の中、亜美がこちらに近付いてくる。
今から始まるのはえっちごっこ。愛の無い、セックスの紛い物。だけど確かに親愛はある、睦みごと。
「……っ」
優しく、肩に手が置かれる。
もう至近距離。
いよいよ、始まる。
「…………」
「…………」
んだけど、色々止まった。
「……どうした亜美」
「うむ」
うむじゃねーよ。
「……日和ったか」
「うむ」
真剣な表情で、うむ、って言うのやめて。ウケる。
「いや、だってほら、ちゅーとかハードル高いじゃん」
「いやそっちがするって言ったんだろ」
妖しい空気がどこかに行ってしまった。これじゃムードが無さ過ぎる。いやムードがあれば良いというわけではないのだけれど。
「おのれ……」
なんか超悔しそうにしてるし。どんだけ。
「オーケーオーケー、もう一回いこう」
「あ、結局するんだ」
てっきりもう諦めたかと思った。
だけど亜美はガッと私の両肩を掴んできて、本気の表情でこちらを見つめてきて、
「南無三……!」
その掛け声はどうなの。
……勢いよく、こちらに近付いてきて、
「んごっ⁉︎」
「んがっ⁉︎」
ガヅン!という衝撃が発生した。
「おおおごごごごごご」
そして唇を抑えながら呻く我々。
「超痛い……!」
何が起こったかなんて明白。
亜美が急接近し過ぎて、両者の距離がゼロどころかマイナスになって、唇という緩衝材越しに歯とかがゴッツンコ。
すなわち超痛い。
「バカ亜美……!」
「ごめんて……!」
そして二人でのたうち回ってる。なんだコレ。さっきまでの妖しい空気とか覚悟した空気とかマジでどこいったの。
「オーケーオーケー、もう一回いこう」
「この流れで⁉︎」
いやマジでどういうことなの。諦めるとこじゃないのかそこは。
「大丈夫、次はちゃんと出来る気がする」
「気がする⁉︎」
待って待って待って。嫌な予感しかしないんだけど。
だからガシッとこちらの両肩を掴んでくる亜美に抵抗しようとしたのだけれど、
「いざ南無三……!」
だから掛け声。
……今度はゆっくりと近付いてきて、
「ん……」
柔らかい感触を、唇で感じた。
「……へへ」
それは、一瞬のこと。
先程のように後を引きまくる衝撃ではなく、溶けゆくような感触。
「どうよ」
ドヤ顔の亜美が超至近距離で笑う。でもちょっとだけ恥ずかしそう。
……どう、と言われても。
「痛くなかった」
「いやそういうのじゃなくてですね」
キスは痛いもの、とかいうトラウマが刻まれなくて良かったです。
しかしキス。キスなぁ。
実は亜美とキスしたのは初めてじゃない。
小さい頃に、こう、コミュニケーションの一環でちゅーとかしたことがある。だからファーストキス云々とかはない。
ないんだけど、ガチのキスっていうのは初めて。
だから、どうと言われると、
「……よく分かんない」
「ウケる」
となる。一瞬過ぎだったし。
そんな曖昧な回答がツボったのか亜美はケラケラ笑って、そのままおでこをコツン、と私のおでこに触れさせた。
「じゃあさ、分かるまでやってみようぜぃ」
そして、さも楽しそうにそう囁いてきた。
ドキドキする。
さっきとは比にならないくらいドキドキする。
これから始まってしまうという予感がする。
冗談抜きで、キスが、始まってしまう。
「……っ」
だから私は、おでこを離して、少しだけ上を向いて、いわゆるキス待ちの体勢になってやった。
これで、ぷぷー本気にしてやんのー、とか言い始めたら本気で殴る蹴るの暴力を振るってやる。
「ちゅ……」
だけど、そんなふざけた言葉は発せられなくて、啄むような音が、小さく響いた。
「ん……」
一瞬柔らかい感触が走って、その次の瞬間にはやっぱり柔らかい感触が唇に触れてきた。
接触が、暫く続く。
その感触は少しだけ震えていて、とくん、とくん、と亜美の鼓動が伝わってくるような気がする。
けれどそれは決して嫌なものではなく、むしろ、
「は……んぅ……」
何度も、して欲しいと思ってしまうような、そんな感触。
「ちゅ……ちゅ……ちゅ……」
離れて、今度は啄むようなキスが何度も繰り返される。
接触ごとに、頭がぽわっとする。表現できない柔らかな衝撃が走る。
「っ⁉︎」
だから、私からも亜美の両肩に手を置いた。
「ちゅぅっ……ん……は、んん……」
少し、キスが強くなった気がする。
たぶん、亜美も、私も、少し、興奮している。
だって、少しだけ目を開くと、亜美もぽおっとした顔をしながら必死にキスしてきている。
「んっ……」
だから、今までよりも少しだけ深い接触になって、
「ちゅむ……」
今までよりも、深い場所で繋がり始めた。
「んぅっ……ちゅ、じゅる……んむぅっ……」
柔らかく、熱をもった場所で触れ合う。
身体の外側じゃなく、内側。
「っは……は、んんっ……ちゅむっ……」
頭が、沸騰しそう。
唇を触れ合わせるのとは全然違う、能動的に絡め合わせるという行為。
とろとろで、熱くて、えっちで、気持ちよくて、そう、気持ちいい。
「んっ、んっ、ちゅっ、ちゅぷっ……!」
だから、もっとしたくなる。
私も亜美も、いつの間にか抱きしめ合ってた。もっと深くキスしたくて、もっともっと、繋がり合いたくて。
「っは! 菜那ぁ……はぁ、んっ……!」
息継ぎの瞬間さえ、求め合う。互いの名前を呼び合って、心でも繋がり合う。
そしてその後は、また深く繋り合う。
「じゅぷっ……はむ、んっちゅぅ……!」
身体が熱くなる。頭が熱くなる。心が熱くなる。
もう亜美のことしか考えられない。亜美とえっちすること以外考えられない。
「ちゅむっ……んっ、ちゅぷっ……!」
もじもじしてしまう。発情しているのが自分でも分かる。今すぐ気持ちいいことをしたい、と身体が叫んでいる。
でもそれは亜美も一緒。私の腕の中でもじもじしている。何かを求めて、身体を揺らしている。
「っぷあ! はっ……はっ……は……!」
だから、唇を離したのは一緒のタイミングだった。
「菜那ぁ……ちゅっ……ちゅっ……!」
いや、離せなかった。
互いの瞳を見つめ合いながら、何度も何度も唇を啄み続け、必死に何かを相手に訴え続ける。
「ぁ……」
だから、強く抱き締めていたのを、少し緩めた。
「ちゅ……は、ぁぁ……んぅ……」
そのまま、両手を使って亜美の髪を、衣服越しに背中を撫でる。
ぴくん、ぴくん、と反応しているあたり、かなり身体が敏感になっている。
「ふぁ……んっ……んっ……」
だけどそれはこっちも一緒。亜美から撫でられる度にゾクゾクが止まらなくて、思わず身体を跳ねさせてしまう。
だから、気持ちよくなりたいからこうして欲しい、というのを亜美に送り込む。
「は、ぁ……菜那……ちゅ……」
だんだん、撫でる範囲が広がっていく。
初めは髪とか肩とか、上半身に寄っていたその動きが、だんだん下の方へと移動していく。
背中から、腰へ。
腰から、お尻の付け根へ。
「んっ……ふ、ぁ……んっ、んっ……」
そして、お尻。
さわさわと、丸みを確かめるようにして優しく触れて、でもすぐに耐えれなくなって優しく、少しだけ、揉み込む。
「ちゅむっ……んっ、は……はぁ、ん……」
爆発しそうになる。よく分からないものが弾けてしまいそうになる。
だから触れ合うし、絡め合うし、撫で合うし、揉み合う。
「はっ……はっ……はっ……!」
だから、もう耐えられない。
今まで互いの背中に回していた手を、今、初めて、前の方へと移動させて、
「んく……は……はっ……!」
太ももを撫で、
「ふ……は、ん……はっ……!」
スカートの中へと、手を潜り込ませ、
「ぁ」
「ん」
熱くて熱くてたまらない、そこへと、着地した。
「……菜、那」
「……亜美」
そこから、動けない。
視線を合わせて、ここから先はシャレにならない、と伝え合う。
「ふあっ!」
「あんっ!」
だけど、そんなの一瞬だった。
「ぁっ……あ……あっ……!」
「ん……ぁっ……んっ……!」
キスという名のえっちごっこによって炙られ続けていた私達が、気持ちよくなりたくて辛抱堪らなかった私達が、シャレにならない、なんて理由でえっちしない筈がなかった。
「あっ……菜那、それ、いいっ……!」
「亜美……んんっ……そ、こぉ……!」
だから、気持ちよくなれる場所を、指先でくにゅくにゅと転がし始めた。
見えないスカートの中、初めて触る他人のそこ、なんて関係なかった。
何色かも分からない下着。その中で一際硬くなっている場所なんて、一番気持ちよくなれる場所なんて、一瞬で分かったに決まっている。
「はぁあっ……! んっ! あぁっ……!」
「あっ、んんっ……! あっ、んっ……!」
キスとも前戯とも違う、明確な快感があそこから全身を駆け巡る。これが欲しかったんだ、って身体が歓喜の声をあげる。
恥ずかしい声が聞かれる、なんて気持ちはなかった。
気持ちいいから仕方ない、当然、当たり前、だから恥ずかしくなんてない。
「ひあっ! あっあっぁっ、んっ……!」
「ふあっ! んっ、はぁ、ああっ……!」
蒸れて熱くなっているお股の間で、お互いの指が激しく動く。
最初はぎこちなかった動きも今では一切迷いがない。まるでオナニーしているかのような、完全にこなれた動きで気持ちいいのをお互いに送りあっている。
「あぁっ……! んっ、んっ、んっ!」
「あっんっ、んあっ……! あんっ!」
あそこを中心にして円を描くような動きを送り込む。
あそこを中心にして横に往復する動きが送り込まれる。
自分がオナニーする時、それが一番気持ちよくなれる方法だと信じているからこそ、最適な愛撫を相手に叩きつける。
「菜那っ! ああっ! ななぁっ!」
「んぅっ! 亜美っ! あみぃっ!」
だから目なんて、表情なんて蕩けに蕩けていた。
知っている筈の気持ちいいのが、知らないされ方で気持ちよくされて気持ちいいのが止まらない。気持ちよくするのが止まらなくて、お互い気持ちよくなりたいから止まれない。
「きもちっ、いいっ! んぁあっ!」
「あっ! ぁっ、あっ、あっあっ!」
くにゅくにゅとあそこが捏ねくり回されて、あそこを捏ねくり回す。
そこを弄る、といういつもと同じ行為の筈なのに、いつもと全然違う、いつもよりもずっと気持ちいいのがあそこから頭に突き抜けてくる。
「んぅぅあっ! ああっ! ああっ!」
「ひうっ! んっ! んっ! あっ!」
下着が冷たいのに、あそこがずっと熱い。
一部分だけじゃない。お腹の奥までずぅっと熱くて、全身が熱くて、頭が熱くて、もう訳が分からない。
分かるのは、今までで一番気持ちいいってこと。
「あっ! ななっ! ぁっあっあぁっ!」
「あ、みぃっ! んぅっ! んんあっ!」
だから、それが来るのなんて、すぐ。
お互いの目が潤んで、もう限界だって泣いている。
お互いの身体が跳ねて、気持ちよくなりたいって叫んでいる。
お互いの指の動きが早まって、一緒にいこうねって喚いている。
亜美の腰が、私の腰がびくびくと暴れて、でもこの気持ちいいのを逃したくないとばかりに充てがわれている指にぐりぐり押し付けて、もっと、もっとちょうだいって浅ましい欲求をお互いに叩きつけ合っている。
「ああっ! ああっ! ああっ!」
「あみっ! んあっ! ああっ!」
だからもう限界。
一番気持ちいいのが来る。逃れようのないものが、ううん違う、逃げるだなんて嘘、一直線にそこ目指して気持ちよくなる。
強める、なんてことしない。今が一番気持ちいい状態って知っているから、一番気持ちいいのだけ送り込む。
それは亜美も一緒。一番気持ちいいのだけをくれて、あそこも、お腹の奥も、頭も、全部気持ちいい。
もっと。もっと。もっとほしい。
でもくる、きちゃう、もうくる。
気持ちいいのが、一番気持ちいい瞬間がくる。待ちかねていたその瞬間が、くる。
だから、ぎゅっと目を瞑ったのは同時だった。
「ああっあぁぁぁぁああああっ‼︎」
「んんぁぁあっあっああぁあっ‼︎」
びくん、とお互い跳ねたのが分かった。
未だに動きを止めない指先から身体が何度も大きく震えてるのが伝わってくる。
「ああっ‼︎ あんっ‼︎ んぅっ!」
「ひあっ‼︎ あぅっ‼︎ んんっ!」
震えと同時に、気持ちいいのを絞り出すようにして声が漏れる。
震えと同時に、閉じた視界の中でなにかがパチパチと煌めくのを感じる。
震えと同時に、下着がどんどん冷たくなっていくのを感じる。
だけど私達は指先の動きを止めない。一番気持ちいいのをずっと味わっていたくて、あそこから指を離さない。
「ななぁ……」
「あ、み……」
だから、私達はもっと求める。
一番気持ちいいのを味わいながら唇を重ね、どこまでも、どこまでも気持ちいいを味わいつくした。